2021/04/14(水) - 12:56
北見の奥座敷、塩別つるつる温泉とノーザンアークリゾートを舞台にファミリーで楽しめるライドイベントの様子をレポート。子供の世話から離れ、しっかり自転車を楽しめるようにと企画された親世代直撃の至れり尽くせりの2日間だった。
広大な北海道のど真ん中を支える大雪山系。富良野や層雲峡、糠平温泉郷といった温泉地を周囲に抱える火山群であり、北海道の屋根とも呼びならわされる。そんな大雪山系の北東部にあるのが塩別つるつる温泉だ。
北見と旭川を繋ぐ石北峠を東側のふもとにあるつるつる温泉は、100%天然のアルカリ温泉でその名の通り肌がつるつるになる美人の湯として人気の温泉郷でもある。そんな塩別つるつる温泉を舞台にファットバイクライドが企画された。
今回開催された「極寒スノーバイクライド」のテーマは、ずばり親子連れでも楽しめること。雪の中で子供を自転車で走らせるなんてアブナイのでは?なんて反応もありそうだが、さにあらず。子供たちには一面の雪景色を自由に楽しんでもらっているスキに親はファットバイクを楽しんでしまおう、という試みである。
そのために、今回は北見の保育士さんが3人も登場し、子供と一緒に遊んでくれることに。プロにこどもの世話をお任せできるとあれば、親御さんらも後ろ髪引かれることなくライドに集中できようというもの。子供と離れてリフレッシュ出来るのは貴重な機会でもある。
さて、つるつる温泉から目指すは「道の駅おんねゆ温泉」。およそ8㎞程先の道の駅おんねゆ温泉。ここまで畑の合間を突っ切るような農道をファットバイクで走っていくことになる。流氷を望む海岸や、スキー場を使った特設コースを走ってきたが、考えてみれば雪に埋もれた公道を走るというのは初めての体験だと気づく。
しっかりと圧雪されている状態であれば、問題なく走っていける。アクティビティとしてはもちろん、雪国の交通手段としてのポテンシャルも感じさせてくれるのがファットバイクだ。
真っ白なストレート、しかも下り基調の快走路とあって、おんねゆ温泉まではあっという間。グリーンシーズンには大きなからくり時計が迎えてくれる道の駅だが、冬季は雪の重さもあって動いていないのはご愛敬だ。
しかしながら、売店などはしっかりと営業中。ここの名物はなんといっても北見名産のたまねぎをふんだんに使った「たまコロ」なのだが、今回は以前から気になっていた「生牛乳飲み放題!」に挑戦……しようとしたものの、まだまだ先は長いということでおとなしくホットミルクを一杯いただくことに。決して恐れをなしたわけではない、大人の判断、というヤツである(笑)ちなみに新鮮な生牛乳のホットミルクは酷寒のライド途中にいただくには最高の一杯でした!
道の駅の中のお土産屋さんでは、身軽に買い物が出来るようにと配送まで出来る専用アプリなども用意されており、至れり尽くせり。自転車でライド中に訪れても、お土産を持って帰る方法に困ることも無い取り組みだ。
道の駅で折り返したら、つるつる温泉まで戻っていくことに。ただ、下り基調だった往路とは異なり、帰り道は北海道らしい丘陵地帯のアップダウンを行くことに。とはいえ、そんなに激坂があるわけでもないので、ファットバイクの「トコトコ感」と高台からの美しい景色を楽しみながら走っていけばあっという間につるつる温泉だ。
つるつる温泉でお昼ご飯を頂いたら、遊び疲れた子供たちが帰ってくる。「かまくら作った!」「雪山登れるんだよ!」などなど、一日の冒険報告を聞いていると、子供たちもしっかり北海道を満喫した様子。
さて、1日楽しんだ皆さんを待っているのが、北見名物の寒中焼肉!なんと、今回はかまくらの中でバーベキューを楽しめるという非日常体験である。サガリを中心にした肉はもちろん、ホタテやエビといった海鮮もたくさん用意されており、あっという間に満腹に。ちなみにかまくらの中はあったかいのだけれど、煙がこもりがちなのが難点だという、このイベントに参加しなければ絶対に知ることのなかった知見も得た(笑)
かまくらでしっかりいぶされた後は、すぐにつるつる温泉で汗とケムリを落とせるのも嬉しいところ。外で冷え切った体に温泉が芯まで染みわたっていく、この感覚は何にも代えがたい幸せなひと時だ。
そして、つるつる温泉を満喫した翌日は、お馴染み端野のノーザンアークリゾートへ。これまでゴルフ場のカート道を利用したファットバイクコースをメインに紹介してきたけれど、実はファミリーで楽しむにはピッタリのコースがあるのだ。
それが、ダイナミックなそり滑りを楽しめるすり鉢状のエリア。駐車場から歩いてすぐと、アクセスも抜群かつ、なんと利用は無料ということで実は北見市内の家族連れにも人気のスポット。今回は、滑るためのグッズを用意してもらっていたけれど、ノーザンアークリゾート内でレンタルすることも出来るため、手ぶらで訪れてもエンジョイできる。
