2017/05/09(火) - 08:56
心地よい春風の吹くゴールデンウィーク2日目に開催された「うつのみやサイクルピクニック with ネスカフェ アンバサダー」。多くの参加者が楽しんだロングライドイベントの様子を実走レポートで紹介しよう。
ゴールデンウィーク2日目となる4月30日。東京から車で約2時間。宇都宮ICを出て5分程度のところにある道の駅「宇都宮市ろまんちっく村」にサイクリスト達が集結。今年で9回目を迎える「うつのみやサイクルピクニック with ネスカフェ アンバサダー」が開催された。
東京西部にある編集部を出たのは早朝4時半頃。「圏央道が出来て宇都宮も近くなりましたね」なんて定型会話を挟みつつ、宇都宮ICに付いたのが7時前ごろだ。GW2日目にも関わらず、この先には定番観光スポット那須高原を有する東北自動車道を渋滞なしで通過。丁度、車の数が多くなり始めていた様に見えたので参加するなら朝早く行動を開始するのが良いだろう。
会場となる道の駅「宇都宮市ろまんちっく村」に到着。高速を出て5分ほどで到着するため地図とにらめっこすることもなく快適だ。開場は6時30分からとなっていたため、すで多くのサイクリストが集まり、会場の出展ブースに足を運んでいた。
まだまだスタートは後だが、朝から長蛇の列を成していたのがネスカフェブース。今年からサイクリングとの親和性も高いコーヒーのブランドということで「ネスカフェ アンバサダー」が特別協賛。自宅やオフィスで飲める"バリスタ"を使用したコーヒーや抹茶が振る舞われた。
程なくして開会式などステージイベントが開始。開会のあいさつから始まり、サポートライダーとして一緒にコースを走ってくれる宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、ブリッツェンフェアリー、ライブガーデン・ビチステンレの針谷千紗子選手の紹介が行われた。普段はなかなか一緒に走ることが出来ない選手らと一緒に走ることが出来るというのもこのイベントの大きな魅力だろう。
8時なるとスタートラインに並んだプロライダーの選手たちを先頭に「うつのみやサイクルピクニック with ネスカフェ アンバサダー」がスタート。10人程のパックごとに順々に走りだす参加者の面々。スタート付近で演奏されるジャンベの太鼓のリズムがこれからのサイクリングを盛り上げてくれるようだ。
走りだして数kmは交通量のある通りを走るが、ふと角を曲がると、そこには、日本の古き良き風景といった田園の景観が広がる。もちろん車の通りもほぼなく、信号すらないため、自転車天国といった様相だ。丁度田植えの時期ということもあって、水の張った田んぼが鏡のように見える。
午前中は風も弱く、のどかな春のサイクリングといった感じで、都会の喧騒を忘れることが出来るなんとも素晴らしい時間だった。沿道には地元に住むチビッコ達の応援があったりと、何かと癒される。日光連山をバックに記念撮影し、雄大な鬼怒川の流れを渡ると、第1エイドである道の駅、「湧水の里しおや」に到着。
待ちに待ったエイドステーションでは、お饅頭、おにぎり、そして氷水で冷やされたトマトとちび鯛ドーナッツが頂ける。私は大好きなトマトを頂くことに。キンキンに冷えたトマトが軽く熱をもった身体に沁み渡る。塩も用意してあるので、これからの行程を考え塩分補給もしっかり行いたい。そうそう、ちび鯛ドーナッツも美味しかったみたいだ。
ロングライドの序盤ということで、しっかり固形物を摂取して次なるエイドに向け出発。鬼怒川を再び渡り、この穏やかな陽気なら100kmなんてすぐだなと、おおらかな気分になりつつ旅路を進める参加者の方々と編集部の面々達。しかしこのとき既に魔の手が少しづつ忍び寄っていたのだ。
その魔の手とは風。去年は北風となり参加者を苦しめた風が、今年は南風となり襲ってきた。我々も第1エイドを出てしばらく過ぎたあたりは、風よけとなる建造物があり、気が付かなかったが、開けた田園地帯に差し掛かった時に奴らは襲ってきた。
漕いでも漕いでも進まない向かい風。我々は撮影のため止まることがあるが、その再スタート時に上手くグループと合流できなければ永遠と単独走を強いられるという具合だ。しかしここは耐えるしかないと、ド平坦にもかかわらずヒルクライムをしているような心境で黙々を走り続けた。常日頃の練習不足もたたり、第2エイドに到着するころには既に疲労困憊といった状況だった。
そんなこんなで着いた梵天エイドでは上河内産のとちおとめが振る舞われる。所狭しと並べられたイチゴに少しでも大きいのを食べようと目利きする参加者の様子は築地の競りの様。私は恐れおののいて小さいのを頂くと、甘さの後に軽く酸っぱさが追いかけてくるフレッシュな味わいだった。小さくても美味しいぞ。
