2017/04/26(水) - 14:03
日本人の体形にピッタリの自転車や、サイクリスト目線のアイディアに満ちたパーツやアクセサリーを多く取り扱う東京サンエスが実に15年ぶりとなる展示会を開催。展開する製品をほぼすべて詰め込んだ、濃密な空間に多くの関係者が集まりました。
日本人にフィットするオリジナルのジオメトリー理論「MCM」を活かしたテスタッチや、小柄な人でも快適なライディングを楽しめる高品質なパーツブランド・ワンバイエスをはじめ、サイクリストの細やかな気づきを活かしたアイディアにあふれる製品を多数取り扱う東京サンエス。
かゆいところに手の届くラインアップに助けられてきた方にとっては救世主のような存在であり、毎年サイクルモードなどで配布されるカタログを読みふけっては、追加された新製品に「こう来たか!」とテンションを上げているうちに何時間も過ぎているのは、一部の自転車マニアにとっては年中行事であろう。
そんな東京サンエスが取り扱うオリジナル商品の多くを集めた販売店向けの展示会「サンエスミーティング」が末広町の3331ARTS STUDIOにて開催された。コンシューマー向けの展示会に出展することは多いため、意識することが無かったのだが、こういった販売店向けの展示会はなんと15年ぶりになるのだとか。これには訪れたショップのスタッフの方々も驚いていた様子。
廃校となった中学校を利用した会場には、ワンバイエスやディズナ、グランジ、ロコゴワやヴェノといった東京サンエスが展開するオリジナルブランドに加え、テリーやリッチー、ドイターなど輸入を手がけるブランドのプロダクトがずらり。机の上に所せましと並べられている製品は膨大なラインアップで、他社の展示会の倍くらいの密度で製品が並べられているように感じるほど。
また、テスタッチやワンバイエスのJFFのフレームをベースに、各ブランドのパーツを組み込んだ完成車も並べられた。単体では使用感がわかりづらいパーツも、実車にアセンブルされた状態で展示されることで、使用時のイメージもつかみやすいようにという配慮だろう。
更に奥では、東京サンエスの上司氏による製品のプレゼンテーションが行われ、東京サンエスの歴史や各プロダクトの開発秘話が語られた。また、元全日本シクロクロス王者で、現在は東京サンエスの社員である辻浦圭一氏、元プロロードレーサーの辻善光氏らが自身のアイディアを形にしたジェイカーボン グランモンローハンドルやボーダレスカーボンハンドルバーや100ムーブサドルといった製品の使い方や、開発エピソードなどを語ってくれる時間も。
そして、「東京サンエス読書コーナー」と題したエリアには1995年から最新版に至るまでのカタログがずらりと並べられ、サンエスファンなら泣いて喜びそうな空間が広がっていた。その横には、最近リリースされたスージーステムやハンドルなどのモックアップが並び、どのように製品の形へと収斂していったのか、実際に手に取って確かめることが出来る展示も。
「最初にオリジナルの製品を出してから15年、本当に多くの製品をラインアップしてきましたが、改めてそれらのコンセプトや使い方を皆さんに理解してもらう良い機会になったと思います」とは上司さん。サンエスオリジナルの製品開発にあたり、深く関わり続けてきた上司さんがデザインした製品は、他のブランドからも販売されているのだとか。「金型代を折半するという条件で、工場側と権利を半々にしているものもあるんですよ。なので、同じ形の製品が他のブランドネームが入って出回っていることもありますが、元を辿れば私たちが企画・デザインしたものなんです」
中にはアイディアが先進的すぎて、発売から売れ出すまでにタイムラグがある製品も多いのだとか。例えば、アウトドア業界で有名な、ナルゲンのボトルを自転車で持ち運ぶためのボトルケージと、そこから一人の女性ライダーの意見を取り入れて製作された1リットルサイズのツールボトル・モッテコ1000。
