2012/07/10(火) - 17:16
プレゼンテーション、そして風洞実験でCXR80のテクノロジーについて説明を受けたその翌日、世界各地から集まったジャーナリストたちは用意されたバイクで実際にCXR80のテストを行なった。デーヴィッド・ミラーをゲストに招き、フランス東部の平坦路での高速グループライドだ。
ジャーナリストにはそれぞれの体格にあったバイクが用意され、私に準備されていたのはキャニオンのエアロードで、コンポーネントはSRAM・レッド。もちろんCX01ブレードとイクシオンCXRが完全装備されたCXR80が前後でセットされている。
やはり80mmリムハイトの戦闘機的なルックスは見た目にも強く訴えるものがあり、オールブラックなロゴと相まって非常に力強さを感じるデザインだ。ワイドリムだけあって、ブレーキアーチは広めにセッティングがされている。使用したブレーキシューはスイスストップのイエローだ。
走りだしてすぐに気づいたのが、ペダルへの少ない入力でスッとバイクが前に進むことだった。通常このクラスのリムハイトを持つホイールは、私の中では重量が重く、踏み出しが若干モタつくイメージを持っていたのだが、CXR80は1630g(ホイールのみ)というウェイトながら最初のひと踏み目が軽い。
そしてスピード域が上がっても加速の良さはスポイルされない。あえてホイールを左右にしならせるような無理矢理なダンシングをしても、車体を思いっきり傾けたまま直進しても、私の脚力ではリアホイールがしなってブレーキシューに当たってしまうことも無かった。縦方向の剛性に加え、横方向の剛性が非常に高いのだ。
そのため大きく車体を振ってもそのまま潰れて倒れこんでいくような感覚も無い。アールの小さいロータリーを高速で抜けてもアンダーステアになることが無いため、クリテリウムのようなコーナーと加速が連続する場面でも武器になると感じた。
スピードの維持に関しても非常に優秀だと感じた。緩やかな下りでは普段使っているコスミックカーボンSLと比較してスピードの乗りが2段階ほど上回っているように感じる。集団の中にいる際にはイメージよりもスッと前に車体が進んでいくので、追突しないようにブレーキには気を遣っていた。集団から離れて単独走をしてみても、速度の維持は確実に楽だ。
後半は風雨が強いコンディションとなったが、テストとしてみれば絶好のチャンス。「ヨー角次第では加速していく」という性能は正直分からなかったが、横風に対するハンドリングは確実に安定している。走りながら手放しでアームカバーを着ける作業をしてみたが、ハンドルが取られて怖い思いをすることは無く、むしろバイク全体がゆっくりと動く感じだ。これはエアロチューブを使用したバイクに乗っていたからかもしれない。
ホイール自体の乗り味としては若干硬めだ。しかしセットされた23cのイクシオンCXRタイヤが適度に細かな衝撃を緩和してくれている。このバランス感はさすがトータルで考えられたセットだ。タイヤは若干ソフトめなので、高めに空気圧をセットしたほうが良いと思う。中央部分を尖らせたエアロフォルムの断面を持つタイヤだが、終始違和感を感じることは無かった。
チームの合同トレーニングからレースまで、常にマヴィックのスタッフは僕らのチームと一緒に行動してくれて、僕らはCXRについて開発段階から大きく携わっている。
CXRは非常に速く、剛性の高いホイールだよ。僕は2011年のツール・ド・フランスにガーミンチームのメンバーとして出場していたけれど、チームタイムトライアルを制することができたのは、このホイールに因るところもとても大きいんだ。
そしてスピードの維持が楽なのはもちろんのことながら、剛性の高さからコーナーとダッシュに強い。長い上りはコースには設定されていなかったが、スピードを活かしてクリアするような登坂にはうってつけなホイールと言って良いだろう。
コスミックCXR80は、派手なルックスとは裏腹に、幅広いシチュエーションでホイールの総合能力を体感することのできる、オールラウンドなホイールだ。
ジャーナリストにはそれぞれの体格にあったバイクが用意され、私に準備されていたのはキャニオンのエアロードで、コンポーネントはSRAM・レッド。もちろんCX01ブレードとイクシオンCXRが完全装備されたCXR80が前後でセットされている。
やはり80mmリムハイトの戦闘機的なルックスは見た目にも強く訴えるものがあり、オールブラックなロゴと相まって非常に力強さを感じるデザインだ。ワイドリムだけあって、ブレーキアーチは広めにセッティングがされている。使用したブレーキシューはスイスストップのイエローだ。
