2017/03/12(日) - 09:58
大阪のサイクリストにとってなじみ深いシルベストサイクルが、新店舗を髙島屋の大阪店にオープン。5階のスポーツフロアの一角にずらりとスポーツバイクが並べられた新たな形態の店舗の様子をレポートします。
シルベストサイクル難波店
これまで、梅田店、京都店、みのおキューズモール店と3つの店舗を展開してきたシルベストサイクルが4つ目となる新店舗を大阪随一の繁華街として知られる難波にオープンした。それも「ミナミ」の中でも中心部に位置する老舗百貨店、髙島屋大阪店の5階に開業することとなったのだ。
南海電鉄や地下鉄の難波駅に直結する髙島屋大阪店。昭和7年に建築された歴史あるビルは、難波の賑わいを象徴するアイコニックな建造物である。国の重要文化財に指定されている日本橋店とはほぼ同時期に建造されており、歴史的価値としてはほぼ互角といえるだろう。
大阪、ひいては日本の文化を牽引してきた老舗百貨店の一角に、日本で初めてスポーツバイクショップが入居することとなったのだ。髙島屋の5階、ゴルフやランニングといったスポーツ用品が並ぶエリアの入り口にずらりとロードバイクが並べられている。
難波のアイコンでもある髙島屋大阪店
スポーツ&ゴルフフロアの入り口に位置する
ずらりとロードバイクが並ぶ
百貨店の中ということもあり、他の3店舗のように「なんでも揃ってますよ!」といわんばかりの量の品揃えがあるわけではない。展示されている自転車の台数でいえば30台程度だろうか。しかし、そのラインアップは長年培われてきたシルベストサイクルの選球眼が光る逸品の数々が並んでいる。
「物理的に梅田と同じような品揃えはできないですので、良いものを絞って並べることにしています。そして、商品の入れ換えサイクルを短くして、来るたびに新しい商品が並んでいるようなお店にしたいんですよ」と語るのはシルベストサイクルの統括店長を務める山崎さん。売り場面積の小ささを逆手にとって、大きな店舗では難しいコンセプトを実現しようという発想だ。
バイクの次に重視されていたのがアパレルだ
ステムデザインなど、あまり見かけないブランドにも力を入れている
シューズもハイエンドモデルが揃う
シューズやヘルメットと並べられるのはシルベストサイクルを紹介するオリジナルの冊子
「とにかく、普通の自転車店ではあまりないような出会いが多いんですよ!」とは難波店の店長である渕上さん。「これまで、自転車店というのは『自転車に興味のある人』が来るのを待っていただけでした。でも、この難波店は全然自転車に興味がない人もたくさんいらっしゃるので、本当に楽しくて、刺激的なんです。そしてそういった方に気軽に入ってもらえるように、敷居の高さは取り払っていこうと思っています」とお店のコンセプトについて語っていただいた。
外商向けのサロンが設置され、高島屋大阪店の中でも多くの富裕層が集まる5階ということもあり、並べられたバイクもハイエンドモデルの比率が高め。最も目立つところに飾られているのは、ピナレロのDOGMA F10や、スペシャライズドのS-WORKS TarmacやVenge ViAS、コルナゴのCONCEPTなど、ルックスも性能も非の打ちどころのない高級バイクたち。とはいえ、エントリーグレードもしっかりと揃えられている。
選りすぐりのスタッフさんがシルベストサイクル難波店に常駐しているとのこと
日本でも有数の歴史を誇る百貨店にスポーツバイク専門店が出店するということで、接客などの研修も改めて受けることになったそう。「お辞儀の角度や、手の組み方もびしびし指導されました(笑)」とのことで、そういった意味でもほかの3店舗とは一味違うお店になっている。価格についても、基本的には定価販売とのことだが、髙島屋のカードなどを使うことで、様々なポイントなどが付与されるため、実は結構お買い得な側面もあるのだとか。
オープンから1週間も経っていないながらも、すでに何台かのバイクも納車しているという。百貨店の中といえど、そこはスポーツバイク専門店ということで、しっかりとメカニックスペースも確保され、納車時整備はもちろんのこと様々なメンテナンスにも対応する。
自転車の持ち込み当たっては、まず直通内線電話で連絡すると
東館の入り口にスタッフが迎えにきてくれる
カバーを被せて専用台車へ
そしてエレベーターへ。このエレベーターに自転車の持ち込みができるようにいろいろな折衝があったんだとか
5階ということで、「どうやって自転車を持ち込むの?」と心配になるが、そこもしっかりと対策済み。東館のエントランスに設置された直通電話で連絡すれば、スタッフが専用台車を持ってきてくれる。カバーを被せて、エレベーターで5階まで上がることが出来るのだ。なお、持ち込むことが出来るのは難波店で購入したバイクに限ることになるが、整備に関する不安は無い。
また、他の店舗と同じく講習会やライドイベントなどにも力を入れていきたいとのこと。取材に訪れた4日には、店内の休憩スペースである「ローズパティオ」にて山崎さんによる初心者向けのロードバイク講座も行われ、多くの反響を得ていた。
ローズパティオにて開催された初心者向けロードバイク講座。毎月開催していく予定。 (c)シルベストサイクル
ロードバイク講座を開いたシルベストサイクル統括店長の山崎さん
髙島屋のスポーツ用品のシニアマネジャーである岩崎さん なぜ、髙島屋に自転車ショップが?という疑問に対して「これまではゴルフが富裕層のスポーツでしたが、ヨーロッパではトライアスロンを含めスポーツバイクを嗜む人も多くなっています。そういった世界的な潮流がある中で、髙島屋さんからお声がけいただいたんですよ」と開店の経緯について語る山崎さん。
髙島屋のスポーツ用品のシニアマネジャーである岩崎さんも、「髙島屋としても、新しいタイプのお客様にご来店いただくために様々な展開を行っています。若い女性向けにヨガを導入したところ反響も上々で、次は男性向けのスポーツだろう、ということでロードバイクに注目しました。社内にも自転車を趣味とするグループがあり、やはりシルベストサイクルが一番適任だろうということで、お願いしたんですよ」と語る。
有名なブランドが軒を連ねる店内に、スポーツバイクが並べられる光景は新鮮なもので、いち自転車乗りとして少し誇らしい気分にもなる。まだ今は少し違和感もあるけれど、それはきっとこの光景が見慣れないからだろう。きっとそう遠くないうちに、当たり前の景色になるはずだ。
自転車がこの日本のメインストリームカルチャーの一角に上がりつつある、その記念すべきメルクマールとして、このシルベストサイクル難波店が位置付けられる日がそこまで迫っているのかもしれない。
text&photo:Naoki.YASUOKA

