2013/11/22(金) - 19:16
1996年の誕生以来「快適さとパフォーマンスの両立」をテーマに掲げ、サドルやシートポスト、シューズと展開してきたフィジーク。2014年モデルでは独自に提唱するサドル選びのガイドライン「スパインコンセプト」を進化させ、ハンドル&ステムをラインナップに追加した。進化を遂げた「スパインコンセプト2.0」とは。
セラ・ロイヤルグループのハイパフォーマンスブランドとして誕生以来、独自のコンセプトに基づいた製品を発表してきたフィジーク。今回登場した新製品について触れる前に、まず同社が唱える「スパインコンセプト」とは何かを説明しておきたいと思う。
パドヴァ大学の運動科学研究グループとの基礎研究で得られたデータを元に、身体の柔軟性=骨盤の回転自由度を3つに分類して、それぞれに適したサドルを選びやすいよう明確化したのが「スパインコンセプト」だ。「柔軟性の違いに応じ、最適なサドルを選ぶ」というこのシステムは2009年の発表以来、測定ツールの改良やサドルラインナップの拡充を経て、サドル選びの指標として、プロやホビーライダーの間で浸透してきた。
そんなスパインコンセプトは、2013年のユーロバイクで「スパインコンセプト2.0」としてリニューアルデビューした。ライダーとバイクの接点に着目し、サドル(お尻)、シューズ(脚)とリリースしてきたフィジーク。次なるアイテムは当然のごとく「手」の部分。スパインコンセプトが提唱する3つのカテゴリーに合わせたハンドルとステム=コックピットシステムがデビューを果たした。
「ハンドルバーの選択について決定的なガイダンスが無く、多くのサイクリストが商品を買っては試すという、時間とお金を無駄に費やしていました。そこに着目し、新たなコンセプト作りは始まったのです。」と語るのは、開発責任者のルカ・ヴィアーノ氏。
「スパインコンセプトの特徴は、骨盤の自由度に合わせ「スネーク」「カメレオン」「ブル」という3つのカテゴリー分けをしていること。3種類のサドルに対応するよう、ハンドルバーも3種類のシェイプをデザインしました。"快適なポジションこそ、ベストなパフォーマンスを生む"というブランドコンセプトに基づいているのです。」
そう、新たに登場したハンドル&ステムは、身体の柔軟性を考慮しバリエーションをを揃えた画期的な製品だ。そしてスパインコンセプトは、それら新製品の登場によって、より多くの人に素早く快適なフィッティングを施すガイドラインへと進化を遂げたのだ。
ハンドル&ステムの開発に当たっては、フランス籍のUCIプロチーム「アージェードゥーゼル」と連携。様々なテストを経て、ハンドルは3種類の柔軟性×3つの素材=9種類、そしてステムはアルミ製の1種類がデビューを果たしている。
ハンドル幅420mmの3モデルを例に取って見てみよう。最も柔軟度の高いSNAKEのドロップが140mm(=より深い前傾姿勢を取ることができる)であるのに対し、その対極に位置するBULLは130mmと、10mmの差異が与えられている。リーチはSNAKEとCHAMELLEONが85mmであるのに対し、BULLは80mm。特にブラケット部とボトム部分が急角度で曲がり、横から見た際に「コ」の字を描くSNAKEは、非常に目を引くデザインだ。
それぞれハイモジュラス・ユニダイレクショナルカーボンを使用したトップモデルの「00」と、ユニダイレクショナルカーボン使用の「R1」、そしてアージェードゥーゼルがテスト使用し、クラシックレースでの使用実績もあるアルミ製「R3」という全3タイプが存在する。特にプロユースの「00」はハンドル幅420mmで重量175gを誇る超軽量モデル。ハイグレードカーボンの特性により、衝撃吸収能力も高いという。
3種類の素材を揃えるハンドルがある一方で、ステムについてはアルミ製ただ1種類のみ。これは「軽さを追求するならカーボンを選択すべきだったろうが、的確なパワーの伝達とハンドルからの入力をダイレクトに伝えるためにアルミ素材を選び、重量面でもプロレーサーの期待に応えることができたと思う。」という考えに則ったもの。安易に軽さを追求しないという、フィジークのスタイルが垣間見える。
そして従来よりラインナップされていたシートポストも、ハンドルとステムの登場に合わせてグラフィックを変更しリニューアルされた。さまざまなレール形状やカーボンレールにも対応し、安定性と固定力に優れる前後に長いウルトラワイドロワーククランプや、1フィンガーで調整できるフロントアジャスターホイールなど、好評を博した機能はそのまま引き継がれている。従来は様々なシートポスト長が用意されていたが、サイズ展開がまとめられ、より選択しやすくなっている。ハンドル&ステムと組み合わせ、3点セットで使いたい。
※ハンドルバー幅の測定位置は、バーエンド部分でなく、ブラケットを固定する辺りをポイントにしている。
ハンドルバーとステムを加え、精度を高めたスパインコンセプト
セラ・ロイヤルグループのハイパフォーマンスブランドとして誕生以来、独自のコンセプトに基づいた製品を発表してきたフィジーク。今回登場した新製品について触れる前に、まず同社が唱える「スパインコンセプト」とは何かを説明しておきたいと思う。
パドヴァ大学の運動科学研究グループとの基礎研究で得られたデータを元に、身体の柔軟性=骨盤の回転自由度を3つに分類して、それぞれに適したサドルを選びやすいよう明確化したのが「スパインコンセプト」だ。「柔軟性の違いに応じ、最適なサドルを選ぶ」というこのシステムは2009年の発表以来、測定ツールの改良やサドルラインナップの拡充を経て、サドル選びの指標として、プロやホビーライダーの間で浸透してきた。
