2013/02/05(火) - 16:54
ハンドビルドによる高精度と優れたプライスパフォーマンスでファンの多いオランダ発のホイールブランドFFWD。同社のF4Rといえばエアロダイナミクスと軽量性を両立し、ロードレースからヒルクライムまで幅広く対応できるモデルとして人気も高い。そして、そのエアロダイナミクス性能にさらなる磨きをかけたのが「F4R 240S with DARC」だ。
製品名に冠される「DARC」(ダルク)とはFFWD独自のエアロテクノロジーで、先んじて同社の60㎜ハイトのリムを持つF6Rに搭載されており、サイドウォールの中央部分を内側に湾曲させたリム形状が特徴となっている。この形状によって走行中リムにかかる空気の圧力を増し、増加した圧力はホイール上でより速い気流となり、空気抵抗を減少させている。
もちろん斜めからの風に対しても強く、この状況において従来のホイールでは気流がリムから遠ざかってしまうため、空気の渦の発生によって空気抵抗となっていたが、DARCテクノロジーではリム面を沿うように空気が流れるため空気抵抗が軽減されている。
DARCテクノロジーによるエアロダイナミクスの見直しを図ったことにより、従来40㎜だったリムハイトは45㎜に設定されている。とはいえスポーク本数は、従来通りフロント20本、リア24本に設計。使用されるカーボン素材についても、内側には重量比剛性に優れるUDF(単一方向カーボン)、最外層には破断に強い3Kタイプが採用されている。
ハブは精度の高い作りと優れた剛性を持つDT・240シリーズ、スポークはDT・エアロライト/サピム・CXレイといった定評あるパーツを使用することでホイール体となる。1245gの重量はこれまで通りで、ジップ・303などに比べても10gほど軽く、ミッドプロファイルのエアロリムを採用したエアロホイールのなかでもトップクラスの軽量性を備えている。F4R 240S with DARCは、優れたエアロダイナミクスと軽さをさらに高次元で融合させ、ヒルクライム性能を損なうことなく、ロードレースにおける走りをさらに高めることに成功している。
「絶妙な性能バランス。これひとつで様々なレースに対応できる」
F4RはシマノのC35みたいな、今流行のミッドプロプロファイルのモデルですね。しかし、実際に乗ってみると、50㎜リムハイトのディープリムホイールを履いているかのようなスピードの伸びを体感できます。ホイールの横剛性がしっかりと確保されているのでバイクを振るような走りもとてもやりやすく、まとまり感がありますね。
スポークの形式にしても手組のようなスタイルで、スポークがリムに均等に分散して配置されているので、剛性もしっかりしていて加速感がいいですね。もっさりとした感覚はなく、キビキビと加速してゆく。それでありながら快適性もすごく高いです。
今回の試乗ではドライコンディションだけでしか試すことはできませんでしたが、ブレーキも制動が均等に発生されて、しっかり効きます。制動面の問題はないと思います。絶妙なリムハイトとバランスで、スピードの伸びもいいし、加速の立ち上がりもいいので、悪いところがないですね。レースなどでは、群馬CSCとかのサーキットコースなんかがいいと思います。
重量も軽量に仕上げられているので修善寺のCSCもいですし、不得意とする場面はないと思います。レース用としてホイールを1本だけ用意するのなら、F4Rのようなバランスに優れたモデルはどんなレースにも対応できるので非常にいいですね。
「抜群のプライパフォーマンス! はじめてのカーボンホイールにもおすすめ」
僕はF6Rを持っているのだが、FFWDのホイールといえばホイール外周部のリムの軽さを伴うような優れた加速性が魅力的なのだが、やはりこのF4Rもそれを体感できる。さらに軽量な1200g中盤のホイール重量とあって、その切れ味はさらに高く加速が気持ちいい。
この重量のクラスとしては十分な剛性も備えているので、それが加速の良さやダンシングをしたときのシャキシャキとした走行感に繋がっている。スポークがフロント20本というのも安心感につながっている要素のひとつといえるだろう。なので下りなど前荷重になった場合でも、自分の体重(72㎏)では不安はなかった。
