2018/07/31(火) - 11:55
自転車と鉄道、二つを愛する「テツ店長」ことバイクプラス多摩センターの河井孝介さんの輪行サイクリング紀行。今回は西へと進路を取り、目指すは北近畿へ。天気次第の気まま旅のレポートをお届けしましょう!
全国の廃線サイクリングファンの方々こんにちは(笑)。2018年も輪行で日本中の鉄道スポットを巡ろうと画策中のテツ店長ですが、今回は一度原点に立ち返って、西日本は北近畿地方の廃線跡のサイクリングに行ってきました。
そんなテツ店長のサイクリング、振り返ると最近は天気に恵まれないことが多く、今回もまた出発前の天気予報がすこぶる悪い……。せっかくきっぷも取ったのに、行くべきか?行かざるべきか?どうしてくれよう!と直前まで相当迷ったのですが、とりあえず初日のサイクリングはできなくても、二日目は晴れるみたいだし、まあ半分は乗り鉄旅だと思えばいっか……、と自分なりに気持ちを整理しての出発となりました。
今回もお約束の夜行列車に乗っての弾丸ツアーということで出発は夜になりますが、家を出る時点で外は本降りの雨……。仕方がないので家からレインウェア着用で駅に向かい、びしょびしょになった自転車とレインウェアを駅前でたたんで輪行の準備をするという、ちょっとこの先が思いやられる展開です(泣)
先のことは分からないけど、とりあえず電車に乗ってしまえば濡れるhttps://www.sportsentry.ne.jp/event/t/74713ことも無いし、まあ現地でのことは着いてから考えよう……と心を切り替えて、この日も横浜駅から臨時夜行快速"ムーンライトながら"大垣行きに乗り込んだのでした。
この日も列車は満席とのアナウンスがあり、相変わらず人気な"ムーンライトながら"ですが、そうなるとまずお隣に人が座っているわけで。今回も先客がいたので軽く挨拶を交わし、その後何となく「どちらまで行かれるのですか?」と話しかけてみたところ、何とこちらの方の目的は"乗り鉄"とのこと。
同好の士ということで、意気投合してしまうのは言わずもがな。しかもよくよく話を聞くとこちらの方、本職の鉄道員ということで、テンションが上がらないハズがありません!「類は友を呼ぶんだなぁ……」と我ながら感心しきりなのでした(涙)
そんな夜行列車内での楽しい時間はあっと言う間に過ぎ去り、早朝の大垣駅でお別れの挨拶を交わした後は、今回の目的地に向かい東海道線をさらに西へと進みます。
"ムーンライトながら"でのお喋りが過ぎて少々睡眠不足ではあったものの「一期一会ってあるよなぁ、やっぱり来て良かったなぁ」と、出発前に躊躇逡巡していたこともすっかり忘れてハッピーなテツ店長でしたが、次の米原駅から乗り込んだ"新快速"での長い乗車時間中にせっせと充電に勤しんだのでした(笑)
そんなこんなであっという間に到着したのがJR宝塚線(福知山線)の宝塚駅。少々曇り空ではありましたが、幸いなことに雨は降っておらず、何とかサイクリングがスタート出来そうで一安心!駅前で自転車を組み立てたら、さっそく福知山線に沿ってサイクリングを始めます。事前情報で"生瀬駅"を過ぎたあたりから旧線が分かれていたはず、と見当をつけていたので、線路沿いに観察しながら進んでいると、さっそく遺構が目に入ってきました!
