2020/01/07(火) - 18:00
ウエイブワンがローンチした新しいオーダーウェアシリーズの「ZEE_LINE」。生産工場を海外に移す他、細部を調整することで低コストを実現したオーダーウェアだ。本特集のVol.1で詳細をお伝えしているため、ぜひご覧頂きたい。リンクはこちら
本ページではZEE_LINEで最注目アイテム「ゼットスピードデュアルスーツ」と「ゼットイージージャージ」のインプレッションを行う。テストを行ったのは、Jプロツアーを走る高木三千成だ。普段よりワンピースを着用する高木から見たゼットスピードデュアルスーツを中心にお届けしよう。
プロ選手の間ではスタンダードとなったワンピース型のサイクルジャージ。ロードレースでは上体の前身頃とボトムスの腹部が分離しているセパレートタイプを好んで使用する選手が多い。それを国内でいち早くオーダーウェアに取り入れたのがウエイブワンだった。
「デュアルスーツ」という名前で展開するウエイブワンのセパレート式ワンピースは、チームブリヂストンサイクリングの選手らも使用するプロ仕様の1着。腕から肩甲骨周りにかけて凹凸のあるエアロ生地、背中部分は非常に通気性に優れる薄手メッシュを使用することで、プロが求める空力や快適性を追求したウェアに仕上げられている。
そのデュアルスーツをベースとした「ゼットスピードデュアルスーツ」が登場。凹凸のエアロ生地は袖だけに留まり、背面は全体にレジェフィット生地を使用していることが、デュアルスーツとの違い。
ウエイブワンのエアロ生地「スピードライン1.3」は自社生地であり、UCIレギュレーションに適合した溝1mm以下に抑えられている。「チームスカイが凹凸のある生地を使用しているのを見て、我々も直ぐに開発に取り掛かりました。サンプルが完成した直後にUCIルールが変更となり、作り直しとなったこともありました(笑)」とブランドマネージャーの太郎田さん。
デュアルスーツではないもののウエイブワンの選手供給用エアロスーツを着用した、チームブリヂストンサイクリングとドリームシーカーのメンバーによって全日本選手権トラック競技で輝かしい成績を収めた実績もある。同じ様な生地を使用しているゼットスピードデュアルスーツにもエアロ効果を期待することもできるだろう。
何よりも1着あたり1万5千円というプライスタグが魅力だ。ワンピースと言えば2万円以上が当たり前であるだけに、ゼットスピードデュアルスーツは手の出しやすいワンピースと言えるだろう。それではインプレッションに移ろう。
ゼットスピードデュアルスーツの袖に使われているエアロ生地はトレンドでもありますし、見た目もかっこいいですよね。速くなった気がします。袖の風が当たらない部分には伸縮性に富む生地を採用し、タイトすぎないフィット感を作り上げています。熱がこもりやすい背面は排熱を考えたメッシュ生地を使用しています。深い前傾ポジションでも生地がスムーズに伸びてくれるため、エアロポジションでも快適さを感じます。
レーサー目線で最上級の快適性を求めるならば、より柔軟な生地を使用することも考えられます。実際にチームブリヂストンサイクリングの選手たちは、非常に薄いメッシュを使用したスペシャルなジャージを着ていると思います。
一方で、薄手の生地は耐久性に心配が生まれてくることを考えると、何度も使い回すホビーユースの場合はある程度の耐久性は必要です。ゼットスピードデュアルスーツでは必要な伸縮性を備えつつ、長い期間に渡って使用できるように作られていると感じました。
今回テストしたサンプルに装備されていたスタンダードパッドは非常に快適性に優れています。荒れた路面を走行してみたのですが、一般的なレーサーパンツよりも振動が吸収されているようで、不思議な感覚を味わいました。パッドの配置も絶妙で、ライド中のあらゆるポジションでも保護してくれる印象があります。ズレる感覚もなく、非常に快適にサドルの上で過ごすことができました。
ジャージと身体との連動性が素晴らしく、ダンシングした時の動きにジャージが常に追従してくれます。ジャージとビブショーツの組み合わせでは、それぞれがズレる感覚やジャージがシワになることもあります。レーサーとしてはこのズレやシワが気になってしまうため、それが一切ないワンピースは競技に集中するために必要なアイテムだと感じています。
また、身体にピタリとフィットしているおかげで、ポケットも体の動きに追従してくれるので、ポケットから荷物が飛び出してしまう心配もありません。ポケットの容量が小さいと感じる方もおられるかもしれませんが、ポケットの荷物が暴れにくいというのも1つのメリットでしょう。
ワンピースは1着を着てしまえば直ぐにライドに出かけられるという面もあります。僕はセパレート式ワンピースを初めて着用した時から、夏場はほぼセパレート式ワンピースしか着用せず、練習も同様です。
サイズ感に関しては、オーダーする前に必ず試着することをオススメします。僕は身長175cm、細身の体型なので、レースウェアの殆どはSサイズです。なので、ゼットスピードデュアルスーツもSサイズがフィットすると思っていましたが、実際にはMサイズの方がマッチすると感じています。サンプルが用意されているので、気になる方は一度相談してみても良いでしょう。
