2017/08/17(木) - 17:05
6月にリニューアルを果たしたばかりの、スペシャライズドが誇るアルミロードが「Allez(アレー)」だ。今回の特集ページでは全国30以上のプロショップで実際に試せる、話題のニューモデルのインプレッションを紹介する。数値には表れない上質な走りを、まずはこのページで、そして全国の「テストセンター」で実際に体感してほしい。
スペシャライズドのロードバイクラインアップにおいて、アルミエントリーモデルとして長年ラインアップされているのが「Allez」。エントリーモデルではあるものの、かつてはS-Worksグレードのフラッグシップにも使われていた、軽量で高品質な同社オリジナルのE5プレミアムアルミニウムを奢ることで高い走行性能を獲得している。
スペシャライズド2018年モデルの先陣を切って6月にデビューした新型Allezだが、その特徴は、同じくフルモデルチェンジが行われたカーボンモデル「Tarmac」を踏襲していることだ。コンパクトなリア三角によって前後の剛性バランスを最適化することで乗り心地を高めたほか、新たにテーパード形状となったヘッドチューブと、フルカーボンコラムとなった専用のフォークはフロント周りの剛性を強化し、より正確でスムースなハンドリング性能も実現。これらを含め各所刷新されたチュービングにより、フレームとフォークを合わせて450gもの軽量化を果たしている。
ジオメトリーを調整したのも大きなポイント。スペシャライズドと協力体制にあるRetul社のフィッティングデータベースを元に、より多くのライダーへフィットする新ジオメトリーへ改良されており、操作性もよく高い運動性能を発揮する仕上がりに。従来はTarmacに近いジオメトリーとされていたが、吟味が重ねられた結果、エンデュランスモデルのRoubaix寄りのややアップライトな数値へと変化を遂げた。
ワイドタイヤをアッセンブルする現在のトレンドに沿って、28cまで対応可能なクリアランスも確保している。エントリーモデルらしく、アーバン使用で役立つラックやフェンダーの取り付けも可能なようにダボ穴も各所に設けられるなど、より幅広い乗り方に対応できる拡張性も。溶接跡を美しく仕上げるスムースウェルド工法や、ケーブルを内装するインターナルルーティングも、高級感あるルックスに役立っている部分だ。
完成車のみで販売されるAllezは、コンポーネントにシマノ105を搭載した「Allez Elite」と、シマノSoraを搭載した「Allez Sport」の2グレードが揃う。ハンドルやサドルなどはスペシャライズドオリジナルパーツでまとめられ、ルックス上の統一感もバッチリ。雰囲気が異なる複数カラーがラインアップされていることも嬉しい。
スペシャライズド・ジャパンでは現在、この新型Allezに試乗できるショップを「テストセンター」として全国30箇所以上に設置している。今回はその中からミソノイサイクルの御園井智三郎さん、イワイスポーツサイクルの村山智樹さんを招いてインプレッションを行った。
御園井:いわゆるエントリーモデルなのですが、それを感じさせない高い走行性能を感じました。全体的な乗り味のバランスが非常に良く、しっかりとロードレーサーらしい軽い走りを味わうことができます。リーズナブルな価格設定だけにカタログスペック上では重量面でカーボンバイクに見劣りしますが、乗ってみると想像以上に走る1台として仕上がっていますね。
同社トップグレードのアルミ素材であるE5がフレームに使われていますが、アルミバイクのネガティブとして語られている硬さは目立ちません。それでいてアウターギアでグイグイ踏んでいっても横たわみがなく、ダンシングで大きくバイクを振る動作にもスムーズに対応してくれます。加えてホイールベースが伸びたこともあり、平地での安定感は抜群です。そつの無さ、それが即ちバランスの良さに繋がっている気がします。
村山:そうですね。フロント周りの剛性感も増していて、走る上での絶対的な安心感に繋がっています。路面のギャップを避けようと素早くハンドルを切っても、その後の収まりがすごくいいんです。フロントだけでなくコンパクトになったリア三角も路面を捉える働きをしていて、その挙動の繋がりが気持ち良い。今回自分が普段乗るバイクから1サイズ大きいものに乗ったのですが、それでもフレームがコンパクトに感じるほどに手返しの良さ、操舵感の良さに驚きました。
御園井:そういった乗りやすさの理由に、新しいジオメトリーも効いているのだと思います。小さいサイズを見ても、ヘッドチューブに対しトップチューブとダウンチューブが絶妙な位置に接合されるようデザインされていて、この乗り味を出すための設計の工夫が見て取れますよ。刷新されたフロントフォークも振動吸収性が良く、悪路でもバイクを上半身で抑え込むような動作も要りませんね。
村山:目一杯力をかけてペダルを踏み込んでも、フレームがしっかりと受け止めて進む感覚もありました。エントリークラスのフレームだからといって、パワー入力に対して腰砕けになるようなヤワな剛性感ではなく、踏んだ分きちんと推進力に変わる印象です。それでいて乗り心地も良くなっているので不思議な感覚ですね。進化した「ライダー・ファースト・エンジニアード」コンセプトがこのAllezにも活きているのでしょう。
― テストセンターとして、試乗できることのメリットってなんでしょう?