トンネルや橋台に路盤の跡もはっきりと残っているので、この先探すのに手間はかかりません。そのままさらに進んでいくと、今度は"JR福知山線廃線敷"の標識も出てきて、やすやすと廃線までアプローチすることができました。
こちらの福知山線の旧線は、武庫川の川岸に沿って走る単線非電化の路線でしたが、1986年にトンネルで山を一直線に貫く複線電化の現在線が開通すると廃止になりました。その後ながらく放置状態でしたが、風光明媚で旧い雰囲気が評判となって、いつの頃からか人気のハイキングコースとなって、その間は自己責任という事で利用は実質黙認だったようです。
そんなハイキングコースとして人気の高まりもあったのか、もっと廃線敷を観光資源として活用しようという機運の高まりもあったのか。地元の宝塚市が整備して2016年11月、晴れて公認の遊歩道となって一般開放されて今に至っています。ただ、こちら自転車での走行はご遠慮ください、との注意もあったのでした(泣)
ですが、ここまでやってきたのだから、行ってみないのはもったいない!ということで自転車を押していくことに。100年以上前に敷かれた軌道なだけに、渓谷に沿って曲がりくねりながら、短いトンネルや橋梁で巧みに線路をつないで造られています。そのおかげで川と山が線路から非常に近く、相当に風光明媚な路線だったことが分かります。
思うに子供の頃、旧型客車の普通列車で福知山線に乗った記憶がほんのわずかに残っているのですが、きっとここも通っていった筈なんですよねぇ、景色までは覚えていませんけど……。
ということで、景色も素晴らしい廃線敷の遊歩道ですが、それ以上にテツ店長的に素晴らしいと思ったのは、必要以上に手を加えていないという点です。レールそのものは無くなっていますが、枕木やバラスト(砂利)もそのままで、トンネルや橋梁もほぼ元のまま残されていているので、ちょっと他には無い廃線としてのリアルさが残っているのがうれしい(笑)
そんな風景を押し歩きでゆったりと景色や遺構を眺めつつ歩くのは、それはそれで悪いモノではありませんでした(笑)。そして約5kmにわたる福知山線廃線敷の遊歩道は、同じく福知山線の"武田尾駅"の手前で車道となって終わるのでした。
かつての旧線はさらにこの車道上を進んで行き、次の"道場駅"手前まで行って現在線に合流していたようですが、現在この先は完全な廃線状態だそうで、武庫川を渡る橋梁もすでに撤去されてしまって一切の通行は不可能とのことでしたが……。
せっかく自転車でここまで来たのだし、次の列車まで多少の時間的余裕もあるので、行けるところまで行ってみよう!と思い立って、さらに前進してみることにしました。
現れたトンネルに入って少し進むといきなり通行止め。そこからなぜか左折方向にトンネルがくり抜かれており、どうやら曲がった先には温泉旅館があるようです。そこには無料の足湯もあるそうで、ちょっと気にはなったのですが、時間の制約もあり、とりあえずここは現場も確認できたので、Uターンして"武田尾駅"に戻ることにしました。
相変わらずどんよりした曇り空の下でいったん自転車はたたんで、ここから先は福知山線に乗って終点の"福知山駅"に向かいます。なにやら背後から雨の気配を感じつつ、約2時間かけて福知山までやって来ましたが、時すでに遅し、外はすっかり本降りの雨でした……。
ここからは若狭湾を見ながらのサイクリングを楽しみにしていましたが、まあこの雨で自転車はムリだ……ということで、急遽作戦変更!今日の目的地である"天橋立"までは"京都丹後鉄道"に乗って輪行で行くこととしました。
そうなるとまた別の血が騒ぐのが鉄道マニアの悲しい性。どうせ乗るなら"乗り鉄"も存分に楽しまねば!と言う使命感?に燃えて、あらためて時刻表を調べてみると、ちょうどこのあと観光列車が走る予定があるのを発見!ならばその列車に乗るしかないでしょう!!という展開になった次第。
しかしそうなると、出発まで約1時間半の待ち時間があります。ならば雨は降っているものの、せっかくなので福知山の鉄道スポットを覗きに行くことにします。そして場所を探しながら歩くこと約15分、やってきたのは"福知山鉄道館"なる鉄道のテーマパーク。じつはここ2018年3月末で閉館(この日は3月22日)ということで、今回ぜひ見学したいと思っていた場所だったのですね!
やっと見つけて入口へと近づいてみると、どうもか中が暗いような……。これはイヤな予感がする(汗)。そうです!テツ店長としたことがすっかり休館日を見落としていたのでした!!重たい自転車を担いでせっかくここまでやって来たのに、トホホ(泣)。あまりに悔やまれる展開にすっかり意気消沈して、駅に戻る道すがら肩に食い込む自転車が普段以上に重く感じられたのでした(涙)
ドッと疲れる福知山散歩となりましたが、ふたたび駅に戻ってくると、ホーム上には観光列車"丹後あおまつ3号"が止まっていました!古い車両ながら外観は純和風な装飾でなかなか好みな感じで、すっかり元気を取り戻す現金なテツ店長なのでした(笑)
乗車すると、車内は木を多用した温かみのある内装で落ち着きます。しかしながらこの内外装、何やら見慣れた感がありますが、さもありなんこれは鉄道業界の人気デザイナー"水戸岡鋭二"氏によるものなのですね!どうりで以前に他で乗った列車とテイストが似ているワケですね!
