2017/10/13(金) - 13:28
スペシャライズド・ジャパンが今年2月からスタートさせたプログラムが「S-WORKS FIT プレミアム」。ボディジオメトリー・フィット(Retul含む)を受けたユーザーが、S-WORKSバイクを購入すると、最適なポジションを実現するためのパーツ交換を無料で行うキャンペーンは注目度大。実際のフィッティングの様子を紹介しながら、乗り出しからパーフェクトフィットを叶えるプログラムの概要と、メリットを紹介していこう。
スポーツバイクを快適に、楽しく、そして速く走らせる上で、いかにポジションが大切であるかは、もはやこの記事をご覧の方ならばご存知の通りだろう。マッチしないポジションは非効率なペダリングはおろか、身体の違和感や、最悪の場合膝や腰等の故障を誘発させることにもなる。これはどんなスポーツにも当てはまることだし、でも反対に言えば、最適なポジションを見つけていれば、機材を乗り換えても不都合なくパフォーマンスを発揮できる、とも言える。
でも、自分にベストなポジション出しって、本当に難しいもの。それにバイクを乗り換えれば、ブランドによって都度フレームジオメトリーは変わるし、同一ブランドであってもモデルによって多少なりとも差は出てくる。「バイクを乗り換えたら違和感が出た」、「前のバイクよりもパワーが出ていない」と、感じたことがある方も少なくないだろう。いわゆる「ポジション沼」にハマってしまったら最後、もはや抜け出すことすら難しくなってしまう。
しかし、そんな不安をスッキリ解消し、更にステムやハンドルなどのパーツ交換費用を¥0に抑えてくれる夢のようなサービスをスペシャライズドがスタートさせた。それが今回紹介する「S-WORKS FIT プレミアム」だ。
スペシャライズドが今年2月から提供しているこのサービスは、その名の通り同社S-WORKSグレードの完成車を購入時に、同社のフィッティングサービス「ボディジオメトリー・フィット」または「Retul(リトゥール)フィット」を受けることが条件。そこで得られた最適ポジションを実現するために必要なパーツ交換がアップチャージ不要で受けられる。
交換可能なアイテムはハンドル、ステム、サドル、クランク、シートポストの5点。しかも完成車付属品と同等グレードのパーツに交換される(S-WORKSグレードであれば最適サイズのS-WORKSグレードに交換)ため、初期投資をかなりセーブできるのだ。もちろん正しいフィッティングによってフレームサイズ選びの失敗もなくなるし、「乗り出しから”自分ポジション”」で、存分にS-WORKSバイクの高性能を味わえるのだ。
そんなS-WORKS FIT プレミアムの中で一番の肝となるのが、言わずもがなRetulのフィッティングサービスだ。本章ではこれから、厚木のスペシャライズド・ラウンジで行った実際のフィッティングの様子を紹介しながら、その概要とメリットを紹介していきたい。
フィッター:佐藤修平(スペシャライズド・ジャパン/SBCUマネージャー)
受け手:新井康文(BIKE SHOP FORZA)
今まで「ボディジオメトリー・フィット」の名で知られてきたスペシャライズドのフィッティングサービス。その中で3Dモーションキャプチャーを用いて各数値を導き出す公式ツールを”Retul(リトゥール)”と指してきたが、今後は各システム、メソッドをRetulへ統合していくという。大きく分けて「インタビュー」「アセスメント」「フィッティング」の3つの工程から成るのは従来通りで、アップデートが加わっているものの、大きな変更は無い。
スペシャライズドのフィットの最たる特徴が、フィッティング前のインタビュー(ライダーとフィッターの対話)と、アセスメント(身体測定)を重視していることだ。日常のトレーニング量や普段の乗り方、自分の目標などをフィッターが聞いて理解し、身体測定のデータと照らし合わせながら、どんなフィッティングが良いのかを導き出していく。だから、ただ測定機械に乗せて既存のデータに当てはめるのとは違う、ワンアンドオンリーの答えが出来上がる。
フィッティングと聞くと、受け手も専門知識が必要なのかと不安になりがちだが、そこは経験豊富なフィッターに任せていれば大丈夫。全国37のS-WORKS FIT プレミアム実施店舗はどこもスペシャライズドからのお墨付きだし、今回取材を行ったスペシャライズド・ラウンジ、もしくは西新宿にある直営店「スペシャライズド東京」でフィッティングを受けて、そのデータをS-WORKS FIT プレミアム実施店舗に転送するという流れも可能だ。
