2016/04/28(木) - 12:51
ファビアン・カンチェラーラが北のクラシックで駆ったトレックの新型Domane(ドマーネ)が発表された。路面の振動を打ち消してくれるまったく新たな機構を搭載し、進化したドマーネSLR。革新的なエンデュランスバイクがさらに進化を遂げた。
2012年にデビューした初代ドマーネ。それから4年、トレックの開発陣は新たな機構を搭載した第2世代のドマーネを北のクラシックに投入した。当初からの開発パートナー、「スパルタクス」ことファビアン・カンチェラーラの勝負バイクとして。
プロトタイプとして投入したそのバイクは、初戦のストラーデ・ビアンケにおいて勝利を飾ることになる。カンチェラーラはイタリアのパリ〜ルーベの異名をとるそのレースで、パヴェと石畳の街なかを誰よりも速く駆け抜け、3度めの勝利を挙げた。そのときに駆ったバイクがいつものドマーネと違っていることに気づいた者は少なかった。シートチューブ後部に入ったスリット、わずかに上部の形状が変化したヘッドチューブ。外観上の違いは小さかったからだ。しかし、第2世代のドマーネは大きな変化を遂げていた。
4月4日、ロンド・ファン・フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)の開催翌日にドマーネSLRはベールを脱いだ。そう、4年前と同じベルギーはコルトレイクの風車が見下ろすエキスポルームにおいて。
各国の主要メディア、そしてディーラーが集ったその場でプレゼンテーションが行われた。その顔ぶれの中には現在ルクセンブルグでトレックコンセプトストアを経営するアンディ・シュレックの姿も。
世界各国からのゲストの前に登場したのは開発責任者ベン・コーツ。そして ”ミスター・ドマーネ” ファビアン・カンチェラーラその人だ。
前日、アタックのタイミングを逃して2位に甘んじたカンチェラーラ。「レースは水もの、そして時の運」と、最後のロンドを逃した悔しさを滲ませながらも、「チームレオパードの頃よりバイクの開発に関っているため、ドマーネはいわば”My Baby”のようなバイク。こうして皆さんの前にお披露目できることが嬉しい」と、拍手喝采を浴びた。
カンチェラーラはこう続ける。「自分の意見を元に完成したこの新型ドマーネは、まさにスーパーバイクだ。荒れた道をものともせず、滑るように走る」と。
開発リーダーを務めたベン・コーツ氏によると、新しいドマーネSLRの大きな特徴は3つ。フレームからシートチューブを独立させた新構造のIsoSpeedはスライダーによる調整機構を備えてしなり量をコントロール可能としたこと。そしてフロント部にもIsoSpeedを搭載し、フォークコラムをしならせる機構を採用。さらに微振動をカットする新型のIsoCoreハンドルバーを投入したことだ。
フロントIsoSpeedにより初代ドマーネで課題となっていたフロントの突き上げを大幅にカットすることに成功。調整機構付きのリアIsoSpeedはライダーの好みで柔軟性を調整することができるようになった。IsoCoreハンドルバーはOCLVカーボンに特殊なエラストマーを重ねて成形され、細振動の吸収を大きく改善。従来のカーボン製のハンドルバーと比べ約20%の振動の軽減に成功しているという。新型ドマーネSLRは、これら3つの新機構により新しく生まれ変わり、フルモデルチェンジと言えるまでの進化を遂げたのだ。
ディスクブレーキのオプションとさらに広くなったタイヤクリアランス
Domane SLRはキャリパーブレーキまたはディスクブレーキのモデルを選択でき、両方とも以前よりも広いタイヤクリアランスとなっている。
キャリパーブレーキ仕様は28C、Disc仕様では32Cのタイヤが標準装備される。キャリパー仕様のDomane SLRにはダイレクトマウント方式ブレーキが備えられ、ディスクブレーキモデルには12mmのスルーアクスルを搭載する。また、両モデルはエンド部に外観上目立ちにくいフェンダー(泥除け)マウントも備えている。
ロンド・ファン・フラーンデレンに続き、パリ〜ルーベではトレック・セガフレードのメインバイクとしてドマーネSLRはパヴェを駆け抜けた。ドマーネSLRはロードに、グラベルに、あるいはロングライドに、フィールドを選ばず、真のエンデュランスバイクとして無限の可能性を感じさせてくれるプロフィールになっている。日本での完成車ラインナップは以下のとおり。もちろんカラーオーダーの「プロジェクトワン」にも対応する。
※2016年4月現在のラインナップ。欧米には話題の無線コンポ、スラムe-tap仕様完成車もあるが、日本では電波法の認可待ち状態だ。この後に普及グレードなども順次リリースされるはずだ(現段階では未発表)。
次項では革新的変化を遂げたそのテクノロジーの詳細に迫っていく。
2012年にデビューした初代ドマーネ。それから4年、トレックの開発陣は新たな機構を搭載した第2世代のドマーネを北のクラシックに投入した。当初からの開発パートナー、「スパルタクス」ことファビアン・カンチェラーラの勝負バイクとして。
