2022/07/28(木) - 18:01
山岳比率が高い上に猛暑が続き例年以上に過酷なレースが続いた2022年のツール・ド・フランスが閉幕。DURA-ACE R9200系のデビューイヤーにして各賞を獲得したシマノグローバルサポートチームの3週目を振り返る。
今年のツール・ド・フランスは猛暑が続き、選手たちがボトルの水で体を冷やすシーンを見る機会が非常に多かった。ジャージのジッパーを下ろし、体の熱をできる限り逃がそうとする選手もいる状況で、安全面から必ず身につけたいヘルメットには酷暑に対応できるクーリング性能が求められた。
シマノ傘下のヘルメットブランドのレイザーがユンボ・ヴィスマに供給する高い通気性を備えたモデルは軽量オールラウンドモデルのGENESISだ。山岳ステージでの全メンバーによる使用はもちろんのこと、気温が高い平坦ステージでも総合系の選手たちが好んで使用していたようだ。
対して、平坦で仕事を任されるワウト・ファンアールトらは、新型のセミエアロモデルVENTO KCを着用する機会も少なくなかった。昨年まで着用していたBullet 2.0を継ぐエアロダイナミクスを追求したモデルだ。
VENTOはKinetiCoreと呼ばれる通気性やフィット性を損なわず、脳へと伝わる衝撃を吸収するレイザー独自の安全技術が搭載されていることが大きな特徴。暑さが厳しい今年のツール平坦ステージでは大きなアドバンテージとなっただろう。
また、第5ステージで不運の落車に見舞われたファンアールトが、脳震盪でDNFとならず3週間通して活躍し続けたことからも、KinetiCoreの安全性には信頼をおけそうだ。ファンアールトといえば、今年から個人スポンサーデザインのヘルメットを着用しているため、プロトン内にいる彼を映像で見つけやすかったはずだ。
第1ステージと第20ステージのタイムトライアルでは、VOLANTEが選手の走りを支えた。ベルギーの自転車企業が集まるフランダースバイクバレーにある風洞実験施設で生み出されたTT用ヘルメットは、絶妙な長さのテールが特徴。どのような顔の向きでも抵抗となりにくい設計であり、第20ステージのファンアールト優勝、ヴィンゲゴー2位の好成績が性能を証明している。
2020年のツール期間中に発表されたシマノのフラッグシップシューズ"S-PHYRE RC9"。デビューイヤーは限られた選手のみのテスト使用に留まったが、2021年大会ではグローバルサポートチームに留まらず非常に多くの選手が着用する人気シューズの座を得ていた。
今大会でもS-PHYRE RC9を着用する選手は多く、ユンボ・ヴィスマはメンバー全員がRC9で統一。他にもチームDSMやアルケア・サムシック、アルペシン・ドゥクーニンクもS-PYHRE RC9を着用する選手が多く、ヤスパー・フィリプセンのステージ優勝を支えたのもS-PHYREシューズだった。
ライダーが身につけるものであり、パワーを自転車に伝えるための機材でもあるシューズは、快適な履き心地と高効率なパワー伝達能力が求められる。シマノはプロ選手と共にシューズを開発し、そのどちらもS-PHYREシューズで実現してきた。
現在のS-PHYRE RC9でも優れた性能を実現していることは、ユンボ・ヴィスマを中心とした選手たちが今大会で積み重ねた勝利とインプレッシブな走りで証明しているはずだ。スピードを追求したDURA-ACE同様、シューズもシマノの高い技術力を持って開発されているプロダクトであり、今後の活躍にも期待したい。
シマノがDURA-ACEでスピードを追求したように、フレームブランドも1ワット1秒も無駄にしない自転車を徹底的に開発を進めている。近年のトレンドはエアロダイナミクスの強化であり、各社がブレーキホースとシフトケーブルの内装化がポピュラーな仕様となっている。
フレームブランドがフル内装を目指した結果、専用ハンドルとステムを開発するブランドも珍しくなくなった。そんな中、ボーラ・ハンスグローエとクイックステップ・アルファヴィニルの選手の中には、シマノがプロデュースするパーツブランドのPROを好んで使用するメンバーもいる。
ボーラのマキシミリアン・シャフマンやパトリック・コンラッドはVIBEカーボンステムを装着し、コンラッドはVIBEカーボンスーパーライトハンドルと組み合わせている。このハンドルはチーム内でも人気があるようで、装着する選手が他にもいるようだ。また、VIBEエアロカーボンコンパクト スーパーライトをチョイスし、エアロダイナミクスと剛性を重視する選手も。
クイックステップ・アルファヴィニルはステムをバイクブランドの物に統一し、ハンドルは好みのものをアセンブルしているようだ。ミケル・モロコフ、フロリアン・セネシャル、ミッケルフレーリク・ホノレらを中心にVIBEシリーズのハンドルを使用している。