発売開始された10年前はその必要性に疑問符を付けられてきたが、ここ最近のグラベルライドの人気の高まりにつれて、ユニークな逸品として需要が跳ね上がっているという。コアなサイクリストらしい目の付け所だけに、その魅力が理解できるのも、ある程度ベテランのサイクリストが多いということなのだろう。
また、サンエスが今季より再び力を入れていくのが、サンフランシスコ生まれのバイクブランド、ソーマだ。この展示会でも一室を贅沢に使用するとともに、本国からブランドマネージャーのエヴァン・トーマス・ベアードを招聘するという注力ぶりだ。一押しモデルは、デビューしたばかりのマルチパーパスロード、フォグカッターだ。最大で42cのタイヤを履くことが出来るクリアランスを与えられたクロモリディスクロードで、ラックとフェンダーを取り付けできるダボ穴を装備することでどんな道、どんな天候をもものともしない現代のスポルティフバイクといえるアドベンチャーモデルだ。
全てのフレームに、タンゲのプレステージを使用することで、軽く上質な乗り心地を実現していることもソーマバイクの美点。タンゲとの協力関係は深く、スライディングドロップエンドを共同で開発した実績もあるという。そのエンドを使用したベルトドライブバイク、ウルヴァリンは全世界を通して最も人気のあるソーマバイクなのだとか。
展示会の翌日には、東京を巡るライドを楽しんだというエヴァン・トーマス・ベアードは大の日本好きだそうで、今回の来日で見学したパナレーサーの工場(ソーマブランドのタイヤを製造しているのだ)では、その製造クオリティーの高さに感動したとも。
サイクリストの意見を取り入れたユニークで痒い所に手が届くパーツをリリースしていくオリジナルブランドと、海外のエッセンスに満ちた代理店としてのブランドチョイスで、魅力的なパーツに溢れる東京サンエスカタログの秘密の一端を垣間見ることが出来た、貴重な時間となった15年ぶりのサンエスミーティング。あっという間に陽が落ちる、濃密な空間がまた開かれることが、今から待ち遠しい。
text&photo:Naoki.YASUOKA
photo:Yuka.Kani
日本人にフィットするオリジナルのジオメトリー理論「MCM」を活かしたテスタッチや、小柄な人でも快適なライディングを楽しめる高品質なパーツブランド・ワンバイエスをはじめ、サイクリストの細やかな気づきを活かしたアイディアにあふれる製品を多数取り扱う東京サンエス。
かゆいところに手の届くラインアップに助けられてきた方にとっては救世主のような存在であり、毎年サイクルモードなどで配布されるカタログを読みふけっては、追加された新製品に「こう来たか!」とテンションを上げているうちに何時間も過ぎているのは、一部の自転車マニアにとっては年中行事であろう。
そんな東京サンエスが取り扱うオリジナル商品の多くを集めた販売店向けの展示会「サンエスミーティング」が末広町の3331ARTS STUDIOにて開催された。コンシューマー向けの展示会に出展することは多いため、意識することが無かったのだが、こういった販売店向けの展示会はなんと15年ぶりになるのだとか。これには訪れたショップのスタッフの方々も驚いていた様子。
廃校となった中学校を利用した会場には、ワンバイエスやディズナ、グランジ、ロコゴワやヴェノといった東京サンエスが展開するオリジナルブランドに加え、テリーやリッチー、ドイターなど輸入を手がけるブランドのプロダクトがずらり。机の上に所せましと並べられている製品は膨大なラインアップで、他社の展示会の倍くらいの密度で製品が並べられているように感じるほど。
また、テスタッチやワンバイエスのJFFのフレームをベースに、各ブランドのパーツを組み込んだ完成車も並べられた。単体では使用感がわかりづらいパーツも、実車にアセンブルされた状態で展示されることで、使用時のイメージもつかみやすいようにという配慮だろう。
