2019/06/04(火) - 17:00
昨年末からプロ選手によるテストが目撃され、デビューが噂されていたジロの新型ロードシューズがデビューする。その名は"最上級"を意味する「IMPERIAL」。イタリア、トスカーナで開催されたプレゼンテーションの模様を通し、シューズの詳細を掘り下げていきたい。
トスカーナで披露されたIMPERIAL テーマは「最上のフィット感」
ジロが新型シューズのお披露目の場として選んだのは、イタリア中部のトスカーナ地方。眼下に葡萄畑を見渡すホテルであり、キアンティ・クラシコの名門ワイナリー「カステッロ・ディ・アマ」がその舞台だ。今回招聘されたメディアは数少ないが、英Rouleurなどスタイルのある媒体が選ばれているのは何ともジロらしい。
ジロ本社でブランドマネージャーを務めるエリック・リクター氏のプレゼンテーションによって、履き心地とフィット感を最重視したハイエンドロードシューズ「IMPERIAL(インペリアル)」が正式にデビューを飾った。
ジロのシューズ史上初となる2ダイヤル式のBOAを除けば、繊維の並びが見えるアッパー素材や、メッシュを多用した大胆なカッティングなどのルックスはどことなく見覚えがあるものだ。そう、このIMPERIALは、世界で初めてアンダー150gを達成した超軽量シューズ「PROLIGHT TECHLACE」の進化版。重量をやや増やす代わりに最上の快適性とフィット感を追い求め、実用性をプラスしたプロレベルのレーシングシューズだ。
今回のプレゼンテーションでは、このIMPERIALと、シューレース式の兄弟分であり、第2世代となった「EMPIRE SLX」(準備が間に合わず情報のみ)が披露。参加者一同は各サイズのIMPERIALに足を通し、以降3日間に渡り周囲に広がるアップダウンコースを駆け抜けたのだった。
もはや「ジロ=ヘルメットだけのブランド」というイメージを持つ方は少ないだろう。2010年にサイクリングシューズ界に華々しくデビューすると、2年後にはそれまでの常識を覆すシューレース(靴紐)採用のEMPIREで一斉を風靡。その後も軽量版のEMPIRE SLXや、シューレースとBOA/ベルクロを組み合わせたTECHLACE、アンダー150gの世界最軽量モデルPROLIGHT TECHLACEなど、次々と革新的なモデルをリリース。スタイリッシュさという側面でも多くのファンを捉え、神出鬼没的にリリースされる限定カラーはその度に話題をさらってきた。
これまでの集大成としてデビューするIMPERIALのテーマは、最上の快適性とフィット感を追い求めること。ここ最近のサイクリングシューズのトレンドと共通しているが、思い返せばEMPIREの登場も、TECHLACEの登場も、あるいはニット素材の採用も全ては快適性のためであり、ジロは10年前からその課題に取り組んできた。
「フィット感だけで言えばシューレース式が最高ですが、やはり手間が掛かるし、走行中の調整はできませんので」と前置きしつつ、リクター氏は2ダイヤル式のBOAを採用した理由を話す。「調整の素早さとフィット感の両立を目指したTECHLACEは大きな成功を収めましたが、正直に言えばシューレース部分でわずかな遊びが生まれ、細やかな調整という意味で完全に満足できてはいませんでした。そこで一般/プロ問わず愛されている2BOAダイヤル式の開発に踏み切りました」。
格子状の繊維が見えるアッパー素材は、3層構造の「SYNCHWIRE(シンクワイヤ)SLX」と呼ばれる新開発品だ。テイジン社製TPU溶接補強材を芯材にしたメッシュ素材で、表面はPROLIGHT TECHLACEと同じだが、細部の変更を行うことで薄く軽量に。放射状のカッティングデザインは足全体を包むように締め上げる工夫だという。
もちろんアッパーはワンピース構造のシーム(縫い目)レスで、ヒール部分に唯一存在する縫い目も肌には当たらない。PROLIGHT TECHLACEよりも大きくデザインされた通気孔も柔らかな脚あたりに貢献し、目に見えない部分にも違和感の原因となるプラスチックや金属部品は使われていない。「第二の肌のような脚あたりを目指した」とリクター氏は言う。
快適性に次ぐIMPERIALのテーマが実用性だ。徹底的に軽さを突き詰めたPROLIGHT TECHLACEのアウトソールには格子目が特徴のテキストリームカーボンが奢られているが、例えば落車時など不意の衝撃が加わった際にクラックが入るという事例がプロ選手などから寄せられていたという。
そこでIMPERIALではEMPIREシリーズなどで使用実績のあるイーストン社のEC90 SLXカーボンを使用することで、軽量性と耐久性を最適化。それでもテキストリームカーボンソールに比べて4〜5g程度の差だといい、重量自体も片側215gと十分軽量シューズの範疇に納められている。PROLIGHT TECHLACEと異なりヒールが交換式となったことも実用性に貢献する部分と言えるだろう。
