2011/07/29(金) - 18:34
7月24日、ピレネーとアルプスでの死闘を繰り広げたプロトンがパリに凱旋し、ツール・ド・フランス2011は幕を下ろした。序盤で有力選手が相次いでリタイアするなど、波乱含みの展開となった今年のツール。そのなかで、シマノDURA-ACEは、全21ステージ中12ステージを制し、PROは、7ステージで勝利を上げ、常に安定した成績を収めた。
そのうち、ステージ5勝を挙げたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)は、念願のポイント賞を獲得。山岳賞にはサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)が輝き、マイヨジョーヌ争いでもレオパード・トレックのアンディ・シュレクとフランク・シュレク(ともにルクセンブルク)の兄弟がそれぞれ2位と3位に入る健闘を見せ、個人総合成績の表彰台をシマノDUEA-ACE Di2が独占した。
シマノのサポート選手が死闘を繰り広げたレースシーンとその活躍を支えたバイクの写真を織り交ぜつつ、ツール・ド・フランス2011を振り返ろう。
これまでもツールでステージ優勝を量産し、今年もステージ5勝。26歳という若さながらツールで通算19勝(チームTTでの勝利を含めると20勝)を記録している。その実力は、ツールの歴史に名前を残すビッグな選手の一人として誰もが認めるところだ。
カヴのマイヨヴェール獲得を強力に後押ししたのは、シマノのDi2とPROの製品だった。ゴール前、カヴはハンドルのドロップ部分をガッチリと握り、爆発的なスプリントを見せる。その圧倒的なパワーを受け止めるのは、PROのハンドルバー&ステムだ。
シマノ担当者によれば、ステムは開発中のプロトタイプ。以前はトラック用ステムを使っていたこともあるが、これはロード用で従来の製品よりさらに剛性を高めたモデルだという。PROのハンドル・ステムの開発には、カヴからレースを通じたフィードバックがなされ、今後の製品作りに生かされていくという。将来的にはシグネチャーモデルかレギュラーモデルとして市販されるかもしれない。
また、一瞬の判断が勝負の行方を左右するゴール前では、変速のタイムラグさえ勝敗に影響する。カヴはDi2のサテライトスイッチの一種、スプリンタースイッチをハンドルバーに選択し、スプリント時のスムーズな変速を可能にしていた。これはデュアルコントロールレバー以外にも変速スイッチを仕込める、Di2ならではの強み。現役最強スプリンターのカヴは電動変速システムのメリットを最大限に生かしてマイヨヴェールを獲得した。
現在26歳のカヴェンディッシュは、今後もシマノとPROの製品とともに勝利を量産することだろう。その先には、エディ・メルクスが持つツール最多勝の34勝という数字が見えている。
ツールの華と言えば、やはり個人総合時間賞のマイヨジョーヌ争いだ。今年はシマノのサポートを受けるレオパード・トレックのアンディ・シュレク(ルクセンブルク)が優勝候補の有力候補と目されていた。その期待に応え、アンディは第18ステージで優勝。このステージの2位は彼の実兄フランク・シュレクで、兄弟でワンツーフィニッシュを飾った。アンディは続く19ステージで個人総合トップに躍り出て、マイヨジョーヌに袖を通した。残り2ステージとなった時点で、アンディと2位フランクとの差は53秒、3位との差は57秒だった。
アンディがマイヨジョーヌ獲得を決定的なものにするか——と思われた第20ステージの個人TT。ツールの勝利の女神は、シュレク兄弟には微笑まず、最終的な個人総合成績の順位では、2位アンディ、3位フランクとなり、最後まで目が離せない展開となった。そして2011年ツールでは、DURA-ACE Di2使用ライダーが表彰台を独占し、世界最高峰の舞台でその実力の高さとDi2のアドバンテージの大きさを証明した。
また、総合敢闘賞にはジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)が輝いた。ロワは、第4、13ステージで敢闘賞に輝いており、最終日の第21ステージでもシャンゼリゼ周回コースで逃げグループに入って積極果敢な走りを見せた。第13ステージでは山岳賞ジャージも獲得している。
サンチェスやロワは、平地・TTだけでなく、山岳ステージにおいてもDi2にメリットがあることを証明した。
かつてはワイヤー式が当たり前だった変速機が電動になり、それがすでにレースの世界ではポピュラーになるなど、レース機材は常に進化し続けている。シマノやPROの製品は、ツール・ド・フランスをはじめとする世界最高峰のレースの現場で磨かれ、選手の声を反映させ、常に進化を続けている。
機材の進化は、自転車レースの歴史に新たな1ページを刻む。さらに次の1ページを刻むべく、機材は進化しつづける。その歩みが止まることは決してない。
そのうち、ステージ5勝を挙げたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)は、念願のポイント賞を獲得。山岳賞にはサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)が輝き、マイヨジョーヌ争いでもレオパード・トレックのアンディ・シュレクとフランク・シュレク(ともにルクセンブルク)の兄弟がそれぞれ2位と3位に入る健闘を見せ、個人総合成績の表彰台をシマノDUEA-ACE Di2が独占した。