サイピク名物となった?コスプレ立哨員の「ボケて」に突っ込みを入れつつ、歩みを進めると程なくして第3エイドに到着。ここでは宇都宮名物、水餃子と、アイスあんぱん。それにネスカフェのコーヒーが頂ける。特につるっとした触感の水餃子はマストグルメだろう。
そのままスタート地点である「ろまんちっく村」を過ぎ、南下していくと、大谷エイドステーションに到着。GWで賑わう「大谷平和観音」の下に設置された第4エイドは「ネスカフェ アンバサダー」協賛のエイドステーションだ。
ブリッツェンの選手も田植えや稲刈りをしたという「ブリッツェン米」を使ったおにぎりやドーナッツ、はちみつレモンが提供される。それに加え、ネスカフェのバリスタマシーンで入れたアイスコーヒーも頂けるのだ。ロングライドイベントの途中で本格コーヒーが頂けるというのは非常に珍しいのではないだろうか。大人の事情抜きにしてもなかなか面白い試みだ。
大谷を過ぎると、いよいよジャパンカップコースへ。ここまでもいくつ登りはあったが、鶴カントリーと古賀志林道はなかなかに過酷な坂だ。既に70km程を走破してきた身体には致命傷になるかもしれないが、世界レベルのトップライダーが走るコースを体験することが出来る。古賀志林道では「サイピク山岳賞」として計測区間が設けられ、頂上付近では先に登り終えた人がどんちゃん騒ぎで応援してくれるのも嬉しい。
その後、テクニカルな下りを慎重にこなせば、後はゴールのろまんちっく村に帰るだけ。ここから約20km程が最後の試練となる。ここまで来ると、最初の穏やかなムードは消え、ただゴールを目指すだけの殺伐とした空気が流れるが、皆目的は一つ。帰ることだけだ。初対面の人でも協力して先頭交代をし、いつしか同じ戦場を渡り歩いた戦友のような連携感が生まれる。
途中、最後の古賀志エイドが現れる。コーンスープとエネルギー補給の神様、チョコレートが頂けるので、必ず摂取しておきたい。ハンガーノックを防ぎ走り切るためにには必要だろう。「腹が減っては戦は出来ぬ」ということだ。
短そうに見えて濃厚な100kmを走り切った参加者達が会場に帰ってくると様々な催しが行われている。焼き鳥やココア揚げパンといったグルメに皆が行列を作り、イベントステージでは様々なトークショーやサイクルジャージファッション大会も実施。最後まで心行くまで楽しめる。ろまんちっく村内には温泉もあるため、汗を流して帰路につこう。
text:Kosuke.Kamata
photo:Naoki.YASUOKA
ゴールデンウィーク2日目となる4月30日。東京から車で約2時間。宇都宮ICを出て5分程度のところにある道の駅「宇都宮市ろまんちっく村」にサイクリスト達が集結。今年で9回目を迎える「うつのみやサイクルピクニック with ネスカフェ アンバサダー」が開催された。
東京西部にある編集部を出たのは早朝4時半頃。「圏央道が出来て宇都宮も近くなりましたね」なんて定型会話を挟みつつ、宇都宮ICに付いたのが7時前ごろだ。GW2日目にも関わらず、この先には定番観光スポット那須高原を有する東北自動車道を渋滞なしで通過。丁度、車の数が多くなり始めていた様に見えたので参加するなら朝早く行動を開始するのが良いだろう。
会場となる道の駅「宇都宮市ろまんちっく村」に到着。高速を出て5分ほどで到着するため地図とにらめっこすることもなく快適だ。開場は6時30分からとなっていたため、すで多くのサイクリストが集まり、会場の出展ブースに足を運んでいた。
まだまだスタートは後だが、朝から長蛇の列を成していたのがネスカフェブース。今年からサイクリングとの親和性も高いコーヒーのブランドということで「ネスカフェ アンバサダー」が特別協賛。自宅やオフィスで飲める"バリスタ"を使用したコーヒーや抹茶が振る舞われた。
程なくして開会式などステージイベントが開始。開会のあいさつから始まり、サポートライダーとして一緒にコースを走ってくれる宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、ブリッツェンフェアリー、ライブガーデン・ビチステンレの針谷千紗子選手の紹介が行われた。普段はなかなか一緒に走ることが出来ない選手らと一緒に走ることが出来るというのもこのイベントの大きな魅力だろう。
8時なるとスタートラインに並んだプロライダーの選手たちを先頭に「うつのみやサイクルピクニック with ネスカフェ アンバサダー」がスタート。10人程のパックごとに順々に走りだす参加者の面々。スタート付近で演奏されるジャンベの太鼓のリズムがこれからのサイクリングを盛り上げてくれるようだ。
走りだして数kmは交通量のある通りを走るが、ふと角を曲がると、そこには、日本の古き良き風景といった田園の景観が広がる。もちろん車の通りもほぼなく、信号すらないため、自転車天国といった様相だ。丁度田植えの時期ということもあって、水の張った田んぼが鏡のように見える。
