2013/06/17(月) - 16:51
2km地点からホセ・ビセンテ(チーム右京)とブリヂストンアンカー3人の対決となった富士山。攻撃を仕掛けるアンカー勢に耐え、一発で勝負を決めたのはホセ。栂池の雪辱を果たした。
前週の栂池に続いてJプロツアーのヒルクライム連戦の2戦目はふじあざみライン。日本を代表する激坂として名高いコース。距離11.4kmで標高差1200mを上るもので特に中間点過ぎから3kmほどは18%勾配が続く。
前週の栂池ヒルクライムの覇者はダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)。ブリヂストンアンカー4人とチーム右京2人の対決で、周到な準備もあいまってブリヂストンアンカーに軍配が上がった。チーム右京は本大会へ土井や狩野智也は出場せず、先頭ではホセだけで戦うことが予想された。
このふじあざみラインのコースは5月に行われたツアー・オブ・ジャパン(TOJ)の富士山ステージと同じ。今年はそこで39分47秒のコースレコードが出た。日本人及びJプロツアー記録は、2010年に森本誠(現 キャノンデール・チャンピオンシステム)が出した42分11秒。
午前10時、P1クラス109名がスタート。例年ならば全日本選手権ロードの前週に開催されるこの富士山を回避する選手もいた。だが今年の全日本のコースを考えると、この富士山に出場して調子を見るのもひとつだ。
スタート直後からルビーレッドジャージのホセが集団の先頭を引く。アタックも無く速めのペースで進む。やがて伊丹健治(ブリヂストンアンカー)も先頭に。そして1.5km地点でヴァンサン・カナール(ブリヂストンアンカー)が抜け出す。
しかしホセが引く集団がカナールを吸収、2km地点ではホセ、カナール、モニエ、トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)の4人が先頭に。早くも序盤からホセ対アンカー3人の戦いに。ホセが先頭に立って一定ペースで上り続ける。
6km地点でカナールがアタック、続いてモニエが抜け出してホセにプレッシャーを掛ける。この動きでルバは後退する。激坂区間でモニエが先頭に立ち、カナールそしてホセが続くが、ホセは一定ペースで追い上げる。先頭のモニエに次第に近づくホセ。しかし急勾配のため目の前に見えていても追いつかない。
ラスト2km、ついにホセがモニエに並び、そして踏み込むとモニエが下がっていく。すぐに差が開きここからゴールまでホセの独走が始まる。ホセはペースを落とさず40分52秒で優勝。Jプロツアーの大会記録だ。日本人は5位に池部壮太(マトリックスパワータグ)、6位に清水都貴(ブリヂストンアンカー)らが入った。
スタートからそして2km地点からアンカー勢を従えて先頭を走ったホセ。「自分のペースで登れば集団は絞られるはず」と自分の力を信じて走った。前週の栂池では最後までモニエと走りながらも、コース下見という準備の差で負けた感のあったホセ。卓越したヒルクライム能力を見せた。
多くの上位陣がTOJでのタイムを下回る中、5位の池部は1分20秒縮めてきた。「ワット数を見ながら走った」という池部は素晴らしい走りでU23リーダーに。U23年代では岩井航太(プジョー・ニールプライド・ラカッセ)、城田大和(宇都宮ブリッツェン)らが上位に。肘を骨折していた鈴木譲(シマノレーシング)も単独参加ながら10位と復調を見せている。
結果
P1
1位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)40分52秒
2位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)+1分03秒
3位 ヴァンサン・カナール(ブリヂストンアンカー)+1分32秒
4位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)+2分49秒
5位 池部壮太(マトリックスパワータグ)+3分00秒
6位 清水都貴(ブリヂストンアンカー)+3分28秒
7位 岩井航太(プジョー・ニールプライド・ラカッセ)+3分40秒
8位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)+3分47秒
9位 山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)+4分05秒
10位 鈴木譲(シマノレーシング)+4分12秒
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(チーム右京)
U23リーダー 池部壮太(マトリックスパワータグ)
F
1位 西加南子(LUMINARIA)59分52秒
2位 鈴木梢(湘南ベルマーレクラブ)+2分59秒
3位 棟近陽子(EURO-WORKS Racing)+6分22秒
E1
1位 若松達人(GRUPPO ACQUA TAMA)45分22秒
2位 原純一(竹芝サイクルレーシング)+1分37秒
3位 片岡真之介(Beach Racing)+2分17秒
4位 足立智弘(クラブGiro)+2分35秒
5位 鈴木亮(チーム右京Reve)+2分48秒
6位 河合玄太(リベルタスTOCHIGI BICYCLECLUB)+2分58秒
E2
1位 渡辺友一(HIRAKO.mode)48分51秒
2位 奥森正浩(竹芝サイクルレーシング)+1分50秒
3位 宮崎隼(GRUPPO ACQUA TAMA)+2分00秒
4位 永瀬勝彬(イナーメ信濃山形-FET)+2分10秒
5位 大野直樹(ADON Cycling Team)+2分11秒
6位 徳永易丈(チーム大永山)+2分17秒
E3
1位 小野寺怜(JBCF J-Youth)49分15秒
2位 熊田哲也(エルドラード・エスペランサ)+17秒
3位 小野瀬優哉(湘南ベルマーレクラブ)+50秒
4位 佐藤敬哉(じてんしゃの杜)+1分36秒
5位 佐藤秀和(サイクルフリーダム レーシング)+1分40秒
6位 星野貴大(RITCHEY BREZZAカミハギRT)+1分41秒
