2013/05/17(金) - 06:07
再び雨に見舞われたジロ・デ・イタリア第12ステージ。平坦コースでブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)が脱落するサプライズが起こる中、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が雨に濡れたゴールスプリントでキャリア100勝目をマークした。
2日間の山岳ステージを終えたジロ・デ・イタリアはフランスに向けて徐々に西進。第12ステージは前日のゴール地点ヴァイオントダムの悲劇によって大きな被害を受けたロンガローネをスタートし、広大な平野の真ん中にあるトレヴィーゾにゴールする。
最大勾配18%の4級山岳ムーロ・ディ・カ・デル・ポッジオや最大勾配14%の4級山岳モンテッロが中盤にかけて設定されているものの、主催者発表の難易度は星一つ。スプリンター向きの平坦ステージだ。
降りしきる雨の中をスタートしたのは191名。フィレンツェでステージ優勝を飾ったマキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)やマウリス・ラメルティンク(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、ベルト・デバッカー(ベルギー、アルゴス・シマノ)、ファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニジョカトリ)の4名が果敢にファーストアタック。ここにマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)が加わり、5名の逃げが始まった。
路面に川が出来るほどの雨の中、デバッカーを除く4名が落車するトラブルに見舞われながらも、先頭5名は逃げる。マリアローザ擁するアスタナがコントロールするメイン集団は3分後方に位置。レース後半に入ると、メイン集団はスプリンターチームのコントロール化に置かれた。
メイン集団は逃げグループとのタイム差を縮めながら急勾配&短距離の2つの4級山岳をクリア。すると、ゴール41km手前の4級山岳モンテッロの下りとその先の平坦路でブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)が脱落してしまう。
ウィギンズとメイン集団のタイム差はすぐさま1分まで拡大。ウィギンズを引き上げるため、リゴベルト・ウラン(コロンビア)とセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)を除くスカイプロサイクリングのメンバー全員が下がったが、スピードアップするメイン集団とのタイム差は広がり続けた。
先頭グループから1分遅れでメイン集団、その2分後方にウィギンズを含む第2集団というシチュエーションのままトレヴィーゾへ。オメガファーマ・クイックステップが牽引するメイン集団は先頭グループから27秒遅れで全長7.5kmの周回コースに入る。
雨に濡れたトレヴィーゾの周回コースで安全運転を強いられたこともあり、先頭グループとメイン集団のタイム差は思うように縮まらない。ラスト1kmを切って先頭グループの後方にメイン集団が迫る。スプリント体勢に入ったメイン集団は、ラスト500mでついに逃げを捉えた。
ヘルト・ステーグマン(ベルギー)に発射されたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が抜群のタイミングでスプリントを開始。追撃を試みたナセル・ブアニ(フランス、FDJ)とルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)を寄せ付けず、カヴェンディッシュが余裕を持って先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
今大会ステージ3勝目、ならびにキャリア100勝目を飾ったカヴェンディッシュ。「記録はそこまで大きな意味を持たない。でもこの記録は特別だ。100回勝つのは簡単なことじゃない。ジロで、しかもチームとして形を作った上での勝利なので余計に嬉しい。一日中僕のために働いてくれたチームメイトたちは本当に素晴らしかった。彼らの働きが、この勝利をスペシャルなものにしている」。カヴェンディッシュはマリアロッサ(ポイント賞ジャージ)に返り咲いている。
最終的に3分17秒遅れてゴールしたウィギンズは総合13位にダウン。風邪と肺の感染症に苦しんでいるというウィギンズは、この日の失速により総合争いから脱落した。スカイプロサイクリングは総合3位のウランにフォーカスする。
ジロ・デ・イタリア2013第12ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)3h01'47"
2位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
3位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)
4位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・レオパード)
5位 ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
7位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 サーシャ・モードロ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
9位 イオアニス・タモウリディス(ギリシャ、エウスカルテル)
10位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)
個人総合成績
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) 46h28'14"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +41"
3位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイプロサイクリング) +2'04"
4位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング) +2'12"
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +2'13"
6位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ) +2'55"
7位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ) +3'35"
8位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +4'05"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) +4'17"
10位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ) +4'21"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
新人賞
ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)