平日にもかかわらず、それなりの乗車率でしたが、運良くカウンター席のひとつが空いていたので、そこに腰かけて車内で淹れたオリジナルコーヒーを購入して、雨降る車窓の景色を眺めながらの時間は至福のひとときでしたね(笑)
列車は一時間足らずで本日の目的地"天橋立"に到着しました。駅ホームは木製の屋根でなかなかレトロな佇まいです。この路線、もとは1924年開業の国鉄宮津線が前身で、その後JR西日本[1987年]→北近畿タンゴ鉄道[1990年]→京都丹後鉄道[2015年]と、少々複雑な経緯を辿りながら現在に至りますが、じつは歴史のある路線なのですね!
後半のサイクリングがキャンセルとなったおかげで、予定より早く宿泊地に到着してしまいましたが、外は雨風共に強く外出もままならないので、もはやおとなしく温泉で骨休めすることにしましょうか。珍しく時間ができたので、チェックインした後は部屋で一息ついて、次は"天橋立温泉"にゆっくりと浸かってから、夕食のためにふらりと外に出てみたのですが……。
ところが有名観光地のはずが、日が暮れると街はすっかり静まり返ってしまっていました。開いているお店もほとんど無いような状況にちょっと焦りましたが、運良く開いているラーメン店を見つける事が出来、無事にご当地ラーメン?を頂くことができました(笑)
ここのラーメンがなかなかユニークで、"くじから"とは"九力"と書くらしく、この地域で作られる醤油をはじめ9種類の調味素材を独自にブレンドしたスープがウリらしいのですが、ただの醤油ラーメンとはひと味違う味は、正直クセになりまして、ここで記事を書きながらもまた行きたいなとひとり妄想しております(汗)
雨のおかげでサイクリングの予定がすっかり狂った初日でしたが、まあこれも当初予定通りだったということで、テツ店長的にはその分"乗り鉄"が充実したので結果オーライかなと……。ともあれ翌日は晴れ予報が出ていたので、明日に期待して早く寝ることにしましょう!それでは後編へ!
旅する人 河井孝介プロフィール
バイクプラス多摩センターの店長を務める49歳。前職で足かけ10年にわたる勤務を鉄道の無い(モノレール除く)沖縄県で過ごした反動からか、帰京後は輪行サイクリングの虜となり、現在は鉄道と自転車を組み合わせ、鉄道廃線跡や未成線など鉄道の歴史を辿るサイクリングをライフワークとする。鉄道趣味のジャンルは「乗り鉄」。旧国鉄型車両を心から愛し、ひそかにJR全線乗車にチャレンジ中。非常勤の防衛省職員である予備三等陸曹の身分も合わせ持っている。
全国の廃線サイクリングファンの方々こんにちは(笑)。2018年も輪行で日本中の鉄道スポットを巡ろうと画策中のテツ店長ですが、今回は一度原点に立ち返って、西日本は北近畿地方の廃線跡のサイクリングに行ってきました。
そんなテツ店長のサイクリング、振り返ると最近は天気に恵まれないことが多く、今回もまた出発前の天気予報がすこぶる悪い……。せっかくきっぷも取ったのに、行くべきか?行かざるべきか?どうしてくれよう!と直前まで相当迷ったのですが、とりあえず初日のサイクリングはできなくても、二日目は晴れるみたいだし、まあ半分は乗り鉄旅だと思えばいっか……、と自分なりに気持ちを整理しての出発となりました。
今回もお約束の夜行列車に乗っての弾丸ツアーということで出発は夜になりますが、家を出る時点で外は本降りの雨……。仕方がないので家からレインウェア着用で駅に向かい、びしょびしょになった自転車とレインウェアを駅前でたたんで輪行の準備をするという、ちょっとこの先が思いやられる展開です(泣)
先のことは分からないけど、とりあえず電車に乗ってしまえば濡れるhttps://www.sportsentry.ne.jp/event/t/74713ことも無いし、まあ現地でのことは着いてから考えよう……と心を切り替えて、この日も横浜駅から臨時夜行快速"ムーンライトながら"大垣行きに乗り込んだのでした。
この日も列車は満席とのアナウンスがあり、相変わらず人気な"ムーンライトながら"ですが、そうなるとまずお隣に人が座っているわけで。今回も先客がいたので軽く挨拶を交わし、その後何となく「どちらまで行かれるのですか?」と話しかけてみたところ、何とこちらの方の目的は"乗り鉄"とのこと。
同好の士ということで、意気投合してしまうのは言わずもがな。しかもよくよく話を聞くとこちらの方、本職の鉄道員ということで、テンションが上がらないハズがありません!「類は友を呼ぶんだなぁ……」と我ながら感心しきりなのでした(涙)
そんな夜行列車内での楽しい時間はあっと言う間に過ぎ去り、早朝の大垣駅でお別れの挨拶を交わした後は、今回の目的地に向かい東海道線をさらに西へと進みます。
"ムーンライトながら"でのお喋りが過ぎて少々睡眠不足ではあったものの「一期一会ってあるよなぁ、やっぱり来て良かったなぁ」と、出発前に躊躇逡巡していたこともすっかり忘れてハッピーなテツ店長でしたが、次の米原駅から乗り込んだ"新快速"での長い乗車時間中にせっせと充電に勤しんだのでした(笑)
そんなこんなであっという間に到着したのがJR宝塚線(福知山線)の宝塚駅。少々曇り空ではありましたが、幸いなことに雨は降っておらず、何とかサイクリングがスタート出来そうで一安心!駅前で自転車を組み立てたら、さっそく福知山線に沿ってサイクリングを始めます。事前情報で"生瀬駅"を過ぎたあたりから旧線が分かれていたはず、と見当をつけていたので、線路沿いに観察しながら進んでいると、さっそく遺構が目に入ってきました!
