2017/09/30(土) - 07:30
自転車と鉄道、二つを愛する「テツ店長」ことバイクプラス多摩センターの河井孝介さんの輪行サイクリング紀行。今回は就役60周年を迎えた小田急ロマンスカーを使った輪行ライドです。
関東の駅100選にも選ばれた"高尾駅"の北口駅舎は1927年竣工の社寺風デザインで重厚な趣き photo:Kosuke.Kawai
みなさんこんにちは!テツ店長です!!最近一部では自転車担いだ鉄道マニアでは?と言う評を頂いているとかいないとか……。まあそんなことはどうでも良いのですが、今回は普段から輪行でお世話になることも多い、小田急ロマンスカーが就役から60周年を迎えたとのことで、勝手にロマンスカー記念ライドと銘打って、輪行サイクリングに行って来ました♪
今回のテーマである小田急ロマンスカーですが、その歴史は1957年に華々しくデビュしたの3000形SE車から始まったのでした。このSE車の語源はSuperExpressの略で、まあ何のことのない特急車というごくフツーの名前だったりはするのですが、このSE車の本当のスゴさは当時の狭軌鉄道世界最高速度145kmを記録し、その後の新幹線開発の礎になったという、日本鉄道史上に燦然と輝く名車なのです!
歴史の生き証人。駅ホームの柱には太平洋戦争当時に受けた銃撃の痕跡が今も残る photo:Kosuke.Kawaiおっと、ついつい熱くなってしまいましたが、そんな小田急ロマンスカーも現在8代目が営業運転中で、来年には9代目の新型70000形がデビューするそうで……。かく言うテツ店長は神奈川県育ちといういうことで、小田急ロマンスカーには子供の頃から馴染みも深く、その就役60周年という節目にもまた感慨ひとしおなのです(涙)
ということで、今回は往復わざわざ輪行で新旧のロマンスカー車両に乗車して敬意を表そうという、完全自己満足系ライドを企画して張り切って行ってきました。
都内で見る青い帯の長野色はちょっと新鮮かも?平日9時台の下り始発列車はさすがに空いていました photo:Kosuke.Kawaiこの日やってきたのはJR中央本線の高尾駅。なぜか小田急線とは全然違う方向ですが、まずはここから甲府・松本方面の下り普通列車に自転車と一緒に乗り込みます。電車に揺られること約30分、到着した大月駅で今度は富士急行線に乗り換えです。
ここ富士急行線の大月駅ホームで待っていたのは、もと小田急ロマンスカー"RSE"こと20000形車両でした!残念ながら小田急線からは2012年に引退してしまいましたが、その後は富士急行電鉄に譲渡されて、現在は"フジサン特急"となって、大月~河口湖間で第二の人生?を送っているのでした。
ホームで車両をあらためて観察してみると、外観は全面に落書き風の富士山のイラストが描かれてイメージは大きく変わってしまっていますが、車内にはデビューしたその年の最優秀車両に贈られる"ブルーリボン賞"のエンブレムが誇らしげに貼られており、今でもこの車両が血統の良さをさり気なく物語っています。
フジサン特急となったもと小田急ロマンスカー20000形には、58種類の富士山が描かれていました(笑) photo:Kosuke.Kawai
残念ながら小田急での現役時代にはこの車両には乗る機会が無かったもので、初乗車に相当ワクワクしながら乗車してみると……。この日の"フジサン特急"車内は大混雑!しかも乗客の大半は外国人の観光客で、日本人のワタシの方が完全にアウェー状態という、ちょっと予想外の展開に面食らってしまいました。
それにしても富士山人気は凄いものだなぁなどと混雑した車内で感心しているのもつかの間、列車は静かに動き出しました。しばらくはデッキで大人しくしていたテツ店長でしたが、初乗車の元ロマンスカー車両ということでじっとしていられるハズもなく、混雑はしていたものの、車内探検のために体を小さくしながら移動して、何とか先頭車両前方の展望スペースまでに辿り着きました。
前面展望席は、オリジナルのロマンスカーには無かった特別仕様。じつは後側の自由席は通路まで人がいっぱい! photo:Kosuke.Kawai