アセスメントに関しても随時アップデートされており、前屈や手足の上げ下げ、膝の曲げ伸ばし等、その項目は実に20にも及ぶ。あらゆる角度から身体の状態を確認することが、ストレスフリーのフィッティングに繋がる。
こうしてフィッターが見た・聞いた情報をもとに、バイクを模したツール「Muve(ムーブ)」にライダーを乗せ、最後のフィッティングの工程へと進んでいく。身体の片側に8個のハーネスを取り付け、真横からバンテージという専用の3Dモーションキャプチャーカメラで撮影することで視覚的にも身体の動きを把握でき、各部の数値とライダーのフィーリングを照らし合わせながらポジションを出していく。
そして、Retulの優れドコロが、最終的に得られたデータをRetulのWebサービスで読み込むことで、自身のポジションを再現するには、どのフレームサイズで、どんなステムで、どのシートポストセットバックで、どれだけコラムスペーサーを積めば良いかがバイクの購入前に分かる点。これはあらゆるアイテムを揃えている総合ブランドだからこそ成し得るポイントだし、画面上で最適解を導き出す様は、どこかゲーム感覚で面白ささえ感じた。
ここまでおよそ2~3時間ほどを要すし、高負荷下での身体の動きを確認する必要があるため、きっと全行程が終わる頃、あなたは汗だくになっているはず。けれど、だからこそオンリーワンのフィッティングを導くことができるのだし、ストレスフリーの自転車生活を楽しむためには必要不可欠と言って過言では無い。世界最高峰のS-WORKSバイクに乗るのであれば、掛けて価値ある労力だと言えるだろう。
以下はこの日Retulのフィッティングを受けたBIKE SHOP FORZAの新井店長にライダー目線からの感想を、そしてフィッティングを担当した佐藤修平さんにはRetulについてより深く聞いた。
「ポジション決めのスタンダードができ安心感に繋がる」
フィッティング自体は4,5年前に一度ボディジオメトリー・フィットを受け、今回が2回目。Retulを体験したのは初めてで、普段は感覚頼りのポジション出しをしていたので、それが数値でどう出てくるのかが非常に楽しみでした。最終的に得られたポジションは普段のポジションとほぼ変わらず誤差の範囲内だったので、自分の感覚が間違っていなかったという自信にも繋がりましたね。
RetulはZINツールやモーションキャプチャーで各部の数値が実際にデータで得られるので、フィッターがただ目で見て判断していくものより遥かに安心感があります。もし得られたデータが普段のポジションと異なっていても、きっと納得できるだけの要素はあるでしょうし、ライダーにとってこれがひとつ基準となりますから、他のポジションを試すのであれ、そのベースができる点が大きなメリットでしょう。
乗り込んでいる方ならば私のような答え合わせとして、まだポジションが定まっていない方であれば、寄り道をせずに最短距離で最適解にたどり着ける絶好の機会になると思います。あれこれ試して結局分からなくなる前に、最初にひとつ軸が得られるのはその後にも楽ができますね。
また、バイクポジション以外にも身体の使い方を見てもらえるのも大きいんです。私自身、今回のフィッティングで自分の脚の動きの癖を発見できましたし、だから骨盤や、体幹などに関わるコアトレーニングが必要なのかなと気づかされました。そういった今後のトレーニングの指標も導き出せる点が良いですね。
私自身、ロードバイクを始めてもう10年が経ちますが、今回のフィッティングでは僅か2時間で最適解が出てきてとても驚きました。最高級グレードのS-WORKSであれば一番ベストな状態で乗ってほしいですし、そのためにS-WORKS FIT プレミアムを受けてみる価値は大いにありますね。
「最適なポジションこそ、自転車をより長く楽しむカギに」
まずRetulの特徴としてデジタル技術の精度が非常に高いというのがポイントになります。独自に開発した専用の3Dカメラのシステムであるバンテージを使用しているのがその理由ですね。他社の技術を応用したものではない独自の基幹テクノロジーを用いることで各部の数値を正確に把握することができます。その上で、世界中から収集されたフィッティングデータはフレームジオメトリーやサドルなどの製品に活用され、来春新たに登場するMatch(マッチ)では店頭でライダーへ適切なサドル高、バイクサイズなどアドバイスも可能になっていきます。