photo&text:Hideaki TAKAGI,Haruo FUKUSHIMA
前週の栂池に続いてJプロツアーのヒルクライム連戦の2戦目はふじあざみライン。日本を代表する激坂として名高いコース。距離11.4kmで標高差1200mを上るもので特に中間点過ぎから3kmほどは18%勾配が続く。
前週の栂池ヒルクライムの覇者はダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)。ブリヂストンアンカー4人とチーム右京2人の対決で、周到な準備もあいまってブリヂストンアンカーに軍配が上がった。チーム右京は本大会へ土井や狩野智也は出場せず、先頭ではホセだけで戦うことが予想された。
このふじあざみラインのコースは5月に行われたツアー・オブ・ジャパン(TOJ)の富士山ステージと同じ。今年はそこで39分47秒のコースレコードが出た。日本人及びJプロツアー記録は、2010年に森本誠(現 キャノンデール・チャンピオンシステム)が出した42分11秒。
午前10時、P1クラス109名がスタート。例年ならば全日本選手権ロードの前週に開催されるこの富士山を回避する選手もいた。だが今年の全日本のコースを考えると、この富士山に出場して調子を見るのもひとつだ。
スタート直後からルビーレッドジャージのホセが集団の先頭を引く。アタックも無く速めのペースで進む。やがて伊丹健治(ブリヂストンアンカー)も先頭に。そして1.5km地点でヴァンサン・カナール(ブリヂストンアンカー)が抜け出す。
しかしホセが引く集団がカナールを吸収、2km地点ではホセ、カナール、モニエ、トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)の4人が先頭に。早くも序盤からホセ対アンカー3人の戦いに。ホセが先頭に立って一定ペースで上り続ける。
6km地点でカナールがアタック、続いてモニエが抜け出してホセにプレッシャーを掛ける。この動きでルバは後退する。激坂区間でモニエが先頭に立ち、カナールそしてホセが続くが、ホセは一定ペースで追い上げる。先頭のモニエに次第に近づくホセ。しかし急勾配のため目の前に見えていても追いつかない。
ラスト2km、ついにホセがモニエに並び、そして踏み込むとモニエが下がっていく。すぐに差が開きここからゴールまでホセの独走が始まる。ホセはペースを落とさず40分52秒で優勝。Jプロツアーの大会記録だ。日本人は5位に池部壮太(マトリックスパワータグ)、6位に清水都貴(ブリヂストンアンカー)らが入った。
スタートからそして2km地点からアンカー勢を従えて先頭を走ったホセ。「自分のペースで登れば集団は絞られるはず」と自分の力を信じて走った。前週の栂池では最後までモニエと走りながらも、コース下見という準備の差で負けた感のあったホセ。卓越したヒルクライム能力を見せた。
多くの上位陣がTOJでのタイムを下回る中、5位の池部は1分20秒縮めてきた。「ワット数を見ながら走った」という池部は素晴らしい走りでU23リーダーに。U23年代では岩井航太(プジョー・ニールプライド・ラカッセ)、城田大和(宇都宮ブリッツェン)らが上位に。肘を骨折していた鈴木譲(シマノレーシング)も単独参加ながら10位と復調を見せている。
結果
P1
1位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)40分52秒
2位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)+1分03秒
3位 ヴァンサン・カナール(ブリヂストンアンカー)+1分32秒
4位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)+2分49秒
5位 池部壮太(マトリックスパワータグ)+3分00秒
6位 清水都貴(ブリヂストンアンカー)+3分28秒
7位 岩井航太(プジョー・ニールプライド・ラカッセ)+3分40秒
8位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)+3分47秒
9位 山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)+4分05秒
10位 鈴木譲(シマノレーシング)+4分12秒
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(チーム右京)
U23リーダー 池部壮太(マトリックスパワータグ)
F
1位 西加南子(LUMINARIA)59分52秒
2位 鈴木梢(湘南ベルマーレクラブ)+2分59秒
3位 棟近陽子(EURO-WORKS Racing)+6分22秒
E1
1位 若松達人(GRUPPO ACQUA TAMA)45分22秒
2位 原純一(竹芝サイクルレーシング)+1分37秒
3位 片岡真之介(Beach Racing)+2分17秒
4位 足立智弘(クラブGiro)+2分35秒
5位 鈴木亮(チーム右京Reve)+2分48秒
6位 河合玄太(リベルタスTOCHIGI BICYCLECLUB)+2分58秒
E2
1位 渡辺友一(HIRAKO.mode)48分51秒
2位 奥森正浩(竹芝サイクルレーシング)+1分50秒
3位 宮崎隼(GRUPPO ACQUA TAMA)+2分00秒
4位 永瀬勝彬(イナーメ信濃山形-FET)+2分10秒
5位 大野直樹(ADON Cycling Team)+2分11秒
6位 徳永易丈(チーム大永山)+2分17秒
E3
1位 小野寺怜(JBCF J-Youth)49分15秒
2位 熊田哲也(エルドラード・エスペランサ)+17秒
3位 小野瀬優哉(湘南ベルマーレクラブ)+50秒
4位 佐藤敬哉(じてんしゃの杜)+1分36秒
5位 佐藤秀和(サイクルフリーダム レーシング)+1分40秒
6位 星野貴大(RITCHEY BREZZAカミハギRT)+1分41秒
photo&text:Hideaki TAKAGI,Haruo FUKUSHIMA
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