2017/07/21(金) - 09:20
東京、代官山にてピナレロ2018モデル展示会が開催された。1月にデビューしたDOGMA F10をはじめ、GANシリーズのニューカラーなど、ピナレロの2018年製品ラインアップが一挙に並んだ展示会の模様をお伝えしよう。
多くの関係者が来場したピナレロ2018モデル展示会
東京のお洒落タウンとして原宿・表参道エリアに次ぐ知名度を誇る代官山にて開催されたピナレロ2018年モデル展示会。ガラス張りで洗練された会場の中には1月に発表されたフラッグシップモデル、DOGMA F10をはじめ、全く新しいカラーリングを施したGANシリーズなどピナレロの2018年バイクラインアップが一挙に揃う場となった。
例年、ショップの定休日などが多い水曜日に行われていたピナレロ展示会だが、今回は変則的に金曜日に開催。その理由は翌土曜日に一般ユーザー公開日を設け、エンドユーザーの方々に実際に2018年モデルを見てもらうことで、日曜日には馴染みのショップでバイク購入の商談に繋げようという試みだ。
先日イタリアから届いたばかりというジロ・デ・イタリア100回記念DOGMA F100
F100のロゴが高らかに入る
玄関口ではチームウィギンスカラーのDOGMA F10がお出迎え
会場の中に入ると、チームウィギンスカラーのDOGMA F10と先日イタリアより届いたというジロ・デ・イタリア100周年を記念したリミテッドモデル DOGMA F100がお出迎え。更に会場内にはDOGMA F10の全カラーラインアップが一堂に会し、関係者も入念に話題のトップモデルをチェックしていた。
開場後しばらくして始まったのがプレゼンテーション。ここではDOGMA F10やピナレロの2018モデルラインアップの紹介、ピナレロ本社のセールスマネージャーであるルチアーノ・フサポーリ氏による挨拶や、東レの担当者によるカーボン素材講座などが行われた。
プレゼンテーションではピナレロブランドの存在価値が語られた
DOGMA F10を説明するのあたって、今までのこれまでのDOGMAの歴史をおさらい
ピナレロ本社のセールスマネージャーであるルチアーノ・フサポーリ氏も来日
ルチアーノ氏は「ピナレロは常に新しいモデルを開発し挑戦し続けている。その姿勢を表すようにDOGMA F10が1月に登場し、その真価を発揮する一番大きな大会ツール・ド・フランスも間もなく始まる。過去5年間で4回の勝利を実現している我々ピナレロとチームスカイは更なる連勝を目標としてツール・ド・フランスに挑む」とコメント。ピナレロの挑戦する姿勢を示した。
続いて行われたのが、ツール・ド・フランスを2度制したDOGMA F8を元に全てを刷新したDOGMA F10の紹介。1月に発表されたこの新たな旗艦は、本来であれば他社のモデルと同様に、ツール・ド・フランスの時期にローンチをする予定だったという。それが昨年の年末にチームスカイの選手に乗せたところ、1月のシーズンインからすぐ使いたいと言う程の評価を受け、発表に踏み切ったのだという裏話も披露された。
チームスカイカラーのDOGMA F10
DOGMA F10の改良箇所を事細かに示した展示も
DOGMA F10と相性の良い一体型ハンドルTALON Aero
ワイヤーが内蔵出来るようになっている
強く、軽く、エアロにを開発コンセプトに正統進化を遂げたDOGMA F10。素材には東レのT1100G 1Kカーボンを使用し、ダウンチューブにくぼみを設けた「Concaveダウンチューブ」やフォーク先端のフォークフラップなどF8に対して1kmあたり0.8秒の短縮という空気抵抗の削減を実現しているのが特徴だ。詳細なテクノロジーについてはシクロワイアードでも特集記事とインプレッションを行っているので、そちらを参照してもらいたい。
フォーカスされやすいテクノロジー部分に加え、今回はその形状とカラーリングの美しさに付いても言及された。特に重視されたのはフォルムの美しさ。CFD解析で割り出した形状を3Dプリンターで出力し、最後には熟練の職人の手によって、サンドペーパーでフレームを削り、美しさを追求することで最終形として完成したという。自転車の美しさを熟知するイタリアンブランドだからこそ出来る造形美へのこだわりが窺えるエピソードだ。
バイクと同じカラーを纏ったサイクルジャージ
MOSTブランドのバーテープなどアクセサリーも展示
フレームの塗装もイタリア国内で行われ、ムラのない美しい塗装が施されるという。最後はバフで磨き上げた後に出荷される為、販売店には白い粉が乗ったまま届く場合があるが、しっかり仕上げ作業をしている証拠のため、気になった時はパーツクリーナーで拭いてほしいという小話も。
また、DOGMA F10で初めて採用された、MAGIXと呼ばれるドット柄のカラーリングは、ピナレロのデザインに対する先見の明が現れているという。他にはない独創的なデザインと思えるが、1年後、2年後には他社も似たようなデザインを採用する可能性が十分にあると、ピナレロのデザインに対する自信も窺えた。なお、DOGMA F10のMAGIXは極薄のデカールをイタリアの職人が貼るため、凹凸がない素晴らしい仕上がりを見せるという。
GANがバーコードデザインを採用したニューカラーになり登場
フレームの各所にバーコードデザインを配置
2つの色を使用したバーコード柄を随所に使用したデザイン
その後はピナレロ2018モデルの紹介に続く。今回の展示会で初めての披露となったのが、GANシリーズのニューカラー達だ。GAN、GAN Sについてはシートチューブやトップチューブなどにバーコードの様な模様を配置。幾何学的な印象を受ける、今までにない革新的なデザインを施し、ピナレロのデザイン力の高さをミドルグレードでも示した。
GANシリーズのトップモデルに当たるGAN RSには、DOGMA F10と同様のMAGIXデザインを採用。上位モデルの風格漂うプレミアムでレーシーな装いとなった。なお、GAN RSのMAGIXデザインはイタリア国外で作業されるため、触ってみるとDOGMAF 10とは異なり少し凹凸が感じられる。こういったところでもコストによる差別化が図られている訳だが、裏を返せばトップモデルに対するこだわりを感じるところ。
RAZHAにはエリア・ヴィヴィアーニがリア五輪で駆けたBOLIDE HRと同じブルーメタリックが登場
GAN RSはDOGMA F10と同様のMAGIXデザインを採用
ギラギラと輝くブルーが所有欲を湧かせてくれる
イタリア空軍の国籍マークが入るITALIAはフレームセット限定カラー
その他のモデルでは、GAN DISKのブレーキが機械式から油圧式にグレードアップしたことや、カーボンエントリーグレードのRAZHA KがANGLIRUと名前を変える。中でも注目を浴びていたのがリオ五輪で金メダルを獲得したエリア・ヴィヴィアーニのBOLIDE HRと同じ色に染まったRAZHA。ピナレロ本社にリクエストしたというイタリアンザフィーラブルーのRAZHAは、先日行われた関西展示会でも非常に好評だったという話。ヘッドチューブにはイタリアン空軍のラウンデルが入るのも格好良い。
DOGMA F10をラインアップに加え、更なる進化を遂げるピナレロ。先日開幕したツール・ド・フランスでもクリス・フルームやチームスカイによってその優位性を発揮してくれることだろう。その活躍に目が離せない。
text:Kosuke.Kamata
photo:Naoki.Yasuoka,Kosuke.Kamata

