2018/04/18(水) - 09:05
PLAYatre土浦のオープンによって、俄然注目が集まるつくば・霞ケ浦エリア。つくばりんりんロードによって簡単にアクセスでき、誰でも楽しく走ることが出来る絶好のロケーションが広がっていた。その様子をレポートしていこう。
青空と薄紅色の桜とが互いに引き立てあっう 絶好のライドシーズンにつくばりんりんロードを堪能した
東京駅から常磐線で1時間15分。特急を使えば50分で到着する土浦駅。いわば通勤圏内でもあるほど身近な距離でありつつも、北に筑波山、東に霞ケ浦と変化に富んだ地形が広がり、週末には様々なアクティビティを求めて多くの人が訪れる観光地でもある。
中でも、旧筑波線の遺構を利用した「つくばりんりんロード」は全長約40kmにわたって続く長大な自転車道であり、のびのびとライドを楽しむことが出来るコースとして、関東のサイクリストに親しまれている。土浦駅から筑波山の西麓を通り、水戸線の岩瀬駅まで伸びていることもあり、ワンウェイの輪行ツーリングにもぴったり。
宇都宮ブリッツェンの廣瀬GMと一緒にスタート
今回PLAYatre土浦のオープニングイベントとして設定されたのは、桜川市の真壁までを往復する約50kmほどのライド。朝早くから、PLAYatre土浦のオープンを祝って様々なブランドの出展テントが並ぶ土浦市役所横の広場に、30名ほどのサイクリストが集まってくる。輪行してきたという方もいれば、車でやってきた方も。
取材で訪れた私も今回は輪行で。編集部のある東京西部からならば、圏央道でアクセスするのも便利なのだけれど、そこはPLAYatre土浦の使い勝手も試してみたい、ということで電車をチョイス。特急ひたちに揺られて、土浦駅にたどり着いた。
土浦駅前のロータリーを通り過ぎたらすぐにつくばりんりんロードだ
線路沿いの道にはブルーのラインが引かれている
わかりやすい看板が立てられているので、迷う心配も少ない
いつもなら駅前の広場で輪行解除するところだけれど、今回は地下の駐輪場の一角で人目を気にせず作業し、更衣室で着替えた後、余計な荷物をロッカーに預けて会場へ。なんとこれらの施設は朝5時から夜1時までやっているのだという。つまり、始発から終電まで。そんなところからも、本気度が窺えようというもの。
今回は、レンタサイクルでの参加も可能となっており、ル・サイクで借りたスポーツバイクと共に会場に現れる人も。ゲストライダーである宇都宮ブリッツェンの廣瀬GMと那須ブラ―ゼンの若杉社長らが事前に走行上の注意や簡単な点検を呼び掛けた後、2班に分かれてさっそくスタート!ちなみに筆者、つくばりんりんロードを走るのは初めて。すこし前に「猪が出ておじいさんを襲った」なんてニュースを見ていたこともあり、少しドキドキしつつ走り出すのだった。
車止めも頻繁に登場するが、ゆったりしたペースのライドであれば気にはならない
すぐそこにまで桜の枝ぶりが迫ってくる
さて、いきなり驚かされたのがアプローチの簡単さ。廃線を利用しているというのだからある意味当たり前なのだけれど、土浦駅前からスタートして100mほどでサイクリングロードに入ることができるとは。サイクリングロードといえば、アクセスしやすさなんて考えてもいない河川敷にあるものだと思っている私からすれば、「え?もうりんりんロードなの?ホントにござるかー?」と疑ってしまったのは仕方のないことだろう。
とにかく、この近さだけで土浦駅がライドの拠点にぴったりなのは納得。でも、便利なだけじゃあわざわざサイクリングに訪れようとは思えないわけで、肝心のコースの魅力はいかがなものか?それではお手並み拝見、とばかりに走り出した。
次々に現れる桜のトンネル 地元の方も花見に来ているのでゆっくり
ちょっと斜に構えた感じの私をさっそく迎えてくれたのが、圧倒的な桜並木。陳腐な表現だけれど、まさにピンクのトンネルが延々と続く区間が何か所も現れる。一緒に走っている皆さんからも感嘆の声が漏れ聞こえてくる。
車道と交錯する部分を中心に、ところどころに減速のための車止めが現れるけれど、そこまで気になることもない。もっとスピードを出して走りたい、という人は並走する農道なども交通量が少なめで、人によって選ぶルートの自由度も高そうだ。見通しが良くと自動車の少ない区間ではDHバーを握ったトライアスリートが並行する道を往復していたり、様々な楽しみ方が出来るエリアなのだと感じた。
藤沢休憩所ではハスの実が入ったどら焼きをいただきました。栗のような味で美味しいんですよ!
