2019/07/17(水) - 08:42
SHIMANO STEPSを搭載したE-スポーツバイクの魅力と実力に迫る特集ページの第1弾は、オンロード系の車種にフォーカス。4台のバイクを4人で乗り換えつつ、ホントに富士山を1周する120kmのツーリングライドでインプレッションを行った。
朝7時、すこしもやがかった河口湖畔にて集合した品川さんと杏寿沙さん、そしてCW編集部2名の計4人。ずらりと並んだ4台のE-スポーツバイクのサドル高を合わせ、空気圧を調整。電動アシストユニットが搭載されているとはいえ、そういった部分は普通のスポーツバイクと何ら変わりない。
ユニットの電源は、乗る前にON。クランクにトルクがかかった状態で電源を入れると、エラーが出てしまうためだ。そして、メーターの走行距離をリセット。実際の走行シチュエーションで、どれだけ走ることが出来るのか。「100km越えのライドは初めてですね」「電池持つかな?」と品川さんと杏寿沙さん。「基本はECOモードで、上り坂では自分の力量に合わせて切り替えつつ、普通にサイクリングを楽しめるペースで行きましょう」と確認し走り出した。
コースは富士山を反時計回りに1周する120km、獲得標高は2,000mというなかなかのハードコース。これをホントに走ってしまおうという壮大なテストライドだ。ロケにクルマは伴走させず、カメラマンと編集ライターの2人を加えた4人が、全て人力+E-スポーツバイク実走で行った。
まずは河口湖大橋を渡り、北岸を西湖へ。湖岸沿いの平坦路で、ほとんどアシストが効くことはないくらいのスピードまで自然と上がっていくのは、スポーツバイクとしてしっかりと設計されているからこそ。
西湖へ繋がる湖北ビューラインの登りがこのコース最初の本格的なヒルクライム。淡々と8%ほどが続くきつい登り坂で、普通のロードだったら平坦の勢いでは踏み切れないくらいの距離もある。でも、E-スポーツバイクなら笑顔で越えていける。試しにアシストをオフにしてみたら、グンと重さが増す。まるでローラー台の負荷レバーをいきなり4目盛りくらいひねったかのように地球の重力を感じる。慌てて戻すとウィンというモーターの駆動音とともにスッと重さが消え、思わずニヤリと笑顔になる。
西湖に繋がるトンネルを越えても朝から垂れ込める雲は未だに晴れない。「富士山見えないですね」とみんなで残念がりつつ、西湖を西へ。樹海の中にある野鳥の森公園でしばし休憩したら、精進湖・本栖湖へ向かって国道139号線を走っていくことに。
平日だが、主要な幹線道路でもあるため車の往来は多め。「初心者だとこういうところは怖いですけど、E-スポーツバイクであればライディングに余裕がありますね」と品川さん。いくつものアップダウンがあるため、登りでスピードが落ちてふらつき気味になると怖さを感じる区間でもある。
でも、E-スポーツバイクなら速度が落ちないし、アシストユニットの存在による低重心化も相まってふらつきとは縁遠い。体力的な面も強調されがちだけれども、気持ちにも余裕をもって走ることが出来るのもE-スポーツバイクの大きなメリットだと感じる。
平日ながら何台かロードバイクでツーリングを楽しむグループとも遭遇する。登りで辛そうな横をスイスイと追い越すと驚きの目で見られる。そりゃそうだ、ヘルメットこそ被っているものの、ポロシャツとショートパンツという出で立ちの面子がクロスバイクとミニベロに乗りつつ、涼しい顔で追い抜いていくのだから。登り坂で軽々とロードバイクを抜き去るのが楽しくなってくるのもE-スポーツバイクならではだろう。
精進湖、本栖湖を越え、道の駅朝霧高原に到着。富士山型のサイクルラックに自転車を停め、「とりあえず富士山のカットは抑えましたね!」と一休み。道の駅の裏側には朝霧高原にある特産品の工場見学などが楽しめる「あさぎりフードパーク」がある。その中の一つ、あさぎり牛乳さんでは、チーズやヨーグルトといった乳製品の加工過程を見学できたり、自慢の牛乳やアイスなどを頂いたりできる。グイッとビン牛乳を頂き、喉の渇きを潤したら一路静岡側へ。