東京のお洒落タウンとして原宿・表参道エリアに次ぐ知名度を誇る代官山にて開催されたピナレロ2018年モデル展示会。ガラス張りで洗練された会場の中には1月に発表されたフラッグシップモデル、DOGMA F10をはじめ、全く新しいカラーリングを施したGANシリーズなどピナレロの2018年バイクラインアップが一挙に揃う場となった。
例年、ショップの定休日などが多い水曜日に行われていたピナレロ展示会だが、今回は変則的に金曜日に開催。その理由は翌土曜日に一般ユーザー公開日を設け、エンドユーザーの方々に実際に2018年モデルを見てもらうことで、日曜日には馴染みのショップでバイク購入の商談に繋げようという試みだ。



会場の中に入ると、チームウィギンスカラーのDOGMA F10と先日イタリアより届いたというジロ・デ・イタリア100周年を記念したリミテッドモデル DOGMA F100がお出迎え。更に会場内にはDOGMA F10の全カラーラインアップが一堂に会し、関係者も入念に話題のトップモデルをチェックしていた。
開場後しばらくして始まったのがプレゼンテーション。ここではDOGMA F10やピナレロの2018モデルラインアップの紹介、ピナレロ本社のセールスマネージャーであるルチアーノ・フサポーリ氏による挨拶や、東レの担当者によるカーボン素材講座などが行われた。



