2013/07/01(月) - 08:27
「土井さんがアタックしたときは終わったと思った」と言う畑中勇介(シマノレーシング)。4分差のメイン集団から追い上げさらにいったんは離された土井雪広(チーム右京)らを下して優勝。女子は吉川美穂(Team ASAHI)、ユースは伊藤舜紀(ボンシャンス)が優勝。
積極的なレース展開のユースは伊藤舜紀(ボンシャンス)が制する
輪翔旗杯の次にステータスの高い西日本ロードが、6月29、30日に広島県中央森林公園で行われた。初日はJユースツアー第2戦としてYクラスを実施。これは18歳以下の実業団登録者対象。クラブチームはもちろん、大学の学連と同じく、高体連所属校でも高校単位で登録すれば出場可能だ。
1周目からアタックのかかるユース。2周目に三好匠(ボンシャンス)が先行すると、メイン集団からアタックした中学3年生の大町健斗(チームサイクルプラス)そして伊藤舜紀(ボンシャンス)が合流して3人に。そして最終周回の4周目、上りでの攻防から抜け出したのは伊藤。ゴールまで逃げ切って優勝。
女子は吉川美穂(Team ASAHI)が制する
1周目の上りで5人となった女子。2周目の上りで針谷千紗子(BLITZSCHLAGE)がペースを上げると吉川が離れるが下りを経て追いつく。そして最終の3周目、上り頂上手前でアタックしたのは豊岡英子(パナソニックレディース)。そのまま独走と思われたが下りで吉川が合流。直線勝負を吉川が制した。
なお2日目最初のレース、E2クラスのスタート前に、1週間前に急逝した青木亮太氏(チームFITTE)に全員で黙祷を捧げた。青木氏と親交のあった中学3年生の黒澤虎南(VC Fukuoka)はE2で2位に入る健闘を見せた。
狩野智也(チーム右京)のアタックで8人の逃げが決まる
P1クラスは116名が出走、12周147.6kmのレース。1週間前の全日本ロード出場者が大半。多くの選手がいまだにその疲労が残ると口にする。それほどにハードな全日本だったが、それでも実業団ステータスの高いこのレースで結果を残さねばならない。
1周目からアタックがかかるが決まらない。チーム右京、EQA U23、シマノレーシングらが活発。3周目に約20人の集団ができ数人が前後する。4周目に狩野のアタックをきっかけにペースアップ、中村誠(宇都宮ブリッツェン)もアタックに加わって8人の逃げが完成。
狩野、阿部嵩之、山下貴宏(チーム右京)、紺野元汰(湘南ベルマーレ)、内野直也(EQA U23)、入部正太朗(シマノレーシング)、中村、原川浩介(キャノンデール・チャンピオンシステム)で、チーム右京は3名を送り込む。さらに安原大貴(マトリックスパワータグ)、椿大志(EQA U23)も加わり10名に。
ペースアップのメイン集団から畑中らが抜け出す
主要チームの入った逃げのため、メイン集団を積極的に引くところが少なくタイム差は最大4分にまで拡大する。9周目からメイン集団はシマノレーシング、宇都宮ブリッツェンらが先頭に立ちペースアップ。やがて各チームも協力し、1周で1分を詰めていく。先頭からは数名が下がり、いっぽうで急激なペースアップのメイン集団は人数を10人ほどにまで減らす。
11周目、先頭の狩野、阿部、山下、紺野、内野に畑中、土井、寺崎が追いつき先頭は8名に。さらに鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)らが追走。最終周回の下り区間で鈴木らが合流、先頭は12名になる。上り区間で寺崎がアタック、これに畑中と土井が反応して3人に。さらに土井がアタックして引き離す。土井有利と思われたが畑中と寺崎が土井に追いつき勝負はゴールスプリントへ。これを畑中が制して優勝。
チームにとっても貴重な勝ち星を挙げた畑中は「最後に土井さんがアタックしたとき、足が攣っていてもう終わったと思った。自分でもまさか追いつくとは」と語る。全日本ロードの疲れが残り、続いての移動などで休む間もなかったが、勝利の原動力は妻の絹代さんとの間に生まれた愛娘。「だから絶対に勝ちたかった」と続ける。チームでは西村の動きも大きく貢献した。
レースを常に支配したのはチーム右京。逃げに3人送り込みその後も先手を打つ、その中心は狩野。この日の狩野は何度でもアタックを繰り出す破壊力を見せた。2位の土井もまた全日本ロードの疲れが残っていた。そこでは幾度も嘔吐を繰り返し、全日本チャンピオンの意地だけで完走したそのダメージは1週間程度では回復しない。それでも「今日はチームの若手に勝たせたかった」と語る。
