5月19日から8日間6ステージで行われるツアー・オブ・ジャパン。今年は1クラスへ昇格、プロチームを含む16チームが参加、新人賞も新たに設定された。

TOJ記者発表、選手代表として土井雪広(チーム右京)が登場TOJ記者発表、選手代表として土井雪広(チーム右京)が登場 photo:Hideaki TAKAGI

今年のツアー・オブ・ジャパンの概要が明らかになった。2月18日(月)、日本自転車会館にてツアー・オブ・ジャパン組織委員会(事務局:一般社団法人日本自転車普及協会)による記者発表が行われた。昨年まではUCI2-2クラスだったが、今年は2-1クラスへ昇格。よりレベルアップすることが期待される。

TOJ記者発表会場TOJ記者発表会場 photo:Hideaki TAKAGIツアー・オブ・ジャパンは今年で第16回、ステージとその内容は昨年度大会に準じ大きな変更はない。1クラスとなったことで2クラスと違いUCIプロチームの参加が可能となった。いっぽうでクラブチームは参加できない。各チーム6名の選手で全16チームが予定されている。この日に発表があったのはそのうちの13チーム。残り海外の3チームについては調整中としている。

出場チーム

海外:7チーム
 チャンピオンシステム プロサイクリングチーム
 OCBCシンガポール コンチネンタルサイクリングチーム
 ドラパック サイクリング
 ハオン サーモン・ジェネシス ウェルス アドヴァイザーズ
 他3チーム調整中

今年は白色の新人賞ジャージも加わる。2012年東京ステージスタート地点にて今年は白色の新人賞ジャージも加わる。2012年東京ステージスタート地点にて photo:Hideaki TAKAGI国内:9チーム
 愛三工業レーシングチーム
 ブリヂストン・アンカー
 C プロジェクト
 マトリックス・パワータグ
 シマノレーシングチーム
 チームNIPPO・デローザ
 チームUKYO
 宇都宮ブリッツェン
 日本ナショナルチーム

国内チームのいくつかからは参加予定選手などもあわせて発表に。
・ブリヂストン・アンカー:清水都貴とダミアン・モニエを戦力の軸に
・C プロジェクト(キャノンデール・チャンピオンシステムのUCIコンチネンタルチーム登録申請名):森本誠、遠藤績穂、山本和弘、大場政登志、澤田賢匠、原川浩介を予定
・マトリックス・パワータグ:窪木一茂、マリウス・ウィズィアックを主軸にベテランと若手選手で
・シマノレーシングチーム:鈴木譲をエースに、畑中勇介、吉田隼人、安井雅彦、西村大輝、入部正太朗
・日本ナショナルチーム:若手を中心に登用

第16回ツアー・オブ・ジャパンの概要

全6ステージ581.85km、UCI2.1クラス
5月19日(日)堺 第1ステージ:2.65km個人タイムトライアル
5月21日(火)美濃 第2ステージ:160.7km、パレードあり
5月22日(水)南信州 第3ステージ:148.0km パレードあり
5月24日(金)富士山 第4ステージ:11.4km
5月25日(土)伊豆 第5ステージ:146.4km
5月26日(日)東京 第6ステージ:112.7km パレードあり

リーダージャージ:個人総合時間賞、ポイント賞、山岳賞、新人賞(25歳以下、本大会から採用)


「日本人がツール・ド・フランスに勝つためには」自転車セミナーが開催

講師の浅田顕氏、栗村修氏講師の浅田顕氏、栗村修氏 photo:Hideaki TAKAGITOJ記者発表の前に同会場で一般向けに自転車セミナー(主催:一般社団法人日本自転車普及協会)が行われた。講師は浅田顕氏、栗村修氏、そしてMCは白戸太朗氏という豪華メンバー。サプライズゲストに片山右京氏も加わった。

いまやツール・ド・フランスに日本人選手が出場することは珍しいことでなくなり、どのように走るのかそして成績にまで注目される時代に。だが優勝、あるいは日本チームとしての出場はまだこれからのこと。これらについて浅田氏と栗村氏からそれぞれの意見が出された。チーム運営資金の話では、国内の成功したとされるチームの実績で数千万円。しかし海外の強豪チームは10億円からで一桁以上違う、と生々しい話も。

浅田顕氏:「日本のチームでツールに出ることが目標」「強い選手はたくさんいるが勝てる選手は少ない。勝てる確率の高い選手しか選べない」「海外へ行くと『また日本は遅れをとった』と感じる」「厳しいレースとは、たとえば累積標高差7000mとかのコースにするのではない。むしろ日本人選手には平坦のレースで気象条件が悪いものが厳しいレースだ」「日本人でジュニアでもいいので世界チャンピオンを出すことがまず先」。

講師は浅田顕氏、栗村修氏。MCは白戸太朗氏講師は浅田顕氏、栗村修氏。MCは白戸太朗氏 photo:Hideaki TAKAGI栗村修氏:「自分は17歳でヨーロッパに渡った。そこでフランス選手がツールを目指す姿を見てきた」「強い選手は才能が必要。フランスでは才能を選別するシステムが確立している」「自転車新興国の取り組みは参考になるのでは」「受講者が2万人を越えたウィーラースクールのような活動は大事」などと話した。

photo&text:高木秀彰