さて、普通ソリといえばスキー場でも初心者コースの下のほうでゆっくり滑っていくのを楽しむようなイメージがあるが、ここのコースは一味違う。30度くらいあるんじゃなかろうか、という斜度の坂が100m弱ほど続いているのだ。視線の低いソリで滑るとなるとかなりスリリングなレイアウトである(笑)
だが、子供たちはそんなことを気にすることなく、最初からテンションマックス。「早く滑ろう!」と一緒にいる大人たちにせがみまくる。自分のところにも「おじさん一緒に滑ろう!」というお誘いが。(お、おじさん……だと……)と内心動揺しつつ、じゃあ一緒に行くか、と乗ってみると、これがなかなか覚悟が必要だ。しかし、伊達に人生経験を積んでいるわけではない、おじさんにはおじさんなりの知恵があるのだ。例えば、足でブレーキを掛けながら下るとか(笑)。
それにしても、なかなかコントロールが難しいこともあってあっちこっちで横転している。なんとかクラッシュすることなく下まで滑りおりるが、予想以上のスリリングさだ。目線が低い分、スピード感もあってかなりエキサイティングな遊びである。
ちなみにリフトなどはないので、滑り降りたらそりを引き引き上がってこなければならない。身体のなまった大人たちは2~3本も登るとヘトヘトに。あとは元気な子供たちが何度も滑っては登り、滑っては登りを繰り返すのを眺めるのであった。
まだまだソリ遊びに夢中な子供たちをスタッフの皆さんに預けている隙に、大人たちはファットバイクコースに行ってみましょうか、ということに。早速レンタルバイクを借り受け、コースイン。前日にうっすらと降った雪のおかげでかなりグッドなコンディションのコースを堪能した一行。新設のダウンヒルセクションも、ソリのスピード感のあとだと目が慣れてきてちょっと攻めやすかったような気もする(笑)。
一周コースを走り終えた頃、ちょうど飛行機の時間が迫ってくることもあり、一路空港へ。子供たちはまだまだ遊び足りない様子だったけれど、車に乗ってしまえば遊び疲れたかぐっすりだ。
大人は大人で、子供は子供で、遊び尽くした2日間。北見では、育児を頑張る親御さんたちが、安心して遊べるような環境を整えていくことも目標なのだという。今回はスノーライドとしての企画であったが、来るグリーンシーズンにも親子向けの企画が立てられていくことに期待できそうだ。
また、北見を中心としたオホーツクエリアでは、冬場のライドイベントだけではなく四季を通してイベントを企画中。今年はより規模を拡大したサイクリングイベントも計画中なので、寒いのはニガテな方も是非、期待していてほしいとのことだ。
text&photo:Naoki Yasuoka
広大な北海道のど真ん中を支える大雪山系。富良野や層雲峡、糠平温泉郷といった温泉地を周囲に抱える火山群であり、北海道の屋根とも呼びならわされる。そんな大雪山系の北東部にあるのが塩別つるつる温泉だ。
北見と旭川を繋ぐ石北峠を東側のふもとにあるつるつる温泉は、100%天然のアルカリ温泉でその名の通り肌がつるつるになる美人の湯として人気の温泉郷でもある。そんな塩別つるつる温泉を舞台にファットバイクライドが企画された。
今回開催された「極寒スノーバイクライド」のテーマは、ずばり親子連れでも楽しめること。雪の中で子供を自転車で走らせるなんてアブナイのでは?なんて反応もありそうだが、さにあらず。子供たちには一面の雪景色を自由に楽しんでもらっているスキに親はファットバイクを楽しんでしまおう、という試みである。
そのために、今回は北見の保育士さんが3人も登場し、子供と一緒に遊んでくれることに。プロにこどもの世話をお任せできるとあれば、親御さんらも後ろ髪引かれることなくライドに集中できようというもの。子供と離れてリフレッシュ出来るのは貴重な機会でもある。
さて、つるつる温泉から目指すは「道の駅おんねゆ温泉」。およそ8㎞程先の道の駅おんねゆ温泉。ここまで畑の合間を突っ切るような農道をファットバイクで走っていくことになる。流氷を望む海岸や、スキー場を使った特設コースを走ってきたが、考えてみれば雪に埋もれた公道を走るというのは初めての体験だと気づく。
しっかりと圧雪されている状態であれば、問題なく走っていける。アクティビティとしてはもちろん、雪国の交通手段としてのポテンシャルも感じさせてくれるのがファットバイクだ。
真っ白なストレート、しかも下り基調の快走路とあって、おんねゆ温泉まではあっという間。グリーンシーズンには大きなからくり時計が迎えてくれる道の駅だが、冬季は雪の重さもあって動いていないのはご愛敬だ。
しかしながら、売店などはしっかりと営業中。ここの名物はなんといっても北見名産のたまねぎをふんだんに使った「たまコロ」なのだが、今回は以前から気になっていた「生牛乳飲み放題!」に挑戦……しようとしたものの、まだまだ先は長いということでおとなしくホットミルクを一杯いただくことに。決して恐れをなしたわけではない、大人の判断、というヤツである(笑)ちなみに新鮮な生牛乳のホットミルクは酷寒のライド途中にいただくには最高の一杯でした!
