2017/08/21(月) - 08:48
イタリアの老舗バイクブランド、コルナゴ。UAEチームエミレーツが駆り、再びトップシーンで、その雄姿を目にすることが出来るようになった、イタリアンレーシングブランドの2018年モデルが集結した展示会の様子をレポートします。
コルナゴの2018モデルが集結したエヌビーエス展示会
多くのチクリ(工房)が点在し、その中から名だたる自転車ブランドをいくつも輩出してきたイタリア。その中でも、大きな存在感を持つブランドがエルネスト・コルナゴの創業したコルナゴだろう。クローバーマークのブランドロゴをトレードマークにする老舗ブランドを中心に様々な自転車用品を取り扱うエヌビーエスの展示会が開催された。
会場となったのは東京・人形町のイベントホール。広々とした空間に、ずらりとコルナゴの2018年モデルが勢ぞろいし、自転車販売店関係者やメディアに向けてお披露目されることとなった。
会場に入ってまず目に入ってくるのが、エルネスト氏の生誕85年記念モデル「オッタンタチンクエ」。イタリア語で85を意味するモデル名を与えられたこのバイクは、コルナゴのハイエンドモデル・C60をベースに、特別な塗料を用いるとともに創立当時のコルナゴロゴを差し込んだ世界限定85台のスペシャルバイク。各所にはコルナゴを象徴するアラベスクデザインによって装飾され、ラグジュアリーな雰囲気を放つ一台だ。
コルナゴ V2-R
息を呑むようなオーラを放つ一台の横には、2018年完全新作のV2-Rが並べられた。ハイエンドバイクであるC60が伝統的なカーボンラグを採用するトラディショナルな雰囲気のバイクとするならば、V2-Rはモノコックフレームを採用し、軽さと速さを追求した純然たるレーシングマシン。
多くの成績を残してきた前作V1-rの「軽量」と「エアロダイナミクス」というエッセンスはそのままに、更なる進化を遂げたV2-R。リアのダイレクトマウントブレーキをシートステーへと移すことで、コントロール性や整備性を改善するとともに、臼式のシートクランプを採用することでシートピラーのしなりを最大化し乗り心地を向上させ、更なる走行性能の向上を実現している一台だ。
フレームと同色に塗られるステム
専用のエアロステムが用意される
臼式のシートクランプを採用した
特徴的なヘッドチューブからダウンチューブへの造形
コルナゴのブランドバナーの前に展示されたクリムゾンレッドのコンプリートバイクは、直線的なデザインの中にもたおやかな曲線が入り混じる複雑なデザインで、行き交う人の目を釘付けにしていた。同色にペイントされた専用のエアロステムは完成車パッケージ限定の逸品。このステムにカンパニョーロのスーパーレコード、そしてBORA ULTRAが組み合わせられること、そしてカラーも完成車限定となれば、120万円という価格がバーゲンプライスに聞こえてくるところがコルナゴの持つブランドバリューなのだろう。
さて、会場の奥に目をやると、昨年発表されたエアロロード・CONCEPTの2018年モデルが。精緻なデザインが施されたグラフィックが人気を集めているモデルだが、一番手前には見慣れない一台が。そう、CONCEPTにディスクブレーキ仕様が追加されることとなったのだ。展示会の直前に届いたとのことで、ホイールとブレーキキャリパーを組み合わせただけの展示となったが、エアロロードとディスクブレーキという最先端の組み合わせにも果敢にチャレンジするレーシングブランドとしての矜持を見せつけられる一台だった。
エアロモデル CONCEPTにディスクブレーキ仕様が加わった
日本特注カラーのCR-S
多くの人が集まった
クロスバイクなどにも力が入れられる
美しいフレームに思わず撮影する来場者
更にその奥にはスチールモデルやミドルグレードのカーボンモデル、アルミモデルなどが並べられるが、そのどれもに共通するのが全て日本限定のカラーリングにペイントされているということ。配色はもちろん、デザインスキームにいたるまで、エヌビーエスがコルナゴにリクエストし、用意してもらったカラーリングなのだとか。
また、ロードバイクだけでなく、クロスバイクやフラットバーロードも合わせて展示されていた。2018モデルとして、新たにVORREIと名付けられたフラットバーロードが登場。テーパードヘッド、内装ケーブルなどロードバイク顔負けのスペックを持ったフレームにカーボンフォークが組み合わせられる、本格的な1台ながらクラリス組で10万円を切るプライスが魅力的なモデルとなっていた。
ラスの新型モデルも展示された
3Dプリンターで製作されたモックアップ
カラフルなラインアップのアウトウェット
リンタマンのシューズは試し履きも出来た
コルナゴの他にも多くの人気ブランドを取り扱うエヌビーエス。ヘルメットブランドであるラスからは、COBALTと名付けられた軽量ヘルメットが登場。イタリアンデザインながら、日本人にもかぶりやすい帽体と、マグネットバックルなどを装備した、オールラウンドヘルメットとなっていた。
また、ユニークなアイディアが詰まったシューズを作るリンタマンからも新作が発表された。MINIMALというそのシューズは、これまでのサイクリングシューズとは一線を画した造形。その名の通り余分な装飾を排除し、生産工程や時間、コストやデザインを最低限に抑えつつ、カラーやつま先の硬さなどをカスタムできるシューズとして誕生した。
リンタマンの新作 MINIMAL
ミッドソールクリートポジションについての説明を受ける
かなり深い位置にクリートを装着できる
オーダーが出来ることや価格ももちろんだが、特に注目が集まったのはソール中央部に設けられたクリートホール。一部のエンスージアストの間で話題となっている、より効率的なペダリングを可能とする「ミッドソールクリートポジション」を可能にするデザインで、平らなカーボンプレートをアウトソールに採用するこのシューズだからこそ、マスプロメーカーとして初めてミッドソールクリートに対応することができたのだという。
