2019/06/17(月) - 18:00
ジロのアジアンフィットモデル特集第3弾は、ジロを愛するホビーユーザー目線でのインタビューを紹介。選手とは違う、ロングライドやグラベルライドを楽しむホビーユーザーならではの感想や、デザイン面で支持を受ける理由とは。日本での開催に期待が集まるグラインデューロの本国大会に参加した際の話も聞きました。
宮下洋輔さん(左)と、GIRO STUDIO TOKYOの内田店長。 photo:So.Isobe
「最初のジロ製品はグローブでしたね。ずっと使ってますし、いくつも持ってる。最初のヘルメットはAEONで、次にSYNTHE、VANQUISH。SYNTHEは気に入った限定版が出るたびに買ってしまい、今や3つまで増えてしまいました(笑)」。
そう語るのは、モデルかと見紛うばかりのスマイルが光る宮下洋輔さん。普段からロードライドやシクロクロスレースを楽しみ、ここ数年はグラベルライドの楽しさにどっぷり浸かっているという、流行に敏感なサイクリストの一人だ。ダイアテックが主催したInstagramキャンペーンに見事当選し、カリフォルニアはクインシーで開催されたグラインデューロに参加した経験も持つ。
今回はそんな宮下さんをGIRO STUDIO TOKYOにお呼びし、グラベルライドを愛するホビーユーザーならではのジロヘルメットの感想や、アジアンフィットについて、そして、ジロがスポンサードを務めるグラインデューロの本国大会で見てきたこと、感じたことをVol.1に登場頂いた内田店長と共に聞いてみた。注目が集まるグラインデューロ・ジャパンに興味がある方ならば必見のトークを紹介します。
今回お話を伺った宮下さん。ロードやグラベルライド、シクロクロスまで広く楽しむ photo:So.Isobe
― まずはジロ製品を気に入っている理由を教えてもらえますか?
宮下:やっぱりデザイン。他のメーカーは妙にスポーティーすぎるんですが、ジロはそうじゃない。他ブランドにはない形であったり、色であったり、独自のテイストみたいな部分が好きですね。
― お持ちのVANQUISHはアジアンフィットですよね。実際のフィット感はどうですか?
宮下:やっぱりグローバルフィットのモデルは頭に合わなくて、ちょっと削ったりして無理やり使ってましたね。入るには入るんですが、長時間使っていると頭の左右が痛くなってくるんです。“どんだけ欧米人は頭が細いんだよ”って(笑)。だからワンサイズ大きいLを使っていたんですが、正直頭の前後がパカパカしてしまう。デザインは良いのにな…と残念に思っている部分は大きかったですね。
ジロのアジアンフィットを初めて被ったのはVANQUISH。(Vol.1に登場した本社スタッフの)エリックが来た時に被らせてもらって、”あっ!これだ!”って。今まで大きかったり、無理やり被っていたり無理していたのに、Mサイズがスポッと入った。嬉しかったですね。どうしてもLサイズって見た目も大きいし、ちょっとだぶついてた。Mサイズを被った自分を鏡で見た時にすごくフィットしてたし、”これがベストなんだな”、と。これを待っていたというか、正直ジロに関してはアジア人の頭に合う日が来るなんて考えていなかったので、ちょっと感動しました(笑)。
「ジロの製品はスポーティーすぎないシェイプやルックスが良い」 photo:So.Isobe
「どうしてもグローバルフィットは無理していたけれど、アジアンフィットは何のストレスなく被れる」 photo:So.Isobe
内田店長:やっぱりジロに関してはアジアンフィットのイメージはなかったですからね。出たよって言っても”所詮ジロだから被れないでしょ?”という疑いの目が全然拭いきれない。だからこそ来店して試着すると皆さん驚かれるわけです(笑)。
宮下:そうですね。被ってみて初めて分かる感覚。僕もアジアンフィットはVANQUISHだけなので、AETHERが欲しいな、って。カッコいい限定カラーが出たタイミングを狙っています。