平日だからと高を括って乗車してみると、車内は外国人旅行者でいっぱい!富士山の集客力ってスゴい… photo:Kosuke.Kawai
その年の最優秀と認められた鉄道車両に授与される"ブルーリボン賞"のエンブレム photo:Kosuke.Kawai
するとここが抜群の前方展望を誇るの特等席だったわけで、しかもこの展望席だけは自由席にもかかわらず人もまばらで(外国人の乗客にはここに座って良いのか判断がつかなかったのかも?)、図らずも最高の席を得てしばし前面かぶりつきで車窓の風景を楽しんだのでした。
この富士急行線ですが、大月駅を出ると富士山麓の街"富士吉田"までひたすら急勾配を上って行くのが見ていて良く分かります。大月駅から終点の河口湖駅までで約500メートルを一気に上ってしまうというのですら、もはや登山鉄道と言っても良いクライマーぶりで、輪行サイクリスト的には非常にありがたい鉄道です(笑)
下吉田駅構内で展示されているブルートレイン客車は、富士山つながりで寝台特急"富士"のヘッドマーク付き! photo:Kosuke.Kawai
スイッチバック構造の富士山駅で下車。フジサン特急のイラストはよくよく観察するとけっこう面白い(笑) photo:Kosuke.Kawai
駅前に鳥居がそそり立つ富士山駅は、鉄道業界で人気のデザイナー"水戸岡鋭治さんの手によるもの photo:Kosuke.Kawai
景色を眺めていると、リニア中央新幹線の実験線をくぐり、ときどき姿を見せてくれる富士山を眺めたり、途中駅の"下吉田駅"通過時には保存展示されている、かつて東京~大分間を走っていた寝台特急"富士"のブルートレイン客車を発見したりと、鉄分豊富で見ていて飽きることがありません!
そんなこんなで約40分の楽しい列車の旅はあっという間に過ぎ去って、いよいよ降車駅の"富士山駅"に到着しました。ちょっと名残惜しいですが、ここからは気持ちを切り替えてサイクリングを楽しむこととしましょう♪♪
屋号も出していない地味な外観ながら、店内は地元客いつも賑わっている食堂おおもり photo:Kosuke.Kawai標高809mの富士山駅から、まずは富士五湖を代表する山中湖めざしてスタートです。さすがに標高が高いだけあって、空気は爽やかで上々のサイクリング日和でしたが、ここからめざす箱根まではまだ先が長いので、今回もまた早めの昼食で腹ごしらえを先に済ますことにしましょう。
やってきたのは、地元の方たちでにぎわう食堂の"おおもり"。たぶん店の名前とは関係ないですが、ここも前回と負けず劣らずの大盛りカツ丼が評判のお店なので、ここは迷わずカツ丼¥500を注文してみました。
どうですこの盛りは?!食欲をそそるというか、闘いを挑まれているような心境になる一品 photo:Kosuke.Kawaiすると出てきたのは、これまた期待を裏切らない山盛りのカツの乗ったどんぶりでした!飾り気は全くありませんが、甘口の煮かつが何やら懐かしいお味です。しかしそれより実際にこれ完食できるのか?そっちの方が心配になってしまいましたが(笑)
まあそんな不安も杞憂に終わり、ぺろりと一杯平らげたところで、さっさとサイクリング再開です!この日は雲が多く、残念ながら富士山の全景を拝むことはできませんでしたが、湖畔の景色がきれいな山中湖のサイクリングロードを半周して、本日一つ目の峠"籠坂峠"を越えてゆきます。
1104mの高さにある籠坂峠を過ぎると、あとは富士山の裾野をひたすら下っていきます。標高も高いのでダウンヒル走行しているとかなりの寒さです!仕方がないので途中ウインドブレーカーを着用して寒さをしのぎながらの下り区間となりました。
湖畔に沿って一周できる山中湖のサイクリングロードは、天気が良ければ富士山が一望できるのですが… photo:Kosuke.Kawai
山中湖側からの短い上りで頂上に達すると、あとは御殿場までのひたすら長い下りが続きます photo:Kosuke.Kawai
そろそろ下りにも飽きてきた頃に御殿場の市街にやってきました。長い下りでカラダも強ばってしまったし、ちょっと休憩を入れたい気分ということで、JR御殿場駅にちょっと寄り道をしてゆくことに。