御園井:雑誌やWEBで製品の紹介記事を読んで、いくら知識として頭で知ることはできても、やはり本当のフィーリングというのは使ってみないとわかりません。このAllezもそうです。性能の良い・悪いの判断は個人に委ねられるところではありますが、そのモデルの特色を掴んでもらうという意味では試乗することが最良の方法。今回私が乗ってみた感想としては、このクオリティであれば15万円という金額が十分に安く感じられるほど満足いく性能を感じられましたね。
村山:今作のAllezは本当に良くできていて、もし機会があるなら他の同価格帯のバイクとも乗り比べてみて欲しいくらいです。比較ができればさらにAllezの特徴が体感できるのではと思います。どのバイクに似た乗り味とか、踏んだ時にどういう挙動を見せるとか、見るだけでは分からない部分が試乗によって明らかになる楽しさも感じてほしいですね。
御園井:特に15万円前後って他社含めて数多くのバイクが揃う価格帯ですよね。加えて近年各社アルミモデルの見直しが行われてどのバイクも質が上がっている中で、試乗を通してこのAllezを基準にしてもらうと、性能を比較した時に各バイクの良し悪しが分かりやすいかもしれませんね。
― この新型Allezはどういった方にオススメできますか?
村山:私のお店ではトライアスロンを始めたいという大学生のお客さんも多く来るのですが、そういった初めてのロードバイクを探していて、これからレースも頑張りたいという人には、走りの性能を考えても金額面で考えても良い1台だと思います。エントリーモデルではありますが、レースにも十分に対応したポテンシャルを持っているバイクです。
御園井:それこそ少し前のTarmacにも似た反応性や乗り味を持っているので、次のステップアップでカーボンのレースバイクに乗り換えたときにも違和感なく乗っていけると思います。2台目購入を見据えたレース志向のサイクリストの最初の1台として、また今現在ハイエンドバイクに乗っている方のサブバイクとしても不満はないでしょう。
村山:かといってキレキレのレーシングバイクのようなスパルタンさはないので、ロングライドやツーリングにもバッチリ対応してくれます。フェンダーやラックも装備できるので、デイリーユースや街乗り用の1台として考えてもいいですね。使う目的を選ばない、幅広い用途に使える完成度の高さがあります。
御園井:ロードバイクとしての基本性能が非常に高いので、まだどういう乗り方をするか決まっていないという初心者にもオススメと言えます。特にロードバイクを知らない人は、乗ってみないとどんなものなのか分からないですから。せっかく試乗できる場があるので、まずは触れて跨って乗ってみて、その良さを体感してみて欲しいですね。
創業120年にもなる世界的に見ても有数の歴史を誇るプロショップ。静岡県浜松市に3店舗を展開し、その中でもスペシャライズドに強いしじみづか店がAllezテストセンターとなる。店内には国内外のレーシングブランドを中心に、エントリーからハイエンドまで各グレードが揃う。
ミソノイサイクル ショップHP
CWレコメンドショップページ
100年近い歴史を持つ九州の老舗、福岡県は久留米市に店舗を構えるプロショップ。福岡市にも2号店となるZING² FUKUOKA-IWAIを展開。お店のライドや講習会も積極的に開催し、Retulを用いたスペシャライズドのBG FITも受けられるなど幅広いサービスを提供する。
イワイスポーツサイクル ショップHP
CWレコメンドショップページ
「これからロードバイクを始めたい初心者にもうってつけ」とお二人が太鼓判を押す新型Allez。今回紹介したミソノイサイクルとイワイスポーツサイクルを含めた全国30以上のショップで試乗が可能だ。ファーストバイクを探している方は、ぜひ近くのテストセンターまで足を運んでみてほしい(試乗可能なショップ一覧はスペシャライズド公式ブログのページより参照のこと)。
より軽く、硬く、乗りやすく、使いやすく 全方位に進化した新型Allez
スペシャライズドのロードバイクラインアップにおいて、アルミエントリーモデルとして長年ラインアップされているのが「Allez」。エントリーモデルではあるものの、かつてはS-Worksグレードのフラッグシップにも使われていた、軽量で高品質な同社オリジナルのE5プレミアムアルミニウムを奢ることで高い走行性能を獲得している。