従来のやり方からアップデートも加わっており、よりアセスメントの精度を上げるために調べる工数を増やしたり手法を変えていたりもします。身体の状態をより明確に把握できるよう進化しているんです。そこに正確な数値が加わることで、今までは経験値に頼っていたものを標準化できるようになっており、いかなるライダーへも適応でき、フィッターをサポートできるシステムになっています。
いわゆるアグレッシブなポジションが速く走る上で良しとされる風潮がありますが、Retulではその考えの限りではありません。速さを求めるライダーへ対しても、身体の快適性を重視したフィッティングを行っていきます。海外のプロ選手を見ても、手足が長いためにハンドルとサドルの落差がありキツいセッティングに見えますが、各可動域を見ると余裕を持たせたポジションになっているんです。自由度が上がることで各部の動きを妨げず、十分なパフォーマンスが発揮できるという考え方になりますね。
せっかく良いバイクを買ったのに、自分に合わないから続かなくなり、やがて乗らなくなってしまうというのはよくある話です。そこをフィッティングひとつ受けてみることで、その後も長く楽しくスポーツバイクを続けるというところに繋げてほしいですね。トレーニングを積んでいる人も、一旦ニュートラルな部分を知っておくと、自分の伸びしろが広がることと思います。
フィッティングというとまだまだ広く浸透している訳ではありませんが、ライダーにとってこれを受けることは正直メリットしかないと言い切れるサービスです。S-WORKS FIT プレミアムに至っても、目先の利益で言えばパーツ費用が浮く部分かもしれませんが、重要なのは自身にフィットしたバイクで走り出せるというところ。スポーツバイクをより楽しむ近道となるのは間違いないですし、車体を所有する満足度にプラスアルファの付加価値をこのRetulで提供したいというのがフィッターとしての願いですね。
そんなS-WORKS FIT プレミアムは全国の対象店舗にてサービスを継続中だ。実施店舗はスペシャライズド公式ブログのページにてチェックしてほしい。
S-WORKS FIT プレミアム:パーツ交換のアップチャージ無しで理想のポジションを実現
スポーツバイクを快適に、楽しく、そして速く走らせる上で、いかにポジションが大切であるかは、もはやこの記事をご覧の方ならばご存知の通りだろう。マッチしないポジションは非効率なペダリングはおろか、身体の違和感や、最悪の場合膝や腰等の故障を誘発させることにもなる。これはどんなスポーツにも当てはまることだし、でも反対に言えば、最適なポジションを見つけていれば、機材を乗り換えても不都合なくパフォーマンスを発揮できる、とも言える。
でも、自分にベストなポジション出しって、本当に難しいもの。それにバイクを乗り換えれば、ブランドによって都度フレームジオメトリーは変わるし、同一ブランドであってもモデルによって多少なりとも差は出てくる。「バイクを乗り換えたら違和感が出た」、「前のバイクよりもパワーが出ていない」と、感じたことがある方も少なくないだろう。いわゆる「ポジション沼」にハマってしまったら最後、もはや抜け出すことすら難しくなってしまう。
しかし、そんな不安をスッキリ解消し、更にステムやハンドルなどのパーツ交換費用を¥0に抑えてくれる夢のようなサービスをスペシャライズドがスタートさせた。それが今回紹介する「S-WORKS FIT プレミアム」だ。
スペシャライズドが今年2月から提供しているこのサービスは、その名の通り同社S-WORKSグレードの完成車を購入時に、同社のフィッティングサービス「ボディジオメトリー・フィット」または「Retul(リトゥール)フィット」を受けることが条件。そこで得られた最適ポジションを実現するために必要なパーツ交換がアップチャージ不要で受けられる。
交換可能なアイテムはハンドル、ステム、サドル、クランク、シートポストの5点。しかも完成車付属品と同等グレードのパーツに交換される(S-WORKSグレードであれば最適サイズのS-WORKSグレードに交換)ため、初期投資をかなりセーブできるのだ。もちろん正しいフィッティングによってフレームサイズ選びの失敗もなくなるし、「乗り出しから”自分ポジション”」で、存分にS-WORKSバイクの高性能を味わえるのだ。
そんなS-WORKS FIT プレミアムの中で一番の肝となるのが、言わずもがなRetulのフィッティングサービスだ。本章ではこれから、厚木のスペシャライズド・ラウンジで行った実際のフィッティングの様子を紹介しながら、その概要とメリットを紹介していきたい。
