2011/06/20(月) - 09:46
初夏の緑が美しい6月5日、グランフォンド軽井沢が開催された。浅間山麓をダイナミックに一周するロングライドは、「軽井沢から元気を発信しよう!」という被災地へのメッセージも込められた。タレントの美崎悠さんも参加し見事完走を果たした。
広大な野菜畑の脇を走り抜けるグランフォンド軽井沢
今年も美崎悠さんが参加者と一緒に走った 今年で2回目の開催となるグランフォンド軽井沢。軽井沢を起点として浅間山周辺の7市町村を走り抜ける、1周125kmのコース設定。スタートからゴールまでの登り区間の高低差が合計2,300mにもなるという、立派な山岳ロングライドだ。ゲストライダーには、昨年に引き続きタレントの美崎悠さんも参加。今年ももちろん完走を目標に全力で走るという。
グランフォンド軽井沢は、タイム計測を行わないロングライドイベント。125kmの行程の途中4カ所に設置されるエイドステーションを経由して、参加者がマイペースでゴールを目指す。とはいえ各エイドステーションには、最終スタート時刻が設定され、それより遅れて到着した場合は先に進むことはできないというルールが設けられる。
全体では、朝7:30のスタートからゴール地点の制限時刻は16:30。つまり最大9時間を125kmのコースに掛けられる計算となる。
震災復興支援として企画されたチャリティーの様々な試み
また東日本大震災が発生した今年は「軽井沢から元気を発信しよう!」を合い言葉に、現地への復興支援計画も盛り込まれた。そのひとつは義捐金の寄付。まず全参加者ひとりにつき大会側が200円を寄付。さらにグランフォンドでは125kmを無事に完走すると、その参加者の義捐金は1,000円になるというルールを設けた。この義捐金は参加者から徴収するわけではなく、大会側がその金額分を負担して募金するというもの。つまり、一人でも多くのライダーが完走すれば、それだけ義捐金が増えるというわけだ。
もうひとつは、町内のレンタルサイクル店の協力のもと、数十台の中古自転車を現地へ送るというもの。現地への思いを込めて磨かれた自転車は、皆さんの手によりピカピカに輝いていた。
被災地へ送られる自転車は、現地への思いを込めて丁寧に磨かれた
「軽井沢から元気を発信しよう!」を合い言葉に、数々のメッセージが届けられる
今年も昨年に引き続き、スタート/ゴール地点に設定されたのは、JR軽井沢駅近くの軽井沢プリンスホテル駐車場。軽井沢町商工会会長で今大会の実行委員長でもある松葉榮三氏が降るフラッグを合図に、朝7:30にスタートをきった。
昨年大会を見事に完走したタレントの美崎悠さんも「16:00までにゴールします!」と力強く宣言して、参加者に混じってスタートしていった。
まずはスタート前にみんなで準備体操
無事に完走を目指してガッツポーズ!
いきなりの登りが待ち構えるが、まだまだ先は長い スタート地点の軽井沢プリンスホテルからしばらくは、平坦な市内を走行。中軽井沢駅前の交差点を右に折れると、いよいよ最初の登りに差し掛かる。いきなり現れるここの登りは、標高差450m、距離は10kmとなかなかのハードなもの。しかしここで頑張り過ぎてはいけない、まだまだ先は長いのだ。この時点では、まだまだ身体を慣らす程度に力をセーブすることをおすすめする。
最初の峠を登りきったあとは、高原を気持ちよく流すと最初のエイドステーション「浅間ハイランドパーク」に到着。ここでは参加者に、はちみつで漬けた梅干しや野沢菜漬けが用意され、さっそくみんなその高原の美味しさに舌鼓。
エイドステーションにはチェックポイントはおろか、必ずに立ち寄るという厳密なルールもないので、スピード派は立ち寄らずに、手持ちの補給食だけで駆け抜けても構わない。でも軽井沢に来たからには、地元の食を味わない手はないというもの。高原野菜など地元の美味しさを味わうことができるのも、このグランフォンド軽井沢の魅力のひとつだ。
エイドステーションでは、さっそく地元の味が体験できる
沿道では地元の方のありがたい応援もありました
登りの途中の湧き水ポイントで一休み 続く嬬恋方面に向かうと、しばらくは下り基調に。そして嬬恋西小前を左折すると、更なる登りが待ち構える。標高差500mを10kmで登る区間に差し掛かる。途中には高原の湧き水ポイントで一休み。さらに登りを進んでいくと視界が開けたバラギ湖のパノラマが広がる。じつは昨年はこの辺りが第2エイドステーション。しかし今年はここよりさらに数キロ先に設置された。