ラスト(足型)自体に変更は無いものの、リクター氏によればアッパー素材の薄さや伸び、カッティングによって従来よりもシューズ内のボリュームはやや増しているという。現在のところワイドフィットの展開は無いが、現地で足を入れてみたところ、甲高の筆者でも一切問題なし。PROLIGHT TECHLACEよりもずっと余裕があり、日本人のラストにフィットすると感じたのであった。
トスカーナで披露されたIMPERIAL テーマは「最上のフィット感」
ジロが新型シューズのお披露目の場として選んだのは、イタリア中部のトスカーナ地方。眼下に葡萄畑を見渡すホテルであり、キアンティ・クラシコの名門ワイナリー「カステッロ・ディ・アマ」がその舞台だ。今回招聘されたメディアは数少ないが、英Rouleurなどスタイルのある媒体が選ばれているのは何ともジロらしい。
ジロ本社でブランドマネージャーを務めるエリック・リクター氏のプレゼンテーションによって、履き心地とフィット感を最重視したハイエンドロードシューズ「IMPERIAL(インペリアル)」が正式にデビューを飾った。
ジロのシューズ史上初となる2ダイヤル式のBOAを除けば、繊維の並びが見えるアッパー素材や、メッシュを多用した大胆なカッティングなどのルックスはどことなく見覚えがあるものだ。そう、このIMPERIALは、世界で初めてアンダー150gを達成した超軽量シューズ「PROLIGHT TECHLACE」の進化版。重量をやや増やす代わりに最上の快適性とフィット感を追い求め、実用性をプラスしたプロレベルのレーシングシューズだ。
今回のプレゼンテーションでは、このIMPERIALと、シューレース式の兄弟分であり、第2世代となった「EMPIRE SLX」(準備が間に合わず情報のみ)が披露。参加者一同は各サイズのIMPERIALに足を通し、以降3日間に渡り周囲に広がるアップダウンコースを駆け抜けたのだった。
ブランド初のフルBOAシューズ シューレース版のEMPIRE SLXも同時発表
もはや「ジロ=ヘルメットだけのブランド」というイメージを持つ方は少ないだろう。2010年にサイクリングシューズ界に華々しくデビューすると、2年後にはそれまでの常識を覆すシューレース(靴紐)採用のEMPIREで一斉を風靡。その後も軽量版のEMPIRE SLXや、シューレースとBOA/ベルクロを組み合わせたTECHLACE、アンダー150gの世界最軽量モデルPROLIGHT TECHLACEなど、次々と革新的なモデルをリリース。スタイリッシュさという側面でも多くのファンを捉え、神出鬼没的にリリースされる限定カラーはその度に話題をさらってきた。
これまでの集大成としてデビューするIMPERIALのテーマは、最上の快適性とフィット感を追い求めること。ここ最近のサイクリングシューズのトレンドと共通しているが、思い返せばEMPIREの登場も、TECHLACEの登場も、あるいはニット素材の採用も全ては快適性のためであり、ジロは10年前からその課題に取り組んできた。
「フィット感だけで言えばシューレース式が最高ですが、やはり手間が掛かるし、走行中の調整はできませんので」と前置きしつつ、リクター氏は2ダイヤル式のBOAを採用した理由を話す。「調整の素早さとフィット感の両立を目指したTECHLACEは大きな成功を収めましたが、正直に言えばシューレース部分でわずかな遊びが生まれ、細やかな調整という意味で完全に満足できてはいませんでした。そこで一般/プロ問わず愛されている2BOAダイヤル式の開発に踏み切りました」。
格子状の繊維が見えるアッパー素材は、3層構造の「SYNCHWIRE(シンクワイヤ)SLX」と呼ばれる新開発品だ。テイジン社製TPU溶接補強材を芯材にしたメッシュ素材で、表面はPROLIGHT TECHLACEと同じだが、細部の変更を行うことで薄く軽量に。放射状のカッティングデザインは足全体を包むように締め上げる工夫だという。
もちろんアッパーはワンピース構造のシーム(縫い目)レスで、ヒール部分に唯一存在する縫い目も肌には当たらない。PROLIGHT TECHLACEよりも大きくデザインされた通気孔も柔らかな脚あたりに貢献し、目に見えない部分にも違和感の原因となるプラスチックや金属部品は使われていない。「第二の肌のような脚あたりを目指した」とリクター氏は言う。
快適性に次ぐIMPERIALのテーマが実用性だ。徹底的に軽さを突き詰めたPROLIGHT TECHLACEのアウトソールには格子目が特徴のテキストリームカーボンが奢られているが、例えば落車時など不意の衝撃が加わった際にクラックが入るという事例がプロ選手などから寄せられていたという。
