2013/03/27(水) - 17:25
ロードバイクシーンではもはやあたりまえとなっているカーボンホイールだが、MTBではまだまだアルミリムが主役。そんななか、MTB用のフルカーボンリムをラインナップしているのがエンヴィである。ロード用リムよりもさらに高い強度が求められるにも関わらず、エンヴィのフルカーボンリムは各方面から高い評価を得ている。
エンヴィ・XC26(フロント)
エンヴィ・XC26(リア)
サンタクルーズ・シンジケートが使うことでその耐久性は証明済みだ
最も激しい負担の掛かるDHレースの現場で使用し、大きな信頼を獲得した 今回インプレッションを行うのは、26インチのXCリム(チューブラー)。特徴は、突出した軽量性と剛性だ。リム単体重量は、驚きの260g。DTスイスの軽量ハブで組むと、なんと前後セットで1100gの超軽量MTB用ホイールが作れてしまう。ロード用カーボンホイールが裸足で逃げ出す重量である。
リム単体重量260gをマークし、レースで圧倒的な優位を獲得するXCリム 実は、MTBのリムはロードバイク以上に軽いことが重要になってくる。MTBレースではロードバイクのような高速巡航がなく、加速と減速の繰り返しとなるため、ホイール外周部を軽量化することはロードバイクより効果的。そこに上下方向の動きも加わるため、MTBにこそ軽いリムが必要となる。29インチのバイクでは、軽量化によるメリットはさらに大きくなる。もちろん、強度と耐久性があることが大前提である。
チューブラータイヤが使えるということも大きなメリットだ。MTB用のカーボンリムをリリースしているメーカーは増えてきているが、国内のレースではほぼクリンチャーというのが現状で、チューブラー対応となると選択肢は一気に少なくなってしまう。また、リムの断面形状も独特である。
高速巡航が多いロードには高いエアロ性能が求められるが、MTBリムの形状に求められるものは、泥が乗りにくいこと。低いリムで上面が平らだとそこに泥が乗ってしまい、バイク重量がどんどん重くなってしまう。エンヴィのカーボンリムは三角断面で適度なディープとなっているが、空力性能の追求ではなく泥の付着を避けるための工夫でもある。
モデル名の通り、これはXC用のカーボンリムだが、ダウンヒルチームにも供給されていることでも有名だ。機材に対して最も過酷な自転車競技、ダウンヒルで使用されていることは、エンヴィのカーボンリムが高い強度を持っていることの証明に他ならない。
リムが軽く、剛性も強度も高く、泥が乗りづらく、高性能なチューブラータイヤが使える。このエンヴィ・XC 26チューブラーリムは、MTB用リムとして理想的な特性を備えている。エンヴィがMTBホイールの新基準を作りだしているのである。
2012年MTB全日本選手権U23チャンピオン 中原義貴(キャノンデール) (c)トライスポーツエンヴィホイールは2013年からのサポートで、まだレースには出ていませんが、トレーニングライドでトレイルを走った際の圧倒的な剛性感と軽さに非常に驚きました。アスファルトでもトレイルでもバイクが非常に良く前に進み、アルミホイールに対して大きなアドバンテージを得ることができます。
前述したように剛性の高さは秀逸で、路面に対して最大限の力を伝えることができると感じています。そのため上りでは特に有利で、富士見パノラマのゲレンデ上りのようなシチュエーションでは大きな武器になってくれるでしょう。リムがよれてしまうことも無いためダウンヒルで安定し、しっかりとトラクションをかけつつ、狙ったラインをトレースすることができます。
また、リム重量がとにかく軽いことに感心しています。29erのバイクだとホイールの重さが問題で小さなコーナーなどでのダルさがどうしても残るものですが、それを打ち消してくれるほどです。上りが長く続くような場面でもリズム良くクリアできるあたり、さすが軽量ホイールだなと感じます。
仲間うちで「カーボンリムは割れる」という話を往々にして聞きますが、今のところ破損は無く、割れるような雰囲気やもろさは一切出ていませんね。非常に頑丈で、堅牢だと感じています。ギャップのクリアやジャンプなど大きな衝撃がかかる場面でも危うさはありませんでした。リムの泥はけも良く、マッドコンディションで泥を拾って重くなることも無さそうです。
