2017/05/01(月) - 08:59
4月7日、守山市の第二なぎさ公園で「ビワイチ」のスタート地点となる「琵琶湖サイクリストの聖地碑」の除幕式が行われ、30名ほどの女性サイクリストが記念ライドを楽しんだ。そのレポートがサイクルライフナビゲーターの絹代さんから届きました。
琵琶湖1周はかねてからサイクリストが愛する日本のテッパンルートのひとつ。年々自転車で琵琶湖を楽しむひとが増え、「琵琶湖一周サイクリング」の愛称「ビワイチ」は、「自転車の聖地」に名乗りをあげた。県と市、さらに民間企業とが、サイクルサポートステーションやレンタサイクル、漁船タクシーなど、より快適に自転車を楽しむための環境整備やサービスの充実に力を注ぎ、急速に魅力度を高めている。
「『一周ライド』には『スタート地点』が必須。守山に作っては?」と進言したのは、ジャイアントストア守山店の出店でこの地域の自転車熱に一役買ったジャイアント社の中村社長だったそうだ。学生時代からサイクリング愛好家だった守山市の宮本市長がこれに同調、2年間の準備期間を経て、スタート地点となる聖地碑の設立を実現させた。
自転車愛好家宮本市長の熱のこもったスピーチ photo:Kinuyo
聖地碑像、お目見え! photo:Kinuyo
式典は宮本市長の熱い想いが響くスピーチから始まった。スタート地点は「琵琶湖岸の景観の中でも広がりのある絶景が望める」第二なぎさ公園を選んだそうだ。聖地碑にはモデルでエンターティナーの田中セシルさんが、昨年サイクリングに参加したとき「あまりに気持ちよくて」バイクの上で脚を高く上げ、ストレッチをしたポーズを採用。
「『ビワイチ』を女性にも楽しんでもらいたい」という思いから、セシルさんの美しいイメージを選んだそうだ。宮本市長は「すべてのサイクリストが立ち寄り、撮影をする場所にしたい」と語る。この像の前で脚を上げスタート撮影をすることが今後ビワイチの定番になるのかもしれない。
すてきなイラストマップが配られた。琵琶湖大橋展望デッキにも同じタッチの風景画パネルが飾られる photo:Kinuyo
第二なぎさ公園入り口には聖地碑誘導ペイントが。 photo:Kinuyo
続いて池永副知事が滋賀県の姿勢について語った。県は「安全・安心」をすべての大前提とした上で「路肩や植栽帯の見直しを含めた自転車の通行空間の見直し」「サイクルサポートステーションの整備」「クルージングやサイクルトレインなど、乗り物との組み合わせで、より広範囲にエリアを楽しめる観光ルートの開拓」の3つを推進していく、と。
この本気度の高い発言に、聞いていた私が思わず息を飲んだ。自転車のために路肩や植栽帯を見直すなんて、本気じゃないと言えっこない。滋賀県はこの4月から「ビワイチ推進室」という新しい部署を作り(!)、「観光」「健康」「環境」に利する自転車に本格的に取り組み、「ビワイチ」を起爆剤に地域の活性化を目指すそうだ。さらに池永副知事は、サイクリングの誘いを受け、自転車に乗る練習から始め、数ヶ月前からクロスバイクを楽しみ始めたそうだ。
ここでは誰もが本気すぎるくらい本気だ。
いわばこの碑の発起人であるジャイアントの中村社長は、守山市を中心に、「ビワイチ」が国内にも海外にも日本の自転車の聖地となることを願いたいと語った。
聖地碑完成を祝し、女性サイクリストが集まった!