結果
P1 147.6km
1位 畑中勇介(シマノレーシング)3時間48分04秒
2位 土井雪広(チーム右京)+01秒
3位 寺崎武郎(EQA U23)+03秒
4位 鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)+31秒
5位 西村大輝(シマノレーシング)
6位 秋丸湧哉(EQA U23)+33秒
7位 内野直也(EQA U23)+34秒
8位 山下貴宏(チーム右京)
9位 才田直人(Peugeot Neilpryde Lacasse - Pro Cycling Team)+39秒
10位 普久原奨(宇都宮ブリッツェン)+52秒
F 36.9km
1位 吉川美穂(Team ASAHI)1時間05分46秒
2位 豊岡英子(パナソニックレディース)+13秒
3位 坂口聖香(パナソニックレディース)+17秒
Y 49.2km
1位 伊藤舜紀(ボンシャンス)1時間21分05秒
2位 大町健斗(チームサイクルプラス)+18秒
3位 三好匠(ボンシャンス)+26秒
E1 61.5km
1位 金子大介(ボンシャンス)1時間34分23秒
2位 中西重智(岩井商会レーシング)
3位 加藤司馬(湘南ベルマーレクラブ)+01秒
4位 菅籐貴昭(航空電子自転車競技部)
5位 山根理史(チームスキップ)+02秒
6位 大町健斗(チームサイクルプラス)
E2 49.2km
1位 浅尾銀二(ボンシャンス)1時間15分40秒
2位 黒澤虎南(VC Fukuoka)+01秒
3位 安藤祐貴(トンデモクラブCSKAGA)
4位 小林契(スミタ・ラバネロ)
5位 今西禎(GRUPPO ACQUA TAMA)
6位 松井大悟(トンデモクラブCSKAGA)
E3 36.9km
1位 木村太郎(Blue Grass)56分55秒
2位 本田博(チーム・Y)
3位 榧野尚樹(Team Axion)
4位 川島啓道(徳島サイクルレーシング)
5位 坂東克浩(ユニヴェール)+01秒
6位 高堰竜馬(Nasu Fan Club)
photo&text:高木秀彰
積極的なレース展開のユースは伊藤舜紀(ボンシャンス)が制する
輪翔旗杯の次にステータスの高い西日本ロードが、6月29、30日に広島県中央森林公園で行われた。初日はJユースツアー第2戦としてYクラスを実施。これは18歳以下の実業団登録者対象。クラブチームはもちろん、大学の学連と同じく、高体連所属校でも高校単位で登録すれば出場可能だ。
1周目からアタックのかかるユース。2周目に三好匠(ボンシャンス)が先行すると、メイン集団からアタックした中学3年生の大町健斗(チームサイクルプラス)そして伊藤舜紀(ボンシャンス)が合流して3人に。そして最終周回の4周目、上りでの攻防から抜け出したのは伊藤。ゴールまで逃げ切って優勝。
女子は吉川美穂(Team ASAHI)が制する
1周目の上りで5人となった女子。2周目の上りで針谷千紗子(BLITZSCHLAGE)がペースを上げると吉川が離れるが下りを経て追いつく。そして最終の3周目、上り頂上手前でアタックしたのは豊岡英子(パナソニックレディース)。そのまま独走と思われたが下りで吉川が合流。直線勝負を吉川が制した。
なお2日目最初のレース、E2クラスのスタート前に、1週間前に急逝した青木亮太氏(チームFITTE)に全員で黙祷を捧げた。青木氏と親交のあった中学3年生の黒澤虎南(VC Fukuoka)はE2で2位に入る健闘を見せた。
狩野智也(チーム右京)のアタックで8人の逃げが決まる
P1クラスは116名が出走、12周147.6kmのレース。1週間前の全日本ロード出場者が大半。多くの選手がいまだにその疲労が残ると口にする。それほどにハードな全日本だったが、それでも実業団ステータスの高いこのレースで結果を残さねばならない。
1周目からアタックがかかるが決まらない。チーム右京、EQA U23、シマノレーシングらが活発。3周目に約20人の集団ができ数人が前後する。4周目に狩野のアタックをきっかけにペースアップ、中村誠(宇都宮ブリッツェン)もアタックに加わって8人の逃げが完成。