更に奥では、東京サンエスの上司氏による製品のプレゼンテーションが行われ、東京サンエスの歴史や各プロダクトの開発秘話が語られた。また、元全日本シクロクロス王者で、現在は東京サンエスの社員である辻浦圭一氏、元プロロードレーサーの辻善光氏らが自身のアイディアを形にしたジェイカーボン グランモンローハンドルやボーダレスカーボンハンドルバーや100ムーブサドルといった製品の使い方や、開発エピソードなどを語ってくれる時間も。
そして、「東京サンエス読書コーナー」と題したエリアには1995年から最新版に至るまでのカタログがずらりと並べられ、サンエスファンなら泣いて喜びそうな空間が広がっていた。その横には、最近リリースされたスージーステムやハンドルなどのモックアップが並び、どのように製品の形へと収斂していったのか、実際に手に取って確かめることが出来る展示も。
「最初にオリジナルの製品を出してから15年、本当に多くの製品をラインアップしてきましたが、改めてそれらのコンセプトや使い方を皆さんに理解してもらう良い機会になったと思います」とは上司さん。サンエスオリジナルの製品開発にあたり、深く関わり続けてきた上司さんがデザインした製品は、他のブランドからも販売されているのだとか。「金型代を折半するという条件で、工場側と権利を半々にしているものもあるんですよ。なので、同じ形の製品が他のブランドネームが入って出回っていることもありますが、元を辿れば私たちが企画・デザインしたものなんです」
中にはアイディアが先進的すぎて、発売から売れ出すまでにタイムラグがある製品も多いのだとか。例えば、アウトドア業界で有名な、ナルゲンのボトルを自転車で持ち運ぶためのボトルケージと、そこから一人の女性ライダーの意見を取り入れて製作された1リットルサイズのツールボトル・モッテコ1000。
発売開始された10年前はその必要性に疑問符を付けられてきたが、ここ最近のグラベルライドの人気の高まりにつれて、ユニークな逸品として需要が跳ね上がっているという。コアなサイクリストらしい目の付け所だけに、その魅力が理解できるのも、ある程度ベテランのサイクリストが多いということなのだろう。
また、サンエスが今季より再び力を入れていくのが、サンフランシスコ生まれのバイクブランド、ソーマだ。この展示会でも一室を贅沢に使用するとともに、本国からブランドマネージャーのエヴァン・トーマス・ベアードを招聘するという注力ぶりだ。一押しモデルは、デビューしたばかりのマルチパーパスロード、フォグカッターだ。最大で42cのタイヤを履くことが出来るクリアランスを与えられたクロモリディスクロードで、ラックとフェンダーを取り付けできるダボ穴を装備することでどんな道、どんな天候をもものともしない現代のスポルティフバイクといえるアドベンチャーモデルだ。
全てのフレームに、タンゲのプレステージを使用することで、軽く上質な乗り心地を実現していることもソーマバイクの美点。タンゲとの協力関係は深く、スライディングドロップエンドを共同で開発した実績もあるという。そのエンドを使用したベルトドライブバイク、ウルヴァリンは全世界を通して最も人気のあるソーマバイクなのだとか。
展示会の翌日には、東京を巡るライドを楽しんだというエヴァン・トーマス・ベアードは大の日本好きだそうで、今回の来日で見学したパナレーサーの工場(ソーマブランドのタイヤを製造しているのだ)では、その製造クオリティーの高さに感動したとも。
サイクリストの意見を取り入れたユニークで痒い所に手が届くパーツをリリースしていくオリジナルブランドと、海外のエッセンスに満ちた代理店としてのブランドチョイスで、魅力的なパーツに溢れる東京サンエスカタログの秘密の一端を垣間見ることが出来た、貴重な時間となった15年ぶりのサンエスミーティング。あっという間に陽が落ちる、濃密な空間がまた開かれることが、今から待ち遠しい。
text&photo:Naoki.YASUOKA
photo:Yuka.Kani
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