2013/04/25(木) - 04:39
レース前半の2級山岳の下りで集団落車が発生。避けきれずに落車した別府史之(オリカ・グリーンエッジ)は大事を取ってリタイアした。大会3回目のゴールスプリントはアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)の手に落ちている。
ツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)は引き続き西に進む。第4ステージは地中海(エーゲ海)に面したゴセクとマルマリスを結ぶ147km。他のステージと同じく、スタート地点もゴール地点も観光客が集まるリゾート地。トルコ航空や観光局がスポンサーにつく大会だけに、観光地のアピールは欠かせない。
この日はスタート後すぐに12名の逃げが決まる。リアス式海岸の内陸を結ぶアップダウンコースでゲラルド・チオレック(ドイツ、MTNキュベカ)やミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)、アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)が逃げたが、人数の多さからタイム差は3分以内に抑え込まれる。
この日唯一の2級山岳を先頭で駆け上がったのは、チームメイトの山岳賞ジャージを守りたいピエルパオロ・デネグリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)。しかし2日連続で逃げたセルゲイ・グレトチン(ウクライナ、トルクセケルスポール)が2番手通過する。山岳賞トップの座は地元トルコを盛り上げるコンチネンタルチーム所属のグレトチンに移った。
そしてこの2級山岳を下り始めてすぐ、メイン集団の中で落車が発生する。落車した選手の中に、オリカ・グリーンエッジの別府史之の名前もあった。
落車したのは別府やオリヴィエ・カイセン(ベルギー、ロット・ベリソル)、マヌエル・カルドソ(ポルトガル、カハルーラル)、クレマン・コレツキー(フランス、ブルターニュ・セシェ)ら。このうち別府、カイセン、コレツキーがリタイアに追い込まれた。
別府は「(2級山岳の下りで)前輪が滑って落車。周りのみんなもひとりずつ転んでいた」と言う。再びサドルに跨がってレースを続行したが、しばらく走ってストップ。レースを去ることを決めた。
「大事には至っていないけど、肘と腰を強打していて思うようにペダルが踏めなくなっていた。怪我を治してカリフォルニアをしっかり走るのが賢明と判断し、レース続行を断念。明日フランスに帰って次のレースに向けてコンディションを整えたい。」フミは5月のツアー・オブ・カリフォルニアへの出場を予定している。落車で気を落としている様子はなく、「仕方がない」として次なる目標を見据えている。
ユーロップカーやバルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックスがコントロールするメイン集団が逃げとのタイム差を詰めると、人数過剰の逃げグループ内で不協和音が響き始める。ゴールまで50kmを残してアントニー・ドゥラプラス(フランス、ソジャサン)が口火を切ってアタックすると、これにイグナチエフが合流。アテネ五輪ポイントレース金メダリストのイグナチエフは、上半身が固定された独特のフォームで独走をスタートさせた。
この第4ステージは「平坦ステージ」に分類されるが、ゴール前には2つの登りが登場する。他のステージレースならば確実にカテゴリー3級ほどはある登りが2つ連続。昨年全く同じコースを走っている宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)はスタート前に「今日はきつい」と話すほど。
この2つの登りでメイン集団のペースは上がり、まずラスト20kmで先頭イグナチエフは吸収。メイン集団は徐々に人数を減らし、マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)をはじめとする多くのスプリンターが脱落してしまう。
宮澤は「今日は体調が良ければステージ優勝も視野に入れていたが、サバイバルな展開になると思い、最後の登りに向けて集団内の位置取りに変更。チームメイトに託した」と話す。チームメイトを連れて集団先頭まで上がった後、仕事を終えて集団を離れた。
結局2つの登りを集団内で越えたのは40名ほど。ダビ・デラフエンテ(スペイン、トルクセケルスポール)やケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、アスタナ)のアタックは決まらず、40名の精鋭集団がゴール地点マルマリスに向けたハイスピードダウンヒルをクリア。集団の中に、グライペルに敵うスプリンターは残っていなかった。
ポイント賞ジャージを着るグライペルが余裕を匂わせるスプリント勝利。そのスプリント力はもちろんのこと、近年はその登坂力に磨きがかかっている。その秘訣についてグライペルは「みんなの後ろに隠れて走っているだけ」と笑う。
「今日の登りは以前にも走っていたのでどれぐらいの難易度か事前に知っていた。勾配がある登りは苦手だけど、スピードが乗るような緩斜面では登れてしまう。自分でも驚くほど登れている」。決して登りが速いような体型ではないが、前日のクイーンステージも7分遅れの50位でゴールしているほど。第4ステージを終えて総合成績は39位。スプリンターの中では飛び抜けた成績だと言える。
その他、レースの模様はフォトギャラリーにて!