交通量の多い国道から1本内側のルートへエスケープしたいところだが、そのためにはちょっとした丘を一つ越える必要が。悩みどころだけれど、E-スポーツバイクならたとえ登り坂があっても走りやすいコースへ即決で舵を切れる。普通のスポーツバイクだったら、追加の登り坂に「モォー、また坂?」と不満の声が出そうだが、今回「ンモォー」と聞こえる声は道路脇にいた乳牛のものだけだ。
「この前ふもとっぱらにキャンプしに来たんですけど、その時は綺麗に富士山が見えてたんですよね。今日は見えないかなあ」杏寿沙さんとそんな話をしつつ走っていると、いつのまにやら左手にくっきりと富士山が姿を現しているではないか。午前中は文字どおり雲隠れしていたのが嘘のよう。持ってますね、杏寿沙さん。
その少し先、右手に現れたのが”COW RESORT IDEBOK”。牧場とレストランが一体になったスポットで、ちょうど開業したばかりなのだとか。ひろびろとした牧場では3種類の乳牛が放牧されており、それぞれのミルクやソフトクリーム、ジェラートバーやパフェなどがいただける。
ちょうど小腹が空いてきたタイミングで、めいめいスイーツに舌鼓。フレッシュなミルクを使って作られた甘味が適度に疲れた身体に染み渡る。オープンしたてでまだお客さんが少ないようでしたが、これからどんどん人気のスポットになりそうだ。
さて、この先には今回最大の山場である富士スカイラインが控えている。となれば、一旦その前に腹ごしらえが必要だ。E-スポーツバイクだって自分の脚でしっかり漕いでいるのだからお腹も空くのだ。富士宮といえばB級グルメのチャンピオン、富士宮焼きそばでしょう!ということで、有名店「まごころ」さんへとお邪魔する。
富士宮焼きそば、その特徴は「専用麺」「肉かす」「削り粉」の3つなのだとか。静岡おでんを頂きつつ焼きそばが来るのを待つことしばし。ドン、と置かれたお皿には結構な量が。食べきれるか?と不安を抱いたのもつかの間、意外にあっさりした味付けでどんどん箸が進み、あっという間に完食してしまうのだった。走った分、エネルギー補給に美味しいものを食べるのもサイクリングの楽しみのひとつだ。
さて、人間のエネルギーを補充したところでバッテリー残量も確認。ここまで50kmほどを走ってきて、車種ごとにそれぞればらつきはあるものの、まだ80%前後も残っている。「これだけ残っていれば峠ではECOモードじゃなくても大丈夫ですね」と品川さん。最大の山場である富士スカイラインに向けて余裕をもって臨めそうで杏寿沙さんもホッとした表情。
そして始まった距離14km、標高差950m、平均勾配6.5%のハードな峠。一般的なサイクリストであれば、ゆうに1時間以上はかかり、10km/hで登るのも一苦労、といったところだろう。ちなみにSTRAVAのデータによれば、オスカル・プジョル選手(元チーム右京)が平均時速18.1km/h、46分42秒で登っている。すごい‼
本格的な登りに差し掛かり、スピードが落ちてくるとモーターが力強さを増す。プログラムされたアシスト比率に従ってユニットの出力がコントロールされるため、気持ちよく漕げるスピードに本来の脚力差ほどの違いが出ないのもE-スポーツバイクの特徴のようだ。
品川さんと杏寿沙さん、脚力にはかなり差があるはずの二人が変わらないペースをキープして一緒に走ることができるのはE-スポーツバイクだからこそ。もちろん、品川さんのほうが余裕があり、杏寿沙さんはしっかり踏んでいるのだが、楽しく会話する程の余裕がある。15km/hほどの巡航速度でも気持ちよく走れ、息を荒げることはない程よい運動強度ということだ。
途中休憩を挟みつつ、1時間ほどで2合目・水が塚公園(標高約1500m)に到着。「登り切ったー!」とかなり踏んできた杏寿沙さん。モーターがついているからといって、決して安楽に頂上まで連れていってくれるというわけではなく、あくまで「アシスト」として助けてくれるだけ、この達成感と適度な疲労感をもたらすのもE-スポーツバイクの良いところでもある。自分が踏まないとモーターも動いてくれない、そのバランスがとても気持ち良い。ちなみに富士スカイラインを登り切った後でも、バッテリー残量はまだ50%程度残っているのだからすごい。