狩野、阿部嵩之、山下貴宏(チーム右京)、紺野元汰(湘南ベルマーレ)、内野直也(EQA U23)、入部正太朗(シマノレーシング)、中村、原川浩介(キャノンデール・チャンピオンシステム)で、チーム右京は3名を送り込む。さらに安原大貴(マトリックスパワータグ)、椿大志(EQA U23)も加わり10名に。
ペースアップのメイン集団から畑中らが抜け出す
主要チームの入った逃げのため、メイン集団を積極的に引くところが少なくタイム差は最大4分にまで拡大する。9周目からメイン集団はシマノレーシング、宇都宮ブリッツェンらが先頭に立ちペースアップ。やがて各チームも協力し、1周で1分を詰めていく。先頭からは数名が下がり、いっぽうで急激なペースアップのメイン集団は人数を10人ほどにまで減らす。
11周目、先頭の狩野、阿部、山下、紺野、内野に畑中、土井、寺崎が追いつき先頭は8名に。さらに鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)らが追走。最終周回の下り区間で鈴木らが合流、先頭は12名になる。上り区間で寺崎がアタック、これに畑中と土井が反応して3人に。さらに土井がアタックして引き離す。土井有利と思われたが畑中と寺崎が土井に追いつき勝負はゴールスプリントへ。これを畑中が制して優勝。
チームにとっても貴重な勝ち星を挙げた畑中は「最後に土井さんがアタックしたとき、足が攣っていてもう終わったと思った。自分でもまさか追いつくとは」と語る。全日本ロードの疲れが残り、続いての移動などで休む間もなかったが、勝利の原動力は妻の絹代さんとの間に生まれた愛娘。「だから絶対に勝ちたかった」と続ける。チームでは西村の動きも大きく貢献した。
レースを常に支配したのはチーム右京。逃げに3人送り込みその後も先手を打つ、その中心は狩野。この日の狩野は何度でもアタックを繰り出す破壊力を見せた。2位の土井もまた全日本ロードの疲れが残っていた。そこでは幾度も嘔吐を繰り返し、全日本チャンピオンの意地だけで完走したそのダメージは1週間程度では回復しない。それでも「今日はチームの若手に勝たせたかった」と語る。
結果
P1 147.6km
1位 畑中勇介(シマノレーシング)3時間48分04秒
2位 土井雪広(チーム右京)+01秒
3位 寺崎武郎(EQA U23)+03秒
4位 鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)+31秒
5位 西村大輝(シマノレーシング)
6位 秋丸湧哉(EQA U23)+33秒
7位 内野直也(EQA U23)+34秒
8位 山下貴宏(チーム右京)
9位 才田直人(Peugeot Neilpryde Lacasse - Pro Cycling Team)+39秒
10位 普久原奨(宇都宮ブリッツェン)+52秒
F 36.9km
1位 吉川美穂(Team ASAHI)1時間05分46秒
2位 豊岡英子(パナソニックレディース)+13秒
3位 坂口聖香(パナソニックレディース)+17秒
Y 49.2km
1位 伊藤舜紀(ボンシャンス)1時間21分05秒
2位 大町健斗(チームサイクルプラス)+18秒
3位 三好匠(ボンシャンス)+26秒
E1 61.5km
1位 金子大介(ボンシャンス)1時間34分23秒
2位 中西重智(岩井商会レーシング)
3位 加藤司馬(湘南ベルマーレクラブ)+01秒
4位 菅籐貴昭(航空電子自転車競技部)
5位 山根理史(チームスキップ)+02秒
6位 大町健斗(チームサイクルプラス)
E2 49.2km
1位 浅尾銀二(ボンシャンス)1時間15分40秒
2位 黒澤虎南(VC Fukuoka)+01秒
3位 安藤祐貴(トンデモクラブCSKAGA)
4位 小林契(スミタ・ラバネロ)
5位 今西禎(GRUPPO ACQUA TAMA)
6位 松井大悟(トンデモクラブCSKAGA)
E3 36.9km
1位 木村太郎(Blue Grass)56分55秒
2位 本田博(チーム・Y)
3位 榧野尚樹(Team Axion)
4位 川島啓道(徳島サイクルレーシング)
5位 坂東克浩(ユニヴェール)+01秒
6位 高堰竜馬(Nasu Fan Club)
photo&text:高木秀彰
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