2010/07/02(金) - 20:00
アンカーフィッティングシステムの全貌公開!
アンカーフィッティングシステムの全貌を知りたい! そこで、ここではサイクルハウスイシダの協力を得て、チーム・ホットスタッフのアマチュア登録選手、西岡直輝さんのアンカー・RMZオーダーの一部始終を追いかけた。東京・三鷹市のサイクルハウスイシダはアンカーフィッティングショップのひとつで、もちろんアンカー・フィッティングマシンを店頭に置いている。店長の石田道典さんはレース経験、そして自転車プロショップとしての経験も豊富で、RMZをオーダーするにはぴったりのショップ。
以下にオーダーの手順を再現してお目に掛けよう。なお、オーダーは時間にしておよそ1時間ほどかかるのが普通だ。フィッティングショップに行く際には予約するだけでなく、時間に余裕を持って行こう。
プロフィール入力から一次ポジションの算出まで
1.サドルのキャリブレーション
フィッティングマシンのハンドルやサドルは、アンカー・フィッティングショップにてすでに用意され、取り付けられていることだろう。サイクルハウスイシダではフィッティングマシン純正のハンドルに、シマノ・デュラエースDi2のデュアルコントロールレバー、そしてセラサンマルコ・アスピデがセットされていた。
さらに、オーナーが使う予定のパーツが決まっているなら、これらを持参することで、より精度の高いフィッティングが可能となる。サイクルハウスイシダではアスピデの寸法をフィッティングシステムに入力済みだったが、サドルを替える場合は、そのサドルの全長やセンター位置、レール中心までの距離などをフィッティングシステムに入力し、キャリブレーションすることになる。
さらに、オーナーが使う予定のパーツが決まっているなら、これらを持参することで、より精度の高いフィッティングが可能となる。サイクルハウスイシダではアスピデの寸法をフィッティングシステムに入力済みだったが、サドルを替える場合は、そのサドルの全長やセンター位置、レール中心までの距離などをフィッティングシステムに入力し、キャリブレーションすることになる。
ここがポイント!
オーダーの際は、自分のレース用のパンツやシューズを用意して、ペダルも(ショップに用意されていないなら)持って行こう。また、使うハンドルやサドルが決まっていたら、持参したほうがより精度の高いフィッティングができる。ブレーキレバーもついていたほうがベターだ。2.プロフィール入力・採寸
氏名、性別、年齢、身長、体重などのプロフィールを入力する。プロショップ店頭のパソコンから、専用ウェブサイト"アンカー・フィッティングシステム"にアクセスし、入力していくのだ。身長の欄の次にある股下寸法は、身長から自動計算で推定値を入れることも可能だが、RMZのために開発された秘密兵器、股下測定スケールがショップにある。
3.アンケート入力
次はアンケート画面が来る。「走りのタイプを選んでください〜1.オールラウンダー、2.クライマー、3.スプリンター」。続いて「自分のレベルを選んでください。初心者、中級者、上級者」の項目を選択。そして「剛性の好みを選んでください」。ここでは硬めと標準が選べる。「運動性能(乗り味)を選んでください」。この項は直進安定性重視、標準、クイックな乗り味の3つが選択肢だ。最後に「すでにお使いのパーツ、または使用予定のパーツ情報を入力してください」という欄がある。ここにはクランク長、ステムアングル(ステアリングコラムに対する角度。82度や84度等)、ハンドル幅を入力しよう。
ここがポイント!
走りのタイプや、自分のレベルの選択、そして剛性の好みなどは、RMZのジオメトリー、そしてチューブ構成に大きく関わる要素だ。しかし神経質になる必要はない。このアンカーフィッティングシステムは、何度でも繰り返して入力、シミュレーションすることができる。ショップスタッフと相談して、いろいろと試してみよう。4.一次ポジションの算出
ここまで入力すると、次画面では初期ポジションが提案される。ポジション調整・入力という画面だ。これはさきほど行ったアンケート結果に合わせた、フィッティングシステムが推奨する一次ポジションだ。ここからこの数値のポジションでフィッティングマシンをセットし、乗車、ペダリングして微調整することになる。入力フォームが表示されている4つの欄は、これから修正できる数値だ。
ここがポイント!
初期ポジションを数値で示した画面の次には、そのポジションがイメージ図付きで表示される。BBセンターからサドルトップまでの距離や、ポジションシートアングルと呼ばれるサドル中心を基準としたシートアングルなど、多岐にわたる項目が一目でわかるようになっている。
最終的に決まるフレームジオメトリー以外に、自分のポジションを示すこれらの数値もメモしておきたい。
ポジションの微調整から二次ポジションの算出
5.二次ポジションの算出その1
ここではフィッティングマシンに実際に乗車し、関節角度を測定、ペダリングをしてポジションを調整していく。この関節角度の測定には、アンカーが推奨するガイドラインが用意されている。まずはサドルの前後方向を微調整しよう。これは基本的に、クランクを水平にした状態で膝蓋骨の裏側から降ろした垂線がペダルシャフトの中心を通る位置というのを確認する作業だ。この結果をまず入力する。
第2段階として測るのは、同じくクランクを水平にした状態での大腿と下腿の角度、110度だ。これは主にサドルの高さに影響する。
サイクルハウスイシダでは、これらの測定のために自作のシールを用意し、くるぶしと膝蓋骨、大腿骨の付け根などの位置を判別しやすくしている。こういった細かい技も、プロショップのノウハウの一つだ。
ここがポイント!
クランクの水平を保つにも、アンカーフィッティングシステムが持つ秘密兵器が登場する。なんと、クランクを水平位置で支えるためのツールが用意されているのだ。あらかじめセットされたこのツールをクランクの下に置き、位置を決める。股下測定スケールもそうだが、これらフィッティングシステムはRMZのオーダーだけでなく、アンカーのフィッティングに広く使えるものとなっている。6.二次ポジションの算出その2
第3段階は前傾の角度、つまりハンドルの高さ、遠さなどをアジャストするもの。上ハンドルを持って肘を伸ばした状態での上半身の角度が初級者なら55〜65度、中級者なら45〜55度、上級者なら40〜45度になるというものだ。この角度は、大腿骨の付け根と上腕骨の上端をポイントし、これを結んだ線と水平線とのなす角度をいう。
また、大腿骨の付け根と上腕骨の上端とを結んだラインと、上腕とのなす角度を80〜90度に設定するのは、共通した目標値だ。
そして、いよいよここからがプロショップの腕の見せ所だ。サドルの後退幅はクリートの位置を含めて適正か、上半身に窮屈なところはないかなど、いつも自分の走りを見てくれているショップなら、さらに細かいアドバイスが可能だろう。
この行程が、RMZのプロショップによる味付けの部分でもある。自分の走りをよく知っているスタッフなら、ポジションに関していろいろなアイデアを用意してくれているハズだ。
ここがポイント!
これらをもとにハンドル位置やサドル位置を再計算すると、次は「現在のポジション(イメージ図)」がパソコンの画面に表示される。見慣れた寸法であるBBからサドル上端までの「サドル高」や、サドルとステムの高低差などをここで確認できる。この次の画面は、フレームジオメトリー候補の選択となる。Page.2につづく。
次はいよいよフレームジオメトリーと剛性パターンを決定!
提供:ブリヂストンサイクル株式会社 企画/制作:シクロワイアード