昨シーズンはJシリーズのエリートクラスで何度か1ケタの成績を出し、U23全日本タイトルも獲得しました。正直なところ、このホイールをもっと早く投入していれば、より良い成績が出せたのではと思うほどです。今シーズンはU23タイトルの防衛と、Jシリーズでのより良い成績を狙って行きたいと思います。
「使わない理由がない!高剛性と軽さをすぐに実感できる」鈴木祐一(RiseRide) 乗ってすぐに剛性の高さと外周部の軽さを実感できます。MTB特有の「路面抵抗が大きく速度域が低い」というシチュエーションでは、常に加減速を強いられます。MTB機材には、空気抵抗の少なさより加速性能が求められるんですが、このエンヴィのホイールのようにリムが軽いと、ペダリングが圧倒的にラクになります。
当然ながら車重も軽くなるので、バイクの振りやコーナーでのバンクなど、バイクを寝かす動作がすごく楽になり、コントロールがしやすくなります。また、スピードが出る下りでは、重たいリムだとジャイロ効果が発生してバイクが起きようとしてコントロールがしづらくなるんですが、カーボンの軽量リムにするとそれが解消されます。
下りでスピードが上がったときに、素早く少ない力でバイクを倒すことができるようになるんです。結果として、上下左右の全方向へのコントロール性がアップします。素直なフィーリングで、軽くナチュラルに操作できる。これは体力温存につながります。高性能なチューブラータイヤを使えるという性能も大きな武器になります。
メカニック視点でもこのリムのメリットは大きいです。まずリムの精度が高い。エンヴィのリムは総じて組みやすいんですね。
良いホイールを組むというのはメカニックとして当然の仕事なんですが、組みやすいものもあれば組みにくいものもあります。当然ながら、組みやすいリムのほうがいいホイールになります。そういうところにも、エンヴェの精度のよさが表れています。
インプレしたホイールは僕がいつもレースで使っている私物なんですが、もう2年近く使っているのに全くノントラブルなんですよ。軽量なフルカーボンのMTBリムというと、どうしても破損などのトラブルが心配になりますが、エンヴィのリムはメリットが大きいのにリスクが少ない。アルミリムより強いといわれていますが、実際に使ってみるとそれは嘘ではないことが分かります。
まだまだ使っている人は少ないですが、個人的には「なんで使わないの?」って思っちゃいます。使わない理由がない。そこまでいいホイールだと思います。
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MTBに求められる全ての性能を持っている
世界的なMTBチーム、サンタクルーズ・シンジケートがアルミリムのホイールを使用していたとき、1年間で180本も破壊してしまったという。それがエンヴィのカーボンリムを導入してからは、わずか8本のみと激減。エンヴィのカーボンリムがいかに強く頑丈であるかが伺えるエピソードである。また、2012年のワールドカップや世界選手権ではエンヴィのカーボンリムを使用したグレッグ・ミナーが見事勝利に輝き、その存在感を世界に見せつけた。エンヴィのリムが、頑丈さだけでなく高い性能を持っていることも証明されたのだ。
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チューブラータイヤが使えるということも大きなメリットだ。MTB用のカーボンリムをリリースしているメーカーは増えてきているが、国内のレースではほぼクリンチャーというのが現状で、チューブラー対応となると選択肢は一気に少なくなってしまう。また、リムの断面形状も独特である。
高速巡航が多いロードには高いエアロ性能が求められるが、MTBリムの形状に求められるものは、泥が乗りにくいこと。低いリムで上面が平らだとそこに泥が乗ってしまい、バイク重量がどんどん重くなってしまう。エンヴィのカーボンリムは三角断面で適度なディープとなっているが、空力性能の追求ではなく泥の付着を避けるための工夫でもある。