PROはハンドルやステムだけではなく、サドルもプロスペックのモデルを揃えているブランドだ。特にチームDSMが長年使用し続けており、今大会でエースを務めたロマン・バルデは、ロードモデルの中で最もフラットな座面のFALCONを愛用しているようだ。
ツール・ド・フランスの第3週目は、ピレネー3連戦の緒戦となる第16ステージから始まる。山頂フィニッシュではないものの総合首位ヨナス・ヴィンゲゴーのマイヨジョーヌを狙うライバルからのアタックが繰り返されるハードに展開に。アタックのたびに機材には強大な力が掛けられるが、DURA-ACEの確かな信頼性はヴィンゲゴーの強い味方となり、大きなトラブルなくフィニッシュへと辿り着いた。
本格的な山岳決戦は1級山岳ペイラギュードの山頂フィニッシュで繰り広げられた。連日の猛暑に消耗する選手は多く、受け渡されたボトルの水を大胆にかける選手も。そのような状況下で頭部の快適性を保てるレイザーのGENESISもヴィンゲゴーのアドバンテージとなったはずだ。ヴィンゲゴーは誰もが驚くようなスピードで牽引するライバルを冷静にチェックし続け、この日もタイム差をほとんど詰め寄らせることなくステージ2位を獲得。
そして、プロトンはピレネー最終日にして、今年のツール最後の山岳決戦の第18ステージ。超級オービスク、1級スパンデル、そして超級オタカムの山頂にフィニッシュするこの日は誰の目から見てもハードな一日となるのは間違いなかった。
ポイント賞ジャージを着るワウト・ファンアールトはこの日も逃げ、中間ポイントを稼ぎながら、後方からエースが追いつくのを待つ"前待ち"作戦を決行。エースを牽引するためにC50チューブラーを選択したファンアールトは、空気抵抗を低減するエアロダイナミクスの恩恵を受けながら、前待ち作戦を成功させ、さらにマイヨヴェールのハイスピードな牽引でライバルを振り落とすことを現実のものとした。
ファンアールト並びにチーム全体からアシストを受けた、エースのヴィンゲゴーはC36チューブラーと言う軽量決戦仕様のホイール選択。度重なるアタックに素早くチェックできる反応性のホイール、大一番で信頼できるDURA-ACEコンポーネンツの力を得て、オタカムを独走優勝を果たし、マイヨジョーヌ獲得に向けて弾みをつけた。
第3週目で活躍し続けているユンボ・ヴィスマの快進撃は止まらない。集団スプリントの平坦ステージかと思われた第18日目だが、疲弊しきっているスプリンターとそのアシストたちがレースを掌握するに至らず、プロトンは混戦のままフィニッシュの街へ辿り着いた。
マイヨジョーヌ護衛の任務を遂行したクリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ)は、スプリンターチームを横目にメイン集団から抜け出すことに成功し、C60ホイールのアドバンテージを発揮させ、独力でステージ優勝を果たした。この日、チームを長時間牽引するファンホーイドンクとべノートはGENESISを選ぶほどの暑さだったが、最終局面で仕事を任されたファンアールトとラポルトのみエアロに特化したVENTO KCを着用した。僅かでもアドバンテージを積み重ねることで、千載一遇のチャンスを掴み取れることをラポルトは証明したはずだ。
個人タイムトライアルの第20ステージでDURA-ACEのスピードを味方につけたヴィンゲゴー。あわやコースアウトという場面もあったが、コントローラブルなブレーキシステムによって危機を回避。ライバルを上回る渾身の走りでステージ2位に入り、長い長い3週間の総合争いの行方に終止符を打った。そのタイムを超えた唯一の選手は、ヴィンゲゴーの総合首位に貢献したファンアールトだった。
そして、ゲラント・トーマスもタイムトライアルで好走を見せ、TTスペシャリストのフィリッポ・ガンナよりも好タイムの区間4位。ツール総合優勝者らしいクレバーな走りは、Science of Speedのコンセプトのように計算され尽くされたものだっただろう。
135名まで人数を減らしたプロトンがパリ・シャンゼリゼに凱旋。過酷な山岳を乗り越えたスプリンターたちによる最終決戦は、ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が圧巻のスプリントで今大会2勝目。世界屈指のエースたちが集うツールでの勝利を掴んだ24歳の若きスプリンターには今後期待したい。
マイヨジョーヌ、マイヨアポア、マイヨヴェール、スーパー敢闘賞、ステージ6勝を獲得したユンボ・ヴィスマ。悲願の総合優勝だけではなく、他を圧倒する総合力で魅せた走りは今大会の中心となったのは間違いない。彼らの八面六臂の活躍は、全ての状況で速さを追求したDURA-ACE R9200の開発が正しかったことを証明しているだろう。