タイトフィットかつ一体型には無い快適性を備えるゼットスピードデュアルスーツは、乗車中にストレスと感じる部分を排除しています。タイムトライアルやレースのために開発されたウェアですが、使い勝手も良いため、様々なサイクリングシーンでホビーサイクリストの方もメリットを感じられるでしょう。
ゼットスピードデュアルスーツと並び、目を離せないのがゼットイージージャージだ。ウエイブワンの最安値を更新する6500円というプライスタグは、初めてオーダーウェアに挑戦しようと思う方、練習用ジャージが欲しい方の味方となってくれるだろう。
ZEE_LINEにはゼットイージージャージ、ゼットエキップジャージ、ゼットスピードジャージという3種類の半袖ウェアが用意されている。イージージャージは最もゆとりのあるフィットであり、シャカリキに走るというよりも、カジュアルにサイクリングを楽しむシチュエーションにマッチする1着。
程よい厚みのある生地「コンフォートテックス」が採用されており、快適性と耐久性を期待できる。編み目が詰まった素材のため、白地の状態でも透けにくいという。デザインの自由度も高そうだ。
ゼットイージージャージはタイトすぎずルーズすぎない丁度よいフィット感があります。腕、胴回りにゆとりがあるため、前傾だけではなく立った状態でも快適に過ごすことができる一方で、低価格のウェアにありがちなフィット感がルーズすぎて、腹部がダボ付くことはありません。身体のシルエットを隠すことができますし、バランスの取れた1着だと思います。
バックポケットは拳が入るほど大きめの作りで、サイクリングに必要なものを持ち運ぶのには十分です。裾部分にはシリコンのグリッパーが配されているのですが、その部分の生地自体に伸縮性が備えられているため、フィットとグリップ感に優れている印象です。生地も丈夫なイメージもあるので、タフなライドでも壊れにくいでしょう。仲間内でジャージを作るのには最適な1着ではないかと思います。
本ページではZEE_LINEで最注目アイテム「ゼットスピードデュアルスーツ」と「ゼットイージージャージ」のインプレッションを行う。テストを行ったのは、Jプロツアーを走る高木三千成だ。普段よりワンピースを着用する高木から見たゼットスピードデュアルスーツを中心にお届けしよう。
1万5千円/1着 破格のプライスを実現したセパレート式ワンピース
プロ選手の間ではスタンダードとなったワンピース型のサイクルジャージ。ロードレースでは上体の前身頃とボトムスの腹部が分離しているセパレートタイプを好んで使用する選手が多い。それを国内でいち早くオーダーウェアに取り入れたのがウエイブワンだった。
「デュアルスーツ」という名前で展開するウエイブワンのセパレート式ワンピースは、チームブリヂストンサイクリングの選手らも使用するプロ仕様の1着。腕から肩甲骨周りにかけて凹凸のあるエアロ生地、背中部分は非常に通気性に優れる薄手メッシュを使用することで、プロが求める空力や快適性を追求したウェアに仕上げられている。
そのデュアルスーツをベースとした「ゼットスピードデュアルスーツ」が登場。凹凸のエアロ生地は袖だけに留まり、背面は全体にレジェフィット生地を使用していることが、デュアルスーツとの違い。
ウエイブワンのエアロ生地「スピードライン1.3」は自社生地であり、UCIレギュレーションに適合した溝1mm以下に抑えられている。「チームスカイが凹凸のある生地を使用しているのを見て、我々も直ぐに開発に取り掛かりました。サンプルが完成した直後にUCIルールが変更となり、作り直しとなったこともありました(笑)」とブランドマネージャーの太郎田さん。
デュアルスーツではないもののウエイブワンの選手供給用エアロスーツを着用した、チームブリヂストンサイクリングとドリームシーカーのメンバーによって全日本選手権トラック競技で輝かしい成績を収めた実績もある。同じ様な生地を使用しているゼットスピードデュアルスーツにもエアロ効果を期待することもできるだろう。
何よりも1着あたり1万5千円というプライスタグが魅力だ。ワンピースと言えば2万円以上が当たり前であるだけに、ゼットスピードデュアルスーツは手の出しやすいワンピースと言えるだろう。それではインプレッションに移ろう。
高木三千成(CW編集部)
「身体との一体感があり、快適なワンピース」
一般的な半袖ジャージを着ているかのような感覚を持ちながら、ワンピースにしか無いピタリとしたフィット感のある1着です。上下一体式ワンピースの場合は前傾姿勢時に生地が余り腹部の生地が弛むこともありますが、セパレート式の場合では弛む原因となる生地が動くためシワが発生しにくい。腹部の伸縮性のキャパシティが一体型より広くフィット感が自然なこともメリットの1つです。トイレ時も便利ですし、使い勝手が良いワンピースだと思います。ゼットスピードデュアルスーツの袖に使われているエアロ生地はトレンドでもありますし、見た目もかっこいいですよね。速くなった気がします。袖の風が当たらない部分には伸縮性に富む生地を採用し、タイトすぎないフィット感を作り上げています。熱がこもりやすい背面は排熱を考えたメッシュ生地を使用しています。深い前傾ポジションでも生地がスムーズに伸びてくれるため、エアロポジションでも快適さを感じます。