富士スカイラインの下りはかなりのハイスピードな区間となる。それでも安心して下れるのは、油圧ディスクブレーキが搭載されており、制動に不安が無いからだ。車重がかさみ、スピードが出やすいE-スポーツバイクだからこそ、しっかりとしたブレーキ周りは頼もしい。
そしてそのまま籠坂峠へ。距離5km、平均勾配5%ほどと富士スカイラインに比べれれば小粒だけれども、90km近くを走ってきた後では、かなりの峠に感じるはず。だけれども、淡々とペダルを回していけばいつのまにやら頂上だ。交通量が多めの道だが、しっかり周囲の状況を確認しながら走るだけの余裕もある。
最後の下りを楽しみ、残り20km。山中湖畔から河口湖へは下り基調のルートを残すのみ。こうして120km、獲得標高2,000mのE-スポーツバイクライドを無事完走したのだった。走り終えた後、気になる電池残量はといえば、もっとも少なかったのがミニベロのルイガノ Ascent e-sportsの19%。最も多かったのがダボス E-600の33%となった。
ただ、ダボスE-600は504Whの大容量バッテリーを搭載しているので、418Whモデルのルイガノと直接比較するのはフェアではない。実際の消費電力でいえばダボスが504×0.67=337.68Wh、ルイガノが418×0.81=338.58Whとなり、ほぼほぼ変わらない電力消費量となっている。それぞれ4車種を4名が乗り換えながら走っていたため、ライダーによる影響も少なかったからだろう。小径車の回転抵抗の大きさなども不利に働くかと思われたが、車種間の差はほとんど無いという結果になった。
さて、こんな具合で行われた今回のインプレッションライド。テストライダーの2人も初めて経験するというE-スポーツバイクでの本格山岳ツーリングを経て見えたそれぞれの実力とは?1台1台じっくりと深堀りしてお伝えしよう。
E-スポーツバイクの限界へ挑む 富士山一周120kmへ出発
朝7時、すこしもやがかった河口湖畔にて集合した品川さんと杏寿沙さん、そしてCW編集部2名の計4人。ずらりと並んだ4台のE-スポーツバイクのサドル高を合わせ、空気圧を調整。電動アシストユニットが搭載されているとはいえ、そういった部分は普通のスポーツバイクと何ら変わりない。
ユニットの電源は、乗る前にON。クランクにトルクがかかった状態で電源を入れると、エラーが出てしまうためだ。そして、メーターの走行距離をリセット。実際の走行シチュエーションで、どれだけ走ることが出来るのか。「100km越えのライドは初めてですね」「電池持つかな?」と品川さんと杏寿沙さん。「基本はECOモードで、上り坂では自分の力量に合わせて切り替えつつ、普通にサイクリングを楽しめるペースで行きましょう」と確認し走り出した。
コースは富士山を反時計回りに1周する120km、獲得標高は2,000mというなかなかのハードコース。これをホントに走ってしまおうという壮大なテストライドだ。ロケにクルマは伴走させず、カメラマンと編集ライターの2人を加えた4人が、全て人力+E-スポーツバイク実走で行った。
まずは河口湖大橋を渡り、北岸を西湖へ。湖岸沿いの平坦路で、ほとんどアシストが効くことはないくらいのスピードまで自然と上がっていくのは、スポーツバイクとしてしっかりと設計されているからこそ。
西湖へ繋がる湖北ビューラインの登りがこのコース最初の本格的なヒルクライム。淡々と8%ほどが続くきつい登り坂で、普通のロードだったら平坦の勢いでは踏み切れないくらいの距離もある。でも、E-スポーツバイクなら笑顔で越えていける。試しにアシストをオフにしてみたら、グンと重さが増す。まるでローラー台の負荷レバーをいきなり4目盛りくらいひねったかのように地球の重力を感じる。慌てて戻すとウィンというモーターの駆動音とともにスッと重さが消え、思わずニヤリと笑顔になる。
