2013/02/16(土) - 11:31
アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)、クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)による三つ巴の闘い。ツアー・オブ・オマーン(UCI2.HC)の勝者を決めるバトルは、フルームに軍配が上がった。
グリーンマウンテン頂上決戦から一夜明け、エヴァンスから24秒、コンタドールから25秒、そしてニーバリから34秒のリードをもって第5ステージに挑んだフルーム。首都マスカット郊外の山岳地帯を駆ける第5ステージで実質的な総合優勝者が決まる。
レース後半には、標高355mのKOMブシェールアラムラットを3回クリア。3回目のKOMからゴールまでは13kmしか離れていない。
この日、ポイント賞ジャージを着るペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)は体調不良によりスタートせず。11km地点で、多くのUCIプロチームライダーを含む逃げグループが生まれた。
逃げたのは元シクロクロス世界チャンピオンのゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)やフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)、ヘスス・エルナンデス(スペイン、サクソ・ティンコフ)ら、脚の揃った9名。スカイプロサイクリングが牽引するメイン集団は、2分30秒ほど後方でタイム差に目を光らせた。
勝負が動いたのは、2回目のKOMブシェールアラムラット。平均勾配10%・登坂距離3.6kmの登りで、サクソ・ティンコフがペースを上げるメイン集団から、ニーバリとコンタドールが飛び出した。
逃げに入っていたチームメイトのエルナンデスが先頭で頂上を通過するその15秒後に、コンタドールが頂上を通過。しかしフルームを始めとするライバルたちから決定的なリードは奪えない。
逃げは全て吸収され、3回目の、つまり最後のKOMブシェールアラムラットで再びコンタドールが攻撃開始。コンタドールの動きにすぐさま反応したエヴァンスが失速すると、代わってフルームとロドリゲスの2人がコンタドールを追いかける。頂上通過後、コンタドールにフルームとロドリゲスが追いつき、三強が飛び出した状態でゴールまでのダウンヒルに差し掛かった。
ゴールまで3kmを残して先頭3名と追走7名のタイム差は20秒。牽制で少しペースを落としたものの、タイム差は最後まで埋まらず、3名によるゴールスプリント勝負に。先に仕掛けたフルームが、追い上げるコンタドールを僅差で振り切った。
今シーズン初勝利を飾り、ボーナスタイムによって総合に王手をかけたフルームは「チームの作戦は、出来るだけ集団を一つにまとめて登りの勝負にもちこむこと。サクソ・ティンコフのペースアップで厳しい展開になり、周りにはリッチー(ポルト)しかいなくなった。彼のおかげで最後の登りのポジションをキープして、コンタドールの動きをカバーすることが出来たんだ」と語る。
「アルベルトとロドリゲスの3人でのスプリントはエキサイティングだったよ。明日は平坦ステージなので、スプリンターチームがコントロールしてくれることを願う。総合リードが27秒まで広がったので、落ち着いて最終ステージに挑みたい」。コンディションにバラツキがあるシーズン序盤とは言え、山岳レースでコンタドールやロドリゲスを破った意味は大きい。
この日、西谷泰治(日本ナショナルチーム)と西薗良太(チャンピオンシステム)はともに1分51秒遅れの第2集団でゴール。それぞれ総合33位と総合37位につける。西薗は「GC(総合成績)が僅差だったこともあって、トップクライマーたちが大暴れし、その後ろでさらに横風との戦争。チームメイトのチュンカイを守りつつも、ベストを尽くしました」とツイートしている。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2013第5ステージ結果
1位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) 3h29'19"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
4位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) +04"
5位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
7位 ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
9位 ヘスス・エルナンデス(スペイン、サクソ・ティンコフ)
10位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) +08"
42位 西谷泰治(日本、日本ナショナルチーム) +1'51"
45位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム)
68位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +8'07"
104位 鈴木譲(日本、日本ナショナルチーム) +12'48"
114位 内間康平(日本、日本ナショナルチーム)
134位 盛一大(日本、日本ナショナルチーム) +13'23"
135位 木下智裕(日本、日本ナショナルチーム)
136位 佐野淳哉(日本、日本ナショナルチーム)
139位 畑中勇介(日本、日本ナショナルチーム) +20'55"
個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) 20h04'13"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ) +27"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +39"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +50"
5位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +1'13"
6位 ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
7位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) +1'19"
8位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ) +1'34"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) +1'44"
10位 マキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル) +2'00"
ポイント賞
クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)
新人賞
ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)