国土交通省の近畿地方整備局からも野洲川の管理用道路を整備し「ビワイチ」のよりみちルートとして自転車に楽しんでもらい、地域の活性化や健康増進にも役立てたいと紹介があった。琵琶湖を取り巻く地域や企業が「ビワイチ」に協力し、皆で盛り上げていこうというポジティブな空気感を漂わせていることが伝わってくる。
セシルさんは「ビワイチ」をテーマに仲間たちと曲を共同制作、この日に合わせて自らのボーカルを乗せ、収録をしてきていた!躍動感のあるさわやかな曲に皆がにっこり。自分自身が像のモデルになった感動とビワイチへの想いを語り、記念撮影では美しい脚上げポーズで微笑み、会場は笑顔と歓声に包まれた。
聖地碑像の背後には美しい琵琶湖が広がる photo:Kinuyo
30台以上の女子バイクがスタンバイ photo:Kinuyo
ここからは女性限定ライド!池永副知事、セシルさん、地域の企業の女性たち、女性バイクブランドLiv店舗の主要メンバーが全国から結集したLivエンジェルたち総勢27名の女性が笑顔で華やかにスタートした。
LIvエンジェル全員で「行くぞ!」 photo:Kinuyo
ウェアをまとった女性の集団の目を引くこと!車の来ないルート中心にゆったりペースで進行したため、スポーツバイクに慣れていない方も笑顔で、自転車に乗る楽しさ、自転車の目線から楽しむ琵琶湖の美しさを堪能していた。
藤ヶ崎龍神で小休憩。お参りをし、すぐ目の前から広がる湖の景観に、一同大喜び!晴れていたら、どれだけ美しいことだろう。初心者も多い女性たちのライドとあり、守山市ビワイチサポートカーが随時サポートしていたのだが、ここでは小さなエイドも用意してくれていた。
美しい琵琶湖の水際にて photo:Kinuyo
美しい隊列を作るLivエンジェル photo:Kinuyo
ビワイチを応援する企業や知事秘書など、心をひとつに女性たちが参加 photo:Kinuyo
パワースポット「藤ヶ崎龍神」にて願掛け photo:Kinuyo
ライドの目的地は、たねやグループのショップやカフェがある自然豊かな憩いの場「ラ コリーナ近江八幡」。草屋根のメインショップは、まるでおとぎ話から飛び出してきたよう!八幡山を背負った土地に、どんぐりの森を育て、小川を作り、水田を耕し、自然と調和した美しいランドスケープを作り上げている。緑が芽吹く季節以降は、一面が生命力豊かな緑に覆われるのだとか。
ショップに足を踏み入れると、たねやの和菓子とクラブハリエのバームクーヘンが並ぶ魅惑的なスイーツ絶景が広がっていた!優美な階段を上がると、栗の木を生かした温かみのある空間に、天井には炭があしらわれた不思議ながらも落ち着くカフェが。
メインショップは緑の季節は一帯が美しい緑に覆われる photo:たねやグループ
春のかけらを探しながら走る。満開の春はもうすぐ! photo:Kinuyo
ラコリーナ近江八幡前にて。草屋根のメインショップはおとぎ話の世界の建物のよう。 photo:Kinuyo
ここでいただくのはクラブハリエのふわふわの焼きたてバームクーヘン。至福の笑顔、最高のひととき!ここには宮本市長らも加わり、皆が話を弾ませていた。
女性サイクリストの皆さんはここから出発地へ戻る。記念碑から出発し、ラコリーナで折り返す30kmあまりのこのコースは、安全に乗れて楽しみが濃く、これから女性や初心者、ファミリー層の人気コースになっていくだろう。
2階はカフェ、1階は和菓子とバームクーヘンショップ photo:Kinuyo
焼きたてふわふわのバームクーヘンをステキな空間でいただく photo:Kinuyo
「バームクーヘンが通ります」の声にスペースを空けると、まさに焼きたてホカホカのバームクーヘンがやってきた! photo:Kinuyo
お土産を買い込みたい気持ちをぐっと抑え、私はここから北上するLiv隊とともに再スタート。Livの女子トレインは圧巻の眺め!日頃お客さんと走る機会も多いそうで、コミュニケーションを取り、あうんの呼吸で、状況に合わせスピードや走路を変えながら、順調に距離を重ねていく。
お天気が悪化してきたこともあり、黙々と走ってクラブハリエのパンショップ「ジュブリルタン」に到着。白一色の建物は地中海のリゾートを思わせる。
2日かけてビワイチするLivエンジェルは琵琶湖沿いを北上! photo:Kinuyo
バイクとウェアをコーディネートしたLivトレインは圧巻の眺め。 photo:Kinuyo
ジュブリルタンは真っ白な洋館だった。漂う甘い香りに引き寄せられていく女子たち。 photo:Kinuyo
おいしそうなパンを前に満面の笑顔。早く食べたーい! photo:Kinuyo
