2011/10/17(月) - 12:51
フルカーボンでありながらクリンチャータイプのディープリムを採用していることがF4R 240Sの大きな特徴だ。ユニディレクションレイヤードカーボンファイバー+3Kカーボンファイバーコートの40mmデープリムを採用したホイールで、DTスイス社の高精度240Sハブ、SAPIM CX-RAYスポークを採用。ブレーキ当たり面の特殊処理で制動力を確保している。
増田成幸選手(宇都宮ブリッツェン)がJプロツアーのタイムトライアルチャンピオンシップを制したのもこのホイールだ。増田選手は雨のコンディションでグリップ力に優れたクリンチャータイヤが使えることを重視し、F4Rを選択。滑りやすいコースのTTを制した。
ファストフォワード FFWD F4R 240S
フルカーボンのクリンチャーリムを採用していることが最大の特徴だ
ブレーキ面のみ制動性を向上させる特殊処理が施されていることが分かる
宇都宮ブリッツェンはとくに雨天のレースでグリップに優れるクリンチャータイヤを使うためにF4Rをよく使用している
増田成幸選手(宇都宮ブリッツェン)が雨のタイムトライアルで使用し、優勝を飾った
ジェイピースポーツグループでは日本正規輸入ホイールについては、すべてシリアルナンバー管理をしており、正規代理店より購入したホイールについては、下記のサービスを日本国内で迅速に受けることができる。
それではF6Rに続き、白川賢治さん(YOU CAN リバーシティ店)、二戸康寛さん(なるしまフレンド)、読者ライダー3人による、F4Rのインプレッションを聞いてみよう。
「このホイールを決戦用にしておけば、レース前に天候が変わったとしてもすぐにタイヤ交換ができるのはメリット」白川賢治(YOU CAN リバーシティ店)
このホイールを決戦用にしておけば、レース前に天候が変わったとしてもすぐにタイヤ交換ができるのはメリットですね。コンディション対応力を考えると、クリンチャーの大きなアドバンテージはありますし、そこでアルミリムではなくてカーボンリムという差別化が図れる。こういった点にメリットを感じられるユーザーにはいい選択肢でしょう。ホイール全体のスタイリッシュさもいい。
軽さが際立ったチューブラータイプのF6Rと乗り味を較べると、やや重さを感じざるをえないですね。このフィーリングは嫌いではないですが、ダンシングした時にやや重さを感じることはあります。しかしこれが路面追従性に繋がる面もありますし、一定速度で真っ直ぐ巡航するような走りには向いていると思います。
DTハブを使ってすべて手組というのもセールスポイントですね。スイス製で定評のあるDTハブはメンテナンス性もいいし、スポーク調整もし易いですから、普段から使用するカーボンホイールとしては整備性も申し分ないと思います。
市場にあるカーボンクリンチャーホイールのなかでは価格的に手頃感があるのもいい点でしょう。普段からレースまで、通しで使うことができるホイールと言えるかもしれません。
乗っての第一印象は普通のホイールです。カーボンだから、とか、セミディープだから何か独特のクセがあるというところは感じられなかったですね。40mmハイトのカーボンリムは使い勝手は良さそうです。突出した部分がないことで、扱い易いホイールだと思います。
「普段からカーボンディープホイールでガンガン走りたいという人や、カーボン素材をこよなく愛するサイクリストにはうってつけの製品」二戸康寛(なるしまフレンド立川店)
F6Rと比較してやはり感じたのは、走行感がF6Rほどは軽くない事です。F6Rの軽さは顕著でした。F4Rは軽すぎず重すぎず、かえって自然なフィーリングで気兼ねなく使える安心感があります。軽量素材を使っているため、他社のカーボンクリンチャー製品と比べても質量は軽いので、重くて不利ということはないと思います。
レースだけに留まらず、普段からカーボンディープホイールでガンガン走りたいという人や、カーボン素材をこよなく愛するサイクリストにはうってつけの製品でしょう。DT社製のスポークとハブを使用した手組みということで、メンテナンス性も良いと思います。
