2013/03/21(木) - 14:54
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)第3ステージは、なんと標高2200mのスキー場にゴールする。雪に覆われた登りで、23歳のナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)が圧倒的な登坂力を見せつけた。
ジローナ郊外のビドレレスからフランス国境に近いピレネー山脈のスキー場「バルテ2000」に至る180kmで行なわれたカタルーニャ第3ステージ。「バルテ2000」のカテゴリーは超級で、平均勾配7.8%の登りが12kmにわたって続く。ゴール地点の標高はなんと2200m。3月のレースとしては異例の高さだ。
「最後の登りは風が強かったので、チームとしてアタックするタイミングを遅らせた」と、ステージ優勝を飾ったクインターナは語る。
レースはマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)ら4名が長時間にわたって逃げる展開に。しかしスカイプロサイクリングがコントロールするメイン集団が猛追を見せ、最後の超級山岳バルテ2000の登りでタイム差は一気に縮まる。
長く険しい登りでニコラ・エデ(フランス、コフィディス)が逃げグループの中からアタック。エデは最後まで抵抗を見せたが、ラスト4kmでメイン集団から飛び出したユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)に遂に捉えられる。雪が残る九十九折りの登りでファンデンブロックが先頭に立った。
しかしメイン集団とのタイム差は広がらず、続いてカウンターで仕掛けたトム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)もリードは奪えない。15名ほどに絞られた精鋭グループの中から、ラスト1kmで本命ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)がアタックした。
ウィギンズのアタックにはホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)やクインターナ、ティボー・ピノ(フランス、FDJ)らが反応。ゴールに向かってコースが細くなり、勾配が増すと今度はロドリゲスとクインターナが互いにアタックを仕掛ける。急勾配の登りでクインターナが一気にリードを広げた。
「ゴール手前の勾配がキツいことを確認していたので、ウィギンズのアタックが落ち着いてから仕掛けた。プリート(ロドリゲス)のアタックに反応したように見えたかも知れないけど、タイミングが偶然同じだっただけ。アレハンドロ(バルベルデ)の存在も心強かった」とゴール後に振り返るクインターナが、後続を6秒引き離してゴール。ステージ2位にバルベルデが入り、モビスターがワンツー勝利を飾った。
「支え続けてくれた家族やチームに感謝している。アンダルシアとパリ〜ニースでは落車の影響でチャンスを失い、後味の悪さが残った。だから今日の勝利に満足しているし、ホッとしているよ」。クインターナはボーナスタイム10秒と6秒のリードを得たが、第1ステージを28秒遅れで終えているため総合6位に浮上するのがやっと。チームメイトのバルベルデが総合首位に立った。
バルベルデから4秒差でウィギンズとロドリゲス、7秒差でミケーレ・スカルポーニ(イタリア)とプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド)のランプレコンビが続く。ファンデンブロックやロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング)はこの日だけで32秒遅れた。
翌日の第4ステージは、標高1947mの超級山岳アイネ峠(平均勾配6.5%・登坂距離18.9km)にゴールする217kmの難関山岳ステージ。1週間のステージレースにも関わらず、カタルーニャにはタイムトライアルが設定されていない。バルベルデやロドリゲス、ウィギンズ、スカルポーニの再びの山岳決戦に注目だ。
選手コメントはモビスターチーム公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2013第3ステージ結果
1位 ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター) 5h01'20"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +06"
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
4位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +09"
6位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・シャープ)
7位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
9位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイプロサイクリング)
10位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) +21"
個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 12h45'28"
2位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング) +04"
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
4位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +07"
5位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
6位 ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター) +26"
7位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング) +30"
8位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、スカイプロサイクリング)
9位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
10位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・シャープ) +35"
山岳賞
クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
スプリント賞
クリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
スカイプロサイクリング
text:Kei Tsuji
photo:www.voltacatalunya.cat
ジローナ郊外のビドレレスからフランス国境に近いピレネー山脈のスキー場「バルテ2000」に至る180kmで行なわれたカタルーニャ第3ステージ。「バルテ2000」のカテゴリーは超級で、平均勾配7.8%の登りが12kmにわたって続く。ゴール地点の標高はなんと2200m。3月のレースとしては異例の高さだ。
「最後の登りは風が強かったので、チームとしてアタックするタイミングを遅らせた」と、ステージ優勝を飾ったクインターナは語る。
レースはマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)ら4名が長時間にわたって逃げる展開に。しかしスカイプロサイクリングがコントロールするメイン集団が猛追を見せ、最後の超級山岳バルテ2000の登りでタイム差は一気に縮まる。
長く険しい登りでニコラ・エデ(フランス、コフィディス)が逃げグループの中からアタック。エデは最後まで抵抗を見せたが、ラスト4kmでメイン集団から飛び出したユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)に遂に捉えられる。雪が残る九十九折りの登りでファンデンブロックが先頭に立った。
しかしメイン集団とのタイム差は広がらず、続いてカウンターで仕掛けたトム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)もリードは奪えない。15名ほどに絞られた精鋭グループの中から、ラスト1kmで本命ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)がアタックした。
ウィギンズのアタックにはホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)やクインターナ、ティボー・ピノ(フランス、FDJ)らが反応。ゴールに向かってコースが細くなり、勾配が増すと今度はロドリゲスとクインターナが互いにアタックを仕掛ける。急勾配の登りでクインターナが一気にリードを広げた。
「ゴール手前の勾配がキツいことを確認していたので、ウィギンズのアタックが落ち着いてから仕掛けた。プリート(ロドリゲス)のアタックに反応したように見えたかも知れないけど、タイミングが偶然同じだっただけ。アレハンドロ(バルベルデ)の存在も心強かった」とゴール後に振り返るクインターナが、後続を6秒引き離してゴール。ステージ2位にバルベルデが入り、モビスターがワンツー勝利を飾った。
「支え続けてくれた家族やチームに感謝している。アンダルシアとパリ〜ニースでは落車の影響でチャンスを失い、後味の悪さが残った。だから今日の勝利に満足しているし、ホッとしているよ」。クインターナはボーナスタイム10秒と6秒のリードを得たが、第1ステージを28秒遅れで終えているため総合6位に浮上するのがやっと。チームメイトのバルベルデが総合首位に立った。
バルベルデから4秒差でウィギンズとロドリゲス、7秒差でミケーレ・スカルポーニ(イタリア)とプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド)のランプレコンビが続く。ファンデンブロックやロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング)はこの日だけで32秒遅れた。
翌日の第4ステージは、標高1947mの超級山岳アイネ峠(平均勾配6.5%・登坂距離18.9km)にゴールする217kmの難関山岳ステージ。1週間のステージレースにも関わらず、カタルーニャにはタイムトライアルが設定されていない。バルベルデやロドリゲス、ウィギンズ、スカルポーニの再びの山岳決戦に注目だ。
選手コメントはモビスターチーム公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2013第3ステージ結果
1位 ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター) 5h01'20"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +06"
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
4位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +09"
6位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・シャープ)
7位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
9位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイプロサイクリング)
10位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) +21"
個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 12h45'28"
2位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング) +04"
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
4位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +07"
5位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
6位 ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター) +26"
7位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング) +30"
8位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、スカイプロサイクリング)
9位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
10位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・シャープ) +35"
山岳賞
クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
スプリント賞
クリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
スカイプロサイクリング
text:Kei Tsuji
photo:www.voltacatalunya.cat
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