通常のビワイチでは、お昼前に到着するそうだけど、なんせ今日は女子ライド。午後のそこそこの時間の到着とあって、人気のパンはあらかた売り切れ(笑)たねやのノウハウを生かした大福パンなどの和のパンや、卵やミルク、バターをたっぷり使った菓子パンなど、女子絶叫のラインナップが楽しめるようだ。この日は店頭を買い占める勢いで甘いパンやスイーツをセレクト!甘さも香りもなにもかもちょうどいい。皆で「また絶対に来るぞ」と誓い合い、ライドの最終パートへ。
湖面を左手に見ながら湖岸沿いを北上する。ともかく大きい琵琶湖。向こう岸が見えません!すぐそばに浜があっても、打ち寄せる波はない。不思議な感じ。湖岸ギリギリに立つ家もあり、この広々とした水面が海ではないことを悟る。このサイクルルートは地域の暮らしの中も通るため、美しい湖面の景観以外にもいろんな楽しみがあるのも魅力。
せっかくだから長浜城に立ち寄ろう!お城をバックに、花が咲き、噴水も華やかで、どことなく春の景色になっていた。空気に漂う雨の匂いに沈みがちな女子たちの気持ちをあげるため、はっちゃけ写真をパチリ!ゴールまであと12kmくらい。
最後は雨になった。時折強烈な横風が吹き付け、身体とブレーキレバーを握る手にぐっと力が入る。女子にはなかなかきびしい環境だが、Liv隊は揺らぎもせず淡々とゴールを目指す。
すぐそこに広がる琵琶湖を眺めながらさっそうと走る photo:Kinuyo
琵琶湖の絶景を眺めながら北に向かう。晴れていたらどれだけ美しいだろう。 photo:Kinuyo
城、噴水、花!雨雲が迫ってるけど、気持ちはアゲアゲで! photo:Ryota.Usui
今回乗ったLiv Avail Advanced2。乗り味はほどよくやわらかく、ジオメトリーもしっかり女子設計。ディスクブレーキは握力の弱い女子の味方! photo:Kinuyo
この日お借りしたのはLivのAvail Advanced2。ディスクブレーキ仕様のカーボンバイクだ。手が小さい私は、ブラケットを握ってのレバー操作が難しく、うまく止まれなかったり、疲労でストレスになったりするのだが、軽い力でも確実にブレーキでスピードのコントロールができ、雨が降っても制動能力が落ちないディスクブレーキ車の性能に感動。
なんて安心なんだ!この数時間で断然ディスクブレーキ派になった。女性による女性向け設計であるLivのジオメトリーはやはりすばらしく、乗車姿勢のどこにも無理がない。正直なところ、借り物であること自体すっかり忘れていた(笑)扱いやすいから、悪天候下でも女性たちが平然と乗れるわけだ。
ゴール!雨には降られたけど、清々しい達成感。楽しかった! photo:Ryota.Usui
島全体がパワースポットとして知られる竹生島を眺めながら、この日のゴールである尾上温泉・紅鮎へ到着。雨に濡れながらもLiv女子は全員明るい笑顔だった。みんなで同じものを目指すって、やっぱりなんかいいよね。
温泉で身体を温め、血色の良くなったLiv隊は再集合。グループに分かれ、ワークショップが始まった。全国店舗からLivスタッフが集結した最大の目的は、実はこの研修だったのだ。各店舗の代表が自分たちが実践している内容、ノウハウ、コツを持ち寄り、整理、集約して冊子を作成、全国のLivショップやジャイアント店舗で接客の質を上げるために役立てて行くのだという。
Livスタッフの皆さんのワークショップ。3グループに分かれ接客の段階別に取るべき対応を確認し合った。 photo:Kinuyo確かに、痛みの出方、重要視する要素や不安を持ちがちなポイントなどは男性と異なることが多い。望むイメージをうまく伝えられないために、自分に合った車種を選べないケースもあるようだ。店舗スタッフの接客スキルは、バイクを購入した顧客がその後自転車を十分に楽しめるかどうかを分けるとも言えるくらい重要なのだ。
訪れた女性客への声のかけ方、コミュニケーションの取り方、不安の取り除き方、ニーズの探り方、提案の仕方といった段階を追ったアプローチ方法や、最終的に車種を決定するため「顧客にとってのその車種やギ
各店舗から集まる生きた情報を集約し、接客のあり方を検討し、接遇をブラッシュアップ。 photo:Kinuyoアの魅力、メリットとデメリット」を客観的に提示する方法など、具体的な項目について、各グループが選択肢を上げ、検討を重ねていく。
女性ブランドであるLivの強みは、女性に特化した性能と、ブランド内でトータルコーディネイトが楽しめるラインナップに加え、自分自身も走れて、お客さんとも向き合える女性スタッフの存在も大きいことを今回知った。ともに走り、刺激しあいながら、交流や情報交換をし、横のつながりを活かして、店舗での提案力、コミュニケーションスキルを磨いていくのだから、強い。