フィッター:佐藤修平(スペシャライズド・ジャパン/SBCUマネージャー)
受け手:新井康文(BIKE SHOP FORZA)
世界中のフィッティングデータベースから最適なポジションを導き出す「Retul」
今まで「ボディジオメトリー・フィット」の名で知られてきたスペシャライズドのフィッティングサービス。その中で3Dモーションキャプチャーを用いて各数値を導き出す公式ツールを”Retul(リトゥール)”と指してきたが、今後は各システム、メソッドをRetulへ統合していくという。大きく分けて「インタビュー」「アセスメント」「フィッティング」の3つの工程から成るのは従来通りで、アップデートが加わっているものの、大きな変更は無い。
スペシャライズドのフィットの最たる特徴が、フィッティング前のインタビュー(ライダーとフィッターの対話)と、アセスメント(身体測定)を重視していることだ。日常のトレーニング量や普段の乗り方、自分の目標などをフィッターが聞いて理解し、身体測定のデータと照らし合わせながら、どんなフィッティングが良いのかを導き出していく。だから、ただ測定機械に乗せて既存のデータに当てはめるのとは違う、ワンアンドオンリーの答えが出来上がる。
フィッティングと聞くと、受け手も専門知識が必要なのかと不安になりがちだが、そこは経験豊富なフィッターに任せていれば大丈夫。全国37のS-WORKS FIT プレミアム実施店舗はどこもスペシャライズドからのお墨付きだし、今回取材を行ったスペシャライズド・ラウンジ、もしくは西新宿にある直営店「スペシャライズド東京」でフィッティングを受けて、そのデータをS-WORKS FIT プレミアム実施店舗に転送するという流れも可能だ。
アセスメントに関しても随時アップデートされており、前屈や手足の上げ下げ、膝の曲げ伸ばし等、その項目は実に20にも及ぶ。あらゆる角度から身体の状態を確認することが、ストレスフリーのフィッティングに繋がる。
こうしてフィッターが見た・聞いた情報をもとに、バイクを模したツール「Muve(ムーブ)」にライダーを乗せ、最後のフィッティングの工程へと進んでいく。身体の片側に8個のハーネスを取り付け、真横からバンテージという専用の3Dモーションキャプチャーカメラで撮影することで視覚的にも身体の動きを把握でき、各部の数値とライダーのフィーリングを照らし合わせながらポジションを出していく。
そして、Retulの優れドコロが、最終的に得られたデータをRetulのWebサービスで読み込むことで、自身のポジションを再現するには、どのフレームサイズで、どんなステムで、どのシートポストセットバックで、どれだけコラムスペーサーを積めば良いかがバイクの購入前に分かる点。これはあらゆるアイテムを揃えている総合ブランドだからこそ成し得るポイントだし、画面上で最適解を導き出す様は、どこかゲーム感覚で面白ささえ感じた。
ここまでおよそ2~3時間ほどを要すし、高負荷下での身体の動きを確認する必要があるため、きっと全行程が終わる頃、あなたは汗だくになっているはず。けれど、だからこそオンリーワンのフィッティングを導くことができるのだし、ストレスフリーの自転車生活を楽しむためには必要不可欠と言って過言では無い。世界最高峰のS-WORKSバイクに乗るのであれば、掛けて価値ある労力だと言えるだろう。
以下はこの日Retulのフィッティングを受けたBIKE SHOP FORZAの新井店長にライダー目線からの感想を、そしてフィッティングを担当した佐藤修平さんにはRetulについてより深く聞いた。
「ポジション決めのスタンダードができ安心感に繋がる」
新井康文(BIKE SHOP FORZA)
フィッティング自体は4,5年前に一度ボディジオメトリー・フィットを受け、今回が2回目。Retulを体験したのは初めてで、普段は感覚頼りのポジション出しをしていたので、それが数値でどう出てくるのかが非常に楽しみでした。最終的に得られたポジションは普段のポジションとほぼ変わらず誤差の範囲内だったので、自分の感覚が間違っていなかったという自信にも繋がりましたね。RetulはZINツールやモーションキャプチャーで各部の数値が実際にデータで得られるので、フィッターがただ目で見て判断していくものより遥かに安心感があります。もし得られたデータが普段のポジションと異なっていても、きっと納得できるだけの要素はあるでしょうし、ライダーにとってこれがひとつ基準となりますから、他のポジションを試すのであれ、そのベースができる点が大きなメリットでしょう。