このホイールの適した用途を考えた場合、本格的なロードレースというよりは、ロングライドやツーリングでしょうね。それらの用途でカーボンリムを使った実用的なエアロホイールを求めると、こういう形に落ち着くのかな、と感じました。
あとこれも白川さんと似た意見になってしまうのですが、高級車にルックス上ふさわしい、かつ実用性が高いホイールを組み合わせたいという「見栄重視」な人にもピッタリだと思います。カンパやコリマにもカーボンクリンチャーは存在しますが、それら定番ホイールとは一味違った優越感も得られると思います。
「カーボンの特性と適度な重さがうまく振動を吸収してくれる」岡嶋大樹さん(T-ULTIMATE Racing Team)
岡嶋:まず、カーボンリムでクリンチャーというのが大きなポイントですね。軽さと整備性がいいのが魅力です。タイヤが選べるのは実際、メリットは大きいです。
ホイール全体の特徴としては、F6Rに較べると「重さ」を感じます。ただ、これが逆に作用して路面のギャップに影響されにくいんですね。カーボンの特性と適度な重さがうまく振動を吸収してくれるんです。それに、ちょっと重さがあるので跳ねずに路面に喰い付きます。これはカーブでも共通の特性で、グイグイと路面に喰い付いてくれるので、特に下りでは効果を発揮すると思います。この重さを生かして、30km/h以上出ていれば、突然上り坂が来ても勢いのまま上れてしまいます。
また、決選用がカーボンリムの場合、練習用もカーボンリムであれば当然ブレーキシューをいちいち交換する手間が省け、ちょっとゴージャスな使い方ですが、練習用にもいいものをチョイスしたい時など、有力な選択肢になります。タイヤの選択性という点も、この練習用では効いてきます。
たとえば、決選はチューブラーのF6R、練習はクリンチャーのF4R。こういった使い方は有効だと思います。 練習の時からカーボンホイールのブレーキ特性に慣れておくことはいざレースで攻めるときに危険を避けるためにも重要なことだと思います。
ぼくは体重がかなり軽いというのもあって、機材と体重の重さは比例していくと思うんです。だから軽いものが好きなんです。軽さと性能、そのなかでも、ホイールが一番軽くあってほしいと考えています。F4Rは「F6Rと較べたらやや重さを感じる」というだけで、並のホイールと比較すれば充分に軽い部類に入る重量ですから。
「下りの得意じゃない自分が、バンバンと攻められてとても楽しいホイール」安岡 勇さん(ピアチェーレ・ヤマ)
F6Rと違って、上りはギアをある程度かけてグイグイ上っていくのが、全体的にも速度以上に合っているのではないでしょうか。F6Rを踏むときのような軽いギアを使うと、F4Rは少し重さがあるので、脚にきやすいと思います。ある程度重いギアを選択した方が、脚への負担は最終的には少ないのではないでしょうか。
それと、どんな条件下でも路面振動の吸収の仕方が「さすがカーボン」というべきか、良いですね。カーボンリムの使用経験が少なかったので、これには感動しました。
クリンチャータイプなのでタイヤ選択肢が多く、練習用にタフなタイヤから、レース用に高性能なタイヤも付け替えることで選んで履けます。
普段使いでも「おっ、格好いいね」と言われるルックスが秀逸です。性能に加え、自転車のスタイルといった全体を愉しむなら、格好とかでも楽しめます。普段から目を惹きそうで、そういう魅力も持っていますね。
ブレーキの性能も、F6R同様コントロールしやすくて、下り嫌いな私なのに下りが楽しくなってしまう。この日の試乗コースがもっと下りが多いルートだったらよかったのに、と思ってしまうほどでした。
特性としては全体的にはオールラウンドな印象です。タイヤの選択肢が多いのは肝ですし、街中でも注目を集められるいいホイールで、チョイスとしてアリだと思います。
クライマーはF6R、オールラウンドはF4R。私は「軽さイコール正義」とは思わない。全体的に楽しめる、剛性と重さのバランスが重要だと思います。
重量級ライダーである70kgオーバーのぼくが乗っても、いいホイールだと思いました。まず、とても柔らかい。剛性不足というのではなくて、激しく下っても腰が砕けるような感じはなく、F4RとF6Rの比較で言うと、F6Rは乾いた感じがして走行感が軽いんですが、細かな情報がコツコツ伝わってくる。
「誰が使っても真価を発揮するホイール」勝川 真司さん(チームCBプラス)