県と、市と、志ある民間企業たちが、それぞれ「よりよいもの」を目指して切磋琢磨し、協調しあっている「ビワイチ」の勢いは今後ますます増して行くことだろう。
自転車を楽しむ層の広がりに応え、今後は湖沿いのルートを飛び出し、エリア全体を楽しんでもらえるような仕掛けも思案中。「ビワイチ」は今や「一周サイクリング」のみを示すものではなく、滋賀で自転車が拓く可能性全てを包括する言葉となった。
いちサイクリストとして、この土地の魅力に触れたものとして、これからの「ビワイチ」に期待せずにはいられない。いつかまた、今度はぐるりと一周走りに行きたいな。
photo&report : 絹代
琵琶湖1周はかねてからサイクリストが愛する日本のテッパンルートのひとつ。年々自転車で琵琶湖を楽しむひとが増え、「琵琶湖一周サイクリング」の愛称「ビワイチ」は、「自転車の聖地」に名乗りをあげた。県と市、さらに民間企業とが、サイクルサポートステーションやレンタサイクル、漁船タクシーなど、より快適に自転車を楽しむための環境整備やサービスの充実に力を注ぎ、急速に魅力度を高めている。
「『一周ライド』には『スタート地点』が必須。守山に作っては?」と進言したのは、ジャイアントストア守山店の出店でこの地域の自転車熱に一役買ったジャイアント社の中村社長だったそうだ。学生時代からサイクリング愛好家だった守山市の宮本市長がこれに同調、2年間の準備期間を経て、スタート地点となる聖地碑の設立を実現させた。
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式典は宮本市長の熱い想いが響くスピーチから始まった。スタート地点は「琵琶湖岸の景観の中でも広がりのある絶景が望める」第二なぎさ公園を選んだそうだ。聖地碑にはモデルでエンターティナーの田中セシルさんが、昨年サイクリングに参加したとき「あまりに気持ちよくて」バイクの上で脚を高く上げ、ストレッチをしたポーズを採用。
「『ビワイチ』を女性にも楽しんでもらいたい」という思いから、セシルさんの美しいイメージを選んだそうだ。宮本市長は「すべてのサイクリストが立ち寄り、撮影をする場所にしたい」と語る。この像の前で脚を上げスタート撮影をすることが今後ビワイチの定番になるのかもしれない。
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続いて池永副知事が滋賀県の姿勢について語った。県は「安全・安心」をすべての大前提とした上で「路肩や植栽帯の見直しを含めた自転車の通行空間の見直し」「サイクルサポートステーションの整備」「クルージングやサイクルトレインなど、乗り物との組み合わせで、より広範囲にエリアを楽しめる観光ルートの開拓」の3つを推進していく、と。
この本気度の高い発言に、聞いていた私が思わず息を飲んだ。自転車のために路肩や植栽帯を見直すなんて、本気じゃないと言えっこない。滋賀県はこの4月から「ビワイチ推進室」という新しい部署を作り(!)、「観光」「健康」「環境」に利する自転車に本格的に取り組み、「ビワイチ」を起爆剤に地域の活性化を目指すそうだ。さらに池永副知事は、サイクリングの誘いを受け、自転車に乗る練習から始め、数ヶ月前からクロスバイクを楽しみ始めたそうだ。
ここでは誰もが本気すぎるくらい本気だ。
いわばこの碑の発起人であるジャイアントの中村社長は、守山市を中心に、「ビワイチ」が国内にも海外にも日本の自転車の聖地となることを願いたいと語った。
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国土交通省の近畿地方整備局からも野洲川の管理用道路を整備し「ビワイチ」のよりみちルートとして自転車に楽しんでもらい、地域の活性化や健康増進にも役立てたいと紹介があった。琵琶湖を取り巻く地域や企業が「ビワイチ」に協力し、皆で盛り上げていこうというポジティブな空気感を漂わせていることが伝わってくる。
セシルさんは「ビワイチ」をテーマに仲間たちと曲を共同制作、この日に合わせて自らのボーカルを乗せ、収録をしてきていた!躍動感のあるさわやかな曲に皆がにっこり。自分自身が像のモデルになった感動とビワイチへの想いを語り、記念撮影では美しい脚上げポーズで微笑み、会場は笑顔と歓声に包まれた。
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ショップに足を踏み入れると、たねやの和菓子とクラブハリエのバームクーヘンが並ぶ魅惑的なスイーツ絶景が広がっていた!優美な階段を上がると、栗の木を生かした温かみのある空間に、天井には炭があしらわれた不思議ながらも落ち着くカフェが。