1200gクラスのエアロホイールというと重量が軽いため、試乗前の高速巡航性への期待値はさほどなかったのだが、実際に走らせてみるとリムハイト以上にバイクが惰性で進む感覚が強い。さすがにF6Rにはおよばないが、浅見さんも言うようにリムハイト以上に力強く平地で進む。
風が気になる気象条件や、フレームサイズが小さなライダーが平地で使うには最適といえる。これまでのF4Rと改めて比べて乗り込んだわけではないのでなんとも言い難いが、この巡航性能の良さはDARCテクノロジーの採用と、それによってリムハイトが5㎜増した影響かもしれない。
そして、乗り心地も非常も良くて、軽量ホイール独特の荒れた路面で振られる感覚も極めて少ない。これはリムの肉厚が極薄にしてパリパリとした走行感が少ないこと、十分なスポーク数があること、また、リアのスポークアレンジメントが左右ともクロスタイプを採用していることも影響しているのだろう。ブレーキング性能についてもパッドがリムをとらえる感覚もつかみやすいので、スピードコントロールをしやすいだろう。
軽さとエアロ性能、そして快適性のバランスが非常に優れており、これ1本あればロードレースからロングライド、ヒルクライムまでなんでも高いレベルでこなせてしまう。価格を知らずしても魅力的な性能だが、16万円台という価格は相当にプライスパフォーマンスが高い。
ハブも信頼性の高いDT製を採用するなどトラブルも少なそうだ。軽量のフルカーボンリムは、壊さないためにも路面をよく見極めて走行しなければならない注意点はあるとはいえ、その価格を考えればはじめてのカーボンホイールとしても最適な存在だ。
製品名に冠される「DARC」(ダルク)とはFFWD独自のエアロテクノロジーで、先んじて同社の60㎜ハイトのリムを持つF6Rに搭載されており、サイドウォールの中央部分を内側に湾曲させたリム形状が特徴となっている。この形状によって走行中リムにかかる空気の圧力を増し、増加した圧力はホイール上でより速い気流となり、空気抵抗を減少させている。
もちろん斜めからの風に対しても強く、この状況において従来のホイールでは気流がリムから遠ざかってしまうため、空気の渦の発生によって空気抵抗となっていたが、DARCテクノロジーではリム面を沿うように空気が流れるため空気抵抗が軽減されている。
DARCテクノロジーによるエアロダイナミクスの見直しを図ったことにより、従来40㎜だったリムハイトは45㎜に設定されている。とはいえスポーク本数は、従来通りフロント20本、リア24本に設計。使用されるカーボン素材についても、内側には重量比剛性に優れるUDF(単一方向カーボン)、最外層には破断に強い3Kタイプが採用されている。
ハブは精度の高い作りと優れた剛性を持つDT・240シリーズ、スポークはDT・エアロライト/サピム・CXレイといった定評あるパーツを使用することでホイール体となる。1245gの重量はこれまで通りで、ジップ・303などに比べても10gほど軽く、ミッドプロファイルのエアロリムを採用したエアロホイールのなかでもトップクラスの軽量性を備えている。F4R 240S with DARCは、優れたエアロダイナミクスと軽さをさらに高次元で融合させ、ヒルクライム性能を損なうことなく、ロードレースにおける走りをさらに高めることに成功している。
FFWD F4R DT240 with DARC
リム | ユニディレクションレイヤード+3Kカーボンファイバーコート |
リムハイト | 45mm |
ハブ | DT・240s |
スポーク | DT・エアロライトまたはサピム・CX-RAY |
スポーク本数 | F=20H、R=24H |
ニップル | DT・プロロックブラス真ちゅうニップル |
対応スプロケット | シマノ&スラム、カンパニョーロ |
重量 | 1245g |
付属品 | ホイールバッグ(2本入り)、クイックレバー、エクステンションバルブ、ブレーキパッド |
価格 | 16万8000円(税込) |
インプレッション
「絶妙な性能バランス。これひとつで様々なレースに対応できる」
(なるしまフレンド 浅見和洋)
F4RはシマノのC35みたいな、今流行のミッドプロプロファイルのモデルですね。しかし、実際に乗ってみると、50㎜リムハイトのディープリムホイールを履いているかのようなスピードの伸びを体感できます。ホイールの横剛性がしっかりと確保されているのでバイクを振るような走りもとてもやりやすく、まとまり感がありますね。スポークの形式にしても手組のようなスタイルで、スポークがリムに均等に分散して配置されているので、剛性もしっかりしていて加速感がいいですね。もっさりとした感覚はなく、キビキビと加速してゆく。それでありながら快適性もすごく高いです。