とか言って、まあ何のことはない、駅に保存されているSLが見てみたかっただけのですが(笑)今はすっかりローカル線風情の御殿場線ですが、歴史を紐解くとかつては栄華を極めた時代もあり、現東海道本線・熱海~函南間の丹那トンネルが開通する1934年までは、国府津~沼津間の現御殿場線ルートが東海道本線として利用されていました。
JR御殿場駅前に鎮座するD52型蒸気機関車は日本一の力持ちSL!野外展示ながら綺麗な状態に保たれています♪♪ photo:Kosuke.Kawai
近寄って見上げて見るとその巨大さに圧倒される photo:Kosuke.Kawai
当時の技術的な問題から、長大トンネルを避けた峠越えルートをとったことで、長い勾配区間が続くことととなり、東海道本線の難所となってしまったのでした。そのために用意されたのが、こちらに展示されている日本最大かつ最強のD52形蒸気機関車なのでした!
ということで、近寄って見てみるとこれが本当にデカい!これまで様々なSLを見たり乗ったりしてきましたが、これはケタ違いと言っても過言ではないボリューム感です!!すっかり夢中になって運転台などいろいろ観察していましたが、雲行きと時間も気になってきたので、そろそろ先にすすむことにしましょう。
ここ御殿場から、いよいよ天下の険"箱根"の山を上ってゆかなければなりません。ちょっと気合を入れなおしつつ、水分補給なども済ませてヒルクライムスタートです!
箱根裏街道と呼ばれる、ここ"乙女峠"の上り区間は7kmとちょっとですが、いやはやなかなか上りごたえのある坂でございました。天気さえ良ければ、ここ"乙女峠"からの富士山の眺めも素晴らしいはずですが、いかんせんこの日は雲が多く、残念ながら霊峰富士のお姿はお預けとなってしましました(泣)
やっとのことでたどり着いた乙女峠は、思ったよりしんどい上り区間が続いたのでありました(泣) photo:Kosuke.Kawai
晴れていれば、ここから富士山が拝めたはずなんだけど… photo:Kosuke.Kawai
湖上に突き出した箱根神社"平和の鳥居"にて。ここも外国人観光客に人気のスポットみたいです photo:Kosuke.Kawai
元箱根港にて。時間も押し気味なのに加えて、今にも泣き出しそうな空に気が気でないのでした… photo:Kosuke.Kawai
それよりだんだんと上空に黒い雲が垂れ込めてきて、逆に雨の心配が出てくることに……。この先は山の天気でいつ雨が降ってきても不思議はなさそうだったので、とりあえずは先を急いで逃げ切ってしまおう!ということになり、すり減った脚にムチ打って気力で箱根の山中に分け入ったのでした(泣)
そんなこんなで、やや急ぎ足の箱根巡りとなりましたが、実は自転車で芦ノ湖までやって来たのは今回が初めてで、アップダウンが連続するも景色が全く見えない湖畔のサイクリングロード(泣)や、どこかで見おぼえのある湖上の鳥居があったりなど、それなりに発見の多い新鮮な時間を過ごすことができました。
その後は旧東海道、いわゆる箱根七曲りを下って、サイクリング終点の箱根湯本駅へ。これまた初の箱根旧道でしたが、これ上りだったら相当手ごわそうですね。とりあえず今回は下りで良かったということで、ここはいつか上りにもチャレンジしに来てみましょうね(笑)
急ぎ足で山を下ってきたら、ささっと自転車を畳んで駅ホームに向かいます。改札口を通ってホームへ下っていくと、ちょうどこれから乗車するロマンスカーが入線してきました!とりあえず間に合ってよかった……。
これぞ"小田急ロマンスカー60周年"記念ヘッドマーク!初代SE車3000形のイラストが泣ける photo:Kosuke.Kawai
超貴重な復刻ユニフォームの勢揃いショット!焦りすぎて画像の色がおかしくなっちゃいました(泣) photo:Kosuke.Kawai
それでは乗車してお楽しみに時間を過ごすこととしましょうね(笑) photo:Kosuke.Kawai
今回はこちらの50000形VSEを使用した"はこね30号"が、"60周年記念"列車として2日間限定で運行されるとのことで、万難を排してでもこの列車には乗らなければならない、という気合いでここまで向かって走ってきたのです!