トンネルや橋台に路盤の跡もはっきりと残っているので、この先探すのに手間はかかりません。そのままさらに進んでいくと、今度は"JR福知山線廃線敷"の標識も出てきて、やすやすと廃線までアプローチすることができました。
こちらの福知山線の旧線は、武庫川の川岸に沿って走る単線非電化の路線でしたが、1986年にトンネルで山を一直線に貫く複線電化の現在線が開通すると廃止になりました。その後ながらく放置状態でしたが、風光明媚で旧い雰囲気が評判となって、いつの頃からか人気のハイキングコースとなって、その間は自己責任という事で利用は実質黙認だったようです。
そんなハイキングコースとして人気の高まりもあったのか、もっと廃線敷を観光資源として活用しようという機運の高まりもあったのか。地元の宝塚市が整備して2016年11月、晴れて公認の遊歩道となって一般開放されて今に至っています。ただ、こちら自転車での走行はご遠慮ください、との注意もあったのでした(泣)
ですが、ここまでやってきたのだから、行ってみないのはもったいない!ということで自転車を押していくことに。100年以上前に敷かれた軌道なだけに、渓谷に沿って曲がりくねりながら、短いトンネルや橋梁で巧みに線路をつないで造られています。そのおかげで川と山が線路から非常に近く、相当に風光明媚な路線だったことが分かります。
思うに子供の頃、旧型客車の普通列車で福知山線に乗った記憶がほんのわずかに残っているのですが、きっとここも通っていった筈なんですよねぇ、景色までは覚えていませんけど……。
ということで、景色も素晴らしい廃線敷の遊歩道ですが、それ以上にテツ店長的に素晴らしいと思ったのは、必要以上に手を加えていないという点です。レールそのものは無くなっていますが、枕木やバラスト(砂利)もそのままで、トンネルや橋梁もほぼ元のまま残されていているので、ちょっと他には無い廃線としてのリアルさが残っているのがうれしい(笑)
そんな風景を押し歩きでゆったりと景色や遺構を眺めつつ歩くのは、それはそれで悪いモノではありませんでした(笑)。そして約5kmにわたる福知山線廃線敷の遊歩道は、同じく福知山線の"武田尾駅"の手前で車道となって終わるのでした。
かつての旧線はさらにこの車道上を進んで行き、次の"道場駅"手前まで行って現在線に合流していたようですが、現在この先は完全な廃線状態だそうで、武庫川を渡る橋梁もすでに撤去されてしまって一切の通行は不可能とのことでしたが……。
せっかく自転車でここまで来たのだし、次の列車まで多少の時間的余裕もあるので、行けるところまで行ってみよう!と思い立って、さらに前進してみることにしました。
現れたトンネルに入って少し進むといきなり通行止め。そこからなぜか左折方向にトンネルがくり抜かれており、どうやら曲がった先には温泉旅館があるようです。そこには無料の足湯もあるそうで、ちょっと気にはなったのですが、時間の制約もあり、とりあえずここは現場も確認できたので、Uターンして"武田尾駅"に戻ることにしました。
相変わらずどんよりした曇り空の下でいったん自転車はたたんで、ここから先は福知山線に乗って終点の"福知山駅"に向かいます。なにやら背後から雨の気配を感じつつ、約2時間かけて福知山までやって来ましたが、時すでに遅し、外はすっかり本降りの雨でした……。
ここからは若狭湾を見ながらのサイクリングを楽しみにしていましたが、まあこの雨で自転車はムリだ……ということで、急遽作戦変更!今日の目的地である"天橋立"までは"京都丹後鉄道"に乗って輪行で行くこととしました。
そうなるとまた別の血が騒ぐのが鉄道マニアの悲しい性。どうせ乗るなら"乗り鉄"も存分に楽しまねば!と言う使命感?に燃えて、あらためて時刻表を調べてみると、ちょうどこのあと観光列車が走る予定があるのを発見!ならばその列車に乗るしかないでしょう!!という展開になった次第。
しかしそうなると、出発まで約1時間半の待ち時間があります。ならば雨は降っているものの、せっかくなので福知山の鉄道スポットを覗きに行くことにします。そして場所を探しながら歩くこと約15分、やってきたのは"福知山鉄道館"なる鉄道のテーマパーク。じつはここ2018年3月末で閉館(この日は3月22日)ということで、今回ぜひ見学したいと思っていた場所だったのですね!
