2013/05/07(火) - 16:04
ジロ・デ・イタリアは「世界一美しい海岸」を通る。イタリアには「世界一美しい〜〜〜」が点在していて、実は根拠が無かったりするが、このアマルフィ海岸に関してはあながち間違っていないと感じる。
第3ステージのスタート地点は「帰れソレントへ」で知られる観光地ソレント。沖合には「青の洞窟」で有名なカプリ島が浮かんでいて、あたり一帯はイタリアを代表する一大観光地。海外からの観光客が多いため、地元警察の中には英語を話す人も多い。
前日のイスキア島脱出が夜遅くになったため、チームバスの姿がスタートに見当たらない。チームバスは直接ゴール地点に向かったという。近年はチームバスに閉じこもってスタート直前に出走サインに向かう選手が多いが、この日はそうもいかない。頭上に浮かぶ雨雲を心配そうな表情で見上げながら、チームカーで身支度を整える。どの選手に聞いても「今日が実質的にジロの第1ステージ。だから自分がどこまで走れるか分からないし、ライバルがどこまで走れるか分からない」という答えが帰ってくる。「終盤の登りはゴチャゴチャになると思う」。
ソレントの空にはどんよりとした雲が立ち込めていたが、ソレント半島の背骨にあたる山を越えて南岸に出ると、一日中雨という天気予報はどこへやら、熱い太陽が姿を見せた。
レース前半の60kmはアマルフィ海岸を走る。ユネスコ世界遺産にも指定されているアマルフィ海岸はとにかく美しい。呆気にとられる風景の連続。北緯40度なので日本の東北地方とそう変わらないが、偏西風と太陽のおかげで植生は青々としている(まさに地中海性気候)。
青い空と青い海の間に崖があり、そこにへばりつくように白い街が点在している。永遠に続くような、観光バスの車内で必ず1人か2人は顔面蒼白になるワインディングロードがそれらの街を繋いでいる。ジロがこのアマルフィ海岸を通るのは20年ぶりだとか。嬉しそうに夫人を連れてレースを見に来たコムーネ(自治体)の長に「特にここが美しい!」と太鼓判を押されたポイントで撮影した。
北イタリアに傾倒しがちなジロ・デ・イタリア。どちらかというと南のカンパニア州の登場回数は少ない。そのため地元の人々にとってジロは物珍しく写るようだ。ジロを待ち構える観客の熱気が他の州よりもずっと高い印象を受ける。
石の配合が多いのか、舗装はとにかく滑りやすい。灰色の路面は、車で走っていてもすぐに感じるほどの滑りやすさ。雨が降ればますます滑りやすくなる。下りでミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)らが落車してしまったが、雨が降っていればもっと悲惨な状況になっていただろうと推測出来る。そんな走りにくい環境からか、カンパニア州出身のプロ選手は驚くほど少ない。そもそも一般サイクリストの数が明らかに少ない。
とにかくライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)のアタックで早くもマリアローザ争いに火がついた。スカイプロサイクリングはブラドレー・ウィギンズ(イギリス)のリードを保ちながら、うまくマリアローザを他チームに預けることに成功。第4ステージは、2級山岳の先にゴールが置かれた「実質的な大会最初の頂上ゴール」だ。
text&photo:Kei Tsuji in Marina di Ascea, Italy
第3ステージのスタート地点は「帰れソレントへ」で知られる観光地ソレント。沖合には「青の洞窟」で有名なカプリ島が浮かんでいて、あたり一帯はイタリアを代表する一大観光地。海外からの観光客が多いため、地元警察の中には英語を話す人も多い。
前日のイスキア島脱出が夜遅くになったため、チームバスの姿がスタートに見当たらない。チームバスは直接ゴール地点に向かったという。近年はチームバスに閉じこもってスタート直前に出走サインに向かう選手が多いが、この日はそうもいかない。頭上に浮かぶ雨雲を心配そうな表情で見上げながら、チームカーで身支度を整える。どの選手に聞いても「今日が実質的にジロの第1ステージ。だから自分がどこまで走れるか分からないし、ライバルがどこまで走れるか分からない」という答えが帰ってくる。「終盤の登りはゴチャゴチャになると思う」。
ソレントの空にはどんよりとした雲が立ち込めていたが、ソレント半島の背骨にあたる山を越えて南岸に出ると、一日中雨という天気予報はどこへやら、熱い太陽が姿を見せた。
レース前半の60kmはアマルフィ海岸を走る。ユネスコ世界遺産にも指定されているアマルフィ海岸はとにかく美しい。呆気にとられる風景の連続。北緯40度なので日本の東北地方とそう変わらないが、偏西風と太陽のおかげで植生は青々としている(まさに地中海性気候)。
青い空と青い海の間に崖があり、そこにへばりつくように白い街が点在している。永遠に続くような、観光バスの車内で必ず1人か2人は顔面蒼白になるワインディングロードがそれらの街を繋いでいる。ジロがこのアマルフィ海岸を通るのは20年ぶりだとか。嬉しそうに夫人を連れてレースを見に来たコムーネ(自治体)の長に「特にここが美しい!」と太鼓判を押されたポイントで撮影した。
北イタリアに傾倒しがちなジロ・デ・イタリア。どちらかというと南のカンパニア州の登場回数は少ない。そのため地元の人々にとってジロは物珍しく写るようだ。ジロを待ち構える観客の熱気が他の州よりもずっと高い印象を受ける。
石の配合が多いのか、舗装はとにかく滑りやすい。灰色の路面は、車で走っていてもすぐに感じるほどの滑りやすさ。雨が降ればますます滑りやすくなる。下りでミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)らが落車してしまったが、雨が降っていればもっと悲惨な状況になっていただろうと推測出来る。そんな走りにくい環境からか、カンパニア州出身のプロ選手は驚くほど少ない。そもそも一般サイクリストの数が明らかに少ない。
とにかくライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)のアタックで早くもマリアローザ争いに火がついた。スカイプロサイクリングはブラドレー・ウィギンズ(イギリス)のリードを保ちながら、うまくマリアローザを他チームに預けることに成功。第4ステージは、2級山岳の先にゴールが置かれた「実質的な大会最初の頂上ゴール」だ。
text&photo:Kei Tsuji in Marina di Ascea, Italy
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