2013/03/29(金) - 13:38
ベルギー・フランドル地方で3月26日から28日までの日程で開催されたVDKドリダーフス・デパンヌ・コクサイデ（UCI2.HC）。クラシックレースさながらのコースで連日スプリンターたちが競り合う中、最終日の個人TTでシルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ）が大会連覇を果たした。
第1ステージ 登りでアタックするトム・ボーネン（ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ） photo:Riccardo Scanferla日本では一般的にデパンヌ3日間レースとして知られるVDKドリダーフス・デパンヌ・コクサイデ。その名の通り3日間にわたってデパンヌとコクサイデ、つまりベルギー西部のフランドル地方を舞台に開催されるステージレースだ。
第1ステージ デマールをかわして優勝したペーター・サガン（スロバキア、キャノンデールプロサイクリング） photo:Riccardo Scanferla週末に控えたロンド・ファン・フラーンデレンに向けて、このデパンヌで最終調整を行なう選手も多い。また、今大会にはヘント〜ウェベルヘムで落車したトム・ボーネン（ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ）も出場。ボーネンは落車の影響を感じさせない走りを見せ、石畳区間や急坂で積極的にアタックした。
第2ステージ 大集団でのゴールスプリントを制したマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ） photo:Riccardo Scanferlaヘント〜ウェベルヘムで優勝したペーター・サガン（スロバキア、キャノンデールプロサイクリング）は初日の第1ステージから積極的な走りを見せ、スプリンターチームを相手にアタックを繰り返す。
第3aステージ アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）がゴールスプリントを制す photo:Cor Vosレース終盤にサガンやシルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ）を含む10名が抜け出し、メイン集団を9秒振り切ってゴールへ。サガンがゴールスプリントを制し、リーダージャージを着た。
しかしサガンは続く第2ステージの終盤に集団から脱落してしまう。ボーネンやテルプストラらにアシストされたマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）がスプリント勝利。連日ステージ上位に絡むアルノー・デマール（フランス、FDJ）にリーダージャージが移った。
最終日は午前中に112.6kmの短いロードレース、午後に14.7kmの個人タイムトライアルが行なわれる。ロンドに照準を合わすサガンとボーネンが大事をとってリタイアする中、午前のゴールスプリントを制したアレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）が総合首位に。しかし午後の個人TTでシャヴァネルが総合10秒差をひっくり返した。
14.7kmコースでシャヴァネルは18分03秒のトップタイムをマーク。総合首位のクリストフはステージ6位と健闘したが、シャヴァネルとの10秒差を守りきることは出来なかった。
2年連続で最終個人タイムトライアルで優勝し、総合優勝を決めたシャヴァネル。「どんなレースか関係なく、レースが好きだ。特にこのレースは大好き。今から48時間はリカバリーに充てて、日曜日（ロンド・ファン・フラーンデレン）に備えたい。去年はパリ〜ニース期間中に体調を崩したけど、今年はここまで万事順調に来ている。つまり調子が良い。このコンディションをパリ〜ルーベまで持続したいと思う」。フランスTTチャンピオンは波に乗っている。
第3bステージ トップタイムで優勝したシルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ） photo:Cor Vos
第3bステージ シャヴァネルから32秒遅れ、リーダージャージを失ったアレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） photo:Cor Vos
シャヴァネルは、クラシックシーズンにおいてオメガファーマ・クイックステップの重要な役割を担う。週末のロンド・ファン・フラーンデレンでは強力なアシストとして、もしくは距離を残してアタックする伏兵として、ボーネンをサポートする。「自分はロンドの優勝候補ではないと思う。サガンやカンチェラーラは強いけど、トム（ボーネン）やニキ（テルプストラ）のようなスペシャリストもいるし、団結した強いチームが僕らの強み。日曜日はサプライズが起こる可能性だってある。チームとしてベストを尽くすよ」。
選手コメントはオメガファーマ・クイックステップ公式サイトより。
3月26日 第1ステージ ミッデルケルケ〜ゾッテヘム 199.8km
1位 ペーター・サガン（スロバキア、キャノンデールプロサイクリング） 5h00'27"
2位 アルノー・デマール（フランス、FDJ）
3位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）
4位 シルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ）
5位 オスカル・ガット（イタリア、ヴィーニファンティーニ）
3月27日 第2ステージ アウデナールデ〜コクサイデ 204.2km
1位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ） 4h46'57"
2位 エリア・ヴィヴィアーニ（イタリア、キャノンデールプロサイクリング）
3位 フランチェスコ・キッキ（イタリア、ヴィーニファンティーニ）
4位 アルノー・デマール（フランス、FDJ）
5位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）
3月28日 第3aステージ デパンヌ〜デパンヌ 112.6km
1位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） 2h29'02"
2位 サーシャ・モードロ（イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス）
3位 エリア・ヴィヴィアーニ（イタリア、キャノンデールプロサイクリング）
4位 ソニー・コルブレッリ（イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス）
5位 バティスト・プランカールト（ベルギー、クレラン・ユーフォニー）
3月28日 第3bステージ デパンヌ〜デパンヌ 14.75km（個人TT）
1位 シルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ） 18'03"
2位 アントン・ヴォロブエフ（ロシア、カチューシャ） +19"
3位 リエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +21"
4位 ヨアン・レボン（フランス、FDJ） +24"
5位 ニキ・テルプストラ（オランダ、オメガファーマ・クイックステップ） +31"
6位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） +32"
個人総合成績
1位 シルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ） 12h34'28"
2位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） +22"
3位 ニキ・テルプストラ（オランダ、オメガファーマ・クイックステップ） +31"
4位 ヨアン・レボン（フランス、FDJ） +32"
5位 リエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +38"
