2011/09/14(水) - 11:59
8月27・28日に開催された日本最大、いや世界最大規模のロードレースイベント「シマノ鈴鹿ロード」。28年目を迎える夏の祭典は、全国から1万人を越えるサイクリストが集結する夏のビッグイベントだ。2日間の模様を写真たっぷりでお伝えする。
日本一のチームTT大会と、1600人が走った2時間エンデューロ
初日は少し薄曇り。夏日の厳しい過酷なコンディションが続いた例年よりも、ずっと過ごしやすいなかで2日間の祭典はスタートした。
シマノ鈴鹿のチームタイムトライアルは、間違いなく日本最大、いや世界最大のチームTTイベントだ。合計410チームという参加チーム数! こんなイベントはおそらく世界にも類を見ないだろう。
スズカのチームTTは、3~4名でチームを編成し、3番目の選手がゴールした時間を競う。メンバーの走力、体力が均一であることが重要。本格的な機材のチームもあれば、ユニークなコスチュームのチームもあり、「魅せる競技」としても人気が高い。
ウェアやバイクを仲間で揃えて、力を合わせて走るこの種目。本来非常に苦しい競技だが、ホビーレーサーにとっては仲間と走る機会はめったにあるものではない。走りきれば仲間の絆はいっそう強くなることだろう!
今年のトピックは、女性チームのための「レディースクラス」が登場したこと。女性サイクリストの増加を受けてのことだという。
また、チームTT・Bには国内招待チームのシマノレーシング、ブリヂストンアンカー、宇都宮ブリッツェンなどが走るが、なんとツール・ド・フランスに出場したジェレミー・ロワを擁するFDJなどの海外招待チームも出場。本場の走りを披露した。幸運にもコース上で一緒に走ったホビーレーサーによれば「抜かれたけど、信じられないぐらいキレイな走りだった!」と言う。
未登録者によるチームTT・Aはチームセカンドウインド鹿児島(一丸 忠生 フリーマントル 松永 慎太郎 笹木 哲雄)が優勝。
チームTT・Bのトップタイムはホストチームの意地を見せたシマノレーシング(青柳 憲輝 畑中 勇介 村上 純平 西薗 良太)だが、オープン扱いのため着外。1位はチームブリヂストンアンカー(狩野 智也 普久原 奨 井上 和郎 清水 良行)が獲得。ジェレミー・ロワのFDJは3人でノーマルバイクで走り、3位だった。
レディースTTはバルバクラブ(田中 千晴 二口 早紀 長屋 桃子 堀内 美八子)が優勝した。
昨年密着レポートした鶴見 辰吾さん率いるLEGONはチームTT・Aに出場。意気込んで走ったが、走行中にメンバーのうちのひとりのタイヤが外れるトラブルで落車し、リタイアとなってしまった。このために関東から鈴鹿に来て、傷心のうちに即帰ることになったとのこと。お大事に!