もしかしたら、このバラギ湖から第2エイドステーションまでが、今回で最も過酷な道のりだったかもしれない。周囲は高原特有の広大な野菜畑の気持ちいい景色。ここまでの登りのダメージに加えて、先の登りまでも見通せるパノラマは、参加者にとっては心理的にこたえている様子。
高原野菜の広大な畑が広がる
最も過酷な道のりだったこの区間。思わず押しの入る参加者も
しかし、そんな思いでようやくたどり着いた第2エイドステーションでは、この日一番のご馳走にありつける。「東海大学嬬恋高原研修センター」の2階に設置された食堂で、なんとビッフェ形式の昼食が待っていた。
これには参加者一同、大満足。ゆっくりお腹を満たして、後半戦に備えることができるエイドステーションだった。
なんとバイキング形式の昼食が用意されていた
「最後の登りが辛かった」という美咲さん。後半へ向けてしっかり備えます
さてここからしばらくは下り基調のゆるやかなアップダウン。周囲に広大なキャベツ畑の広がる嬬恋パノラマラインでは、左手に浅間山、右手に白根山が広がるロケーション。短い登りもあるものの、ここまでに比べれば軽いもの。
鳥居峠を抜けて、この先の第3エイドステーションまでは、13kmにもおよぶ長いダウンヒル区間が待っている。
アップダウンの続く嬬恋パノラマライン
第3エイドステーションは戦国武将、真田幸村ゆかりの地の「ゆきむら夢工房」。四季折々の真田伝統の食文化を伝えるという農産物直売所だけあって、ここでは地元の農作物が中心に振る舞われた。きゅうりやトマト、高原レタスなど、地元野菜の濃い味が詰まっていた。
新鮮な高原レタスとキュウリがほんとに美味しい
美崎悠さんも地元の味覚に大満足
市街地ではクルマに気をつけながら進んでいく ここからは市街地が中心となった道が続く。途中の細かいアップダウンは、ここまでの疲労が溜まったカラダに効いてくる。あきらかに多くなった自動車にも気をつけながら、最後の第4エイドステーションを目指す。
マンズワイン小諸ワイナリーに設置された最後の第4エイドステーションでは、手作りパンが振る舞われた。
ここまで4カ所のエイドステーションに共通するのは、参加者を迎えてくれる地元の皆さまの笑顔と親切。地元のお母さんたちに加え、お手伝いしていた若者たちも気持ちよく声を掛けてくれることが何よりも心地よい。そんな地元のみなさんの暖かさに支えられているのも、このグランフォンド軽井沢の魅力といえる。
たくさんの種類のパンに、思わず目移りしてしまう
エイドステーションではみなさん笑顔で迎えてくれる
最後のエイドステーションを後にして、残るはゴールを目指すのみ。エイドステーション直後の最後の勾配もなかなかのもの。疲れが溜まったカラダから、最後のパワーを振り絞り参加者はゴールを目指す。
平坦基調の市街に出てしばらく行くと、朝に見覚えのある中軽井沢駅付近。ここまでくればゴールはもう目の前。賑わいの見せる軽井沢の商店街を通って旧軽井沢を抜ければ、すぐ先に今朝スタートした軽井沢プリンスホテルが現れて感動のゴールとなる。ゴール地点では、本格的な山岳コースを走りきった参加者の満足そうな笑顔が印象的。
ロケーションが抜群なのも、グランフォンド軽井沢の魅力
お父さんにサポートされ、最後の登りに挑む
そのゴールで、ゲストの美崎悠さんが見せてくれました。朝のスタートで「16:00までにゴールします!」と力強く宣言した美咲さん。しかし時間ギリギリの走行に、われわれ取材班は正直なところ、これは時間をオーバーしてしまうかも。と思いながら道中の彼女を取材していた。でもそのたびに彼女は「みんなに約束したので、なんとしても戻ります!」という明るい返事をしてくれました。
約束の16:00の時刻が迫るゴール地点。旧軽井沢を通過したというものの、まだ現れない美崎さん。これは無理かと皆が思いながら待つそのとき、ようやくゴール地点に現れたのでした。そして皆が見守る中ゴールしたのは、なんと約束の16:00ぴったり!さすが美崎悠さん、最後はしっかりと締めてくれたのでした。
美崎悠さんは、なんと16:00ピッタリにゴールに飛び込んだ!