プロトタイプとして投入したそのバイクは、初戦のストラーデ・ビアンケにおいて勝利を飾ることになる。カンチェラーラはイタリアのパリ〜ルーベの異名をとるそのレースで、パヴェと石畳の街なかを誰よりも速く駆け抜け、3度めの勝利を挙げた。そのときに駆ったバイクがいつものドマーネと違っていることに気づいた者は少なかった。シートチューブ後部に入ったスリット、わずかに上部の形状が変化したヘッドチューブ。外観上の違いは小さかったからだ。しかし、第2世代のドマーネは大きな変化を遂げていた。
4月4日、ロンド・ファン・フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)の開催翌日にドマーネSLRはベールを脱いだ。そう、4年前と同じベルギーはコルトレイクの風車が見下ろすエキスポルームにおいて。
各国の主要メディア、そしてディーラーが集ったその場でプレゼンテーションが行われた。その顔ぶれの中には現在ルクセンブルグでトレックコンセプトストアを経営するアンディ・シュレックの姿も。
世界各国からのゲストの前に登場したのは開発責任者ベン・コーツ。そして ”ミスター・ドマーネ” ファビアン・カンチェラーラその人だ。
前日、アタックのタイミングを逃して2位に甘んじたカンチェラーラ。「レースは水もの、そして時の運」と、最後のロンドを逃した悔しさを滲ませながらも、「チームレオパードの頃よりバイクの開発に関っているため、ドマーネはいわば”My Baby”のようなバイク。こうして皆さんの前にお披露目できることが嬉しい」と、拍手喝采を浴びた。
カンチェラーラはこう続ける。「自分の意見を元に完成したこの新型ドマーネは、まさにスーパーバイクだ。荒れた道をものともせず、滑るように走る」と。
開発リーダーを務めたベン・コーツ氏によると、新しいドマーネSLRの大きな特徴は3つ。フレームからシートチューブを独立させた新構造のIsoSpeedはスライダーによる調整機構を備えてしなり量をコントロール可能としたこと。そしてフロント部にもIsoSpeedを搭載し、フォークコラムをしならせる機構を採用。さらに微振動をカットする新型のIsoCoreハンドルバーを投入したことだ。
フロントIsoSpeedにより初代ドマーネで課題となっていたフロントの突き上げを大幅にカットすることに成功。調整機構付きのリアIsoSpeedはライダーの好みで柔軟性を調整することができるようになった。IsoCoreハンドルバーはOCLVカーボンに特殊なエラストマーを重ねて成形され、細振動の吸収を大きく改善。従来のカーボン製のハンドルバーと比べ約20%の振動の軽減に成功しているという。新型ドマーネSLRは、これら3つの新機構により新しく生まれ変わり、フルモデルチェンジと言えるまでの進化を遂げたのだ。
ディスクブレーキのオプションとさらに広くなったタイヤクリアランス
Domane SLRはキャリパーブレーキまたはディスクブレーキのモデルを選択でき、両方とも以前よりも広いタイヤクリアランスとなっている。
キャリパーブレーキ仕様は28C、Disc仕様では32Cのタイヤが標準装備される。キャリパー仕様のDomane SLRにはダイレクトマウント方式ブレーキが備えられ、ディスクブレーキモデルには12mmのスルーアクスルを搭載する。また、両モデルはエンド部に外観上目立ちにくいフェンダー(泥除け)マウントも備えている。
ロンド・ファン・フラーンデレンに続き、パリ〜ルーベではトレック・セガフレードのメインバイクとしてドマーネSLRはパヴェを駆け抜けた。ドマーネSLRはロードに、グラベルに、あるいはロングライドに、フィールドを選ばず、真のエンデュランスバイクとして無限の可能性を感じさせてくれるプロフィールになっている。日本での完成車ラインナップは以下のとおり。もちろんカラーオーダーの「プロジェクトワン」にも対応する。
Domane SLR 日本国内でのラインナップ(完成車)
DOMANE SLR 7
フレーム | OCLV 600 Series |
メインコンポ | Shimano Ultegra Di2 |
ホイール | Paradigm Comp Tubeless Ready |
価格 | 680,000円(税込) |
DOMANE SLR 6
フレーム | OCLV 600 Series |
メインコンポ | Shimano Ultegra 6800 |
ホイール | Paradigm Comp Tubeless Ready |
価格 | 590,000円(税込) |
DOMANE SLR 6 DISC
フレーム | OCLV 600 Series |
メインコンポ | Shimano Ultegra 6800 |
ホイール | Paradigm Comp Tubeless Ready Disc |
価格 | 640,000円(税込) |
※2016年4月現在のラインナップ。欧米には話題の無線コンポ、スラムe-tap仕様完成車もあるが、日本では電波法の認可待ち状態だ。この後に普及グレードなども順次リリースされるはずだ(現段階では未発表)。
次項では革新的変化を遂げたそのテクノロジーの詳細に迫っていく。
提供:トレック・ジャパン photo&report:綾野 真(Makoto.AYANO)