ツアー・オブ・ターキー2013第4ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 3h38'47"
2位 ニクラス・アルント(ドイツ、アルゴス・シマノ)
3位 モレーノ・ホフランド(オランダ、ブランコプロサイクリング)
4位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
7位 ジョフロワ・ルカトル(フランス、ブルターニュ・セシェ)
8位 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス)
9位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ソジャサン)
10位 セルジュ・パウエルス(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
108位 佐野淳哉(ヴィーニファンティーニ) +2'44"
137位 宮澤崇史(サクソ・ティンコフ) +7'11"
DNF 別府史之(オリカ・グリーンエッジ)
個人総合成績
1位 ナタナエル・ベルハネ(エリトリア、ユーロップカー) 14h27'14"
2位 ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、アスタナ) +10"
3位 ムスタファ・サヤル(トルコ、トルクセケルスポール) +12"
4位 マキリム・メドレル(フランス、ソジャサン) +26"
5位 ローリー・スザーランド(オーストラリア、サクソ・ティンコフ) +34"
6位 ヨアン・バゴ(フランス、コフィディス)
7位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 フロリアン・ギロー(フランス、ブルターニュシュレー) +38"
9位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア) +40"
10位 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス) +43"
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
山岳賞
セルゲイ・グレチン(ウクライナ、トルクセケルスポール)
ターキッシュビューティースプリント賞
ミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)
チーム総合成績
コフィディス
text&photo:Kei Tsuji in Marmaris, Turkey
ツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)は引き続き西に進む。第4ステージは地中海(エーゲ海)に面したゴセクとマルマリスを結ぶ147km。他のステージと同じく、スタート地点もゴール地点も観光客が集まるリゾート地。トルコ航空や観光局がスポンサーにつく大会だけに、観光地のアピールは欠かせない。
この日はスタート後すぐに12名の逃げが決まる。リアス式海岸の内陸を結ぶアップダウンコースでゲラルド・チオレック(ドイツ、MTNキュベカ)やミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)、アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)が逃げたが、人数の多さからタイム差は3分以内に抑え込まれる。
この日唯一の2級山岳を先頭で駆け上がったのは、チームメイトの山岳賞ジャージを守りたいピエルパオロ・デネグリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)。しかし2日連続で逃げたセルゲイ・グレトチン(ウクライナ、トルクセケルスポール)が2番手通過する。山岳賞トップの座は地元トルコを盛り上げるコンチネンタルチーム所属のグレトチンに移った。
そしてこの2級山岳を下り始めてすぐ、メイン集団の中で落車が発生する。落車した選手の中に、オリカ・グリーンエッジの別府史之の名前もあった。
落車したのは別府やオリヴィエ・カイセン(ベルギー、ロット・ベリソル)、マヌエル・カルドソ(ポルトガル、カハルーラル)、クレマン・コレツキー(フランス、ブルターニュ・セシェ)ら。このうち別府、カイセン、コレツキーがリタイアに追い込まれた。
別府は「(2級山岳の下りで)前輪が滑って落車。周りのみんなもひとりずつ転んでいた」と言う。再びサドルに跨がってレースを続行したが、しばらく走ってストップ。レースを去ることを決めた。
「大事には至っていないけど、肘と腰を強打していて思うようにペダルが踏めなくなっていた。怪我を治してカリフォルニアをしっかり走るのが賢明と判断し、レース続行を断念。明日フランスに帰って次のレースに向けてコンディションを整えたい。」フミは5月のツアー・オブ・カリフォルニアへの出場を予定している。落車で気を落としている様子はなく、「仕方がない」として次なる目標を見据えている。
ユーロップカーやバルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックスがコントロールするメイン集団が逃げとのタイム差を詰めると、人数過剰の逃げグループ内で不協和音が響き始める。ゴールまで50kmを残してアントニー・ドゥラプラス(フランス、ソジャサン)が口火を切ってアタックすると、これにイグナチエフが合流。アテネ五輪ポイントレース金メダリストのイグナチエフは、上半身が固定された独特のフォームで独走をスタートさせた。
この第4ステージは「平坦ステージ」に分類されるが、ゴール前には2つの登りが登場する。他のステージレースならば確実にカテゴリー3級ほどはある登りが2つ連続。昨年全く同じコースを走っている宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)はスタート前に「今日はきつい」と話すほど。
この2つの登りでメイン集団のペースは上がり、まずラスト20kmで先頭イグナチエフは吸収。メイン集団は徐々に人数を減らし、マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)をはじめとする多くのスプリンターが脱落してしまう。
宮澤は「今日は体調が良ければステージ優勝も視野に入れていたが、サバイバルな展開になると思い、最後の登りに向けて集団内の位置取りに変更。チームメイトに託した」と話す。チームメイトを連れて集団先頭まで上がった後、仕事を終えて集団を離れた。
結局2つの登りを集団内で越えたのは40名ほど。ダビ・デラフエンテ(スペイン、トルクセケルスポール)やケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、アスタナ)のアタックは決まらず、40名の精鋭集団がゴール地点マルマリスに向けたハイスピードダウンヒルをクリア。集団の中に、グライペルに敵うスプリンターは残っていなかった。
ポイント賞ジャージを着るグライペルが余裕を匂わせるスプリント勝利。そのスプリント力はもちろんのこと、近年はその登坂力に磨きがかかっている。その秘訣についてグライペルは「みんなの後ろに隠れて走っているだけ」と笑う。
「今日の登りは以前にも走っていたのでどれぐらいの難易度か事前に知っていた。勾配がある登りは苦手だけど、スピードが乗るような緩斜面では登れてしまう。自分でも驚くほど登れている」。決して登りが速いような体型ではないが、前日のクイーンステージも7分遅れの50位でゴールしているほど。第4ステージを終えて総合成績は39位。スプリンターの中では飛び抜けた成績だと言える。
その他、レースの模様はフォトギャラリーにて!
ツアー・オブ・ターキー2013第4ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 3h38'47"
2位 ニクラス・アルント(ドイツ、アルゴス・シマノ)
3位 モレーノ・ホフランド(オランダ、ブランコプロサイクリング)
4位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
7位 ジョフロワ・ルカトル(フランス、ブルターニュ・セシェ)
8位 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス)
9位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ソジャサン)
10位 セルジュ・パウエルス(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
108位 佐野淳哉(ヴィーニファンティーニ) +2'44"
137位 宮澤崇史(サクソ・ティンコフ) +7'11"
DNF 別府史之(オリカ・グリーンエッジ)
個人総合成績
1位 ナタナエル・ベルハネ(エリトリア、ユーロップカー) 14h27'14"
2位 ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、アスタナ) +10"
3位 ムスタファ・サヤル(トルコ、トルクセケルスポール) +12"
4位 マキリム・メドレル(フランス、ソジャサン) +26"
5位 ローリー・スザーランド(オーストラリア、サクソ・ティンコフ) +34"
6位 ヨアン・バゴ(フランス、コフィディス)
7位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 フロリアン・ギロー(フランス、ブルターニュシュレー) +38"
9位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア) +40"
10位 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス) +43"
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
山岳賞
セルゲイ・グレチン(ウクライナ、トルクセケルスポール)
ターキッシュビューティースプリント賞
ミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)
チーム総合成績
コフィディス
text&photo:Kei Tsuji in Marmaris, Turkey
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