モデル名の通り、これはXC用のカーボンリムだが、ダウンヒルチームにも供給されていることでも有名だ。機材に対して最も過酷な自転車競技、ダウンヒルで使用されていることは、エンヴィのカーボンリムが高い強度を持っていることの証明に他ならない。
リムが軽く、剛性も強度も高く、泥が乗りづらく、高性能なチューブラータイヤが使える。このエンヴィ・XC 26チューブラーリムは、MTB用リムとして理想的な特性を備えている。エンヴィがMTBホイールの新基準を作りだしているのである。
インプレッション
「剛性に優れ、アルミホイールを圧倒する能力がある」中原義貴(キャノンデール)
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前述したように剛性の高さは秀逸で、路面に対して最大限の力を伝えることができると感じています。そのため上りでは特に有利で、富士見パノラマのゲレンデ上りのようなシチュエーションでは大きな武器になってくれるでしょう。リムがよれてしまうことも無いためダウンヒルで安定し、しっかりとトラクションをかけつつ、狙ったラインをトレースすることができます。
また、リム重量がとにかく軽いことに感心しています。29erのバイクだとホイールの重さが問題で小さなコーナーなどでのダルさがどうしても残るものですが、それを打ち消してくれるほどです。上りが長く続くような場面でもリズム良くクリアできるあたり、さすが軽量ホイールだなと感じます。
仲間うちで「カーボンリムは割れる」という話を往々にして聞きますが、今のところ破損は無く、割れるような雰囲気やもろさは一切出ていませんね。非常に頑丈で、堅牢だと感じています。ギャップのクリアやジャンプなど大きな衝撃がかかる場面でも危うさはありませんでした。リムの泥はけも良く、マッドコンディションで泥を拾って重くなることも無さそうです。
昨シーズンはJシリーズのエリートクラスで何度か1ケタの成績を出し、U23全日本タイトルも獲得しました。正直なところ、このホイールをもっと早く投入していれば、より良い成績が出せたのではと思うほどです。今シーズンはU23タイトルの防衛と、Jシリーズでのより良い成績を狙って行きたいと思います。
「使わない理由がない!高剛性と軽さをすぐに実感できる」鈴木祐一(RiseRide)
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当然ながら車重も軽くなるので、バイクの振りやコーナーでのバンクなど、バイクを寝かす動作がすごく楽になり、コントロールがしやすくなります。また、スピードが出る下りでは、重たいリムだとジャイロ効果が発生してバイクが起きようとしてコントロールがしづらくなるんですが、カーボンの軽量リムにするとそれが解消されます。
下りでスピードが上がったときに、素早く少ない力でバイクを倒すことができるようになるんです。結果として、上下左右の全方向へのコントロール性がアップします。素直なフィーリングで、軽くナチュラルに操作できる。これは体力温存につながります。高性能なチューブラータイヤを使えるという性能も大きな武器になります。
メカニック視点でもこのリムのメリットは大きいです。まずリムの精度が高い。エンヴィのリムは総じて組みやすいんですね。
良いホイールを組むというのはメカニックとして当然の仕事なんですが、組みやすいものもあれば組みにくいものもあります。当然ながら、組みやすいリムのほうがいいホイールになります。そういうところにも、エンヴェの精度のよさが表れています。
インプレしたホイールは僕がいつもレースで使っている私物なんですが、もう2年近く使っているのに全くノントラブルなんですよ。軽量なフルカーボンのMTBリムというと、どうしても破損などのトラブルが心配になりますが、エンヴィのリムはメリットが大きいのにリスクが少ない。アルミリムより強いといわれていますが、実際に使ってみるとそれは嘘ではないことが分かります。
まだまだ使っている人は少ないですが、個人的には「なんで使わないの?」って思っちゃいます。使わない理由がない。そこまでいいホイールだと思います。
提供:トライスポーツ 編集:シクロワイアード編集部