チーム総合成績
スカイプロサイクリング
text&photo:Kei Tsuji in Treviso, Italy
2日間の山岳ステージを終えたジロ・デ・イタリアはフランスに向けて徐々に西進。第12ステージは前日のゴール地点ヴァイオントダムの悲劇によって大きな被害を受けたロンガローネをスタートし、広大な平野の真ん中にあるトレヴィーゾにゴールする。
最大勾配18%の4級山岳ムーロ・ディ・カ・デル・ポッジオや最大勾配14%の4級山岳モンテッロが中盤にかけて設定されているものの、主催者発表の難易度は星一つ。スプリンター向きの平坦ステージだ。
降りしきる雨の中をスタートしたのは191名。フィレンツェでステージ優勝を飾ったマキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)やマウリス・ラメルティンク(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、ベルト・デバッカー(ベルギー、アルゴス・シマノ)、ファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニジョカトリ)の4名が果敢にファーストアタック。ここにマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)が加わり、5名の逃げが始まった。
路面に川が出来るほどの雨の中、デバッカーを除く4名が落車するトラブルに見舞われながらも、先頭5名は逃げる。マリアローザ擁するアスタナがコントロールするメイン集団は3分後方に位置。レース後半に入ると、メイン集団はスプリンターチームのコントロール化に置かれた。
メイン集団は逃げグループとのタイム差を縮めながら急勾配&短距離の2つの4級山岳をクリア。すると、ゴール41km手前の4級山岳モンテッロの下りとその先の平坦路でブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)が脱落してしまう。
ウィギンズとメイン集団のタイム差はすぐさま1分まで拡大。ウィギンズを引き上げるため、リゴベルト・ウラン(コロンビア)とセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)を除くスカイプロサイクリングのメンバー全員が下がったが、スピードアップするメイン集団とのタイム差は広がり続けた。
先頭グループから1分遅れでメイン集団、その2分後方にウィギンズを含む第2集団というシチュエーションのままトレヴィーゾへ。オメガファーマ・クイックステップが牽引するメイン集団は先頭グループから27秒遅れで全長7.5kmの周回コースに入る。
雨に濡れたトレヴィーゾの周回コースで安全運転を強いられたこともあり、先頭グループとメイン集団のタイム差は思うように縮まらない。ラスト1kmを切って先頭グループの後方にメイン集団が迫る。スプリント体勢に入ったメイン集団は、ラスト500mでついに逃げを捉えた。
ヘルト・ステーグマン(ベルギー)に発射されたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が抜群のタイミングでスプリントを開始。追撃を試みたナセル・ブアニ(フランス、FDJ)とルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)を寄せ付けず、カヴェンディッシュが余裕を持って先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
今大会ステージ3勝目、ならびにキャリア100勝目を飾ったカヴェンディッシュ。「記録はそこまで大きな意味を持たない。でもこの記録は特別だ。100回勝つのは簡単なことじゃない。ジロで、しかもチームとして形を作った上での勝利なので余計に嬉しい。一日中僕のために働いてくれたチームメイトたちは本当に素晴らしかった。彼らの働きが、この勝利をスペシャルなものにしている」。カヴェンディッシュはマリアロッサ(ポイント賞ジャージ)に返り咲いている。
最終的に3分17秒遅れてゴールしたウィギンズは総合13位にダウン。風邪と肺の感染症に苦しんでいるというウィギンズは、この日の失速により総合争いから脱落した。スカイプロサイクリングは総合3位のウランにフォーカスする。
ジロ・デ・イタリア2013第12ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)3h01'47"
2位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
3位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)
4位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・レオパード)
5位 ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
7位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 サーシャ・モードロ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
9位 イオアニス・タモウリディス(ギリシャ、エウスカルテル)
10位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)
個人総合成績
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) 46h28'14"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +41"
3位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイプロサイクリング) +2'04"
4位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング) +2'12"
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +2'13"
6位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ) +2'55"
7位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ) +3'35"
8位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +4'05"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) +4'17"
10位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ) +4'21"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
新人賞
ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)
チーム総合成績
スカイプロサイクリング
text&photo:Kei Tsuji in Treviso, Italy
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