コルナゴをはじめ、数々のユニークなブランドを取り扱うエヌビーエス。日本限定カラーの設定など、取り扱い製品へ対する深い愛を感じる展示会となっていた。2018年も、そのラインアップから目が離せないだろう。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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多くのチクリ(工房)が点在し、その中から名だたる自転車ブランドをいくつも輩出してきたイタリア。その中でも、大きな存在感を持つブランドがエルネスト・コルナゴの創業したコルナゴだろう。クローバーマークのブランドロゴをトレードマークにする老舗ブランドを中心に様々な自転車用品を取り扱うエヌビーエスの展示会が開催された。
会場となったのは東京・人形町のイベントホール。広々とした空間に、ずらりとコルナゴの2018年モデルが勢ぞろいし、自転車販売店関係者やメディアに向けてお披露目されることとなった。
会場に入ってまず目に入ってくるのが、エルネスト氏の生誕85年記念モデル「オッタンタチンクエ」。イタリア語で85を意味するモデル名を与えられたこのバイクは、コルナゴのハイエンドモデル・C60をベースに、特別な塗料を用いるとともに創立当時のコルナゴロゴを差し込んだ世界限定85台のスペシャルバイク。各所にはコルナゴを象徴するアラベスクデザインによって装飾され、ラグジュアリーな雰囲気を放つ一台だ。
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息を呑むようなオーラを放つ一台の横には、2018年完全新作のV2-Rが並べられた。ハイエンドバイクであるC60が伝統的なカーボンラグを採用するトラディショナルな雰囲気のバイクとするならば、V2-Rはモノコックフレームを採用し、軽さと速さを追求した純然たるレーシングマシン。
多くの成績を残してきた前作V1-rの「軽量」と「エアロダイナミクス」というエッセンスはそのままに、更なる進化を遂げたV2-R。リアのダイレクトマウントブレーキをシートステーへと移すことで、コントロール性や整備性を改善するとともに、臼式のシートクランプを採用することでシートピラーのしなりを最大化し乗り心地を向上させ、更なる走行性能の向上を実現している一台だ。
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コルナゴのブランドバナーの前に展示されたクリムゾンレッドのコンプリートバイクは、直線的なデザインの中にもたおやかな曲線が入り混じる複雑なデザインで、行き交う人の目を釘付けにしていた。同色にペイントされた専用のエアロステムは完成車パッケージ限定の逸品。このステムにカンパニョーロのスーパーレコード、そしてBORA ULTRAが組み合わせられること、そしてカラーも完成車限定となれば、120万円という価格がバーゲンプライスに聞こえてくるところがコルナゴの持つブランドバリューなのだろう。
さて、会場の奥に目をやると、昨年発表されたエアロロード・CONCEPTの2018年モデルが。精緻なデザインが施されたグラフィックが人気を集めているモデルだが、一番手前には見慣れない一台が。そう、CONCEPTにディスクブレーキ仕様が追加されることとなったのだ。展示会の直前に届いたとのことで、ホイールとブレーキキャリパーを組み合わせただけの展示となったが、エアロロードとディスクブレーキという最先端の組み合わせにも果敢にチャレンジするレーシングブランドとしての矜持を見せつけられる一台だった。
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また、ロードバイクだけでなく、クロスバイクやフラットバーロードも合わせて展示されていた。2018モデルとして、新たにVORREIと名付けられたフラットバーロードが登場。テーパードヘッド、内装ケーブルなどロードバイク顔負けのスペックを持ったフレームにカーボンフォークが組み合わせられる、本格的な1台ながらクラリス組で10万円を切るプライスが魅力的なモデルとなっていた。
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コルナゴの他にも多くの人気ブランドを取り扱うエヌビーエス。ヘルメットブランドであるラスからは、COBALTと名付けられた軽量ヘルメットが登場。イタリアンデザインながら、日本人にもかぶりやすい帽体と、マグネットバックルなどを装備した、オールラウンドヘルメットとなっていた。
また、ユニークなアイディアが詰まったシューズを作るリンタマンからも新作が発表された。MINIMALというそのシューズは、これまでのサイクリングシューズとは一線を画した造形。その名の通り余分な装飾を排除し、生産工程や時間、コストやデザインを最低限に抑えつつ、カラーやつま先の硬さなどをカスタムできるシューズとして誕生した。
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オーダーが出来ることや価格ももちろんだが、特に注目が集まったのはソール中央部に設けられたクリートホール。一部のエンスージアストの間で話題となっている、より効率的なペダリングを可能とする「ミッドソールクリートポジション」を可能にするデザインで、平らなカーボンプレートをアウトソールに採用するこのシューズだからこそ、マスプロメーカーとして初めてミッドソールクリートに対応することができたのだという。
コルナゴをはじめ、数々のユニークなブランドを取り扱うエヌビーエス。日本限定カラーの設定など、取り扱い製品へ対する深い愛を感じる展示会となっていた。2018年も、そのラインアップから目が離せないだろう。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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