1600人が出場の2時間エンデューロ
初日の最終プログラムとして登場する、およそ1600チームが出場するという2時間エンデューロもマンモスイベントに違いない。先頭がスタートしてから最後尾の選手がスタートラインを切るまで10分ほどかかると言われ、時間が経つとコース上は走る人がまったく途切れない状態となる。
ソロで出場の選手、人数別クラスやフラットバークラス、レディースクラスで楽しむチームなど、様々。
夕方になるに連れ、天候が回復したこの日。じょじょに真夏日の日差しが強く、厳しいコンディションに。しかし仲間を応援しながら走るチームの元気な声がスズカサーキットにこだました。
好天、スズカらしい夏日になった2日目
2日目は朝から日差しが照りつけ、夏日になった。早朝から年齢別クラスのマスターズ40+、50+、60+と順にスタート。続いてビギナー、ユース、インターミディエイト、オープン、そしてフラットバーなど、年齢と脚力に応じた独自のクラス分けでレースが進行していく。レースとレースの感覚は分刻み。一人が複数種目にエントリーしながら楽しむスタイルで、多くの種目が次々にこなされていく。そして、勢いのあるゴールスプリント勝負が続く。
シマノスズカはスプリンターの晴れ舞台
スズカロードの勝負どころはなんといっても緩い登り坂になっているホームストレートのゴーススプリントだ。勇敢な選手による逃げもときどき決まりもするが、キツイ登りがないため、たいていの勝負はゴールスプリントで決まる。ギャラリーの多いスズカは、スプリンターにとって華のあるレースだ。勝利のシーンはクラスの数だけあるが、いくつかを写真でご紹介。
「最速のパティシエ」が復活
かつてスズカロードで数々のスプリント勝利を収めた巴健至(ともえ・たけよし)さん(ロゼコローレ)が2004年以来7年ぶりにスズカに帰ってきた。陸前高田で2009年よりフランス菓子の店「ロゼコローレ」を開店。閉店後再渡仏してパリのレストランで活躍。年間最優秀パティスリー獲得、バゲットやクロワッサンのコンクール優勝などを受賞し、2009年から東京・Boulangerie パリの空の下でシェフをつとめる巴さん。昨年骨折して以来の復帰中とあり勝利は難しかったが、マスターズ5位。スズカ最速のスプリンターが再び帰ってきた。そして、巴さんがコーチをつとめるチーム員の金井由美さんがビギナーWBで優勝。
バルバ旋風吹き荒れる
当時巴さんと争った福井のチッポッリーニこと寺崎嘉彦さんは、今年もバルバワークスのメンバーを大挙引き連れて参戦。
息子さんの寺崎浩平さんがオープンIIA2組で優勝したのに加え、バルバは優勝のオンパレード。オープンI・A 2組で山下 裕さんが、 オープンW・AとBの連覇の田中 千晴さん、チームTTレディース、2時間エンデューロ・オープンで寺崎嘉彦・浩親子が、マスターズ30+ 1組で馬場 智さんが、マスターズ30+ 2組で黒田 篤さんが優勝など、おそらくチームの勝利数はナンバーワン。バルバ旋風が吹き荒れた。
本格的なステージレース気分が味わえる「5ステージ・スズカ」
ロードレースの醍醐味であるチーム戦による競技が5ステージ・スズカだ。2日間で個人タイムトライアルとロードレースの5ステージを行い、ステージ優勝と共に総合成績を争う。総合トップは青いリーダージャージを着用し、それを巡る熾烈な争いが繰り広げられる。5ステージの合計距離は106.6kmに及ぶ。
年々レースのレベルが上がり、今年はイナーメアイランド信濃山形とCSヤマダ、シルベスト、 竹芝-KIDS-Cなどが激戦を繰り広げた。
チーム総合では イナーメアイランド信濃山形が優勝。個人総合ではポール・ソールズベリー、橋本 健、増田 輝之、高橋 誠選手ら、イナーメアイランド信濃山形勢が上位を占める結果になった。
もうひとつのメインイベント ユース、バンビーノ、ミルキー
子供たち向けのレースが充実しているのもシマノスズカならではだ。ユース、バンビーノに加え、メインイベントの国際ロードの後に行われる未就学幼児によるミルキーは、小学校入学前の子供たちによるレース。ホームストレート上の平坦なコースを使って行われる「自転車版のかけっこ」は、お母さんが押す乳母車に乗った赤ちゃんや三輪車の子供まで、愛くるしい姿がサーキットをヨチヨチ走る!ゴールしたら、全員に参加賞のお菓子の詰め合わせがプレゼントされる。
シマノイベントホームページ、フォトギャラリーも御覧ください!