この列車内では昔のロマンスカーを再現するという演出がされており、アテンダントさんが懐かしの制服を着て、かつて「走る喫茶室」と呼ばれたシートサービスで、これまたなつかしのメニューを出してくれるという、昔を知るおじさん世代にはたまらないサービスが満載だというのだからたまりません!
自転車を積みやすいように、あらかじめ最後部の座席を取っておくという段取りの良さで、はや列車の出発が待ちきれないといったところでしたが、こちらの白いロマンスカー50000形VSEも、朝に乗った先輩格の20000形RSEと同じく栄えある"ブルーリボン賞"受賞車ということで、何やらワクワクさせるオーラを感じてしまうのは、ワタシだけでしょうか?
15:27定刻に列車が出発すると間もなく、昭和感いっぱいのユニフォームに身をつつんだアテンダントさんがやってきたので、さっそく懐かしのメニューを注文してみることに。シートサービスということで、喫茶店と同じように注文した商品を、アテンダントさんが座席まで運んできてくれるという手厚いサービスがちょっとうれしいですね♪♪
この日のために一か月前から手配しておいたキップは、抜かりなく輪行ポジションの最後部座席を指定! photo:Kosuke.Kawai
こちらのロマンスカーVSE・50000形も栄えあるブルーリボン賞受賞車!小田急の車両のは受賞率高いです!! photo:Kosuke.Kawai
シートサービスで座席まで運んで来てもらった昭和のメニュー!お持ち帰りのグラスは我が家の家宝とします(笑) photo:Kosuke.Kawai
丹沢の山々を背にした田園地帯の景色は今も昔も変わらない photo:Kosuke.Kawai
出てきたのは森永プリンと森永アイスココアというこれまた昭和な内容で、たしか昔はこんなだったよなぁ……、などと懐かしい記憶を呼び起こします。そう言えば使用しているカップも当時のまま!これは本当に懐かしくておじさん涙が出そうでした。
しかもこちらのカップはお持ち帰りOKということで、わざわざお持ち帰り用の梱包材も用意して頂き、後生大事に家まで持って帰って、今こうして記事を書いている時も傍らにいることは言うまでもありません♪♪
ということで、今回の勝手にロマンスカー記念ライドも無事終了することができ、まずはめでたしめでたしでした。時間の制約もあってちょっと駆け足のサイクリングとなりましたが、ミッションをコンプリートできて自己満足的には最高な一日となりました(笑)
最近の鉄道会社さん、楽しいイベントや観光列車などの話題作りが本当に上手ですね!これからもまた自転車を絡めていっしょに遊ぶこのスタイルで、楽しんでければと思うテツ店長なのでした。
次回は節目の第10回連載!特別ゲストをお迎えして、これまたいつも通りの鉄分多め輪行ライドでお送りする予定ですので、皆様楽しみにしていてください♪♪
河井 孝介 旅する人 河井孝介プロフィール
バイクプラス多摩センターの店長を務める48歳。前職で足かけ10年にわたる勤務を鉄道の無い(モノレール除く)沖縄県で過ごした反動からか、帰京後は輪行サイクリングの虜となり、現在は鉄道と自転車を組み合わせ、鉄道廃線跡や未成線など鉄道の歴史を辿るサイクリングをライフワークとする。鉄道趣味のジャンルは「乗り鉄」。旧国鉄型車両を心から愛し、ひそかにJR全線乗車にチャレンジ中。非常勤の防衛省職員である予備三等陸曹の身分も合わせ持っている。
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みなさんこんにちは!テツ店長です!!最近一部では自転車担いだ鉄道マニアでは?と言う評を頂いているとかいないとか……。まあそんなことはどうでも良いのですが、今回は普段から輪行でお世話になることも多い、小田急ロマンスカーが就役から60周年を迎えたとのことで、勝手にロマンスカー記念ライドと銘打って、輪行サイクリングに行って来ました♪
今回のテーマである小田急ロマンスカーですが、その歴史は1957年に華々しくデビュしたの3000形SE車から始まったのでした。このSE車の語源はSuperExpressの略で、まあ何のことのない特急車というごくフツーの名前だったりはするのですが、このSE車の本当のスゴさは当時の狭軌鉄道世界最高速度145kmを記録し、その後の新幹線開発の礎になったという、日本鉄道史上に燦然と輝く名車なのです!