総合敢闘賞
ボビー・トラクセル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
グリーンマウンテン頂上決戦から一夜明け、エヴァンスから24秒、コンタドールから25秒、そしてニーバリから34秒のリードをもって第5ステージに挑んだフルーム。首都マスカット郊外の山岳地帯を駆ける第5ステージで実質的な総合優勝者が決まる。
レース後半には、標高355mのKOMブシェールアラムラットを3回クリア。3回目のKOMからゴールまでは13kmしか離れていない。
この日、ポイント賞ジャージを着るペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)は体調不良によりスタートせず。11km地点で、多くのUCIプロチームライダーを含む逃げグループが生まれた。
逃げたのは元シクロクロス世界チャンピオンのゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)やフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)、ヘスス・エルナンデス(スペイン、サクソ・ティンコフ)ら、脚の揃った9名。スカイプロサイクリングが牽引するメイン集団は、2分30秒ほど後方でタイム差に目を光らせた。
勝負が動いたのは、2回目のKOMブシェールアラムラット。平均勾配10%・登坂距離3.6kmの登りで、サクソ・ティンコフがペースを上げるメイン集団から、ニーバリとコンタドールが飛び出した。
逃げに入っていたチームメイトのエルナンデスが先頭で頂上を通過するその15秒後に、コンタドールが頂上を通過。しかしフルームを始めとするライバルたちから決定的なリードは奪えない。
逃げは全て吸収され、3回目の、つまり最後のKOMブシェールアラムラットで再びコンタドールが攻撃開始。コンタドールの動きにすぐさま反応したエヴァンスが失速すると、代わってフルームとロドリゲスの2人がコンタドールを追いかける。頂上通過後、コンタドールにフルームとロドリゲスが追いつき、三強が飛び出した状態でゴールまでのダウンヒルに差し掛かった。
ゴールまで3kmを残して先頭3名と追走7名のタイム差は20秒。牽制で少しペースを落としたものの、タイム差は最後まで埋まらず、3名によるゴールスプリント勝負に。先に仕掛けたフルームが、追い上げるコンタドールを僅差で振り切った。
今シーズン初勝利を飾り、ボーナスタイムによって総合に王手をかけたフルームは「チームの作戦は、出来るだけ集団を一つにまとめて登りの勝負にもちこむこと。サクソ・ティンコフのペースアップで厳しい展開になり、周りにはリッチー(ポルト)しかいなくなった。彼のおかげで最後の登りのポジションをキープして、コンタドールの動きをカバーすることが出来たんだ」と語る。
「アルベルトとロドリゲスの3人でのスプリントはエキサイティングだったよ。明日は平坦ステージなので、スプリンターチームがコントロールしてくれることを願う。総合リードが27秒まで広がったので、落ち着いて最終ステージに挑みたい」。コンディションにバラツキがあるシーズン序盤とは言え、山岳レースでコンタドールやロドリゲスを破った意味は大きい。
この日、西谷泰治(日本ナショナルチーム)と西薗良太(チャンピオンシステム)はともに1分51秒遅れの第2集団でゴール。それぞれ総合33位と総合37位につける。西薗は「GC(総合成績)が僅差だったこともあって、トップクライマーたちが大暴れし、その後ろでさらに横風との戦争。チームメイトのチュンカイを守りつつも、ベストを尽くしました」とツイートしている。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2013第5ステージ結果
1位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) 3h29'19"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
4位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) +04"
5位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
7位 ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
9位 ヘスス・エルナンデス(スペイン、サクソ・ティンコフ)
10位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) +08"
42位 西谷泰治(日本、日本ナショナルチーム) +1'51"
45位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム)
68位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +8'07"
104位 鈴木譲(日本、日本ナショナルチーム) +12'48"
114位 内間康平(日本、日本ナショナルチーム)
134位 盛一大(日本、日本ナショナルチーム) +13'23"
135位 木下智裕(日本、日本ナショナルチーム)
136位 佐野淳哉(日本、日本ナショナルチーム)
139位 畑中勇介(日本、日本ナショナルチーム) +20'55"
個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) 20h04'13"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ) +27"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +39"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +50"
5位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +1'13"
6位 ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
7位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) +1'19"
8位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ) +1'34"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) +1'44"
10位 マキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル) +2'00"
ポイント賞
クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)
新人賞
ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)
総合敢闘賞
ボビー・トラクセル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
Amazon.co.jp