レーサー目線で最上級の快適性を求めるならば、より柔軟な生地を使用することも考えられます。実際にチームブリヂストンサイクリングの選手たちは、非常に薄いメッシュを使用したスペシャルなジャージを着ていると思います。
一方で、薄手の生地は耐久性に心配が生まれてくることを考えると、何度も使い回すホビーユースの場合はある程度の耐久性は必要です。ゼットスピードデュアルスーツでは必要な伸縮性を備えつつ、長い期間に渡って使用できるように作られていると感じました。
今回テストしたサンプルに装備されていたスタンダードパッドは非常に快適性に優れています。荒れた路面を走行してみたのですが、一般的なレーサーパンツよりも振動が吸収されているようで、不思議な感覚を味わいました。パッドの配置も絶妙で、ライド中のあらゆるポジションでも保護してくれる印象があります。ズレる感覚もなく、非常に快適にサドルの上で過ごすことができました。
ジャージと身体との連動性が素晴らしく、ダンシングした時の動きにジャージが常に追従してくれます。ジャージとビブショーツの組み合わせでは、それぞれがズレる感覚やジャージがシワになることもあります。レーサーとしてはこのズレやシワが気になってしまうため、それが一切ないワンピースは競技に集中するために必要なアイテムだと感じています。
また、身体にピタリとフィットしているおかげで、ポケットも体の動きに追従してくれるので、ポケットから荷物が飛び出してしまう心配もありません。ポケットの容量が小さいと感じる方もおられるかもしれませんが、ポケットの荷物が暴れにくいというのも1つのメリットでしょう。
ワンピースは1着を着てしまえば直ぐにライドに出かけられるという面もあります。僕はセパレート式ワンピースを初めて着用した時から、夏場はほぼセパレート式ワンピースしか着用せず、練習も同様です。
サイズ感に関しては、オーダーする前に必ず試着することをオススメします。僕は身長175cm、細身の体型なので、レースウェアの殆どはSサイズです。なので、ゼットスピードデュアルスーツもSサイズがフィットすると思っていましたが、実際にはMサイズの方がマッチすると感じています。サンプルが用意されているので、気になる方は一度相談してみても良いでしょう。
タイトフィットかつ一体型には無い快適性を備えるゼットスピードデュアルスーツは、乗車中にストレスと感じる部分を排除しています。タイムトライアルやレースのために開発されたウェアですが、使い勝手も良いため、様々なサイクリングシーンでホビーサイクリストの方もメリットを感じられるでしょう。
ゼットスピードデュアルスーツ
素材 | スピードライン1.3、フレクシー、レジェスキン、レジェハニカム |
パッド | スタンダードパッド(男女)、レコードカーボンパッド(男性用、+1000円)、プレミネンテパッド(女性用、+1000円) |
サイズ | XS、S、M、L、XL(各サイズにトールモデルあり) |
価格 | 5着~ 税別15,000円 / 10着~ 税別14,000円 |
オーダージャージの入門・ゼットイージージャージ
ゼットスピードデュアルスーツと並び、目を離せないのがゼットイージージャージだ。ウエイブワンの最安値を更新する6500円というプライスタグは、初めてオーダーウェアに挑戦しようと思う方、練習用ジャージが欲しい方の味方となってくれるだろう。
ZEE_LINEにはゼットイージージャージ、ゼットエキップジャージ、ゼットスピードジャージという3種類の半袖ウェアが用意されている。イージージャージは最もゆとりのあるフィットであり、シャカリキに走るというよりも、カジュアルにサイクリングを楽しむシチュエーションにマッチする1着。
程よい厚みのある生地「コンフォートテックス」が採用されており、快適性と耐久性を期待できる。編み目が詰まった素材のため、白地の状態でも透けにくいという。デザインの自由度も高そうだ。
高木三千成(CW編集部)
「バランスの良いフィット感のある一着」
ゼットイージージャージはタイトすぎずルーズすぎない丁度よいフィット感があります。腕、胴回りにゆとりがあるため、前傾だけではなく立った状態でも快適に過ごすことができる一方で、低価格のウェアにありがちなフィット感がルーズすぎて、腹部がダボ付くことはありません。身体のシルエットを隠すことができますし、バランスの取れた1着だと思います。
バックポケットは拳が入るほど大きめの作りで、サイクリングに必要なものを持ち運ぶのには十分です。裾部分にはシリコンのグリッパーが配されているのですが、その部分の生地自体に伸縮性が備えられているため、フィットとグリップ感に優れている印象です。生地も丈夫なイメージもあるので、タフなライドでも壊れにくいでしょう。仲間内でジャージを作るのには最適な1着ではないかと思います。
ゼットイージージャージ
素材 | コンフォートテックス |
サイズ | XS、S、M、L、XL、XXL |
価格 | 5着~ 税別6,500円 / 10着~ 税別6,100円 |
提供:ウエイブワン 制作:シクロワイアード編集部