シマノのサポート選手が死闘を繰り広げたレースシーンとその活躍を支えたバイクの写真を織り交ぜつつ、ツール・ド・フランス2011を振り返ろう。
カヴのマイヨヴェール獲得を強力にサポート
ツール・ド・フランス2011最終日の第21ステージ。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)が3年連続でこのステージを制するとともに、悲願のマイヨヴェールを獲得。名実ともに“現役最強スプリンター”となった。これまでもツールでステージ優勝を量産し、今年もステージ5勝。26歳という若さながらツールで通算19勝(チームTTでの勝利を含めると20勝)を記録している。その実力は、ツールの歴史に名前を残すビッグな選手の一人として誰もが認めるところだ。
カヴのマイヨヴェール獲得を強力に後押ししたのは、シマノのDi2とPROの製品だった。ゴール前、カヴはハンドルのドロップ部分をガッチリと握り、爆発的なスプリントを見せる。その圧倒的なパワーを受け止めるのは、PROのハンドルバー&ステムだ。
シマノ担当者によれば、ステムは開発中のプロトタイプ。以前はトラック用ステムを使っていたこともあるが、これはロード用で従来の製品よりさらに剛性を高めたモデルだという。PROのハンドル・ステムの開発には、カヴからレースを通じたフィードバックがなされ、今後の製品作りに生かされていくという。将来的にはシグネチャーモデルかレギュラーモデルとして市販されるかもしれない。
また、一瞬の判断が勝負の行方を左右するゴール前では、変速のタイムラグさえ勝敗に影響する。カヴはDi2のサテライトスイッチの一種、スプリンタースイッチをハンドルバーに選択し、スプリント時のスムーズな変速を可能にしていた。これはデュアルコントロールレバー以外にも変速スイッチを仕込める、Di2ならではの強み。現役最強スプリンターのカヴは電動変速システムのメリットを最大限に生かしてマイヨヴェールを獲得した。
現在26歳のカヴェンディッシュは、今後もシマノとPROの製品とともに勝利を量産することだろう。その先には、エディ・メルクスが持つツール最多勝の34勝という数字が見えている。
個人総合上位はDURA-ACE Di2使用選手が独占
ツールの華と言えば、やはり個人総合時間賞のマイヨジョーヌ争いだ。今年はシマノのサポートを受けるレオパード・トレックのアンディ・シュレク(ルクセンブルク)が優勝候補の有力候補と目されていた。その期待に応え、アンディは第18ステージで優勝。このステージの2位は彼の実兄フランク・シュレクで、兄弟でワンツーフィニッシュを飾った。アンディは続く19ステージで個人総合トップに躍り出て、マイヨジョーヌに袖を通した。残り2ステージとなった時点で、アンディと2位フランクとの差は53秒、3位との差は57秒だった。
アンディがマイヨジョーヌ獲得を決定的なものにするか——と思われた第20ステージの個人TT。ツールの勝利の女神は、シュレク兄弟には微笑まず、最終的な個人総合成績の順位では、2位アンディ、3位フランクとなり、最後まで目が離せない展開となった。そして2011年ツールでは、DURA-ACE Di2使用ライダーが表彰台を独占し、世界最高峰の舞台でその実力の高さとDi2のアドバンテージの大きさを証明した。
山岳賞、総合敢闘賞もシマノのサポート選手が獲得
ツール・ド・フランスにアルプス山岳ステージが登場して100年の節目に当たる今年のツール。その記念すべき年に山岳賞に輝いたのは、サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)だった。サンチェスは、ピレネー山岳3連戦の初日にあたる第12ステージを制し、この日に山岳賞ジャージを獲得。翌日にはジャージを失ったものの、アルプス山岳ステージ最終戦の第19ステージで再び山岳賞に返り咲いた。また、総合敢闘賞にはジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)が輝いた。ロワは、第4、13ステージで敢闘賞に輝いており、最終日の第21ステージでもシャンゼリゼ周回コースで逃げグループに入って積極果敢な走りを見せた。第13ステージでは山岳賞ジャージも獲得している。
サンチェスやロワは、平地・TTだけでなく、山岳ステージにおいてもDi2にメリットがあることを証明した。
シマノサポート選手達の躍動と舞台裏
最後に、シマノ製品使用選手達のステージ優勝シーンやその舞台裏を、もう少し写真でご紹介しよう。かつてはワイヤー式が当たり前だった変速機が電動になり、それがすでにレースの世界ではポピュラーになるなど、レース機材は常に進化し続けている。シマノやPROの製品は、ツール・ド・フランスをはじめとする世界最高峰のレースの現場で磨かれ、選手の声を反映させ、常に進化を続けている。
機材の進化は、自転車レースの歴史に新たな1ページを刻む。さらに次の1ページを刻むべく、機材は進化しつづける。その歩みが止まることは決してない。
提供:シマノ 企画/制作:シクロワイアード