加速の軽さ、高い横剛性に驚嘆
コースはエクス・レ・バンのホテルを出発し、山々に囲まれた湖の周りの平坦路を走る86km。山間の地形のため、眩しい日差しと雨がめまぐるしく入り交じる天候の中、20人ほどのジャーナリストと、ゲストとして招かれたガーミンチームのデーヴィッド・ミラーがコースへと繰り出した。走りだしてすぐに気づいたのが、ペダルへの少ない入力でスッとバイクが前に進むことだった。通常このクラスのリムハイトを持つホイールは、私の中では重量が重く、踏み出しが若干モタつくイメージを持っていたのだが、CXR80は1630g(ホイールのみ)というウェイトながら最初のひと踏み目が軽い。
そしてスピード域が上がっても加速の良さはスポイルされない。あえてホイールを左右にしならせるような無理矢理なダンシングをしても、車体を思いっきり傾けたまま直進しても、私の脚力ではリアホイールがしなってブレーキシューに当たってしまうことも無かった。縦方向の剛性に加え、横方向の剛性が非常に高いのだ。
そのため大きく車体を振ってもそのまま潰れて倒れこんでいくような感覚も無い。アールの小さいロータリーを高速で抜けてもアンダーステアになることが無いため、クリテリウムのようなコーナーと加速が連続する場面でも武器になると感じた。
高速域での空力性能を体感
ジャーナリストたちは先頭を牽き続けるデーヴィッド・ミラーの後ろについて、2列の車列を組みながら風光明媚なフランス東部を駆け抜けていく。ミラーが踏みを入れた時の巡航スピードは45km/hほど。スピードの維持に関しても非常に優秀だと感じた。緩やかな下りでは普段使っているコスミックカーボンSLと比較してスピードの乗りが2段階ほど上回っているように感じる。集団の中にいる際にはイメージよりもスッと前に車体が進んでいくので、追突しないようにブレーキには気を遣っていた。集団から離れて単独走をしてみても、速度の維持は確実に楽だ。
後半は風雨が強いコンディションとなったが、テストとしてみれば絶好のチャンス。「ヨー角次第では加速していく」という性能は正直分からなかったが、横風に対するハンドリングは確実に安定している。走りながら手放しでアームカバーを着ける作業をしてみたが、ハンドルが取られて怖い思いをすることは無く、むしろバイク全体がゆっくりと動く感じだ。これはエアロチューブを使用したバイクに乗っていたからかもしれない。
ホイール自体の乗り味としては若干硬めだ。しかしセットされた23cのイクシオンCXRタイヤが適度に細かな衝撃を緩和してくれている。このバランス感はさすがトータルで考えられたセットだ。タイヤは若干ソフトめなので、高めに空気圧をセットしたほうが良いと思う。中央部分を尖らせたエアロフォルムの断面を持つタイヤだが、終始違和感を感じることは無かった。
デーヴィッド・ミラーに話を聞く
CXR80への関わりについてチームの合同トレーニングからレースまで、常にマヴィックのスタッフは僕らのチームと一緒に行動してくれて、僕らはCXRについて開発段階から大きく携わっている。
CXRは非常に速く、剛性の高いホイールだよ。僕は2011年のツール・ド・フランスにガーミンチームのメンバーとして出場していたけれど、チームタイムトライアルを制することができたのは、このホイールに因るところもとても大きいんだ。
実際の使い勝手は
CXR80は非常に扱いやすいホイールだ。80mmというリムハイトを持ちながら、50mm程度のホイールと同じように使うことができることに非常に驚かされた。風の強い海辺で行われるトライアスロンなどには最高だろう。そしてスピードの維持が楽なのはもちろんのことながら、剛性の高さからコーナーとダッシュに強い。長い上りはコースには設定されていなかったが、スピードを活かしてクリアするような登坂にはうってつけなホイールと言って良いだろう。
コスミックCXR80は、派手なルックスとは裏腹に、幅広いシチュエーションでホイールの総合能力を体感することのできる、オールラウンドなホイールだ。
マヴィック コスミックCXR80
重 量 | 1630g(タイヤなし)、2170g(イクシオンCXR込み) |
仕 様 | チューブラー |
リムハイト | 80mm |
リム幅 | 28mm(最大幅) |
対応タイヤ | イクシオンCXR グリップリンク、パワーリンク |
スポーク | ダブルバテッドステンレス F16、R20 |
対応カセット | カンパニョーロ、シマノ/SRAM(シマノ11s対応) |
価 格 | 336,000円 |
提供:アメアスポーツジャパン 編集/取材:シクロワイアード/So.Isobe