2013/02/17(日) - 12:28
最終日を迎えたツアー・オブ・オマーン(UCI2.HC)。アップダウンコースで80名弱に絞られた集団によるスプリントで、フランスチャンピオンのナセル・ブアニ(フランス、FDJ)が勝利した。日本勢最高位は、盛一大(日本ナショナルチーム)の16位。
オマーン最終日、第6ステージは南方のシンクホールパークを発ち、標高251mのKOMを越え、首都マスカットに向けて北上する144kmの行程。最後はアップダウンを含む7kmの周回コースを3周する。
第5ステージを終えた時点で、27秒のリードを得たクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)の総合首位は固い。レースの主導権はスプリンターチームが握った。
この日、逃げを試みたのはガティス・スムクリス(ラトビア、カチューシャ)、アンドレア・ディコラード(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)、ウェズリー・クレダー(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)の3名。
先頭3名のリードは6分40秒まで広がったが、スカイプロサイクリングに加えてアルゴス・シマノやネットアップ・エンドゥーラが牽引するメイン集団が追撃。3名はゴールまで17kmを残して吸収される。
一つにまとまったメイン集団は、徐々に人数を減らしながら周回コースを行く。最終周回の登りでセレクションがかけられ、80名ほどに絞られた状態でラスト1kmに突入する。
オリカ・グリーンエッジやヴァカンソレイユ・DCM、オメガファーマ・クイックステップが積極的にトレインを組んだが、混戦状態のままゴールへ。テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)の後ろから飛び出したブアニが、マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)を抜きさってゴールした。
フランスチャンピオンの証であるトリコロール(赤白青)ジャージが目立つブアニは、ボクシングの経験をもつ22歳の新鋭スプリンター。「フィニッシュラインを駆け抜けるとき、解放感から叫んでしまった。カタールが始まった時からずっと待ち望んでいた勝利がやってきたんだ。ラスト300mまでライバルの後ろに潜んで、そこから一気に仕掛けた」と語る。
「自分にとって初UCIワールドツアーレースとなるパリ〜ニースやミラノ〜サンレモに向けて、大きな自信になる。パリ〜ニースでもステージ優勝したい」。がっしりとした体つきが特徴だが、登りのステージでも上位に絡んでみせる。新人賞に輝いた新鋭クライマーのケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)とともに、フランスの次世代を担うライダーだ。
そして、総合優勝はフルームの手に。自身初めてステージレース総合優勝に輝いた27歳のフルームは「信じられないほど大成功の1週間だった。ブラドレー・ウィギンズのような選手にサポートされることで、タフな局面も難なく乗り切ることが出来たよ。このオマーンは、まだまだシーズン序盤で、あくまでも準備レースとしての位置づけ。でも、ツール・ド・フランスに100%のコンディションで挑むためのトレーニングの成果を確認出来た」とコメントする。当初の予定通りフルームはスカイプロサイクリングのエースとしてツールに出場する。
この日、盛一大と西谷泰治(日本ナショナルチーム)の2人が先頭集団でゴール。西谷は総合32位でレースを終えた。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2013第6ステージ結果
1位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ) 3h24'20"
2位 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
3位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
4位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
5位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
6位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)
7位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
9位 ヤルク・ブラツ(スロベニア、ネットアップ・エンドゥーラ)
10位 マルコ・コレダン(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
16位 盛一大(日本、日本ナショナルチーム)
32位 西谷泰治(日本、日本ナショナルチーム)
84位 鈴木譲(日本、日本ナショナルチーム) +52"
90位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム) +58"
97位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)
98位 佐野淳哉(日本、日本ナショナルチーム)
112位 内間康平(日本、日本ナショナルチーム) +2'10"
133位 木下智裕(日本、日本ナショナルチーム) +5'29"
134位 畑中勇介(日本、日本ナショナルチーム) +6'43"
個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) 23h28'33"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ) +27"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +39"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +50"
5位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +1'13"
6位 ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
7位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) +1'19"
8位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ) +1'34"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) +1'44"
10位 マキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル) +1'57"
32位 西谷泰治(日本、日本ナショナルチーム) +6'20"
36位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム) +8'53"
59位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +17'01"
71位 鈴木譲(日本、日本ナショナルチーム) +21'12"
72位 佐野淳哉(日本、日本ナショナルチーム) +21'28"
117位 盛一大(日本、日本ナショナルチーム) +33'28"
130位 内間康平(日本、日本ナショナルチーム) +37'31"
136位 木下智裕(日本、日本ナショナルチーム) +46'39"
137位 畑中勇介(日本、日本ナショナルチーム) +55'00"
ポイント賞
クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)
新人賞
ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)
総合敢闘賞