午前中は風も弱く、のどかな春のサイクリングといった感じで、都会の喧騒を忘れることが出来るなんとも素晴らしい時間だった。沿道には地元に住むチビッコ達の応援があったりと、何かと癒される。日光連山をバックに記念撮影し、雄大な鬼怒川の流れを渡ると、第1エイドである道の駅、「湧水の里しおや」に到着。
待ちに待ったエイドステーションでは、お饅頭、おにぎり、そして氷水で冷やされたトマトとちび鯛ドーナッツが頂ける。私は大好きなトマトを頂くことに。キンキンに冷えたトマトが軽く熱をもった身体に沁み渡る。塩も用意してあるので、これからの行程を考え塩分補給もしっかり行いたい。そうそう、ちび鯛ドーナッツも美味しかったみたいだ。
ロングライドの序盤ということで、しっかり固形物を摂取して次なるエイドに向け出発。鬼怒川を再び渡り、この穏やかな陽気なら100kmなんてすぐだなと、おおらかな気分になりつつ旅路を進める参加者の方々と編集部の面々達。しかしこのとき既に魔の手が少しづつ忍び寄っていたのだ。
その魔の手とは風。去年は北風となり参加者を苦しめた風が、今年は南風となり襲ってきた。我々も第1エイドを出てしばらく過ぎたあたりは、風よけとなる建造物があり、気が付かなかったが、開けた田園地帯に差し掛かった時に奴らは襲ってきた。
漕いでも漕いでも進まない向かい風。我々は撮影のため止まることがあるが、その再スタート時に上手くグループと合流できなければ永遠と単独走を強いられるという具合だ。しかしここは耐えるしかないと、ド平坦にもかかわらずヒルクライムをしているような心境で黙々を走り続けた。常日頃の練習不足もたたり、第2エイドに到着するころには既に疲労困憊といった状況だった。
そんなこんなで着いた梵天エイドでは上河内産のとちおとめが振る舞われる。所狭しと並べられたイチゴに少しでも大きいのを食べようと目利きする参加者の様子は築地の競りの様。私は恐れおののいて小さいのを頂くと、甘さの後に軽く酸っぱさが追いかけてくるフレッシュな味わいだった。小さくても美味しいぞ。
サイピク名物となった?コスプレ立哨員の「ボケて」に突っ込みを入れつつ、歩みを進めると程なくして第3エイドに到着。ここでは宇都宮名物、水餃子と、アイスあんぱん。それにネスカフェのコーヒーが頂ける。特につるっとした触感の水餃子はマストグルメだろう。
そのままスタート地点である「ろまんちっく村」を過ぎ、南下していくと、大谷エイドステーションに到着。GWで賑わう「大谷平和観音」の下に設置された第4エイドは「ネスカフェ アンバサダー」協賛のエイドステーションだ。
ブリッツェンの選手も田植えや稲刈りをしたという「ブリッツェン米」を使ったおにぎりやドーナッツ、はちみつレモンが提供される。それに加え、ネスカフェのバリスタマシーンで入れたアイスコーヒーも頂けるのだ。ロングライドイベントの途中で本格コーヒーが頂けるというのは非常に珍しいのではないだろうか。大人の事情抜きにしてもなかなか面白い試みだ。
大谷を過ぎると、いよいよジャパンカップコースへ。ここまでもいくつ登りはあったが、鶴カントリーと古賀志林道はなかなかに過酷な坂だ。既に70km程を走破してきた身体には致命傷になるかもしれないが、世界レベルのトップライダーが走るコースを体験することが出来る。古賀志林道では「サイピク山岳賞」として計測区間が設けられ、頂上付近では先に登り終えた人がどんちゃん騒ぎで応援してくれるのも嬉しい。
その後、テクニカルな下りを慎重にこなせば、後はゴールのろまんちっく村に帰るだけ。ここから約20km程が最後の試練となる。ここまで来ると、最初の穏やかなムードは消え、ただゴールを目指すだけの殺伐とした空気が流れるが、皆目的は一つ。帰ることだけだ。初対面の人でも協力して先頭交代をし、いつしか同じ戦場を渡り歩いた戦友のような連携感が生まれる。
途中、最後の古賀志エイドが現れる。コーンスープとエネルギー補給の神様、チョコレートが頂けるので、必ず摂取しておきたい。ハンガーノックを防ぎ走り切るためにには必要だろう。「腹が減っては戦は出来ぬ」ということだ。
短そうに見えて濃厚な100kmを走り切った参加者達が会場に帰ってくると様々な催しが行われている。焼き鳥やココア揚げパンといったグルメに皆が行列を作り、イベントステージでは様々なトークショーやサイクルジャージファッション大会も実施。最後まで心行くまで楽しめる。ろまんちっく村内には温泉もあるため、汗を流して帰路につこう。
text:Kosuke.Kamata
photo:Naoki.YASUOKA
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