そして、チーム総合首位は山岳比率が高い今大会でメンバーの多くを上位に送り込んだイネオス・グレナディアーズ。トーマスによる総合3位だけではなく、アダム・イェーツを総合10位、トム・ピドコックを総合17位に送り込み組織力の高さを証明した。
シマノグローバルサポートチームの彼らが使用したDURA-ACE R9200の活躍は目覚ましいものだった。Science of Speedのコンセプトで開発された新型コンポーネンツの高性能な変速性能、ライバルより速く走るホイール、制動性に優れるブレーキは、どのステージでも性能を発揮。初登場にして表彰台を大量獲得したDURA-ACEの快進撃は止まることはないだろう。
レイザー 安全、快適、エアロの三拍子揃った新型VENTO KCがツールデビュー
今年のツール・ド・フランスは猛暑が続き、選手たちがボトルの水で体を冷やすシーンを見る機会が非常に多かった。ジャージのジッパーを下ろし、体の熱をできる限り逃がそうとする選手もいる状況で、安全面から必ず身につけたいヘルメットには酷暑に対応できるクーリング性能が求められた。
シマノ傘下のヘルメットブランドのレイザーがユンボ・ヴィスマに供給する高い通気性を備えたモデルは軽量オールラウンドモデルのGENESISだ。山岳ステージでの全メンバーによる使用はもちろんのこと、気温が高い平坦ステージでも総合系の選手たちが好んで使用していたようだ。
対して、平坦で仕事を任されるワウト・ファンアールトらは、新型のセミエアロモデルVENTO KCを着用する機会も少なくなかった。昨年まで着用していたBullet 2.0を継ぐエアロダイナミクスを追求したモデルだ。
VENTOはKinetiCoreと呼ばれる通気性やフィット性を損なわず、脳へと伝わる衝撃を吸収するレイザー独自の安全技術が搭載されていることが大きな特徴。暑さが厳しい今年のツール平坦ステージでは大きなアドバンテージとなっただろう。
また、第5ステージで不運の落車に見舞われたファンアールトが、脳震盪でDNFとならず3週間通して活躍し続けたことからも、KinetiCoreの安全性には信頼をおけそうだ。ファンアールトといえば、今年から個人スポンサーデザインのヘルメットを着用しているため、プロトン内にいる彼を映像で見つけやすかったはずだ。
第1ステージと第20ステージのタイムトライアルでは、VOLANTEが選手の走りを支えた。ベルギーの自転車企業が集まるフランダースバイクバレーにある風洞実験施設で生み出されたTT用ヘルメットは、絶妙な長さのテールが特徴。どのような顔の向きでも抵抗となりにくい設計であり、第20ステージのファンアールト優勝、ヴィンゲゴー2位の好成績が性能を証明している。
選手を足元から支えるシマノ S-PHYRE RC9
2020年のツール期間中に発表されたシマノのフラッグシップシューズ"S-PHYRE RC9"。デビューイヤーは限られた選手のみのテスト使用に留まったが、2021年大会ではグローバルサポートチームに留まらず非常に多くの選手が着用する人気シューズの座を得ていた。
今大会でもS-PHYRE RC9を着用する選手は多く、ユンボ・ヴィスマはメンバー全員がRC9で統一。他にもチームDSMやアルケア・サムシック、アルペシン・ドゥクーニンクもS-PYHRE RC9を着用する選手が多く、ヤスパー・フィリプセンのステージ優勝を支えたのもS-PHYREシューズだった。
ライダーが身につけるものであり、パワーを自転車に伝えるための機材でもあるシューズは、快適な履き心地と高効率なパワー伝達能力が求められる。シマノはプロ選手と共にシューズを開発し、そのどちらもS-PHYREシューズで実現してきた。
現在のS-PHYRE RC9でも優れた性能を実現していることは、ユンボ・ヴィスマを中心とした選手たちが今大会で積み重ねた勝利とインプレッシブな走りで証明しているはずだ。スピードを追求したDURA-ACE同様、シューズもシマノの高い技術力を持って開発されているプロダクトであり、今後の活躍にも期待したい。
選手が求める剛性と軽量性を提供するPROパーツ
シマノがDURA-ACEでスピードを追求したように、フレームブランドも1ワット1秒も無駄にしない自転車を徹底的に開発を進めている。近年のトレンドはエアロダイナミクスの強化であり、各社がブレーキホースとシフトケーブルの内装化がポピュラーな仕様となっている。
フレームブランドがフル内装を目指した結果、専用ハンドルとステムを開発するブランドも珍しくなくなった。そんな中、ボーラ・ハンスグローエとクイックステップ・アルファヴィニルの選手の中には、シマノがプロデュースするパーツブランドのPROを好んで使用するメンバーもいる。