スペシャライズド2018年モデルの先陣を切って6月にデビューした新型Allezだが、その特徴は、同じくフルモデルチェンジが行われたカーボンモデル「Tarmac」を踏襲していることだ。コンパクトなリア三角によって前後の剛性バランスを最適化することで乗り心地を高めたほか、新たにテーパード形状となったヘッドチューブと、フルカーボンコラムとなった専用のフォークはフロント周りの剛性を強化し、より正確でスムースなハンドリング性能も実現。これらを含め各所刷新されたチュービングにより、フレームとフォークを合わせて450gもの軽量化を果たしている。
ジオメトリーを調整したのも大きなポイント。スペシャライズドと協力体制にあるRetul社のフィッティングデータベースを元に、より多くのライダーへフィットする新ジオメトリーへ改良されており、操作性もよく高い運動性能を発揮する仕上がりに。従来はTarmacに近いジオメトリーとされていたが、吟味が重ねられた結果、エンデュランスモデルのRoubaix寄りのややアップライトな数値へと変化を遂げた。
ワイドタイヤをアッセンブルする現在のトレンドに沿って、28cまで対応可能なクリアランスも確保している。エントリーモデルらしく、アーバン使用で役立つラックやフェンダーの取り付けも可能なようにダボ穴も各所に設けられるなど、より幅広い乗り方に対応できる拡張性も。溶接跡を美しく仕上げるスムースウェルド工法や、ケーブルを内装するインターナルルーティングも、高級感あるルックスに役立っている部分だ。
完成車のみで販売されるAllezは、コンポーネントにシマノ105を搭載した「Allez Elite」と、シマノSoraを搭載した「Allez Sport」の2グレードが揃う。ハンドルやサドルなどはスペシャライズドオリジナルパーツでまとめられ、ルックス上の統一感もバッチリ。雰囲気が異なる複数カラーがラインアップされていることも嬉しい。
スペシャライズド・ジャパンでは現在、この新型Allezに試乗できるショップを「テストセンター」として全国30箇所以上に設置している。今回はその中からミソノイサイクルの御園井智三郎さん、イワイスポーツサイクルの村山智樹さんを招いてインプレッションを行った。
「見た目やデータでは分からない走りの良さ、乗ることで見えてくる本当の性能」
― 話題の新型Allezですが、その走りはいかがですか?御園井:いわゆるエントリーモデルなのですが、それを感じさせない高い走行性能を感じました。全体的な乗り味のバランスが非常に良く、しっかりとロードレーサーらしい軽い走りを味わうことができます。リーズナブルな価格設定だけにカタログスペック上では重量面でカーボンバイクに見劣りしますが、乗ってみると想像以上に走る1台として仕上がっていますね。
同社トップグレードのアルミ素材であるE5がフレームに使われていますが、アルミバイクのネガティブとして語られている硬さは目立ちません。それでいてアウターギアでグイグイ踏んでいっても横たわみがなく、ダンシングで大きくバイクを振る動作にもスムーズに対応してくれます。加えてホイールベースが伸びたこともあり、平地での安定感は抜群です。そつの無さ、それが即ちバランスの良さに繋がっている気がします。
村山:そうですね。フロント周りの剛性感も増していて、走る上での絶対的な安心感に繋がっています。路面のギャップを避けようと素早くハンドルを切っても、その後の収まりがすごくいいんです。フロントだけでなくコンパクトになったリア三角も路面を捉える働きをしていて、その挙動の繋がりが気持ち良い。今回自分が普段乗るバイクから1サイズ大きいものに乗ったのですが、それでもフレームがコンパクトに感じるほどに手返しの良さ、操舵感の良さに驚きました。
御園井:そういった乗りやすさの理由に、新しいジオメトリーも効いているのだと思います。小さいサイズを見ても、ヘッドチューブに対しトップチューブとダウンチューブが絶妙な位置に接合されるようデザインされていて、この乗り味を出すための設計の工夫が見て取れますよ。刷新されたフロントフォークも振動吸収性が良く、悪路でもバイクを上半身で抑え込むような動作も要りませんね。
村山:目一杯力をかけてペダルを踏み込んでも、フレームがしっかりと受け止めて進む感覚もありました。エントリークラスのフレームだからといって、パワー入力に対して腰砕けになるようなヤワな剛性感ではなく、踏んだ分きちんと推進力に変わる印象です。それでいて乗り心地も良くなっているので不思議な感覚ですね。進化した「ライダー・ファースト・エンジニアード」コンセプトがこのAllezにも活きているのでしょう。
― テストセンターとして、試乗できることのメリットってなんでしょう?