内田店長:宮下さんは普段のロードライドはSYNTHEで、シクロクロスはVANQUISHでしたっけ。
宮下:だいたいそんな風に使い分けてますね。レースにはよりレーシーなVANQUISHかな、と。使う前は正直暑そうだなと思っていましたが、意外と風は入って来るし、思った以上に通気性が良かったので好印象です。SYNTHEは限定カラーが出るたびに増えてしまっています(笑)
「登場から少し時間が経ちますが、まだまだアジアンフィットを知らない方が多い」 photo:So.Isobe
― SYNTHEの印象はどうですか?性能面ではアジアンフィットとグローバルフィットであまり変わらないはずなので、読者の方の参考になると思います。
宮下:そうですね。被っているのをあまり意識させない感じ。超軽量ってわけじゃないんですが、多分重さのバランスが良いんですかね。それとデザイン的な合わせやすさ。ロードライドはもちろん、Tシャツとショートパンツで乗るようなちょっとラフなスタイルにもマッチしますよね。これがVANQUISHだとそうもいきませんから。
自分自身は林道やグラベルライドを楽しむことも多いのですが、そういう速度が遅い状態で使っても熱くならないのが良いところ。先日も急勾配の行き止まり林道を走ってきましたが、通気性が良いので歩くような速度でも蒸れは極力少ないように感じます。あとはジロのヘルメット全般に言えるんですが、MIPSの存在は心のどこかで安心材料になるというか…。幸いMIPSが働くような事故や落車はありませんが、安心して使えるのは大きなメリットですよね。
「グラインデューロには衝撃を受けましたね。年齢性別関係なくみんなで楽しむスタイルが最高でした」 photo:So.Isobe
― なるほど。色々と参考になります。ところで宮下さんと言えば昨年のグラインデューロ・クインシーに参加しましたよね。いかがでしたか?
宮下:いやぁ、衝撃的でしたよね。ショックを受けたというか…。僕も関東圏を中心に未舗装路を探して走っていますが、本当のグラベルイベントはやっぱりすごかった。地形だけ言っても土が違えば石も違うし、山も違う。一番すごかったのは下りですかね。”こんな凄い下り日本にはないぞ”って。
内田店長:そうそう、一度の上りの獲得標高差は大きいし、とにかく下りが長くて楽しい。僕は2年前の大会にカンチブレーキのオールドMTBで出ましたけど、下りは辛かったな……けど楽しかったな……(笑)。
グラインデューロお決まりのフォトブースにて。中央が宮下さん (c)Grinduro!2018
「老若男女問わず楽しむ現地のスタイル。あれが素晴らしいと思いました」 photo:So.Isobe
グラインデューロに参加した際のnote。リンクは記事下部のプロフィール欄から photo:So.Isobe宮下:内田さんは2年前のクインシーに参加していますよね。あのイベントは全員が楽しんでるし、ある意味狂っちゃってるというか(笑)。年齢性別関係なくみんなスタイルがあるし、キャンプ、音楽、アートとか、本当にフェスに近いんですよ。家族全員でやってきてキャンプを楽しむスタイルは、日本で言えばバイクロアに近いのかもしれませんが、MTBやロードのトップ選手たちが出てきていることが違いですかね。いわゆるガチな人たち。そんな人たちは計測区間は本気で走って超速いし、計測区間じゃないところは本気で楽しむ。いいなぁ、羨ましいなぁって思いましたね。
それでまた、みんなのウェアコーディネイトが決まってるというか、馴染んでいるというか。。レーパン+ジャージという人もいるんですが、なんらか着崩してるんです。下がバギーパンツだったり、上はTシャツだったり。もう最高にカッコよくてズルいです(笑)