ボーラのマキシミリアン・シャフマンやパトリック・コンラッドはVIBEカーボンステムを装着し、コンラッドはVIBEカーボンスーパーライトハンドルと組み合わせている。このハンドルはチーム内でも人気があるようで、装着する選手が他にもいるようだ。また、VIBEエアロカーボンコンパクト スーパーライトをチョイスし、エアロダイナミクスと剛性を重視する選手も。
クイックステップ・アルファヴィニルはステムをバイクブランドの物に統一し、ハンドルは好みのものをアセンブルしているようだ。ミケル・モロコフ、フロリアン・セネシャル、ミッケルフレーリク・ホノレらを中心にVIBEシリーズのハンドルを使用している。
PROはハンドルやステムだけではなく、サドルもプロスペックのモデルを揃えているブランドだ。特にチームDSMが長年使用し続けており、今大会でエースを務めたロマン・バルデは、ロードモデルの中で最もフラットな座面のFALCONを愛用しているようだ。
デビューイヤーで成功を収めたシマノDURA-ACE 3週目の激闘を振り返る
ツール・ド・フランスの第3週目は、ピレネー3連戦の緒戦となる第16ステージから始まる。山頂フィニッシュではないものの総合首位ヨナス・ヴィンゲゴーのマイヨジョーヌを狙うライバルからのアタックが繰り返されるハードに展開に。アタックのたびに機材には強大な力が掛けられるが、DURA-ACEの確かな信頼性はヴィンゲゴーの強い味方となり、大きなトラブルなくフィニッシュへと辿り着いた。
本格的な山岳決戦は1級山岳ペイラギュードの山頂フィニッシュで繰り広げられた。連日の猛暑に消耗する選手は多く、受け渡されたボトルの水を大胆にかける選手も。そのような状況下で頭部の快適性を保てるレイザーのGENESISもヴィンゲゴーのアドバンテージとなったはずだ。ヴィンゲゴーは誰もが驚くようなスピードで牽引するライバルを冷静にチェックし続け、この日もタイム差をほとんど詰め寄らせることなくステージ2位を獲得。
そして、プロトンはピレネー最終日にして、今年のツール最後の山岳決戦の第18ステージ。超級オービスク、1級スパンデル、そして超級オタカムの山頂にフィニッシュするこの日は誰の目から見てもハードな一日となるのは間違いなかった。
ポイント賞ジャージを着るワウト・ファンアールトはこの日も逃げ、中間ポイントを稼ぎながら、後方からエースが追いつくのを待つ"前待ち"作戦を決行。エースを牽引するためにC50チューブラーを選択したファンアールトは、空気抵抗を低減するエアロダイナミクスの恩恵を受けながら、前待ち作戦を成功させ、さらにマイヨヴェールのハイスピードな牽引でライバルを振り落とすことを現実のものとした。
ファンアールト並びにチーム全体からアシストを受けた、エースのヴィンゲゴーはC36チューブラーと言う軽量決戦仕様のホイール選択。度重なるアタックに素早くチェックできる反応性のホイール、大一番で信頼できるDURA-ACEコンポーネンツの力を得て、オタカムを独走優勝を果たし、マイヨジョーヌ獲得に向けて弾みをつけた。
第3週目で活躍し続けているユンボ・ヴィスマの快進撃は止まらない。集団スプリントの平坦ステージかと思われた第18日目だが、疲弊しきっているスプリンターとそのアシストたちがレースを掌握するに至らず、プロトンは混戦のままフィニッシュの街へ辿り着いた。
マイヨジョーヌ護衛の任務を遂行したクリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ)は、スプリンターチームを横目にメイン集団から抜け出すことに成功し、C60ホイールのアドバンテージを発揮させ、独力でステージ優勝を果たした。この日、チームを長時間牽引するファンホーイドンクとべノートはGENESISを選ぶほどの暑さだったが、最終局面で仕事を任されたファンアールトとラポルトのみエアロに特化したVENTO KCを着用した。僅かでもアドバンテージを積み重ねることで、千載一遇のチャンスを掴み取れることをラポルトは証明したはずだ。
個人タイムトライアルの第20ステージでDURA-ACEのスピードを味方につけたヴィンゲゴー。あわやコースアウトという場面もあったが、コントローラブルなブレーキシステムによって危機を回避。ライバルを上回る渾身の走りでステージ2位に入り、長い長い3週間の総合争いの行方に終止符を打った。そのタイムを超えた唯一の選手は、ヴィンゲゴーの総合首位に貢献したファンアールトだった。
そして、ゲラント・トーマスもタイムトライアルで好走を見せ、TTスペシャリストのフィリッポ・ガンナよりも好タイムの区間4位。ツール総合優勝者らしいクレバーな走りは、Science of Speedのコンセプトのように計算され尽くされたものだっただろう。
135名まで人数を減らしたプロトンがパリ・シャンゼリゼに凱旋。過酷な山岳を乗り越えたスプリンターたちによる最終決戦は、ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が圧巻のスプリントで今大会2勝目。世界屈指のエースたちが集うツールでの勝利を掴んだ24歳の若きスプリンターには今後期待したい。
