国内ロードレースシーンの開幕戦、西日本チャレンジロードでマトリックスパワータグが圧巻の走り。エースのマリウス・ヴィズィアックが優勝、5位まで独占して幸先良いスタートに。

エリート マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)が優勝、チームは表彰台を独占エリート マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)が優勝、チームは表彰台を独占 photo:Hideaki TAKAGI

アンダー 2周目、逃げる田典幸(Espoir Asia)と日野林雄大(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)アンダー 2周目、逃げる田典幸(Espoir Asia)と日野林雄大(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス) photo:Hideaki TAKAGIマスター ゴールスプリント、高谷薫(シャンテ)が優勝マスター ゴールスプリント、高谷薫(シャンテ)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI国内レースで春の到来を告げるのが西日本チャレンジロードだ。3月17日(日)の広島県中央森林公園は、朝こそ寒かったがしだいに春の日差しとなり、開幕戦にふさわしい天候に。

20位までに全日本選手権ロード参加資格

開幕戦のこのあと国内ではレースが目白押し、特にジュニアの高校生にとっては21日から始まる高校選抜大会の調子を見ることのできる重要なレース。そして登録各クラスは今年から20位以内までが全日本選手権ロードの出場資格が与えられることもあり、これも重要な関心ごとに。

午前中は登録者各クラスが行われた。女子は1周目の上りから崎本智子(ナカガワAS.K'デザイン)が抜け出して優勝。ジュニアは数人の逃げができるもゴールは集団で、序盤から積極的に走っていた柳瀬慶明(チームAVEL)が優勝。

アンダーは1周目から田典幸(Espoir Asia)と日野林雄大(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)の2人が抜け出し、その後は田が独走して優勝。メイン集団に戻った日野林は仕切りなおして2位に。マスターはゴール勝負を高谷薫(シャンテ)が制した。

女子1周目 崎本智子(ナカガワAS.K'デザイン)が抜け出す女子1周目 崎本智子(ナカガワAS.K'デザイン)が抜け出す photo:Hideaki TAKAGIジュニア 柳瀬慶明(チームAVEL)が優勝ジュニア 柳瀬慶明(チームAVEL)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI

フルメンバー10人出場のマトリックスパワータグ

エリート 2周目、佐々木優也(チーム右京REVE)ら8人の先頭集団とメイン集団は射程内エリート 2周目、佐々木優也(チーム右京REVE)ら8人の先頭集団とメイン集団は射程内 photo:Hideaki TAKAGIエリート 4周目へ入る先頭の7人エリート 4周目へ入る先頭の7人 photo:Hideaki TAKAGIエリートは5周61.5kmで行われた。コンチネンタルチームはマトリックスパワータグの1チームのみで、しかも同チームは登録フルメンバー10人での出走。レースはこのマトリックスを中心に展開した。

1周目の先頭は4人。ヴィズィアック、向川尚樹(マトリックスパワータグ)、佐々木優也(チーム右京REVE)、森圭司(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)。メイン集団との差は20秒程度。

2周目には窪木一茂(マトリックスパワータグ)、白石真悟(シマノドリンキング)、さらに永良大誠、池部壮太、小牧佑也(マトリックスパワータグ)、大塚航、伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)らが前後する。

3周目に先頭集団は安定し7人に。ヴィズィアック、永良、窪木、小牧、向川、白石、佐々木だ。メイン集団からは津末浩平(津末サイクル)と安原大貴(マトリックスパワータグ)がブリッジをかけるべくアタックするが届かない。先頭7人で勝負が争われることに。
エリート 4周目、広島のコースは改修されてハイペースにエリート 4周目、広島のコースは改修されてハイペースに photo:Hideaki TAKAGI
最終周回のアップダウン区間でマトリックス勢が仕掛け、ヴィズィアック、永良、窪木、向川の4人が抜け出す。そして1周目から逃げていたエースのヴィズィアック、サラリーマンレーサーの永良、そしてアジア選帰りの窪木の順にゴールラインを通過。チームの完璧な勝利だ。

「作戦なし、チーム内で競争しろ」安原昌弘監督
エリート 最終周回、マトリックスだけ4人で抜け出したエリート 最終周回、マトリックスだけ4人で抜け出した photo:Hideaki TAKAGI
中盤まで逃げ集団とメイン集団との差は20秒から30秒差を保っていた。これは前方にマトリックスメンバーを集めるためのもの。「まず逃げること、そしてメイン集団にいるのならば自分達だけで抜け出して合流すること」を課したという安原昌弘監督。チームTTのように逃げ続ける先頭集団は圧巻だった。
エリート 表彰エリート 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
このなかで気を吐いたのは白石と佐々木。「メイン集団からアタックしてみたら窪木君が反応してくれた。彼が先頭集団まで運んでくれた」と謙遜するがさすがのレース巧者。「自分としては納得できるレース」と振り返るのは佐々木。今年からチームに加わったが元々は京都産業大学の卒業生。NIPPOコルナゴ、トレック・マルコポーロでも活動していた。ふたたび走り始めた佐々木に注目だ。

安原監督は「いつもやられているこの大会で、今年はリベンジしようと全員連れて来た。展開と結果で存在は見せられたとは思う」と語る。「今日はほかのメンバーは見るな、チーム内で競争しろと言った。作戦もない。メンバー間で潰しあっても構わない、結果として10人が前に残れればくらいの感じ」と細かな指示はしなかった。「久しぶりにいい思いでレースを終えました」と笑顔に。

結果
エリート 61.5km
1位 マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)1時間31分31秒
2位 永良大誠(マトリックスパワータグ)
3位 窪木一茂(マトリックスパワータグ)
4位 小牧祐也(マトリックスパワータグ)+1分19秒
5位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)
6位 白石真悟(シマノドリンキング)+1分34秒
7位 佐々木優也(チーム右京REVE)
8位 安原大貴(マトリックスパワータグ)+2分04秒
9位 河賀雄大(立命館大学)+2分06秒
10位 佐藤信哉(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)

女子 24.6km
1位 崎本智子(ナカガワAS.K'デザイン)43分02秒
2位 合田祐美子(早稲田大学)+1分35秒
3位 ジル・パターソン +1分54秒

アンダー 36.9km
1位 田典幸(Espoir Asia)57分02秒
2位 日野林雄大(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)+1分35秒
3位 鈴木鳳隼(環太平洋大学)
4位 大塚洋稔(bicinoko.com)
5位 水田宙(東京大学)
6位 木村太郎(Blue Grass)

ジュニア 36.9km
1位 柳瀬慶明(チームAVEL)58分34秒
2位 吉原貴幸(香川・石田高校)
3位 岡部祐太(広島城北高校)
4位 浅尾銀二(ボンシャンス飯田)
5位 川口孔太(高知東工業高校)
6位 野本空(愛媛・松山工業高校)

マスター 36.9km
1位 高谷薫(シャンテ)1時間00分41秒
2位 藤井伸昌(チーム岡山)
3位 酒居良和(WILD PIGs)+01秒
4位 松本若樹(VC Fukuoka)
5位 寺本道彦(ペアラレーシング)
6位 関口卓宏(チーム岡山)

photo&text:高木秀彰
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