あと向こうで初めて知ったのが、バンダナとか、ネックチューブの必要性ですかね。参加ノベルティとして首に巻くスカーフが配られて最初は何だろうと思ってたんですが、これが埃除けなんだって走ってて気づきました。日本では無いほど道が乾燥しているし、大人数で走るので先頭以外が埃がすごい。呼吸するときに砂埃を吸い込まないためのものだったんですね。なるほど、と。
ファッションも力入ってないし、走り方も頑張りすぎてないんですよ。例えば大柄なおじさんが登りをヘロヘロになって走っているのですが、下りになったら死ぬほど速い。下りを楽しむためだけに来てるみたいな感じで、そこが日本のサイクリストと一番違うポイントだったかもしれませんね。
― 現地参加者のバイクの種類は?自分が昨年出たグラベルレースはほぼ大多数がCXバイク。グラベルバイクはまだ少数で、MTBはほぼゼロといった具合でしたが。
宮下:CXバイクとMTBが半々ぐらいでしょうか。シングルトラックが長いのでMTBが多いんでしょうね。スピーカーで音楽をガンガン鳴らしている人もいたりして、なんだか気合が入ってないのに決まってる。羨ましいな、と(笑)。
それと気づいたのが、そういう雰囲気にジロの製品がすごくマッチしているな、ってこと。そういう大自然の中で溶け込むデザインであったり、カラーであったり、何だか”ああ、こういうことなのかな”って漠然と思ったりもしました。
カラーにもこだわった自慢のIndependent Fabrication photo:So.Isobe
CXバイクに合わせるのはグラインデューロカラーのCODE TECHLACE photo:So.Isobe
内田店長:それは僕も感じました。西海岸の山と海と夕日、みたいな、土っぽい感じというか…。メッセンジャー文化とはまた違ったネイチャーな志向は、こういう土壌の中で育まれたんだろうなと感じましたね。
宮下:グラインデューロ・ジャパンはまだ10月開催としか聞いていませんが、本国の運営チームもやってくるそうなので、とにかく楽しみです(笑)。
スポーツバイクにどっぷりとハマり、現在は冬場にシクロクロス、夏はロードとグラベルライドを楽しむホビーライダー。流行に敏感なファッション派でもあり、昨年はグラインデューロ・クインシーにも参加した。愛車はロード、CX共にIndependent Fabrication。
Intagram:@dotsandstripes
グラインデューロ参戦記
エッジなホビーユーザー目線で見る、ジロブランド
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そう語るのは、モデルかと見紛うばかりのスマイルが光る宮下洋輔さん。普段からロードライドやシクロクロスレースを楽しみ、ここ数年はグラベルライドの楽しさにどっぷり浸かっているという、流行に敏感なサイクリストの一人だ。ダイアテックが主催したInstagramキャンペーンに見事当選し、カリフォルニアはクインシーで開催されたグラインデューロに参加した経験も持つ。
今回はそんな宮下さんをGIRO STUDIO TOKYOにお呼びし、グラベルライドを愛するホビーユーザーならではのジロヘルメットの感想や、アジアンフィットについて、そして、ジロがスポンサードを務めるグラインデューロの本国大会で見てきたこと、感じたことをVol.1に登場頂いた内田店長と共に聞いてみた。注目が集まるグラインデューロ・ジャパンに興味がある方ならば必見のトークを紹介します。
「やっぱりジロのデザインが好き。アジアンフィットのデビューには驚きました」
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― まずはジロ製品を気に入っている理由を教えてもらえますか?
宮下:やっぱりデザイン。他のメーカーは妙にスポーティーすぎるんですが、ジロはそうじゃない。他ブランドにはない形であったり、色であったり、独自のテイストみたいな部分が好きですね。
― お持ちのVANQUISHはアジアンフィットですよね。実際のフィット感はどうですか?