各休憩所に設置されている看板 駅構内にありそうなデザインがいいですよね
しばらくいくと、藤沢休憩所に。筑波線の駅であった構造物をそのまま休憩所として用いているのがつくばりんりんロードの特徴の一つで、次の休憩所の名称と距離が描かれた看板などは、いかにも駅構内で見かけそうなもの。電車が好きな人にもたまらないのではないだろうか?
藤沢休憩所からさらに北に向かっていくと、お城の跡地と思しきスポットが。常陸国南部を中心に勢力を誇った小田氏の居城であった小田城周辺では、枝垂れ桜が美しい。バリエーション豊かな並木を楽しみながら、筑波休憩所へ。
大ぶりな桜が見ごろを迎えていた筑波休憩所
なんと備え付けのフロアポンプがあるつくば休憩所
筑波山をバックにみんなで集合! こんなにも近いとヒルクライマーはたまらなくなっちゃうかも
筑波山もほど近い筑波休憩所にはたくさんのサイクリストの姿が。一角にはサイクルメンテナンスカフェなんてスポットもあり、多くの自転車乗りがここをベースにしているのだと伝わってくる。この休憩所にはなんと備え付けのフロアポンプまである。もちろんスポーツバイク用にフレンチバルブに対応したもので、ちょっと空気が甘かったかな?なんて時にも安心だ。
ここから真壁休憩所までは、少し公道を経由して、再びサイクリングロードへ。並木道が多かったこれまでの区間に比べて、視界が開けているのがこのあたりの特徴だ。筑波の山々を右手に眺めつつ、ゆったりと走っていくと、いきなり現れるのが凹凸区間。
つくばの山々をバックに走っていく スケール感が大きな景色が楽しめる
平坦で刺激が少ない中、想像以上に面白く感じる凹凸区間
この日のランチは溶岩窯パン工房Makapanの照り焼きハンバーガーとアップルパイ
凹凸区間といっても、がたがた振動が来るような舗装がされているわけでは無くて、おとなしめのパンプトラックのようなもの。ずっと平坦で刺激が少ない中、この凹凸区間は想像以上に面白く感じる。そんなこんなで辿り着いた真壁休憩所でいただいたのは、溶岩窯パン工房Makapanの照り焼きハンバーガーとアップルパイ。程よい距離に程よい昼食を楽しみ、土浦駅へと折り返す帰路へとついたのだった。
土浦駅へと戻った後、メイン会場では完走証の発行も!短めのライドとはいえ、やっぱりこういうのは嬉しいもの。実際、かなりの満足感あるイベントで、参加者の方もそれぞれ楽しまれていた様子。「ほとんど初めてのライドイベントでしたけど、とても楽しめました!桜もキレイだったし、平坦で走りやすくて良かったです」とお二人で参加されていた立岩さんご夫妻が語るように、ビギナーもしっかりと楽しめるのがつくばりんりんロードの魅力。もちろん、筑波山へ足を延ばせば、ベテランライダーも満足できるロケーションなので、どんなレベルのサイクリストにとっても、魅力的なエリアといえる。PLAYatre土浦のオープンも相まって、より多くのサイクリストが身近に走ることができるようになるはず。自転車に興味はあるけれど、登りはきつそうでいやだ、という友達などを誘うにもぴったりだろう。
もう少しで土浦駅へ到着です
完走証まで発行してくれるイベントでした! こちらの立岩ご夫妻、奥様はほぼ初めてのロングライドだったのだとか
豪華賞品が当たるじゃんけん大会も行われていました
さて、会場では出展社の皆さんから様々な商品が当たるじゃんけん大会や、ニューバイクに乗ることが出来る試乗会などが行われており、こちらも大盛況。さらに、地元の商工会の皆さんとゲストライダーによるトークショーなども行われ、盛り上がりのうちに1日目は幕を閉じた。
これらのステージイベントの様子は、日曜日に行われた霞ケ浦を巡る水郷サイクリングのレポートと共にお届けします。お楽しみに。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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中でも、旧筑波線の遺構を利用した「つくばりんりんロード」は全長約40kmにわたって続く長大な自転車道であり、のびのびとライドを楽しむことが出来るコースとして、関東のサイクリストに親しまれている。土浦駅から筑波山の西麓を通り、水戸線の岩瀬駅まで伸びていることもあり、ワンウェイの輪行ツーリングにもぴったり。