そんなスパインコンセプトは、2013年のユーロバイクで「スパインコンセプト2.0」としてリニューアルデビューした。ライダーとバイクの接点に着目し、サドル(お尻)、シューズ(脚)とリリースしてきたフィジーク。次なるアイテムは当然のごとく「手」の部分。スパインコンセプトが提唱する3つのカテゴリーに合わせたハンドルとステム=コックピットシステムがデビューを果たした。
「ハンドルバーの選択について決定的なガイダンスが無く、多くのサイクリストが商品を買っては試すという、時間とお金を無駄に費やしていました。そこに着目し、新たなコンセプト作りは始まったのです。」と語るのは、開発責任者のルカ・ヴィアーノ氏。
「スパインコンセプトの特徴は、骨盤の自由度に合わせ「スネーク」「カメレオン」「ブル」という3つのカテゴリー分けをしていること。3種類のサドルに対応するよう、ハンドルバーも3種類のシェイプをデザインしました。"快適なポジションこそ、ベストなパフォーマンスを生む"というブランドコンセプトに基づいているのです。」
そう、新たに登場したハンドル&ステムは、身体の柔軟性を考慮しバリエーションをを揃えた画期的な製品だ。そしてスパインコンセプトは、それら新製品の登場によって、より多くの人に素早く快適なフィッティングを施すガイドラインへと進化を遂げたのだ。
ハンドル&ステムの開発に当たっては、フランス籍のUCIプロチーム「アージェードゥーゼル」と連携。様々なテストを経て、ハンドルは3種類の柔軟性×3つの素材=9種類、そしてステムはアルミ製の1種類がデビューを果たしている。
3タイプ×3モデル×3つのハンドル幅=27種類を誇る豊富なハンドルラインナップ
前述した通り、骨盤の自由度に合わせ「スネーク」「カメレオン」「ブル」という3つのシェイプをラインナップするハンドルバー。タイプ別にドロップ部分の形状が大きく異なっており、身体の柔軟度が高いほどにリーチとドロップが大きい。更にハンドル幅が狭い400は同じアニマルでもリーチとドロップの数値に差異が与えられるなど、非常に緻密な設計を採用している。(ハンドルバー幅の測定位置はバーエンド部分の幅ではなく、ブラケット部分で計測している)ハンドル幅420mmの3モデルを例に取って見てみよう。最も柔軟度の高いSNAKEのドロップが140mm(=より深い前傾姿勢を取ることができる)であるのに対し、その対極に位置するBULLは130mmと、10mmの差異が与えられている。リーチはSNAKEとCHAMELLEONが85mmであるのに対し、BULLは80mm。特にブラケット部とボトム部分が急角度で曲がり、横から見た際に「コ」の字を描くSNAKEは、非常に目を引くデザインだ。
それぞれハイモジュラス・ユニダイレクショナルカーボンを使用したトップモデルの「00」と、ユニダイレクショナルカーボン使用の「R1」、そしてアージェードゥーゼルがテスト使用し、クラシックレースでの使用実績もあるアルミ製「R3」という全3タイプが存在する。特にプロユースの「00」はハンドル幅420mmで重量175gを誇る超軽量モデル。ハイグレードカーボンの特性により、衝撃吸収能力も高いという。
3種類の素材を揃えるハンドルがある一方で、ステムについてはアルミ製ただ1種類のみ。これは「軽さを追求するならカーボンを選択すべきだったろうが、的確なパワーの伝達とハンドルからの入力をダイレクトに伝えるためにアルミ素材を選び、重量面でもプロレーサーの期待に応えることができたと思う。」という考えに則ったもの。安易に軽さを追求しないという、フィジークのスタイルが垣間見える。
そして従来よりラインナップされていたシートポストも、ハンドルとステムの登場に合わせてグラフィックを変更しリニューアルされた。さまざまなレール形状やカーボンレールにも対応し、安定性と固定力に優れる前後に長いウルトラワイドロワーククランプや、1フィンガーで調整できるフロントアジャスターホイールなど、好評を博した機能はそのまま引き継がれている。従来は様々なシートポスト長が用意されていたが、サイズ展開がまとめられ、より選択しやすくなっている。ハンドル&ステムと組み合わせ、3点セットで使いたい。
fi'zi:kの新スパインコンセプトを形づくる、コックピットシステム
CYRANO HANDLE BAR 00
素材 | ハイモジュラス・ユニダイレクショナル・カーボン |
重量 | 175g(420mm) |
価格 | 41,080円 |
Cyrano Handlebar シェイプチャート
Size | 400 | 420 | 440 | 460 |
Tops Diameter | 24.8 | 28.8 | 28.8 | 28.8 |
Ramp Radius | 50 | 60 | 60 | 60 |
Flare Angle | 2 | 3 | 3 | 3 |
BULL (Reach / Drop) | 75/125 | 80/130 | 80/130 | 80/130 |
CHAMELEON (Reach / Drop) | 80/130 | 85/135 | 85/135 | 85/135 |
SNAKE (Reach / Drop) | 80/130 | 85/140 | 85/140 | 85/140 |
CYRANO STEM R1
サイズ | 70(7°のみ), 80, 90, 100, 120, 130mm/7°, 20° |
素材 | アルミ/チタン(ボルト) |
重量 | 128g(110mm/7°) |
提供:カワシマサイクルサプライ text:シクロワイアード編集部