御園井:雑誌やWEBで製品の紹介記事を読んで、いくら知識として頭で知ることはできても、やはり本当のフィーリングというのは使ってみないとわかりません。このAllezもそうです。性能の良い・悪いの判断は個人に委ねられるところではありますが、そのモデルの特色を掴んでもらうという意味では試乗することが最良の方法。今回私が乗ってみた感想としては、このクオリティであれば15万円という金額が十分に安く感じられるほど満足いく性能を感じられましたね。
村山:今作のAllezは本当に良くできていて、もし機会があるなら他の同価格帯のバイクとも乗り比べてみて欲しいくらいです。比較ができればさらにAllezの特徴が体感できるのではと思います。どのバイクに似た乗り味とか、踏んだ時にどういう挙動を見せるとか、見るだけでは分からない部分が試乗によって明らかになる楽しさも感じてほしいですね。
御園井:特に15万円前後って他社含めて数多くのバイクが揃う価格帯ですよね。加えて近年各社アルミモデルの見直しが行われてどのバイクも質が上がっている中で、試乗を通してこのAllezを基準にしてもらうと、性能を比較した時に各バイクの良し悪しが分かりやすいかもしれませんね。
― この新型Allezはどういった方にオススメできますか?
村山:私のお店ではトライアスロンを始めたいという大学生のお客さんも多く来るのですが、そういった初めてのロードバイクを探していて、これからレースも頑張りたいという人には、走りの性能を考えても金額面で考えても良い1台だと思います。エントリーモデルではありますが、レースにも十分に対応したポテンシャルを持っているバイクです。
御園井:それこそ少し前のTarmacにも似た反応性や乗り味を持っているので、次のステップアップでカーボンのレースバイクに乗り換えたときにも違和感なく乗っていけると思います。2台目購入を見据えたレース志向のサイクリストの最初の1台として、また今現在ハイエンドバイクに乗っている方のサブバイクとしても不満はないでしょう。
村山:かといってキレキレのレーシングバイクのようなスパルタンさはないので、ロングライドやツーリングにもバッチリ対応してくれます。フェンダーやラックも装備できるので、デイリーユースや街乗り用の1台として考えてもいいですね。使う目的を選ばない、幅広い用途に使える完成度の高さがあります。
御園井:ロードバイクとしての基本性能が非常に高いので、まだどういう乗り方をするか決まっていないという初心者にもオススメと言えます。特にロードバイクを知らない人は、乗ってみないとどんなものなのか分からないですから。せっかく試乗できる場があるので、まずは触れて跨って乗ってみて、その良さを体感してみて欲しいですね。
スペシャライズド Allez Elite
フレーム | Specialized E5 Premium Aluminum, SmoothWelds, 1-1/8"- 1-3/8" tapered head tube, internal cable routing, threaded BB, 130mm spacing |
フォーク | Specialized FACT full Carbon, 1-1/8" to 1-3/8" Taper |
コンポーネント | Shimano 105 |
ブレーキ | Tektro Axis caliper |
クランクセット | Praxis Alba 2D, 50/34T |
ホイール | DT R460, sealed cartridge hubs, 14g spokes |
タイヤ | Espoir Sport, 60 TPI, wire bead, double BlackBelt protection, 700x25mm |
サドル | Body Geometry Toupé Sport, steel rails, 143mm |
価格 | 150,000円(希望小売価格) |
インプレッションライダー&ショッププロフィール
ミソノイサイクル しじみづか店
創業120年にもなる世界的に見ても有数の歴史を誇るプロショップ。静岡県浜松市に3店舗を展開し、その中でもスペシャライズドに強いしじみづか店がAllezテストセンターとなる。店内には国内外のレーシングブランドを中心に、エントリーからハイエンドまで各グレードが揃う。
ミソノイサイクル ショップHP
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イワイスポーツサイクル
100年近い歴史を持つ九州の老舗、福岡県は久留米市に店舗を構えるプロショップ。福岡市にも2号店となるZING² FUKUOKA-IWAIを展開。お店のライドや講習会も積極的に開催し、Retulを用いたスペシャライズドのBG FITも受けられるなど幅広いサービスを提供する。
イワイスポーツサイクル ショップHP
CWレコメンドショップページ
「これからロードバイクを始めたい初心者にもうってつけ」とお二人が太鼓判を押す新型Allez。今回紹介したミソノイサイクルとイワイスポーツサイクルを含めた全国30以上のショップで試乗が可能だ。ファーストバイクを探している方は、ぜひ近くのテストセンターまで足を運んでみてほしい(試乗可能なショップ一覧はスペシャライズド公式ブログのページより参照のこと)。
提供:スペシャライズド・ジャパン 制作:シクロワイアード編集部 photo:Makoto.AYANO