F4Rはそのへんがいい意味でダルで、不必要な情報はカットしてくれます。上りも下りもあまり苦にならない。振動が和らいで乗り心地の良さに繋がるので、そこがいいです。
それと、F6Rの時に触れた“ホイールの重さがある程度必要なのでは”という観点で、ペダルを回した時に、ホイールがどのような動きをしているのかが重要になると思うのですが、あまり軽いとペダリングが空回りしてしるような感覚に陥り、その点からいってぼくはある程度重いほうが好みです。F4Rはこの好みにマッチしましたね。
リムに関しては、完全なチューブラー+ディープリムよりも、クリンチャー+セミディープリムで路面をしっかりグリップしてくれるフィーリングがあるのがいいですし、体重が重量級の人には特に適しています。上りも下りもオールラウンドに使用できますね。
また、ペダリングにムラがある人や、テクニック的にまだ粗削りの人はホイールはある程度重いほうがいいと考えます。「重さのメリット」というものもあるんです。それに重いほうが剛性もあるし、やはり最低限界基準というのはあるので、そういう面でも信頼性があります。このへんは、重量級の人にとっては重要なポイントになると思いました。
自転車レース暦:2年
こんな走り方しています:主にヒルクライムに出場しています。
最近のホイール使用暦:シマノ・デュラエース(チューブレス)、C50(チューブラー)、R500
使用バイク名称:オルベア・オルカ2010 DURA-ACE
走行前の期待は?:F4R。ミディアムハイトのクリンチャーホイールが欲しくて気になっている。タイヤが選べることと、フルカーボンであることが条件。とくにF4Rに興味があった。
自転車レース暦:11年
こんな走り方しています:ヒルクライム
最近のホイール使用暦:レース用としてR500、キシリウム、コスミックカーボン
使用バイク名称:フジ SST1.0
走行前の期待値は?:F6Rが、値段の手頃さで気になる。このお買い得な値段でありながら、内容や性能は果たしてどうなのか?
自転車レース暦:4年
こんな走り方しています:ロードレース、タイムトライアル
最近のホイール使用暦:イーストンEC90SL、キシリウムES(クリンチャー)
使用バイク名称:キャノンデールSix13 Team1
走行前の期待値は?:F6R。ハイプロファイルでありながら重量が軽いところが気になります。レース用として使えるホイールを探しています。
増田成幸選手(宇都宮ブリッツェン)がJプロツアーのタイムトライアルチャンピオンシップを制したのもこのホイールだ。増田選手は雨のコンディションでグリップ力に優れたクリンチャータイヤが使えることを重視し、F4Rを選択。滑りやすいコースのTTを制した。
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FFWD F4R 240S スペック
製品名 | F4R 240S カーボンクリンチャーホイール with DT Swiss 240s ハブ |
重量 | トータル 1,550g |
仕様詳細 | ユニディレクションレイヤードカーボンファイバー+3Kカーボンファイバーコート 40mmディープリム F20H R24H リム面クリアコート(ロゴ クリアーコーティング下) DT Swiss 240sハブ DT エアロライト スポーク DT プロロックブラス(真鍮)ニップル 最大空気圧 9気圧 |
対応スプロケット | シマノ用、カンパ用 |
付属品 | ホイールバッグ(2本入り)、クイックレバー、 ブレーキパッド(カンパ仕様は、2011スーパーレコード、2011レコード、2011コーラスに不適合)、エクステンションバルブ(※) ※ロングバルブ(60mm)のチューブを使用した場合、エクステンションバルブは必要ありません |
価格 | 225,750円 |
ジェイピースポーツグループでは日本正規輸入ホイールについては、すべてシリアルナンバー管理をしており、正規代理店より購入したホイールについては、下記のサービスを日本国内で迅速に受けることができる。
*クラッシュワランティー:ファストフォワードでは走行時に転倒などでリムを破損した場合、原則購入後2年間はリムを小売価格の半額でお買い求め頂けます。