シマノ鈴鹿ロードの2日間の様子をここだけでお伝えし切るのはとてもじゃないが無理。しかしシマノ側でもシマノ鈴鹿ロードレースレポートサイト(シマノイベントホームページ)で2日間の様子をあらゆる角度からみっちりレポートしている。
シクロワイアード取材班が撮影したほとんどすべての写真はフォトギャラリー(picasa)で御覧ください。
引き続きサブイベントとブース巡りでみつけたトピックをお届けします。お楽しみに。
日本一のチームTT大会と、1600人が走った2時間エンデューロ
初日は少し薄曇り。夏日の厳しい過酷なコンディションが続いた例年よりも、ずっと過ごしやすいなかで2日間の祭典はスタートした。
シマノ鈴鹿のチームタイムトライアルは、間違いなく日本最大、いや世界最大のチームTTイベントだ。合計410チームという参加チーム数! こんなイベントはおそらく世界にも類を見ないだろう。
スズカのチームTTは、3~4名でチームを編成し、3番目の選手がゴールした時間を競う。メンバーの走力、体力が均一であることが重要。本格的な機材のチームもあれば、ユニークなコスチュームのチームもあり、「魅せる競技」としても人気が高い。
ウェアやバイクを仲間で揃えて、力を合わせて走るこの種目。本来非常に苦しい競技だが、ホビーレーサーにとっては仲間と走る機会はめったにあるものではない。走りきれば仲間の絆はいっそう強くなることだろう!
今年のトピックは、女性チームのための「レディースクラス」が登場したこと。女性サイクリストの増加を受けてのことだという。
また、チームTT・Bには国内招待チームのシマノレーシング、ブリヂストンアンカー、宇都宮ブリッツェンなどが走るが、なんとツール・ド・フランスに出場したジェレミー・ロワを擁するFDJなどの海外招待チームも出場。本場の走りを披露した。幸運にもコース上で一緒に走ったホビーレーサーによれば「抜かれたけど、信じられないぐらいキレイな走りだった!」と言う。
未登録者によるチームTT・Aはチームセカンドウインド鹿児島(一丸 忠生 フリーマントル 松永 慎太郎 笹木 哲雄)が優勝。
チームTT・Bのトップタイムはホストチームの意地を見せたシマノレーシング(青柳 憲輝 畑中 勇介 村上 純平 西薗 良太)だが、オープン扱いのため着外。1位はチームブリヂストンアンカー(狩野 智也 普久原 奨 井上 和郎 清水 良行)が獲得。ジェレミー・ロワのFDJは3人でノーマルバイクで走り、3位だった。
レディースTTはバルバクラブ(田中 千晴 二口 早紀 長屋 桃子 堀内 美八子)が優勝した。
昨年密着レポートした鶴見 辰吾さん率いるLEGONはチームTT・Aに出場。意気込んで走ったが、走行中にメンバーのうちのひとりのタイヤが外れるトラブルで落車し、リタイアとなってしまった。このために関東から鈴鹿に来て、傷心のうちに即帰ることになったとのこと。お大事に!