道の駅の中のお土産屋さんでは、身軽に買い物が出来るようにと配送まで出来る専用アプリなども用意されており、至れり尽くせり。自転車でライド中に訪れても、お土産を持って帰る方法に困ることも無い取り組みだ。
道の駅で折り返したら、つるつる温泉まで戻っていくことに。ただ、下り基調だった往路とは異なり、帰り道は北海道らしい丘陵地帯のアップダウンを行くことに。とはいえ、そんなに激坂があるわけでもないので、ファットバイクの「トコトコ感」と高台からの美しい景色を楽しみながら走っていけばあっという間につるつる温泉だ。
つるつる温泉でお昼ご飯を頂いたら、遊び疲れた子供たちが帰ってくる。「かまくら作った!」「雪山登れるんだよ!」などなど、一日の冒険報告を聞いていると、子供たちもしっかり北海道を満喫した様子。
さて、1日楽しんだ皆さんを待っているのが、北見名物の寒中焼肉!なんと、今回はかまくらの中でバーベキューを楽しめるという非日常体験である。サガリを中心にした肉はもちろん、ホタテやエビといった海鮮もたくさん用意されており、あっという間に満腹に。ちなみにかまくらの中はあったかいのだけれど、煙がこもりがちなのが難点だという、このイベントに参加しなければ絶対に知ることのなかった知見も得た(笑)
かまくらでしっかりいぶされた後は、すぐにつるつる温泉で汗とケムリを落とせるのも嬉しいところ。外で冷え切った体に温泉が芯まで染みわたっていく、この感覚は何にも代えがたい幸せなひと時だ。
そして、つるつる温泉を満喫した翌日は、お馴染み端野のノーザンアークリゾートへ。これまでゴルフ場のカート道を利用したファットバイクコースをメインに紹介してきたけれど、実はファミリーで楽しむにはピッタリのコースがあるのだ。
それが、ダイナミックなそり滑りを楽しめるすり鉢状のエリア。駐車場から歩いてすぐと、アクセスも抜群かつ、なんと利用は無料ということで実は北見市内の家族連れにも人気のスポット。今回は、滑るためのグッズを用意してもらっていたけれど、ノーザンアークリゾート内でレンタルすることも出来るため、手ぶらで訪れてもエンジョイできる。
さて、普通ソリといえばスキー場でも初心者コースの下のほうでゆっくり滑っていくのを楽しむようなイメージがあるが、ここのコースは一味違う。30度くらいあるんじゃなかろうか、という斜度の坂が100m弱ほど続いているのだ。視線の低いソリで滑るとなるとかなりスリリングなレイアウトである(笑)
だが、子供たちはそんなことを気にすることなく、最初からテンションマックス。「早く滑ろう!」と一緒にいる大人たちにせがみまくる。自分のところにも「おじさん一緒に滑ろう!」というお誘いが。(お、おじさん……だと……)と内心動揺しつつ、じゃあ一緒に行くか、と乗ってみると、これがなかなか覚悟が必要だ。しかし、伊達に人生経験を積んでいるわけではない、おじさんにはおじさんなりの知恵があるのだ。例えば、足でブレーキを掛けながら下るとか(笑)。
それにしても、なかなかコントロールが難しいこともあってあっちこっちで横転している。なんとかクラッシュすることなく下まで滑りおりるが、予想以上のスリリングさだ。目線が低い分、スピード感もあってかなりエキサイティングな遊びである。
ちなみにリフトなどはないので、滑り降りたらそりを引き引き上がってこなければならない。身体のなまった大人たちは2~3本も登るとヘトヘトに。あとは元気な子供たちが何度も滑っては登り、滑っては登りを繰り返すのを眺めるのであった。
まだまだソリ遊びに夢中な子供たちをスタッフの皆さんに預けている隙に、大人たちはファットバイクコースに行ってみましょうか、ということに。早速レンタルバイクを借り受け、コースイン。前日にうっすらと降った雪のおかげでかなりグッドなコンディションのコースを堪能した一行。新設のダウンヒルセクションも、ソリのスピード感のあとだと目が慣れてきてちょっと攻めやすかったような気もする(笑)。
一周コースを走り終えた頃、ちょうど飛行機の時間が迫ってくることもあり、一路空港へ。子供たちはまだまだ遊び足りない様子だったけれど、車に乗ってしまえば遊び疲れたかぐっすりだ。
大人は大人で、子供は子供で、遊び尽くした2日間。北見では、育児を頑張る親御さんたちが、安心して遊べるような環境を整えていくことも目標なのだという。今回はスノーライドとしての企画であったが、来るグリーンシーズンにも親子向けの企画が立てられていくことに期待できそうだ。
また、北見を中心としたオホーツクエリアでは、冬場のライドイベントだけではなく四季を通してイベントを企画中。今年はより規模を拡大したサイクリングイベントも計画中なので、寒いのはニガテな方も是非、期待していてほしいとのことだ。
text&photo:Naoki Yasuoka
リンク
Amazon.co.jp