ルチアーノ氏は「ピナレロは常に新しいモデルを開発し挑戦し続けている。その姿勢を表すようにDOGMA F10が1月に登場し、その真価を発揮する一番大きな大会ツール・ド・フランスも間もなく始まる。過去5年間で4回の勝利を実現している我々ピナレロとチームスカイは更なる連勝を目標としてツール・ド・フランスに挑む」とコメント。ピナレロの挑戦する姿勢を示した。
続いて行われたのが、ツール・ド・フランスを2度制したDOGMA F8を元に全てを刷新したDOGMA F10の紹介。1月に発表されたこの新たな旗艦は、本来であれば他社のモデルと同様に、ツール・ド・フランスの時期にローンチをする予定だったという。それが昨年の年末にチームスカイの選手に乗せたところ、1月のシーズンインからすぐ使いたいと言う程の評価を受け、発表に踏み切ったのだという裏話も披露された。




強く、軽く、エアロにを開発コンセプトに正統進化を遂げたDOGMA F10。素材には東レのT1100G 1Kカーボンを使用し、ダウンチューブにくぼみを設けた「Concaveダウンチューブ」やフォーク先端のフォークフラップなどF8に対して1kmあたり0.8秒の短縮という空気抵抗の削減を実現しているのが特徴だ。詳細なテクノロジーについてはシクロワイアードでも特集記事とインプレッションを行っているので、そちらを参照してもらいたい。
フォーカスされやすいテクノロジー部分に加え、今回はその形状とカラーリングの美しさに付いても言及された。特に重視されたのはフォルムの美しさ。CFD解析で割り出した形状を3Dプリンターで出力し、最後には熟練の職人の手によって、サンドペーパーでフレームを削り、美しさを追求することで最終形として完成したという。自転車の美しさを熟知するイタリアンブランドだからこそ出来る造形美へのこだわりが窺えるエピソードだ。


フレームの塗装もイタリア国内で行われ、ムラのない美しい塗装が施されるという。最後はバフで磨き上げた後に出荷される為、販売店には白い粉が乗ったまま届く場合があるが、しっかり仕上げ作業をしている証拠のため、気になった時はパーツクリーナーで拭いてほしいという小話も。
また、DOGMA F10で初めて採用された、MAGIXと呼ばれるドット柄のカラーリングは、ピナレロのデザインに対する先見の明が現れているという。他にはない独創的なデザインと思えるが、1年後、2年後には他社も似たようなデザインを採用する可能性が十分にあると、ピナレロのデザインに対する自信も窺えた。なお、DOGMA F10のMAGIXは極薄のデカールをイタリアの職人が貼るため、凹凸がない素晴らしい仕上がりを見せるという。



その後はピナレロ2018モデルの紹介に続く。今回の展示会で初めての披露となったのが、GANシリーズのニューカラー達だ。GAN、GAN Sについてはシートチューブやトップチューブなどにバーコードの様な模様を配置。幾何学的な印象を受ける、今までにない革新的なデザインを施し、ピナレロのデザイン力の高さをミドルグレードでも示した。
GANシリーズのトップモデルに当たるGAN RSには、DOGMA F10と同様のMAGIXデザインを採用。上位モデルの風格漂うプレミアムでレーシーな装いとなった。なお、GAN RSのMAGIXデザインはイタリア国外で作業されるため、触ってみるとDOGMAF 10とは異なり少し凹凸が感じられる。こういったところでもコストによる差別化が図られている訳だが、裏を返せばトップモデルに対するこだわりを感じるところ。




その他のモデルでは、GAN DISKのブレーキが機械式から油圧式にグレードアップしたことや、カーボンエントリーグレードのRAZHA KがANGLIRUと名前を変える。中でも注目を浴びていたのがリオ五輪で金メダルを獲得したエリア・ヴィヴィアーニのBOLIDE HRと同じ色に染まったRAZHA。ピナレロ本社にリクエストしたというイタリアンザフィーラブルーのRAZHAは、先日行われた関西展示会でも非常に好評だったという話。ヘッドチューブにはイタリアン空軍のラウンデルが入るのも格好良い。
DOGMA F10をラインアップに加え、更なる進化を遂げるピナレロ。先日開幕したツール・ド・フランスでもクリス・フルームやチームスカイによってその優位性を発揮してくれることだろう。その活躍に目が離せない。
text:Kosuke.Kamata
photo:Naoki.Yasuoka,Kosuke.Kamata
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