1600人が出場の2時間エンデューロ
初日の最終プログラムとして登場する、およそ1600チームが出場するという2時間エンデューロもマンモスイベントに違いない。先頭がスタートしてから最後尾の選手がスタートラインを切るまで10分ほどかかると言われ、時間が経つとコース上は走る人がまったく途切れない状態となる。
ソロで出場の選手、人数別クラスやフラットバークラス、レディースクラスで楽しむチームなど、様々。
夕方になるに連れ、天候が回復したこの日。じょじょに真夏日の日差しが強く、厳しいコンディションに。しかし仲間を応援しながら走るチームの元気な声がスズカサーキットにこだました。
好天、スズカらしい夏日になった2日目
2日目は朝から日差しが照りつけ、夏日になった。早朝から年齢別クラスのマスターズ40+、50+、60+と順にスタート。続いてビギナー、ユース、インターミディエイト、オープン、そしてフラットバーなど、年齢と脚力に応じた独自のクラス分けでレースが進行していく。レースとレースの感覚は分刻み。一人が複数種目にエントリーしながら楽しむスタイルで、多くの種目が次々にこなされていく。そして、勢いのあるゴールスプリント勝負が続く。
シマノスズカはスプリンターの晴れ舞台
スズカロードの勝負どころはなんといっても緩い登り坂になっているホームストレートのゴーススプリントだ。勇敢な選手による逃げもときどき決まりもするが、キツイ登りがないため、たいていの勝負はゴールスプリントで決まる。ギャラリーの多いスズカは、スプリンターにとって華のあるレースだ。勝利のシーンはクラスの数だけあるが、いくつかを写真でご紹介。
「最速のパティシエ」が復活
かつてスズカロードで数々のスプリント勝利を収めた巴健至(ともえ・たけよし)さん(ロゼコローレ)が2004年以来7年ぶりにスズカに帰ってきた。陸前高田で2009年よりフランス菓子の店「ロゼコローレ」を開店。閉店後再渡仏してパリのレストランで活躍。年間最優秀パティスリー獲得、バゲットやクロワッサンのコンクール優勝などを受賞し、2009年から東京・Boulangerie パリの空の下でシェフをつとめる巴さん。昨年骨折して以来の復帰中とあり勝利は難しかったが、マスターズ5位。スズカ最速のスプリンターが再び帰ってきた。そして、巴さんがコーチをつとめるチーム員の金井由美さんがビギナーWBで優勝。
バルバ旋風吹き荒れる
当時巴さんと争った福井のチッポッリーニこと寺崎嘉彦さんは、今年もバルバワークスのメンバーを大挙引き連れて参戦。
息子さんの寺崎浩平さんがオープンIIA2組で優勝したのに加え、バルバは優勝のオンパレード。オープンI・A 2組で山下 裕さんが、 オープンW・AとBの連覇の田中 千晴さん、チームTTレディース、2時間エンデューロ・オープンで寺崎嘉彦・浩親子が、マスターズ30+ 1組で馬場 智さんが、マスターズ30+ 2組で黒田 篤さんが優勝など、おそらくチームの勝利数はナンバーワン。バルバ旋風が吹き荒れた。
本格的なステージレース気分が味わえる「5ステージ・スズカ」
ロードレースの醍醐味であるチーム戦による競技が5ステージ・スズカだ。2日間で個人タイムトライアルとロードレースの5ステージを行い、ステージ優勝と共に総合成績を争う。総合トップは青いリーダージャージを着用し、それを巡る熾烈な争いが繰り広げられる。5ステージの合計距離は106.6kmに及ぶ。
年々レースのレベルが上がり、今年はイナーメアイランド信濃山形とCSヤマダ、シルベスト、 竹芝-KIDS-Cなどが激戦を繰り広げた。
チーム総合では イナーメアイランド信濃山形が優勝。個人総合ではポール・ソールズベリー、橋本 健、増田 輝之、高橋 誠選手ら、イナーメアイランド信濃山形勢が上位を占める結果になった。
もうひとつのメインイベント ユース、バンビーノ、ミルキー
子供たち向けのレースが充実しているのもシマノスズカならではだ。ユース、バンビーノに加え、メインイベントの国際ロードの後に行われる未就学幼児によるミルキーは、小学校入学前の子供たちによるレース。ホームストレート上の平坦なコースを使って行われる「自転車版のかけっこ」は、お母さんが押す乳母車に乗った赤ちゃんや三輪車の子供まで、愛くるしい姿がサーキットをヨチヨチ走る!ゴールしたら、全員に参加賞のお菓子の詰め合わせがプレゼントされる。
シマノイベントホームページ、フォトギャラリーも御覧ください!
シマノ鈴鹿ロードの2日間の様子をここだけでお伝えし切るのはとてもじゃないが無理。しかしシマノ側でもシマノ鈴鹿ロードレースレポートサイト(シマノイベントホームページ)で2日間の様子をあらゆる角度からみっちりレポートしている。
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引き続きサブイベントとブース巡りでみつけたトピックをお届けします。お楽しみに。
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