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ということで、今回は往復わざわざ輪行で新旧のロマンスカー車両に乗車して敬意を表そうという、完全自己満足系ライドを企画して張り切って行ってきました。
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ここ富士急行線の大月駅ホームで待っていたのは、もと小田急ロマンスカー"RSE"こと20000形車両でした!残念ながら小田急線からは2012年に引退してしまいましたが、その後は富士急行電鉄に譲渡されて、現在は"フジサン特急"となって、大月~河口湖間で第二の人生?を送っているのでした。
ホームで車両をあらためて観察してみると、外観は全面に落書き風の富士山のイラストが描かれてイメージは大きく変わってしまっていますが、車内にはデビューしたその年の最優秀車両に贈られる"ブルーリボン賞"のエンブレムが誇らしげに貼られており、今でもこの車両が血統の良さをさり気なく物語っています。
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それにしても富士山人気は凄いものだなぁなどと混雑した車内で感心しているのもつかの間、列車は静かに動き出しました。しばらくはデッキで大人しくしていたテツ店長でしたが、初乗車の元ロマンスカー車両ということでじっとしていられるハズもなく、混雑はしていたものの、車内探検のために体を小さくしながら移動して、何とか先頭車両前方の展望スペースまでに辿り着きました。
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この富士急行線ですが、大月駅を出ると富士山麓の街"富士吉田"までひたすら急勾配を上って行くのが見ていて良く分かります。大月駅から終点の河口湖駅までで約500メートルを一気に上ってしまうというのですら、もはや登山鉄道と言っても良いクライマーぶりで、輪行サイクリスト的には非常にありがたい鉄道です(笑)
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そんなこんなで約40分の楽しい列車の旅はあっという間に過ぎ去って、いよいよ降車駅の"富士山駅"に到着しました。ちょっと名残惜しいですが、ここからは気持ちを切り替えてサイクリングを楽しむこととしましょう♪♪
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1104mの高さにある籠坂峠を過ぎると、あとは富士山の裾野をひたすら下っていきます。標高も高いのでダウンヒル走行しているとかなりの寒さです!仕方がないので途中ウインドブレーカーを着用して寒さをしのぎながらの下り区間となりました。
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とか言って、まあ何のことはない、駅に保存されているSLが見てみたかっただけのですが(笑)今はすっかりローカル線風情の御殿場線ですが、歴史を紐解くとかつては栄華を極めた時代もあり、現東海道本線・熱海~函南間の丹那トンネルが開通する1934年までは、国府津~沼津間の現御殿場線ルートが東海道本線として利用されていました。
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ということで、近寄って見てみるとこれが本当にデカい!これまで様々なSLを見たり乗ったりしてきましたが、これはケタ違いと言っても過言ではないボリューム感です!!すっかり夢中になって運転台などいろいろ観察していましたが、雲行きと時間も気になってきたので、そろそろ先にすすむことにしましょう。
ここ御殿場から、いよいよ天下の険"箱根"の山を上ってゆかなければなりません。ちょっと気合を入れなおしつつ、水分補給なども済ませてヒルクライムスタートです!