そこでIMPERIALではEMPIREシリーズなどで使用実績のあるイーストン社のEC90 SLXカーボンを使用することで、軽量性と耐久性を最適化。それでもテキストリームカーボンソールに比べて4〜5g程度の差だといい、重量自体も片側215gと十分軽量シューズの範疇に納められている。PROLIGHT TECHLACEと異なりヒールが交換式となったことも実用性に貢献する部分と言えるだろう。
ラスト(足型)自体に変更は無いものの、リクター氏によればアッパー素材の薄さや伸び、カッティングによって従来よりもシューズ内のボリュームはやや増しているという。現在のところワイドフィットの展開は無いが、現地で足を入れてみたところ、甲高の筆者でも一切問題なし。PROLIGHT TECHLACEよりもずっと余裕があり、日本人のラストにフィットすると感じたのであった。
発表と同時に一般販売開始。60日間の品質保証も安心
ホワイト、ブラック、レッドと3カラー展開となるIMPERIALの国内価格は49,800円(税抜)で、シューレース版のEMPIRE SLXはホワイト、ブラック、ブルーの3カラー展開で44,800円(税抜)。本日6月4日の発表と同時に発売が開始され、東京港区のGIRO STUDIO TOKYOをはじめ下記全国6店舗で先行発売される。従来ジロでは60日間の品質保証プランを用意してきたが、もちろんこの新製品2種類にも適応される。ジロ IMPERIAL スペック
アッパー | One-piece SynchwireTM upper design with thermal-welded Teijin® TPU reinforcement |
フィッティングシステム | Twin Boa IP1 dials |
アウトソール | イーストン EC90TM SLX2 |
フットベッド | SuperNatural Fit Kit with adjustable arch support |
重量 | 片側215g(サイズ42.5) |
サイズ | 39-48(42.5〜45.5はハーフサイズあり) |
カラー | Black、White、Bright Red |
価格 | 49,800円(税抜) |
ジロ EMPIRE SLX スペック
アッパー | One-piece SynchwireTM upper design with thermal-welded Teijin® TPU reinforcement |
フィッティングシステム | Empire laces |
アウトソール | イーストン EC90TM SLX2 |
フットベッド | SuperNatural Fit Kit with adjustable arch support |
重量 | 片側185g(サイズ42.5) |
サイズ | 39-48(42.5〜45.5はハーフサイズあり) |
カラー | Carbon Black、Crystal White、Iceberg Blue |
価格 | 44,800円(税抜) |
先行販売店舗情報(※最新情報はGIRO HPをご確認ください)
Giro Studio Tokyo | 東京都港区芝2-1-23ニューカナール升田ビル1F | 03-6809-3998 | https://www.girotokyo.com |
TOKYO Wheels 東日本橋店 | 東京都中央区東日本橋2-27-2日機会館ビル1F | 03-5820-0042 | https://www.tokyolife.co.jp/blog/twt/ |
TOKYO Wheels 三宿店 | 東京都世田谷区三宿1-3-23クラールハイト三宿1F | 03-6706-4686 | https://www.tokyolife.co.jp/blog/twm/ |
SPORTS CYCLE SHOP Swacchi | 千葉県流山市南流山1-19-7 グランドルーシス101 | 04-7158-3196 | https://www.swacchi.com/ |
カトーサイクル | 愛知県名古屋市南区駈上2-8-26 | 052-811-3741 | http://www.katocycle.com |
Y's Road・大阪ウェア館 | 大阪府大阪市中央区博労町2-4-11 | 06-6265-5850 | http://ysroad.co.jp/osaka-wearkan/ |
シルベストサイクル 梅田店 | 大阪府大阪市北区梅田2-5-25ハービスPLAZA B1F | 06-6344-3808 | http://www.silbest.co.jp |
次回はトスカーナで開催されたテストライドの模様と、リクター氏へのインタビューを紹介。IMPERIALの足入れ感は「幅狭」という従来のジロシューズのイメージを覆すものだった。乞うご期待。
提供:ダイアテック text:So.Isobe