今回の試乗ではドライコンディションだけでしか試すことはできませんでしたが、ブレーキも制動が均等に発生されて、しっかり効きます。制動面の問題はないと思います。絶妙なリムハイトとバランスで、スピードの伸びもいいし、加速の立ち上がりもいいので、悪いところがないですね。レースなどでは、群馬CSCとかのサーキットコースなんかがいいと思います。
重量も軽量に仕上げられているので修善寺のCSCもいですし、不得意とする場面はないと思います。レース用としてホイールを1本だけ用意するのなら、F4Rのようなバランスに優れたモデルはどんなレースにも対応できるので非常にいいですね。
「抜群のプライパフォーマンス! はじめてのカーボンホイールにもおすすめ」
(吉本 司)
僕はF6Rを持っているのだが、FFWDのホイールといえばホイール外周部のリムの軽さを伴うような優れた加速性が魅力的なのだが、やはりこのF4Rもそれを体感できる。さらに軽量な1200g中盤のホイール重量とあって、その切れ味はさらに高く加速が気持ちいい。この重量のクラスとしては十分な剛性も備えているので、それが加速の良さやダンシングをしたときのシャキシャキとした走行感に繋がっている。スポークがフロント20本というのも安心感につながっている要素のひとつといえるだろう。なので下りなど前荷重になった場合でも、自分の体重(72㎏)では不安はなかった。
1200gクラスのエアロホイールというと重量が軽いため、試乗前の高速巡航性への期待値はさほどなかったのだが、実際に走らせてみるとリムハイト以上にバイクが惰性で進む感覚が強い。さすがにF6Rにはおよばないが、浅見さんも言うようにリムハイト以上に力強く平地で進む。
風が気になる気象条件や、フレームサイズが小さなライダーが平地で使うには最適といえる。これまでのF4Rと改めて比べて乗り込んだわけではないのでなんとも言い難いが、この巡航性能の良さはDARCテクノロジーの採用と、それによってリムハイトが5㎜増した影響かもしれない。
そして、乗り心地も非常も良くて、軽量ホイール独特の荒れた路面で振られる感覚も極めて少ない。これはリムの肉厚が極薄にしてパリパリとした走行感が少ないこと、十分なスポーク数があること、また、リアのスポークアレンジメントが左右ともクロスタイプを採用していることも影響しているのだろう。ブレーキング性能についてもパッドがリムをとらえる感覚もつかみやすいので、スピードコントロールをしやすいだろう。
軽さとエアロ性能、そして快適性のバランスが非常に優れており、これ1本あればロードレースからロングライド、ヒルクライムまでなんでも高いレベルでこなせてしまう。価格を知らずしても魅力的な性能だが、16万円台という価格は相当にプライスパフォーマンスが高い。
ハブも信頼性の高いDT製を採用するなどトラブルも少なそうだ。軽量のフルカーボンリムは、壊さないためにも路面をよく見極めて走行しなければならない注意点はあるとはいえ、その価格を考えればはじめてのカーボンホイールとしても最適な存在だ。
インプレライダーのプロフィール
吉本 司
71年生まれ。スポーツサイクル歴は26年。実業団レースへの参戦、自転車代理店勤務、自転車専門誌の編集者を経てフリーランスの自転車ライターとなる。製品紹介や試乗など、主にロードバイクのハードウエアに関する執筆が多いが、レースや歴史など幅広いジャンルに造詣が深い。これまで30台を上回るロードバイクを所有してきた。身長187センチ、体重72kg。
ウェア協力:レリック
ウェア協力:レリック
浅見和洋(なるしまフレンド)
プロショップ「なるしまフレンド原宿店」スタッフ。身長175cm、体重65kg。かつては実業団トップカテゴリーで走った経歴をもつ。脚質は厳しい上りがあるコースでの活躍が目立つクライマータイプだ。ダンシングでパワフルに走るのが得意。最近の嗜好は日帰りロングランにあり、例えば東京から伊豆といった、距離にして300kmオーバーをクラブ員らと楽しんでいる。
→なるしまフレンド編集:シクロワイアード 提供:ジェイピースポーツグループ