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女性サイクリストの皆さんはここから出発地へ戻る。記念碑から出発し、ラコリーナで折り返す30kmあまりのこのコースは、安全に乗れて楽しみが濃く、これから女性や初心者、ファミリー層の人気コースになっていくだろう。
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通常のビワイチでは、お昼前に到着するそうだけど、なんせ今日は女子ライド。午後のそこそこの時間の到着とあって、人気のパンはあらかた売り切れ(笑)たねやのノウハウを生かした大福パンなどの和のパンや、卵やミルク、バターをたっぷり使った菓子パンなど、女子絶叫のラインナップが楽しめるようだ。この日は店頭を買い占める勢いで甘いパンやスイーツをセレクト!甘さも香りもなにもかもちょうどいい。皆で「また絶対に来るぞ」と誓い合い、ライドの最終パートへ。
湖面を左手に見ながら湖岸沿いを北上する。ともかく大きい琵琶湖。向こう岸が見えません!すぐそばに浜があっても、打ち寄せる波はない。不思議な感じ。湖岸ギリギリに立つ家もあり、この広々とした水面が海ではないことを悟る。このサイクルルートは地域の暮らしの中も通るため、美しい湖面の景観以外にもいろんな楽しみがあるのも魅力。
せっかくだから長浜城に立ち寄ろう!お城をバックに、花が咲き、噴水も華やかで、どことなく春の景色になっていた。空気に漂う雨の匂いに沈みがちな女子たちの気持ちをあげるため、はっちゃけ写真をパチリ!ゴールまであと12kmくらい。
最後は雨になった。時折強烈な横風が吹き付け、身体とブレーキレバーを握る手にぐっと力が入る。女子にはなかなかきびしい環境だが、Liv隊は揺らぎもせず淡々とゴールを目指す。
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この日お借りしたのはLivのAvail Advanced2。ディスクブレーキ仕様のカーボンバイクだ。手が小さい私は、ブラケットを握ってのレバー操作が難しく、うまく止まれなかったり、疲労でストレスになったりするのだが、軽い力でも確実にブレーキでスピードのコントロールができ、雨が降っても制動能力が落ちないディスクブレーキ車の性能に感動。
なんて安心なんだ!この数時間で断然ディスクブレーキ派になった。女性による女性向け設計であるLivのジオメトリーはやはりすばらしく、乗車姿勢のどこにも無理がない。正直なところ、借り物であること自体すっかり忘れていた(笑)扱いやすいから、悪天候下でも女性たちが平然と乗れるわけだ。
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島全体がパワースポットとして知られる竹生島を眺めながら、この日のゴールである尾上温泉・紅鮎へ到着。雨に濡れながらもLiv女子は全員明るい笑顔だった。みんなで同じものを目指すって、やっぱりなんかいいよね。
温泉で身体を温め、血色の良くなったLiv隊は再集合。グループに分かれ、ワークショップが始まった。全国店舗からLivスタッフが集結した最大の目的は、実はこの研修だったのだ。各店舗の代表が自分たちが実践している内容、ノウハウ、コツを持ち寄り、整理、集約して冊子を作成、全国のLivショップやジャイアント店舗で接客の質を上げるために役立てて行くのだという。
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女性ブランドであるLivの強みは、女性に特化した性能と、ブランド内でトータルコーディネイトが楽しめるラインナップに加え、自分自身も走れて、お客さんとも向き合える女性スタッフの存在も大きいことを今回知った。ともに走り、刺激しあいながら、交流や情報交換をし、横のつながりを活かして、店舗での提案力、コミュニケーションスキルを磨いていくのだから、強い。
県と、市と、志ある民間企業たちが、それぞれ「よりよいもの」を目指して切磋琢磨し、協調しあっている「ビワイチ」の勢いは今後ますます増して行くことだろう。
自転車を楽しむ層の広がりに応え、今後は湖沿いのルートを飛び出し、エリア全体を楽しんでもらえるような仕掛けも思案中。「ビワイチ」は今や「一周サイクリング」のみを示すものではなく、滋賀で自転車が拓く可能性全てを包括する言葉となった。
いちサイクリストとして、この土地の魅力に触れたものとして、これからの「ビワイチ」に期待せずにはいられない。いつかまた、今度はぐるりと一周走りに行きたいな。
photo&report : 絹代
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