乗り込んでいる方ならば私のような答え合わせとして、まだポジションが定まっていない方であれば、寄り道をせずに最短距離で最適解にたどり着ける絶好の機会になると思います。あれこれ試して結局分からなくなる前に、最初にひとつ軸が得られるのはその後にも楽ができますね。
また、バイクポジション以外にも身体の使い方を見てもらえるのも大きいんです。私自身、今回のフィッティングで自分の脚の動きの癖を発見できましたし、だから骨盤や、体幹などに関わるコアトレーニングが必要なのかなと気づかされました。そういった今後のトレーニングの指標も導き出せる点が良いですね。
私自身、ロードバイクを始めてもう10年が経ちますが、今回のフィッティングでは僅か2時間で最適解が出てきてとても驚きました。最高級グレードのS-WORKSであれば一番ベストな状態で乗ってほしいですし、そのためにS-WORKS FIT プレミアムを受けてみる価値は大いにありますね。
「最適なポジションこそ、自転車をより長く楽しむカギに」
佐藤修平(SBCUマネージャー)
まずRetulの特徴としてデジタル技術の精度が非常に高いというのがポイントになります。独自に開発した専用の3Dカメラのシステムであるバンテージを使用しているのがその理由ですね。他社の技術を応用したものではない独自の基幹テクノロジーを用いることで各部の数値を正確に把握することができます。その上で、世界中から収集されたフィッティングデータはフレームジオメトリーやサドルなどの製品に活用され、来春新たに登場するMatch(マッチ)では店頭でライダーへ適切なサドル高、バイクサイズなどアドバイスも可能になっていきます。従来のやり方からアップデートも加わっており、よりアセスメントの精度を上げるために調べる工数を増やしたり手法を変えていたりもします。身体の状態をより明確に把握できるよう進化しているんです。そこに正確な数値が加わることで、今までは経験値に頼っていたものを標準化できるようになっており、いかなるライダーへも適応でき、フィッターをサポートできるシステムになっています。
いわゆるアグレッシブなポジションが速く走る上で良しとされる風潮がありますが、Retulではその考えの限りではありません。速さを求めるライダーへ対しても、身体の快適性を重視したフィッティングを行っていきます。海外のプロ選手を見ても、手足が長いためにハンドルとサドルの落差がありキツいセッティングに見えますが、各可動域を見ると余裕を持たせたポジションになっているんです。自由度が上がることで各部の動きを妨げず、十分なパフォーマンスが発揮できるという考え方になりますね。
せっかく良いバイクを買ったのに、自分に合わないから続かなくなり、やがて乗らなくなってしまうというのはよくある話です。そこをフィッティングひとつ受けてみることで、その後も長く楽しくスポーツバイクを続けるというところに繋げてほしいですね。トレーニングを積んでいる人も、一旦ニュートラルな部分を知っておくと、自分の伸びしろが広がることと思います。
フィッティングというとまだまだ広く浸透している訳ではありませんが、ライダーにとってこれを受けることは正直メリットしかないと言い切れるサービスです。S-WORKS FIT プレミアムに至っても、目先の利益で言えばパーツ費用が浮く部分かもしれませんが、重要なのは自身にフィットしたバイクで走り出せるというところ。スポーツバイクをより楽しむ近道となるのは間違いないですし、車体を所有する満足度にプラスアルファの付加価値をこのRetulで提供したいというのがフィッターとしての願いですね。
そんなS-WORKS FIT プレミアムは全国の対象店舗にてサービスを継続中だ。実施店舗はスペシャライズド公式ブログのページにてチェックしてほしい。
S-WORKSフレーム購入でもフィットのメリットが!
また、「S-WORKS FIT プレミアム」は完成車が対象だが、7月にスタートした「S-WORKSフレームセットFITプログラム」(略称:フレームFIT)は、S-WORKSフレーム購入前にフィットを受ければ、購入時に2万円のキャッシュバック(購入時よりさかのぼり1年以内のフィット履歴が有効)されるというもの。こちらもS-WORKS取り扱い店舗で、且つボディジオメトリー・フィット運用店にて実施している。
提供:スペシャライズド・ジャパン 制作:シクロワイアード編集部