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取材で訪れた私も今回は輪行で。編集部のある東京西部からならば、圏央道でアクセスするのも便利なのだけれど、そこはPLAYatre土浦の使い勝手も試してみたい、ということで電車をチョイス。特急ひたちに揺られて、土浦駅にたどり着いた。
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今回は、レンタサイクルでの参加も可能となっており、ル・サイクで借りたスポーツバイクと共に会場に現れる人も。ゲストライダーである宇都宮ブリッツェンの廣瀬GMと那須ブラ―ゼンの若杉社長らが事前に走行上の注意や簡単な点検を呼び掛けた後、2班に分かれてさっそくスタート!ちなみに筆者、つくばりんりんロードを走るのは初めて。すこし前に「猪が出ておじいさんを襲った」なんてニュースを見ていたこともあり、少しドキドキしつつ走り出すのだった。
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とにかく、この近さだけで土浦駅がライドの拠点にぴったりなのは納得。でも、便利なだけじゃあわざわざサイクリングに訪れようとは思えないわけで、肝心のコースの魅力はいかがなものか?それではお手並み拝見、とばかりに走り出した。
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車道と交錯する部分を中心に、ところどころに減速のための車止めが現れるけれど、そこまで気になることもない。もっとスピードを出して走りたい、という人は並走する農道なども交通量が少なめで、人によって選ぶルートの自由度も高そうだ。見通しが良くと自動車の少ない区間ではDHバーを握ったトライアスリートが並行する道を往復していたり、様々な楽しみ方が出来るエリアなのだと感じた。
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藤沢休憩所からさらに北に向かっていくと、お城の跡地と思しきスポットが。常陸国南部を中心に勢力を誇った小田氏の居城であった小田城周辺では、枝垂れ桜が美しい。バリエーション豊かな並木を楽しみながら、筑波休憩所へ。
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筑波山もほど近い筑波休憩所にはたくさんのサイクリストの姿が。一角にはサイクルメンテナンスカフェなんてスポットもあり、多くの自転車乗りがここをベースにしているのだと伝わってくる。この休憩所にはなんと備え付けのフロアポンプまである。もちろんスポーツバイク用にフレンチバルブに対応したもので、ちょっと空気が甘かったかな?なんて時にも安心だ。
ここから真壁休憩所までは、少し公道を経由して、再びサイクリングロードへ。並木道が多かったこれまでの区間に比べて、視界が開けているのがこのあたりの特徴だ。筑波の山々を右手に眺めつつ、ゆったりと走っていくと、いきなり現れるのが凹凸区間。
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土浦駅へと戻った後、メイン会場では完走証の発行も!短めのライドとはいえ、やっぱりこういうのは嬉しいもの。実際、かなりの満足感あるイベントで、参加者の方もそれぞれ楽しまれていた様子。「ほとんど初めてのライドイベントでしたけど、とても楽しめました!桜もキレイだったし、平坦で走りやすくて良かったです」とお二人で参加されていた立岩さんご夫妻が語るように、ビギナーもしっかりと楽しめるのがつくばりんりんロードの魅力。もちろん、筑波山へ足を延ばせば、ベテランライダーも満足できるロケーションなので、どんなレベルのサイクリストにとっても、魅力的なエリアといえる。PLAYatre土浦のオープンも相まって、より多くのサイクリストが身近に走ることができるようになるはず。自転車に興味はあるけれど、登りはきつそうでいやだ、という友達などを誘うにもぴったりだろう。
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これらのステージイベントの様子は、日曜日に行われた霞ケ浦を巡る水郷サイクリングのレポートと共にお届けします。お楽しみに。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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