宮下:やっぱりグローバルフィットのモデルは頭に合わなくて、ちょっと削ったりして無理やり使ってましたね。入るには入るんですが、長時間使っていると頭の左右が痛くなってくるんです。“どんだけ欧米人は頭が細いんだよ”って(笑)。だからワンサイズ大きいLを使っていたんですが、正直頭の前後がパカパカしてしまう。デザインは良いのにな…と残念に思っている部分は大きかったですね。
ジロのアジアンフィットを初めて被ったのはVANQUISH。(Vol.1に登場した本社スタッフの)エリックが来た時に被らせてもらって、”あっ!これだ!”って。今まで大きかったり、無理やり被っていたり無理していたのに、Mサイズがスポッと入った。嬉しかったですね。どうしてもLサイズって見た目も大きいし、ちょっとだぶついてた。Mサイズを被った自分を鏡で見た時にすごくフィットしてたし、”これがベストなんだな”、と。これを待っていたというか、正直ジロに関してはアジア人の頭に合う日が来るなんて考えていなかったので、ちょっと感動しました(笑)。
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宮下:そうですね。被ってみて初めて分かる感覚。僕もアジアンフィットはVANQUISHだけなので、AETHERが欲しいな、って。カッコいい限定カラーが出たタイミングを狙っています。
内田店長:宮下さんは普段のロードライドはSYNTHEで、シクロクロスはVANQUISHでしたっけ。
宮下:だいたいそんな風に使い分けてますね。レースにはよりレーシーなVANQUISHかな、と。使う前は正直暑そうだなと思っていましたが、意外と風は入って来るし、思った以上に通気性が良かったので好印象です。SYNTHEは限定カラーが出るたびに増えてしまっています(笑)
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宮下:そうですね。被っているのをあまり意識させない感じ。超軽量ってわけじゃないんですが、多分重さのバランスが良いんですかね。それとデザイン的な合わせやすさ。ロードライドはもちろん、Tシャツとショートパンツで乗るようなちょっとラフなスタイルにもマッチしますよね。これがVANQUISHだとそうもいきませんから。
自分自身は林道やグラベルライドを楽しむことも多いのですが、そういう速度が遅い状態で使っても熱くならないのが良いところ。先日も急勾配の行き止まり林道を走ってきましたが、通気性が良いので歩くような速度でも蒸れは極力少ないように感じます。あとはジロのヘルメット全般に言えるんですが、MIPSの存在は心のどこかで安心材料になるというか…。幸いMIPSが働くような事故や落車はありませんが、安心して使えるのは大きなメリットですよね。
「本国グラインデューロは衝撃の一言。日本開催が楽しみ」
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― なるほど。色々と参考になります。ところで宮下さんと言えば昨年のグラインデューロ・クインシーに参加しましたよね。いかがでしたか?
宮下:いやぁ、衝撃的でしたよね。ショックを受けたというか…。僕も関東圏を中心に未舗装路を探して走っていますが、本当のグラベルイベントはやっぱりすごかった。地形だけ言っても土が違えば石も違うし、山も違う。一番すごかったのは下りですかね。”こんな凄い下り日本にはないぞ”って。
内田店長:そうそう、一度の上りの獲得標高差は大きいし、とにかく下りが長くて楽しい。僕は2年前の大会にカンチブレーキのオールドMTBで出ましたけど、下りは辛かったな……けど楽しかったな……(笑)。
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あと向こうで初めて知ったのが、バンダナとか、ネックチューブの必要性ですかね。参加ノベルティとして首に巻くスカーフが配られて最初は何だろうと思ってたんですが、これが埃除けなんだって走ってて気づきました。日本では無いほど道が乾燥しているし、大人数で走るので先頭以外が埃がすごい。呼吸するときに砂埃を吸い込まないためのものだったんですね。なるほど、と。
ファッションも力入ってないし、走り方も頑張りすぎてないんですよ。例えば大柄なおじさんが登りをヘロヘロになって走っているのですが、下りになったら死ぬほど速い。下りを楽しむためだけに来てるみたいな感じで、そこが日本のサイクリストと一番違うポイントだったかもしれませんね。
― 現地参加者のバイクの種類は?自分が昨年出たグラベルレースはほぼ大多数がCXバイク。グラベルバイクはまだ少数で、MTBはほぼゼロといった具合でしたが。
宮下:CXバイクとMTBが半々ぐらいでしょうか。シングルトラックが長いのでMTBが多いんでしょうね。スピーカーで音楽をガンガン鳴らしている人もいたりして、なんだか気合が入ってないのに決まってる。羨ましいな、と(笑)。
それと気づいたのが、そういう雰囲気にジロの製品がすごくマッチしているな、ってこと。そういう大自然の中で溶け込むデザインであったり、カラーであったり、何だか”ああ、こういうことなのかな”って漠然と思ったりもしました。
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内田店長:それは僕も感じました。西海岸の山と海と夕日、みたいな、土っぽい感じというか…。メッセンジャー文化とはまた違ったネイチャーな志向は、こういう土壌の中で育まれたんだろうなと感じましたね。
宮下:グラインデューロ・ジャパンはまだ10月開催としか聞いていませんが、本国の運営チームもやってくるそうなので、とにかく楽しみです(笑)。
宮下洋輔さんプロフィール
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グラインデューロ参戦記
提供:ダイアテック text:So.Isobe