*ワランティー:ファストフォワードでは最初の所有者に限り原則購入後2年間のリム保証がございます。
(購入時のレシートなど必要になりますので、大切に保管ください。転倒や誤った使用方法による場合は保証対象外になりますが、上記クラッシュワランティーの適応を受けられます。)
*ワランティー:ファストフォワードでは最初の所有者に限り原則購入後2年間のリム保証がございます。
(購入時のレシートなど必要になりますので、大切に保管ください。転倒や誤った使用方法による場合は保証対象外になりますが、上記クラッシュワランティーの適応を受けられます。)
それではF6Rに続き、白川賢治さん(YOU CAN リバーシティ店)、二戸康寛さん(なるしまフレンド)、読者ライダー3人による、F4Rのインプレッションを聞いてみよう。
「巡航性とメンテナンス性に優れる、普段使いしたいカーボンホイール」
白川賢治(YOU CAN リバーシティ店)
白川:ディープ形状のフルカーボンのクリンチャーリムを採用しているのがこの製品の大きなポイントだと思います。「クリンチャータイヤを普段から使いたくて、しかも既存のアルミリムではなくてカーボンリムを選択したい」という人のニーズに応えられる製品だと思います。軽さが際立ったチューブラータイプのF6Rと乗り味を較べると、やや重さを感じざるをえないですね。このフィーリングは嫌いではないですが、ダンシングした時にやや重さを感じることはあります。しかしこれが路面追従性に繋がる面もありますし、一定速度で真っ直ぐ巡航するような走りには向いていると思います。
DTハブを使ってすべて手組というのもセールスポイントですね。スイス製で定評のあるDTハブはメンテナンス性もいいし、スポーク調整もし易いですから、普段から使用するカーボンホイールとしては整備性も申し分ないと思います。
市場にあるカーボンクリンチャーホイールのなかでは価格的に手頃感があるのもいい点でしょう。普段からレースまで、通しで使うことができるホイールと言えるかもしれません。
「自然なフィーリングで気兼ねなく使えるカーボンホイール」
二戸康寛(なるしまフレンド立川店)
二戸:カーボンクリンチャーホイールというと、他社製品含めても市場に選択肢が乏しいので、そこに斬り込んでくる意欲的な新製品ですね。乗っての第一印象は普通のホイールです。カーボンだから、とか、セミディープだから何か独特のクセがあるというところは感じられなかったですね。40mmハイトのカーボンリムは使い勝手は良さそうです。突出した部分がないことで、扱い易いホイールだと思います。
F6Rと比較してやはり感じたのは、走行感がF6Rほどは軽くない事です。F6Rの軽さは顕著でした。F4Rは軽すぎず重すぎず、かえって自然なフィーリングで気兼ねなく使える安心感があります。軽量素材を使っているため、他社のカーボンクリンチャー製品と比べても質量は軽いので、重くて不利ということはないと思います。
レースだけに留まらず、普段からカーボンディープホイールでガンガン走りたいという人や、カーボン素材をこよなく愛するサイクリストにはうってつけの製品でしょう。DT社製のスポークとハブを使用した手組みということで、メンテナンス性も良いと思います。
このホイールの適した用途を考えた場合、本格的なロードレースというよりは、ロングライドやツーリングでしょうね。それらの用途でカーボンリムを使った実用的なエアロホイールを求めると、こういう形に落ち着くのかな、と感じました。
あとこれも白川さんと似た意見になってしまうのですが、高級車にルックス上ふさわしい、かつ実用性が高いホイールを組み合わせたいという「見栄重視」な人にもピッタリだと思います。カンパやコリマにもカーボンクリンチャーは存在しますが、それら定番ホイールとは一味違った優越感も得られると思います。
「練習時からカーボンホイールに慣れてレースでも使うことができるのはメリット」
岡嶋 大樹さん(T-ULTIMATE Racing Team)