箱根裏街道と呼ばれる、ここ"乙女峠"の上り区間は7kmとちょっとですが、いやはやなかなか上りごたえのある坂でございました。天気さえ良ければ、ここ"乙女峠"からの富士山の眺めも素晴らしいはずですが、いかんせんこの日は雲が多く、残念ながら霊峰富士のお姿はお預けとなってしましました(泣)
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そんなこんなで、やや急ぎ足の箱根巡りとなりましたが、実は自転車で芦ノ湖までやって来たのは今回が初めてで、アップダウンが連続するも景色が全く見えない湖畔のサイクリングロード(泣)や、どこかで見おぼえのある湖上の鳥居があったりなど、それなりに発見の多い新鮮な時間を過ごすことができました。
その後は旧東海道、いわゆる箱根七曲りを下って、サイクリング終点の箱根湯本駅へ。これまた初の箱根旧道でしたが、これ上りだったら相当手ごわそうですね。とりあえず今回は下りで良かったということで、ここはいつか上りにもチャレンジしに来てみましょうね(笑)
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今回はこちらの50000形VSEを使用した"はこね30号"が、"60周年記念"列車として2日間限定で運行されるとのことで、万難を排してでもこの列車には乗らなければならない、という気合いでここまで向かって走ってきたのです!
この列車内では昔のロマンスカーを再現するという演出がされており、アテンダントさんが懐かしの制服を着て、かつて「走る喫茶室」と呼ばれたシートサービスで、これまたなつかしのメニューを出してくれるという、昔を知るおじさん世代にはたまらないサービスが満載だというのだからたまりません!
自転車を積みやすいように、あらかじめ最後部の座席を取っておくという段取りの良さで、はや列車の出発が待ちきれないといったところでしたが、こちらの白いロマンスカー50000形VSEも、朝に乗った先輩格の20000形RSEと同じく栄えある"ブルーリボン賞"受賞車ということで、何やらワクワクさせるオーラを感じてしまうのは、ワタシだけでしょうか?
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

出てきたのは森永プリンと森永アイスココアというこれまた昭和な内容で、たしか昔はこんなだったよなぁ……、などと懐かしい記憶を呼び起こします。そう言えば使用しているカップも当時のまま!これは本当に懐かしくておじさん涙が出そうでした。
しかもこちらのカップはお持ち帰りOKということで、わざわざお持ち帰り用の梱包材も用意して頂き、後生大事に家まで持って帰って、今こうして記事を書いている時も傍らにいることは言うまでもありません♪♪
ということで、今回の勝手にロマンスカー記念ライドも無事終了することができ、まずはめでたしめでたしでした。時間の制約もあってちょっと駆け足のサイクリングとなりましたが、ミッションをコンプリートできて自己満足的には最高な一日となりました(笑)
最近の鉄道会社さん、楽しいイベントや観光列車などの話題作りが本当に上手ですね!これからもまた自転車を絡めていっしょに遊ぶこのスタイルで、楽しんでければと思うテツ店長なのでした。
次回は節目の第10回連載!特別ゲストをお迎えして、これまたいつも通りの鉄分多め輪行ライドでお送りする予定ですので、皆様楽しみにしていてください♪♪

バイクプラス多摩センターの店長を務める48歳。前職で足かけ10年にわたる勤務を鉄道の無い(モノレール除く)沖縄県で過ごした反動からか、帰京後は輪行サイクリングの虜となり、現在は鉄道と自転車を組み合わせ、鉄道廃線跡や未成線など鉄道の歴史を辿るサイクリングをライフワークとする。鉄道趣味のジャンルは「乗り鉄」。旧国鉄型車両を心から愛し、ひそかにJR全線乗車にチャレンジ中。非常勤の防衛省職員である予備三等陸曹の身分も合わせ持っている。
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