マイヨジョーヌ、マイヨアポア、マイヨヴェール、スーパー敢闘賞、ステージ6勝を獲得したユンボ・ヴィスマ。悲願の総合優勝だけではなく、他を圧倒する総合力で魅せた走りは今大会の中心となったのは間違いない。彼らの八面六臂の活躍は、全ての状況で速さを追求したDURA-ACE R9200の開発が正しかったことを証明しているだろう。
そして、チーム総合首位は山岳比率が高い今大会でメンバーの多くを上位に送り込んだイネオス・グレナディアーズ。トーマスによる総合3位だけではなく、アダム・イェーツを総合10位、トム・ピドコックを総合17位に送り込み組織力の高さを証明した。
シマノグローバルサポートチームの彼らが使用したDURA-ACE R9200の活躍は目覚ましいものだった。Science of Speedのコンセプトで開発された新型コンポーネンツの高性能な変速性能、ライバルより速く走るホイール、制動性に優れるブレーキは、どのステージでも性能を発揮。初登場にして表彰台を大量獲得したDURA-ACEの快進撃は止まることはないだろう。
ツール・ド・フランス2022 シマノグローバルサポートチームが残した軌跡
ステージ:11勝
第1ステージ | イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) |
第2ステージ | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル) |
第4、8、20ステージ | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) |
第11、18ステージ | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) |
第12ステージ | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
第15、21ステージ | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) |
第19ステージ | クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) |
マイヨジョーヌ:16日間
第1ステージ/1日 | イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) |
第2ステージ〜5ステージ/4日間 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) |
第11ステージ〜21ステージ/11日間 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) |
マイヨヴェール:21日間
第1ステージ/1日 | イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) |
第2ステージ〜21ステージ/20日間 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) |
マイヨアポア:4日間
第18ステージ〜21日/4日間 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) |
チーム総合:21日間
第1ステージ〜4ステージ/4日間 | ユンボ・ヴィスマ |
第5ステージ〜21ステージ/17日間 | イネオス・グレナディアーズ |
敢闘賞:7回
第6、18ステージ | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) |
第8ステージ | マティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル) |
第9ステージ | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) |
第11ステージ | ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) |
第12ステージ | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
第15ステージ | ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) |
提供:シマノセールス 制作:シクロワイアード編集部