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ホイール全体の特徴としては、F6Rに較べると「重さ」を感じます。ただ、これが逆に作用して路面のギャップに影響されにくいんですね。カーボンの特性と適度な重さがうまく振動を吸収してくれるんです。それに、ちょっと重さがあるので跳ねずに路面に喰い付きます。これはカーブでも共通の特性で、グイグイと路面に喰い付いてくれるので、特に下りでは効果を発揮すると思います。この重さを生かして、30km/h以上出ていれば、突然上り坂が来ても勢いのまま上れてしまいます。
また、決選用がカーボンリムの場合、練習用もカーボンリムであれば当然ブレーキシューをいちいち交換する手間が省け、ちょっとゴージャスな使い方ですが、練習用にもいいものをチョイスしたい時など、有力な選択肢になります。タイヤの選択性という点も、この練習用では効いてきます。
たとえば、決選はチューブラーのF6R、練習はクリンチャーのF4R。こういった使い方は有効だと思います。 練習の時からカーボンホイールのブレーキ特性に慣れておくことはいざレースで攻めるときに危険を避けるためにも重要なことだと思います。
ぼくは体重がかなり軽いというのもあって、機材と体重の重さは比例していくと思うんです。だから軽いものが好きなんです。軽さと性能、そのなかでも、ホイールが一番軽くあってほしいと考えています。F4Rは「F6Rと較べたらやや重さを感じる」というだけで、並のホイールと比較すれば充分に軽い部類に入る重量ですから。
「カーボンの良さを感じ取れるホイール。タイヤ選択で使いこなしたい」
安岡 勇さん(ピアチェーレ・ヤマ)
安岡:ぼく自身、下りが正直得意じゃないのですが、それなのにバンバンと攻められてとても楽しいホイールです。路面のギャップもある程度抑えてくれて、勢いよく高速コーナリングに入って行ってもグワッと耐えてくれるんです。常日頃あれほど下りが怖かったのに、F4Rを使うとスピードを出す事に快感を覚えるほどでした。
それと、どんな条件下でも路面振動の吸収の仕方が「さすがカーボン」というべきか、良いですね。カーボンリムの使用経験が少なかったので、これには感動しました。
クリンチャータイプなのでタイヤ選択肢が多く、練習用にタフなタイヤから、レース用に高性能なタイヤも付け替えることで選んで履けます。
普段使いでも「おっ、格好いいね」と言われるルックスが秀逸です。性能に加え、自転車のスタイルといった全体を愉しむなら、格好とかでも楽しめます。普段から目を惹きそうで、そういう魅力も持っていますね。
ブレーキの性能も、F6R同様コントロールしやすくて、下り嫌いな私なのに下りが楽しくなってしまう。この日の試乗コースがもっと下りが多いルートだったらよかったのに、と思ってしまうほどでした。
特性としては全体的にはオールラウンドな印象です。タイヤの選択肢が多いのは肝ですし、街中でも注目を集められるいいホイールで、チョイスとしてアリだと思います。
クライマーはF6R、オールラウンドはF4R。私は「軽さイコール正義」とは思わない。全体的に楽しめる、剛性と重さのバランスが重要だと思います。
「ソフトな乗り心地と適度な重量感が好フィーリング」
勝川 真司さん(チームCBプラス)
勝川:まず前置きとして、「値段が高いから総じていい」とか、「ハイエンドモデルだからトップの人だけにしか使えない」、「高いトップモデルは素人が使ってはいけない」ということはないと思うんです。F4Rも価格レンジ的にはこれに該当するのですが、誰が使っても真価を発揮するホイールだと思います。重量級ライダーである70kgオーバーのぼくが乗っても、いいホイールだと思いました。まず、とても柔らかい。剛性不足というのではなくて、激しく下っても腰が砕けるような感じはなく、F4RとF6Rの比較で言うと、F6Rは乾いた感じがして走行感が軽いんですが、細かな情報がコツコツ伝わってくる。
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それと、F6Rの時に触れた“ホイールの重さがある程度必要なのでは”という観点で、ペダルを回した時に、ホイールがどのような動きをしているのかが重要になると思うのですが、あまり軽いとペダリングが空回りしてしるような感覚に陥り、その点からいってぼくはある程度重いほうが好みです。F4Rはこの好みにマッチしましたね。
