2013/06/02(日) - 02:34
熊野山岳ステージは昨年の展開のとおりにジュリアン・アレドンドとフォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)が逃げて、15秒差まで迫った追走集団を振り切りワン・ツー勝利。
ツール・ド・熊野の最大の山場がこの第2ステージ熊野山岳コース。6月1日(土)、三重県熊野市を中心とした109.3kmのコースで行われた。登坂は3箇所、丸山千枚田が2回と札立峠だ。いずれも下りが狭く見通しが悪くかつ滑りやすい難易度が高いもの。天候は曇り。
4人が逃げるもNIPPOが吸収
熊野市外をパレード走行した選手はリアルスタート後、アタックの仕掛けあいに。その後にできた逃げは山岳リーダージャージを着る阿部嵩之(チーム右京)、中村誠(宇都宮ブリッツェン)、平塚吉光(愛三工業レーシングチーム)、トマス・ラボウ(OCBC)の4人。
メイン集団はリーダーチームのヴィーニファンティーニが、やがてチームNIPPO・デローザが先頭を固め牽引する。「札立峠を前方がクリアな状態で上りたい」(大門宏監督)というNIPPOが下り区間でペースを上げて逃げる4人を、言葉通りに吸収。
勝負は札立峠へ
札立峠への上り口からNIPPOは内間康平そして福島晋一でペースを上げてジュリアン・アレドンドが先頭に。土井雪広(チーム右京)らも反応しバラバラの状態で上る。そして先頭はアレドンドとバリアーニ、ホセ・ビセンテ(チーム右京)の3人になるが峠を越えて下り区間でビセンテがコースオーバー、NIPPOの2人が先頭で下る。
後方はブリヂストン・アンカーのトマ・ルバ、ダミアン・モニエら8人にまとまり先頭を追走する。先頭のアレドンドとバリアーニはペースを落とさず逃げ続け2回目の千枚田上りへ。ここでもリードを保って上り、そして下る。ここからゴールまで10km、直線状のコースは緩い下りだ。
50km超を逃げ続けるNIPPO2人と追走8人が15秒差まで
しかし追走する8人もペースを上げて先頭の2人との差を次第に詰めていく。それは1分から30秒、やがて15秒にまで迫り、吸収されるのは必至と見られた。だが先頭の2人は踏みなおす。そして追走の8人は牽制も入りそれ以上詰められない。8人にはNIPPOのスプリンター、シモーネ・カンパニャーロが入っており、例え追いついたとしても次の展開を考えると二の足を踏んでしまう。
そしてゴールにはアレドンドとバリアーニが現れ、アレドンドが先に入って優勝。20秒遅れで8人がゴールした。「一時は吸収された後の2位勝負も考えたが牽制も入り逃げ切れた。これもレース、何が起こるかわからない。明日も最後まで引き締めて走りたい」と大門監督は語る。
攻撃を続けるNIPPOのスタイル
この日は4人の逃げを吸収したのはNIPPOの牽引によるもの。ほかのチームは引かなかった。NIPPOだけが引く理由はないが、これがNIPPOのスタイル。前日の第1ステージでの動きも同じくだ。圧倒的な力を見せてなおかつ勝つことは簡単ではない。しかし予定通りにミッションをこなすNIPPOは全チームの中で完全に格上の力を持つ。
翌第3ステージは太地半島ステージ。NIPPOの総合力とヴィーニファンティーニのスピードは絶対的。個人総合とポイント賞、山岳賞そして団体総合のトップはゆるぎない。UCIポイント獲得や順位のジャンプアップ、そしてステージ優勝に興味が移る。
結果
第2ステージ 熊野山岳ステージ 109.3km
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)2時間39分17秒
2位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)
3位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)+20秒
4位 カンパニャーロ・シモーネ(チームNIPPO・デローザ)
5位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+23秒
6位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)
7位 クリスティアーノ・モングッジ(ヴィーニファンティーニ)
8位 土井雪広(チーム右京)+26秒
9位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)+28秒
10位 ジェイ・クロフォード(ヒューオン・ジェネシス)+34秒
個人総合順位 第2ステージ終了時点
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)5時間09分57秒
2位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)+05秒
3位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)+24秒
4位 カンパニャーロ・シモーネ(チームNIPPO・デローザ)+29秒
5位 土井雪広(チーム右京)+34秒
6位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)+34秒
7位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+34秒
8位 クリスティアーノ・モングッジ(ヴィーニファンティーニ)+35秒
9位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)+39秒
10位 ジェイ・クロフォード(ヒューオン・ジェネシス)+44秒
個人総合ポイント賞 第2ステージ終了時点
1位 ミケーレ・メルロー(ヴィーニファンティーニ)33点
2位 マッティア・ポッゾ(ヴィーニファンティーニ)30点
3位 カンパニャーロ・シモーネ(チームNIPPO・デローザ)28点
個人総合山岳賞 第2ステージ終了時点
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)17点
2位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)12点
3位 阿部嵩之(チーム右京)11点
U23総合順位 第2ステージ終了時点
1位 チョイ・キーホー(ホンコンチャイナ)5時間15分37秒
2位 エリック・シェパード(OCBC)+04秒
3位 オスマン・アディク(チャンピオンシステム)+32秒
チーム総合順位 第2ステージ終了時点
1位 チームNIPPO・デローザ 15時間30分17秒