ボビー・トラクセル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
オマーン最終日、第6ステージは南方のシンクホールパークを発ち、標高251mのKOMを越え、首都マスカットに向けて北上する144kmの行程。最後はアップダウンを含む7kmの周回コースを3周する。
第5ステージを終えた時点で、27秒のリードを得たクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)の総合首位は固い。レースの主導権はスプリンターチームが握った。
この日、逃げを試みたのはガティス・スムクリス(ラトビア、カチューシャ)、アンドレア・ディコラード(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)、ウェズリー・クレダー(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)の3名。
先頭3名のリードは6分40秒まで広がったが、スカイプロサイクリングに加えてアルゴス・シマノやネットアップ・エンドゥーラが牽引するメイン集団が追撃。3名はゴールまで17kmを残して吸収される。
一つにまとまったメイン集団は、徐々に人数を減らしながら周回コースを行く。最終周回の登りでセレクションがかけられ、80名ほどに絞られた状態でラスト1kmに突入する。
オリカ・グリーンエッジやヴァカンソレイユ・DCM、オメガファーマ・クイックステップが積極的にトレインを組んだが、混戦状態のままゴールへ。テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)の後ろから飛び出したブアニが、マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)を抜きさってゴールした。
フランスチャンピオンの証であるトリコロール(赤白青)ジャージが目立つブアニは、ボクシングの経験をもつ22歳の新鋭スプリンター。「フィニッシュラインを駆け抜けるとき、解放感から叫んでしまった。カタールが始まった時からずっと待ち望んでいた勝利がやってきたんだ。ラスト300mまでライバルの後ろに潜んで、そこから一気に仕掛けた」と語る。
「自分にとって初UCIワールドツアーレースとなるパリ〜ニースやミラノ〜サンレモに向けて、大きな自信になる。パリ〜ニースでもステージ優勝したい」。がっしりとした体つきが特徴だが、登りのステージでも上位に絡んでみせる。新人賞に輝いた新鋭クライマーのケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)とともに、フランスの次世代を担うライダーだ。
そして、総合優勝はフルームの手に。自身初めてステージレース総合優勝に輝いた27歳のフルームは「信じられないほど大成功の1週間だった。ブラドレー・ウィギンズのような選手にサポートされることで、タフな局面も難なく乗り切ることが出来たよ。このオマーンは、まだまだシーズン序盤で、あくまでも準備レースとしての位置づけ。でも、ツール・ド・フランスに100%のコンディションで挑むためのトレーニングの成果を確認出来た」とコメントする。当初の予定通りフルームはスカイプロサイクリングのエースとしてツールに出場する。
この日、盛一大と西谷泰治(日本ナショナルチーム)の2人が先頭集団でゴール。西谷は総合32位でレースを終えた。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2013第6ステージ結果
1位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ) 3h24'20"
2位 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
3位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
4位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
5位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
6位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)
7位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
9位 ヤルク・ブラツ(スロベニア、ネットアップ・エンドゥーラ)
10位 マルコ・コレダン(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
16位 盛一大(日本、日本ナショナルチーム)
32位 西谷泰治(日本、日本ナショナルチーム)
84位 鈴木譲(日本、日本ナショナルチーム) +52"
90位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム) +58"
97位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)
98位 佐野淳哉(日本、日本ナショナルチーム)
112位 内間康平(日本、日本ナショナルチーム) +2'10"
133位 木下智裕(日本、日本ナショナルチーム) +5'29"
134位 畑中勇介(日本、日本ナショナルチーム) +6'43"
個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) 23h28'33"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ) +27"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +39"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +50"
5位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +1'13"
6位 ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
7位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) +1'19"
8位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ) +1'34"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) +1'44"
10位 マキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル) +1'57"
32位 西谷泰治(日本、日本ナショナルチーム) +6'20"
36位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム) +8'53"
59位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +17'01"
71位 鈴木譲(日本、日本ナショナルチーム) +21'12"
72位 佐野淳哉(日本、日本ナショナルチーム) +21'28"
117位 盛一大(日本、日本ナショナルチーム) +33'28"
130位 内間康平(日本、日本ナショナルチーム) +37'31"
136位 木下智裕(日本、日本ナショナルチーム) +46'39"
137位 畑中勇介(日本、日本ナショナルチーム) +55'00"
ポイント賞
クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)
新人賞
ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)
総合敢闘賞
ボビー・トラクセル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
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