西湖に繋がるトンネルを越えても朝から垂れ込める雲は未だに晴れない。「富士山見えないですね」とみんなで残念がりつつ、西湖を西へ。樹海の中にある野鳥の森公園でしばし休憩したら、精進湖・本栖湖へ向かって国道139号線を走っていくことに。
楽なだけではない、楽しさに加えて安全と余裕をもたらしてくれるE-スポーツバイク
平日だが、主要な幹線道路でもあるため車の往来は多め。「初心者だとこういうところは怖いですけど、E-スポーツバイクであればライディングに余裕がありますね」と品川さん。いくつものアップダウンがあるため、登りでスピードが落ちてふらつき気味になると怖さを感じる区間でもある。
でも、E-スポーツバイクなら速度が落ちないし、アシストユニットの存在による低重心化も相まってふらつきとは縁遠い。体力的な面も強調されがちだけれども、気持ちにも余裕をもって走ることが出来るのもE-スポーツバイクの大きなメリットだと感じる。
平日ながら何台かロードバイクでツーリングを楽しむグループとも遭遇する。登りで辛そうな横をスイスイと追い越すと驚きの目で見られる。そりゃそうだ、ヘルメットこそ被っているものの、ポロシャツとショートパンツという出で立ちの面子がクロスバイクとミニベロに乗りつつ、涼しい顔で追い抜いていくのだから。登り坂で軽々とロードバイクを抜き去るのが楽しくなってくるのもE-スポーツバイクならではだろう。
フレッシュミルクにソフトクリーム、富士宮焼きそばと地元グルメに舌鼓
精進湖、本栖湖を越え、道の駅朝霧高原に到着。富士山型のサイクルラックに自転車を停め、「とりあえず富士山のカットは抑えましたね!」と一休み。道の駅の裏側には朝霧高原にある特産品の工場見学などが楽しめる「あさぎりフードパーク」がある。その中の一つ、あさぎり牛乳さんでは、チーズやヨーグルトといった乳製品の加工過程を見学できたり、自慢の牛乳やアイスなどを頂いたりできる。グイッとビン牛乳を頂き、喉の渇きを潤したら一路静岡側へ。
交通量の多い国道から1本内側のルートへエスケープしたいところだが、そのためにはちょっとした丘を一つ越える必要が。悩みどころだけれど、E-スポーツバイクならたとえ登り坂があっても走りやすいコースへ即決で舵を切れる。普通のスポーツバイクだったら、追加の登り坂に「モォー、また坂?」と不満の声が出そうだが、今回「ンモォー」と聞こえる声は道路脇にいた乳牛のものだけだ。
「この前ふもとっぱらにキャンプしに来たんですけど、その時は綺麗に富士山が見えてたんですよね。今日は見えないかなあ」杏寿沙さんとそんな話をしつつ走っていると、いつのまにやら左手にくっきりと富士山が姿を現しているではないか。午前中は文字どおり雲隠れしていたのが嘘のよう。持ってますね、杏寿沙さん。
その少し先、右手に現れたのが”COW RESORT IDEBOK”。牧場とレストランが一体になったスポットで、ちょうど開業したばかりなのだとか。ひろびろとした牧場では3種類の乳牛が放牧されており、それぞれのミルクやソフトクリーム、ジェラートバーやパフェなどがいただける。
ちょうど小腹が空いてきたタイミングで、めいめいスイーツに舌鼓。フレッシュなミルクを使って作られた甘味が適度に疲れた身体に染み渡る。オープンしたてでまだお客さんが少ないようでしたが、これからどんどん人気のスポットになりそうだ。
さて、この先には今回最大の山場である富士スカイラインが控えている。となれば、一旦その前に腹ごしらえが必要だ。E-スポーツバイクだって自分の脚でしっかり漕いでいるのだからお腹も空くのだ。富士宮といえばB級グルメのチャンピオン、富士宮焼きそばでしょう!ということで、有名店「まごころ」さんへとお邪魔する。
富士宮焼きそば、その特徴は「専用麺」「肉かす」「削り粉」の3つなのだとか。静岡おでんを頂きつつ焼きそばが来るのを待つことしばし。ドン、と置かれたお皿には結構な量が。食べきれるか?と不安を抱いたのもつかの間、意外にあっさりした味付けでどんどん箸が進み、あっという間に完食してしまうのだった。走った分、エネルギー補給に美味しいものを食べるのもサイクリングの楽しみのひとつだ。
最難関の富士スカイラインへ挑戦 ハイペースでこなす一級山岳