2位 ブリヂストンアンカー +5分04秒
3位 チーム右京 +6分32秒
photo&text:高木秀彰
ツール・ド・熊野の最大の山場がこの第2ステージ熊野山岳コース。6月1日(土)、三重県熊野市を中心とした109.3kmのコースで行われた。登坂は3箇所、丸山千枚田が2回と札立峠だ。いずれも下りが狭く見通しが悪くかつ滑りやすい難易度が高いもの。天候は曇り。
4人が逃げるもNIPPOが吸収
熊野市外をパレード走行した選手はリアルスタート後、アタックの仕掛けあいに。その後にできた逃げは山岳リーダージャージを着る阿部嵩之(チーム右京)、中村誠(宇都宮ブリッツェン)、平塚吉光(愛三工業レーシングチーム)、トマス・ラボウ(OCBC)の4人。
メイン集団はリーダーチームのヴィーニファンティーニが、やがてチームNIPPO・デローザが先頭を固め牽引する。「札立峠を前方がクリアな状態で上りたい」(大門宏監督)というNIPPOが下り区間でペースを上げて逃げる4人を、言葉通りに吸収。
勝負は札立峠へ
札立峠への上り口からNIPPOは内間康平そして福島晋一でペースを上げてジュリアン・アレドンドが先頭に。土井雪広(チーム右京)らも反応しバラバラの状態で上る。そして先頭はアレドンドとバリアーニ、ホセ・ビセンテ(チーム右京)の3人になるが峠を越えて下り区間でビセンテがコースオーバー、NIPPOの2人が先頭で下る。
後方はブリヂストン・アンカーのトマ・ルバ、ダミアン・モニエら8人にまとまり先頭を追走する。先頭のアレドンドとバリアーニはペースを落とさず逃げ続け2回目の千枚田上りへ。ここでもリードを保って上り、そして下る。ここからゴールまで10km、直線状のコースは緩い下りだ。
50km超を逃げ続けるNIPPO2人と追走8人が15秒差まで
しかし追走する8人もペースを上げて先頭の2人との差を次第に詰めていく。それは1分から30秒、やがて15秒にまで迫り、吸収されるのは必至と見られた。だが先頭の2人は踏みなおす。そして追走の8人は牽制も入りそれ以上詰められない。8人にはNIPPOのスプリンター、シモーネ・カンパニャーロが入っており、例え追いついたとしても次の展開を考えると二の足を踏んでしまう。
そしてゴールにはアレドンドとバリアーニが現れ、アレドンドが先に入って優勝。20秒遅れで8人がゴールした。「一時は吸収された後の2位勝負も考えたが牽制も入り逃げ切れた。これもレース、何が起こるかわからない。明日も最後まで引き締めて走りたい」と大門監督は語る。
攻撃を続けるNIPPOのスタイル
この日は4人の逃げを吸収したのはNIPPOの牽引によるもの。ほかのチームは引かなかった。NIPPOだけが引く理由はないが、これがNIPPOのスタイル。前日の第1ステージでの動きも同じくだ。圧倒的な力を見せてなおかつ勝つことは簡単ではない。しかし予定通りにミッションをこなすNIPPOは全チームの中で完全に格上の力を持つ。
翌第3ステージは太地半島ステージ。NIPPOの総合力とヴィーニファンティーニのスピードは絶対的。個人総合とポイント賞、山岳賞そして団体総合のトップはゆるぎない。UCIポイント獲得や順位のジャンプアップ、そしてステージ優勝に興味が移る。
結果
第2ステージ 熊野山岳ステージ 109.3km
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)2時間39分17秒
2位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)
3位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)+20秒
4位 カンパニャーロ・シモーネ(チームNIPPO・デローザ)
5位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+23秒
6位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)
7位 クリスティアーノ・モングッジ(ヴィーニファンティーニ)
8位 土井雪広(チーム右京)+26秒
9位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)+28秒
10位 ジェイ・クロフォード(ヒューオン・ジェネシス)+34秒
個人総合順位 第2ステージ終了時点
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)5時間09分57秒
2位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)+05秒
3位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)+24秒
4位 カンパニャーロ・シモーネ(チームNIPPO・デローザ)+29秒
5位 土井雪広(チーム右京)+34秒
6位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)+34秒
7位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+34秒
8位 クリスティアーノ・モングッジ(ヴィーニファンティーニ)+35秒
9位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)+39秒
10位 ジェイ・クロフォード(ヒューオン・ジェネシス)+44秒
個人総合ポイント賞 第2ステージ終了時点
1位 ミケーレ・メルロー(ヴィーニファンティーニ)33点
2位 マッティア・ポッゾ(ヴィーニファンティーニ)30点
3位 カンパニャーロ・シモーネ(チームNIPPO・デローザ)28点
個人総合山岳賞 第2ステージ終了時点
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)17点
2位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)12点
3位 阿部嵩之(チーム右京)11点
U23総合順位 第2ステージ終了時点
1位 チョイ・キーホー(ホンコンチャイナ)5時間15分37秒
2位 エリック・シェパード(OCBC)+04秒
3位 オスマン・アディク(チャンピオンシステム)+32秒
チーム総合順位 第2ステージ終了時点
1位 チームNIPPO・デローザ 15時間30分17秒
2位 ブリヂストンアンカー +5分04秒
3位 チーム右京 +6分32秒
photo&text:高木秀彰
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