約束通りにゴールして、思わずVサイン さて今回の大会で、イベントを通してUstreamで生配信を行なうという新しい試みも行なわれた。これは昨年から行なっていたものだが、美崎悠さんのバイクにも車載カメラを搭載し、走行中の映像がライブで見られたことも画期的。われわれシクロワイアード取材班もスマートフォンを持って帯同し、その他数人の参加者も配信に協力。その動画は今からでも下記のリンクから見ることが出来るので、来年の参加を検討される方は、ぜひ参考にしてほしい。
なおグルメフォンド軽井沢の様子も追ってお伝えします。
text:Takashi Kayaba
photo:Makoto.AYANO, Takashi Kayaba
フォトギャラリー(picasa)
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グランフォンド軽井沢は、タイム計測を行わないロングライドイベント。125kmの行程の途中4カ所に設置されるエイドステーションを経由して、参加者がマイペースでゴールを目指す。とはいえ各エイドステーションには、最終スタート時刻が設定され、それより遅れて到着した場合は先に進むことはできないというルールが設けられる。
全体では、朝7:30のスタートからゴール地点の制限時刻は16:30。つまり最大9時間を125kmのコースに掛けられる計算となる。
震災復興支援として企画されたチャリティーの様々な試み
また東日本大震災が発生した今年は「軽井沢から元気を発信しよう!」を合い言葉に、現地への復興支援計画も盛り込まれた。そのひとつは義捐金の寄付。まず全参加者ひとりにつき大会側が200円を寄付。さらにグランフォンドでは125kmを無事に完走すると、その参加者の義捐金は1,000円になるというルールを設けた。この義捐金は参加者から徴収するわけではなく、大会側がその金額分を負担して募金するというもの。つまり、一人でも多くのライダーが完走すれば、それだけ義捐金が増えるというわけだ。
もうひとつは、町内のレンタルサイクル店の協力のもと、数十台の中古自転車を現地へ送るというもの。現地への思いを込めて磨かれた自転車は、皆さんの手によりピカピカに輝いていた。
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昨年大会を見事に完走したタレントの美崎悠さんも「16:00までにゴールします!」と力強く宣言して、参加者に混じってスタートしていった。
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エイドステーションにはチェックポイントはおろか、必ずに立ち寄るという厳密なルールもないので、スピード派は立ち寄らずに、手持ちの補給食だけで駆け抜けても構わない。でも軽井沢に来たからには、地元の食を味わない手はないというもの。高原野菜など地元の美味しさを味わうことができるのも、このグランフォンド軽井沢の魅力のひとつだ。
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マンズワイン小諸ワイナリーに設置された最後の第4エイドステーションでは、手作りパンが振る舞われた。
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最後のエイドステーションを後にして、残るはゴールを目指すのみ。エイドステーション直後の最後の勾配もなかなかのもの。疲れが溜まったカラダから、最後のパワーを振り絞り参加者はゴールを目指す。
平坦基調の市街に出てしばらく行くと、朝に見覚えのある中軽井沢駅付近。ここまでくればゴールはもう目の前。賑わいの見せる軽井沢の商店街を通って旧軽井沢を抜ければ、すぐ先に今朝スタートした軽井沢プリンスホテルが現れて感動のゴールとなる。ゴール地点では、本格的な山岳コースを走りきった参加者の満足そうな笑顔が印象的。
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約束の16:00の時刻が迫るゴール地点。旧軽井沢を通過したというものの、まだ現れない美崎さん。これは無理かと皆が思いながら待つそのとき、ようやくゴール地点に現れたのでした。そして皆が見守る中ゴールしたのは、なんと約束の16:00ぴったり!さすが美崎悠さん、最後はしっかりと締めてくれたのでした。
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photo:Makoto.AYANO, Takashi Kayaba
フォトギャラリー(picasa)
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