2013/06/17(月) - 07:42
後半にかけて標高差928mを登るという極端なコースレイアウトが採用されたツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)第9ステージ・個人タイムトライアル。登りを最速で駆け上がったルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)がステージ優勝を飾るとともに、逆転で大会連覇を達成した。
総合争いに決着をつける第9ステージの個人TTは、全長が26.8kmと短いながらも、ゴール手前の10.3kmで標高差928mを駆け上がる厳しいもの。平均勾配9.0%という急勾配の登り「フルームサーベルク」がツール・ド・スイスのフィナーレだ。
前半平坦・後半登りというコースレイアウト。選手たちは前半をTTバイクで走り、登りの手前でノーマルバイクにスイッチするという手法を選んだ。
ディフェンディングチャンピオンで、13秒差の総合2位につけるコスタも例外ではなく、TTバイクでスタートを切り、ノーマルバイクで登りを走る。リーダージャージのマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)を1分56秒引き離す走りで、総合逆転を達成した。
ステージ3位のバウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)が総合2位、ステージ7位のロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)が総合3位でフィニッシュ。23歳のティボー・ピノ(フランス、FDJ)が総合4位という成績を残している。
51分56秒というトップタイムをマークし、今大会ステージ2勝目を飾ったコスタは「今日のタイムトライアルで全てが決まると思っていた。だから先週コースを下見したんだ。本当に厳しいコースだと思った。とにかく登りが長いので、レース途中のバイク交換が必要だという結論に至ったんだ」と言う。「ワット表示に気を配りながら集中して走り、バイク交換も上手く行った。チームカーの監督にライバルとのタイム差を逐一聞きながら走った。僅差の総合争いになると思ったので、全開で登りを走ったのが功を奏したよ」。
コスタはビッグネームを力で抑え込み、大会連覇を達成。初優勝を飾った昨年よりもずっと落ち着いた走りで2度目の大きな勝利を掴んだ。「去年と今年の勝利は全く違う。去年はリーダージャージを獲得するのが早すぎたので、力を浪費してしまった。リーダージャージを着ることで、表彰台や記者会見などで2時間は拘束されてしまい、リカバリーの時間が削られる。その点、今年はフレッシュな状態で最終日まで走ることが出来た。この勝利はセンセーショナルな走りをしてくれたチームメイトと、ポルトガルから駆けつけてくれたファンに捧げたい」。
コスタはツール・ド・フランスでも注目の存在。昨年のツールでコスタはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)の総合20位を上回る総合18位という成績を残している。「ツールを真剣に考える時期に差し掛かっている。危険な1週目を無事に終えることが最初の目標。モビスターは最強チームの一つだと自負しているし、チームの士気も上がっている。個人的には、来週のスペイン選手権ロードとタイムトライアルで最後の調整をしたい」。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツール・ド・スイス2013第9ステージ結果
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) 51'56"
2位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ) +21"
3位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング) +29"
4位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル) +42"
5位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +43"
6位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +55"
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ) +1'00"
8位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ) +1'05"
9位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ) +1'06"
10位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +1'19"
個人総合成績
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) 31h08'11"
2位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング) +1'02"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ) +1'10"
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +1'26"
5位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +1'43"
6位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ) +1'51"
7位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +2'23"
8位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +2'42"
9位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
10位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +3'44" +1'42"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
ロベルト・ヴレセル(スロベニア、エウスカルテル)
スプリント賞
ロベルト・ヴレセル(スロベニア、エウスカルテル)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
総合争いに決着をつける第9ステージの個人TTは、全長が26.8kmと短いながらも、ゴール手前の10.3kmで標高差928mを駆け上がる厳しいもの。平均勾配9.0%という急勾配の登り「フルームサーベルク」がツール・ド・スイスのフィナーレだ。
前半平坦・後半登りというコースレイアウト。選手たちは前半をTTバイクで走り、登りの手前でノーマルバイクにスイッチするという手法を選んだ。
ディフェンディングチャンピオンで、13秒差の総合2位につけるコスタも例外ではなく、TTバイクでスタートを切り、ノーマルバイクで登りを走る。リーダージャージのマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)を1分56秒引き離す走りで、総合逆転を達成した。
ステージ3位のバウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)が総合2位、ステージ7位のロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)が総合3位でフィニッシュ。23歳のティボー・ピノ(フランス、FDJ)が総合4位という成績を残している。
51分56秒というトップタイムをマークし、今大会ステージ2勝目を飾ったコスタは「今日のタイムトライアルで全てが決まると思っていた。だから先週コースを下見したんだ。本当に厳しいコースだと思った。とにかく登りが長いので、レース途中のバイク交換が必要だという結論に至ったんだ」と言う。「ワット表示に気を配りながら集中して走り、バイク交換も上手く行った。チームカーの監督にライバルとのタイム差を逐一聞きながら走った。僅差の総合争いになると思ったので、全開で登りを走ったのが功を奏したよ」。
コスタはビッグネームを力で抑え込み、大会連覇を達成。初優勝を飾った昨年よりもずっと落ち着いた走りで2度目の大きな勝利を掴んだ。「去年と今年の勝利は全く違う。去年はリーダージャージを獲得するのが早すぎたので、力を浪費してしまった。リーダージャージを着ることで、表彰台や記者会見などで2時間は拘束されてしまい、リカバリーの時間が削られる。その点、今年はフレッシュな状態で最終日まで走ることが出来た。この勝利はセンセーショナルな走りをしてくれたチームメイトと、ポルトガルから駆けつけてくれたファンに捧げたい」。
コスタはツール・ド・フランスでも注目の存在。昨年のツールでコスタはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)の総合20位を上回る総合18位という成績を残している。「ツールを真剣に考える時期に差し掛かっている。危険な1週目を無事に終えることが最初の目標。モビスターは最強チームの一つだと自負しているし、チームの士気も上がっている。個人的には、来週のスペイン選手権ロードとタイムトライアルで最後の調整をしたい」。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツール・ド・スイス2013第9ステージ結果
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) 51'56"
2位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ) +21"
3位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング) +29"
4位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル) +42"
5位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +43"
6位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +55"
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ) +1'00"
8位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ) +1'05"
9位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ) +1'06"
10位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +1'19"
個人総合成績
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) 31h08'11"
2位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング) +1'02"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ) +1'10"
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +1'26"
5位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +1'43"
6位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ) +1'51"
7位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +2'23"
8位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +2'42"
9位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
10位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +3'44" +1'42"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
ロベルト・ヴレセル(スロベニア、エウスカルテル)
スプリント賞
ロベルト・ヴレセル(スロベニア、エウスカルテル)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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