やっと見つけて入口へと近づいてみると、どうもか中が暗いような……。これはイヤな予感がする(汗)。そうです!テツ店長としたことがすっかり休館日を見落としていたのでした!!重たい自転車を担いでせっかくここまでやって来たのに、トホホ(泣)。あまりに悔やまれる展開にすっかり意気消沈して、駅に戻る道すがら肩に食い込む自転車が普段以上に重く感じられたのでした(涙)
ドッと疲れる福知山散歩となりましたが、ふたたび駅に戻ってくると、ホーム上には観光列車"丹後あおまつ3号"が止まっていました!古い車両ながら外観は純和風な装飾でなかなか好みな感じで、すっかり元気を取り戻す現金なテツ店長なのでした(笑)
乗車すると、車内は木を多用した温かみのある内装で落ち着きます。しかしながらこの内外装、何やら見慣れた感がありますが、さもありなんこれは鉄道業界の人気デザイナー"水戸岡鋭二"氏によるものなのですね!どうりで以前に他で乗った列車とテイストが似ているワケですね!
平日にもかかわらず、それなりの乗車率でしたが、運良くカウンター席のひとつが空いていたので、そこに腰かけて車内で淹れたオリジナルコーヒーを購入して、雨降る車窓の景色を眺めながらの時間は至福のひとときでしたね(笑)
列車は一時間足らずで本日の目的地"天橋立"に到着しました。駅ホームは木製の屋根でなかなかレトロな佇まいです。この路線、もとは1924年開業の国鉄宮津線が前身で、その後JR西日本[1987年]→北近畿タンゴ鉄道[1990年]→京都丹後鉄道[2015年]と、少々複雑な経緯を辿りながら現在に至りますが、じつは歴史のある路線なのですね!
後半のサイクリングがキャンセルとなったおかげで、予定より早く宿泊地に到着してしまいましたが、外は雨風共に強く外出もままならないので、もはやおとなしく温泉で骨休めすることにしましょうか。珍しく時間ができたので、チェックインした後は部屋で一息ついて、次は"天橋立温泉"にゆっくりと浸かってから、夕食のためにふらりと外に出てみたのですが……。
ところが有名観光地のはずが、日が暮れると街はすっかり静まり返ってしまっていました。開いているお店もほとんど無いような状況にちょっと焦りましたが、運良く開いているラーメン店を見つける事が出来、無事にご当地ラーメン?を頂くことができました(笑)
ここのラーメンがなかなかユニークで、"くじから"とは"九力"と書くらしく、この地域で作られる醤油をはじめ9種類の調味素材を独自にブレンドしたスープがウリらしいのですが、ただの醤油ラーメンとはひと味違う味は、正直クセになりまして、ここで記事を書きながらもまた行きたいなとひとり妄想しております(汗)
雨のおかげでサイクリングの予定がすっかり狂った初日でしたが、まあこれも当初予定通りだったということで、テツ店長的にはその分"乗り鉄"が充実したので結果オーライかなと……。ともあれ翌日は晴れ予報が出ていたので、明日に期待して早く寝ることにしましょう!それでは後編へ!
旅する人 河井孝介プロフィール
バイクプラス多摩センターの店長を務める49歳。前職で足かけ10年にわたる勤務を鉄道の無い(モノレール除く)沖縄県で過ごした反動からか、帰京後は輪行サイクリングの虜となり、現在は鉄道と自転車を組み合わせ、鉄道廃線跡や未成線など鉄道の歴史を辿るサイクリングをライフワークとする。鉄道趣味のジャンルは「乗り鉄」。旧国鉄型車両を心から愛し、ひそかにJR全線乗車にチャレンジ中。非常勤の防衛省職員である予備三等陸曹の身分も合わせ持っている。
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