さて、人間のエネルギーを補充したところでバッテリー残量も確認。ここまで50kmほどを走ってきて、車種ごとにそれぞればらつきはあるものの、まだ80%前後も残っている。「これだけ残っていれば峠ではECOモードじゃなくても大丈夫ですね」と品川さん。最大の山場である富士スカイラインに向けて余裕をもって臨めそうで杏寿沙さんもホッとした表情。
そして始まった距離14km、標高差950m、平均勾配6.5%のハードな峠。一般的なサイクリストであれば、ゆうに1時間以上はかかり、10km/hで登るのも一苦労、といったところだろう。ちなみにSTRAVAのデータによれば、オスカル・プジョル選手(元チーム右京)が平均時速18.1km/h、46分42秒で登っている。すごい‼
本格的な登りに差し掛かり、スピードが落ちてくるとモーターが力強さを増す。プログラムされたアシスト比率に従ってユニットの出力がコントロールされるため、気持ちよく漕げるスピードに本来の脚力差ほどの違いが出ないのもE-スポーツバイクの特徴のようだ。
品川さんと杏寿沙さん、脚力にはかなり差があるはずの二人が変わらないペースをキープして一緒に走ることができるのはE-スポーツバイクだからこそ。もちろん、品川さんのほうが余裕があり、杏寿沙さんはしっかり踏んでいるのだが、楽しく会話する程の余裕がある。15km/hほどの巡航速度でも気持ちよく走れ、息を荒げることはない程よい運動強度ということだ。
途中休憩を挟みつつ、1時間ほどで2合目・水が塚公園(標高約1500m)に到着。「登り切ったー!」とかなり踏んできた杏寿沙さん。モーターがついているからといって、決して安楽に頂上まで連れていってくれるというわけではなく、あくまで「アシスト」として助けてくれるだけ、この達成感と適度な疲労感をもたらすのもE-スポーツバイクの良いところでもある。自分が踏まないとモーターも動いてくれない、そのバランスがとても気持ち良い。ちなみに富士スカイラインを登り切った後でも、バッテリー残量はまだ50%程度残っているのだからすごい。
富士スカイラインの下りはかなりのハイスピードな区間となる。それでも安心して下れるのは、油圧ディスクブレーキが搭載されており、制動に不安が無いからだ。車重がかさみ、スピードが出やすいE-スポーツバイクだからこそ、しっかりとしたブレーキ周りは頼もしい。
ラストクライムを乗り越え富士山1周120km達成 気になるバッテリー残量は?
そしてそのまま籠坂峠へ。距離5km、平均勾配5%ほどと富士スカイラインに比べれれば小粒だけれども、90km近くを走ってきた後では、かなりの峠に感じるはず。だけれども、淡々とペダルを回していけばいつのまにやら頂上だ。交通量が多めの道だが、しっかり周囲の状況を確認しながら走るだけの余裕もある。
最後の下りを楽しみ、残り20km。山中湖畔から河口湖へは下り基調のルートを残すのみ。こうして120km、獲得標高2,000mのE-スポーツバイクライドを無事完走したのだった。走り終えた後、気になる電池残量はといえば、もっとも少なかったのがミニベロのルイガノ Ascent e-sportsの19%。最も多かったのがダボス E-600の33%となった。
ただ、ダボスE-600は504Whの大容量バッテリーを搭載しているので、418Whモデルのルイガノと直接比較するのはフェアではない。実際の消費電力でいえばダボスが504×0.67=337.68Wh、ルイガノが418×0.81=338.58Whとなり、ほぼほぼ変わらない電力消費量となっている。それぞれ4車種を4名が乗り換えながら走っていたため、ライダーによる影響も少なかったからだろう。小径車の回転抵抗の大きさなども不利に働くかと思われたが、車種間の差はほとんど無いという結果になった。
さて、こんな具合で行われた今回のインプレッションライド。テストライダーの2人も初めて経験するというE-スポーツバイクでの本格山岳ツーリングを経て見えたそれぞれの実力とは?1台1台じっくりと深堀りしてお伝えしよう。
提供:シマノ 制作:シクロワイアード編集部