リムに関しては、完全なチューブラー+ディープリムよりも、クリンチャー+セミディープリムで路面をしっかりグリップしてくれるフィーリングがあるのがいいですし、体重が重量級の人には特に適しています。上りも下りもオールラウンドに使用できますね。
また、ペダリングにムラがある人や、テクニック的にまだ粗削りの人はホイールはある程度重いほうがいいと考えます。「重さのメリット」というものもあるんです。それに重いほうが剛性もあるし、やはり最低限界基準というのはあるので、そういう面でも信頼性があります。このへんは、重量級の人にとっては重要なポイントになると思いました。
インプレライダーのプロフィール
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二戸康寛(なるしまフレンド立川店)
なるしまフレンド神宮店販売チーフを経て現在は立川店勤務。かつて実業団チーム日本鋪道(昨年までのチームNIPPO)に所属してツール・ド・北海道をはじめとした国内外のトップレースを走った経験を持つ。高校時のインターハイ2位を始めツールド北海道特別賞(堅実なアシストに贈られる賞)やツールド東北総合4位等の実績を持つ。なるしまフレンドに入社後もレース活動を欠かさない36歳にしていまだ現役のJPTレーサー。ショップではレースから得た経験を通じ自転車の魅力と楽しさをより多くの人に伝えられるよう日々自分磨きに勤しんでいる。現在の愛車はタイム・RXインスティンクト。
→なるしまフレンド ホームページ
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白川賢治(YOU CAN リバーシティ店)
2010年4月に山梨県中央市にOPENしたYOUCANリバーシティ店の店長。高校時代から20代後半まで競技に打ち込み、現役時代にはツール・ド・北海道総合スプリント賞や全日本選手権100kmチームタイムトライアル優勝、全日本選手権ポイントレース3位等の成績を収める。実業団レースを走った経験や、輸入代理店において広報車両のセットアップを担当した経験を生かしながら、自身の「自転車大好き」な気持ちで一生つき合える自転車の楽しみを提供できるショップを目指している。普段はキャノンデール・スーパーシックスHI-MODに乗る。
→YOU CAN ホームページ
読者ライダーの皆さん
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岡嶋 大樹さん
所属クラブ名:T-ULTIMATE Racing Team自転車レース暦:2年
こんな走り方しています:主にヒルクライムに出場しています。
最近のホイール使用暦:シマノ・デュラエース(チューブレス)、C50(チューブラー)、R500
使用バイク名称:オルベア・オルカ2010 DURA-ACE
走行前の期待は?:F4R。ミディアムハイトのクリンチャーホイールが欲しくて気になっている。タイヤが選べることと、フルカーボンであることが条件。とくにF4Rに興味があった。
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安岡 勇さん
所属クラブ名:ピアチェーレ・ヤマ自転車レース暦:11年
こんな走り方しています:ヒルクライム
最近のホイール使用暦:レース用としてR500、キシリウム、コスミックカーボン
使用バイク名称:フジ SST1.0
走行前の期待値は?:F6Rが、値段の手頃さで気になる。このお買い得な値段でありながら、内容や性能は果たしてどうなのか?
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勝川 真司さん
所属クラブ名:チームCBプラス自転車レース暦:4年
こんな走り方しています:ロードレース、タイムトライアル
最近のホイール使用暦:イーストンEC90SL、キシリウムES(クリンチャー)
使用バイク名称:キャノンデールSix13 Team1
走行前の期待値は?:F6R。ハイプロファイルでありながら重量が軽いところが気になります。レース用として使えるホイールを探しています。
提供:JPスポーツグループ 制作:シクロワイアード編集部