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
第1ステージ 登りでアタックするトム・ボーネン（ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ） photo:Riccardo Scanferla日本では一般的にデパンヌ3日間レースとして知られるVDKドリダーフス・デパンヌ・コクサイデ。その名の通り3日間にわたってデパンヌとコクサイデ、つまりベルギー西部のフランドル地方を舞台に開催されるステージレースだ。第1ステージ デマールをかわして優勝したペーター・サガン（スロバキア、キャノンデールプロサイクリング） photo:Riccardo Scanferla週末に控えたロンド・ファン・フラーンデレンに向けて、このデパンヌで最終調整を行なう選手も多い。また、今大会にはヘント〜ウェベルヘムで落車したトム・ボーネン（ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ）も出場。ボーネンは落車の影響を感じさせない走りを見せ、石畳区間や急坂で積極的にアタックした。第2ステージ 大集団でのゴールスプリントを制したマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ） photo:Riccardo Scanferlaヘント〜ウェベルヘムで優勝したペーター・サガン（スロバキア、キャノンデールプロサイクリング）は初日の第1ステージから積極的な走りを見せ、スプリンターチームを相手にアタックを繰り返す。第3aステージ アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）がゴールスプリントを制す photo:Cor Vosレース終盤にサガンやシルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ）を含む10名が抜け出し、メイン集団を9秒振り切ってゴールへ。サガンがゴールスプリントを制し、リーダージャージを着た。しかしサガンは続く第2ステージの終盤に集団から脱落してしまう。ボーネンやテルプストラらにアシストされたマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）がスプリント勝利。連日ステージ上位に絡むアルノー・デマール（フランス、FDJ）にリーダージャージが移った。
最終日は午前中に112.6kmの短いロードレース、午後に14.7kmの個人タイムトライアルが行なわれる。ロンドに照準を合わすサガンとボーネンが大事をとってリタイアする中、午前のゴールスプリントを制したアレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）が総合首位に。しかし午後の個人TTでシャヴァネルが総合10秒差をひっくり返した。
14.7kmコースでシャヴァネルは18分03秒のトップタイムをマーク。総合首位のクリストフはステージ6位と健闘したが、シャヴァネルとの10秒差を守りきることは出来なかった。
2年連続で最終個人タイムトライアルで優勝し、総合優勝を決めたシャヴァネル。「どんなレースか関係なく、レースが好きだ。特にこのレースは大好き。今から48時間はリカバリーに充てて、日曜日（ロンド・ファン・フラーンデレン）に備えたい。去年はパリ〜ニース期間中に体調を崩したけど、今年はここまで万事順調に来ている。つまり調子が良い。このコンディションをパリ〜ルーベまで持続したいと思う」。フランスTTチャンピオンは波に乗っている。
第3bステージ トップタイムで優勝したシルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ） photo:Cor Vos第3bステージ シャヴァネルから32秒遅れ、リーダージャージを失ったアレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） photo:Cor Vosシャヴァネルは、クラシックシーズンにおいてオメガファーマ・クイックステップの重要な役割を担う。週末のロンド・ファン・フラーンデレンでは強力なアシストとして、もしくは距離を残してアタックする伏兵として、ボーネンをサポートする。「自分はロンドの優勝候補ではないと思う。サガンやカンチェラーラは強いけど、トム（ボーネン）やニキ（テルプストラ）のようなスペシャリストもいるし、団結した強いチームが僕らの強み。日曜日はサプライズが起こる可能性だってある。チームとしてベストを尽くすよ」。
選手コメントはオメガファーマ・クイックステップ公式サイトより。
3月26日 第1ステージ ミッデルケルケ〜ゾッテヘム 199.8km
1位 ペーター・サガン（スロバキア、キャノンデールプロサイクリング） 5h00'27"
2位 アルノー・デマール（フランス、FDJ）
3位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）
4位 シルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ）
5位 オスカル・ガット（イタリア、ヴィーニファンティーニ）
3月27日 第2ステージ アウデナールデ〜コクサイデ 204.2km
1位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ） 4h46'57"
2位 エリア・ヴィヴィアーニ（イタリア、キャノンデールプロサイクリング）
3位 フランチェスコ・キッキ（イタリア、ヴィーニファンティーニ）
4位 アルノー・デマール（フランス、FDJ）
5位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）
3月28日 第3aステージ デパンヌ〜デパンヌ 112.6km
1位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） 2h29'02"
2位 サーシャ・モードロ（イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス）
3位 エリア・ヴィヴィアーニ（イタリア、キャノンデールプロサイクリング）
4位 ソニー・コルブレッリ（イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス）
5位 バティスト・プランカールト（ベルギー、クレラン・ユーフォニー）
3月28日 第3bステージ デパンヌ〜デパンヌ 14.75km（個人TT）
1位 シルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ） 18'03"
2位 アントン・ヴォロブエフ（ロシア、カチューシャ） +19"
3位 リエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +21"
4位 ヨアン・レボン（フランス、FDJ） +24"
5位 ニキ・テルプストラ（オランダ、オメガファーマ・クイックステップ） +31"
6位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） +32"
個人総合成績
1位 シルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ） 12h34'28"
2位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） +22"
3位 ニキ・テルプストラ（オランダ、オメガファーマ・クイックステップ） +31"
4位 ヨアン・レボン（フランス、FDJ） +32"
5位 リエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +38"
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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