これまで、梅田店、京都店、みのおキューズモール店と3つの店舗を展開してきたシルベストサイクルが4つ目となる新店舗を大阪随一の繁華街として知られる難波にオープンした。それも「ミナミ」の中でも中心部に位置する老舗百貨店、髙島屋大阪店の5階に開業することとなったのだ。
南海電鉄や地下鉄の難波駅に直結する髙島屋大阪店。昭和7年に建築された歴史あるビルは、難波の賑わいを象徴するアイコニックな建造物である。国の重要文化財に指定されている日本橋店とはほぼ同時期に建造されており、歴史的価値としてはほぼ互角といえるだろう。
大阪、ひいては日本の文化を牽引してきた老舗百貨店の一角に、日本で初めてスポーツバイクショップが入居することとなったのだ。髙島屋の5階、ゴルフやランニングといったスポーツ用品が並ぶエリアの入り口にずらりとロードバイクが並べられている。



百貨店の中ということもあり、他の3店舗のように「なんでも揃ってますよ!」といわんばかりの量の品揃えがあるわけではない。展示されている自転車の台数でいえば30台程度だろうか。しかし、そのラインアップは長年培われてきたシルベストサイクルの選球眼が光る逸品の数々が並んでいる。
「物理的に梅田と同じような品揃えはできないですので、良いものを絞って並べることにしています。そして、商品の入れ換えサイクルを短くして、来るたびに新しい商品が並んでいるようなお店にしたいんですよ」と語るのはシルベストサイクルの統括店長を務める山崎さん。売り場面積の小ささを逆手にとって、大きな店舗では難しいコンセプトを実現しようという発想だ。




「とにかく、普通の自転車店ではあまりないような出会いが多いんですよ!」とは難波店の店長である渕上さん。「これまで、自転車店というのは『自転車に興味のある人』が来るのを待っていただけでした。でも、この難波店は全然自転車に興味がない人もたくさんいらっしゃるので、本当に楽しくて、刺激的なんです。そしてそういった方に気軽に入ってもらえるように、敷居の高さは取り払っていこうと思っています」とお店のコンセプトについて語っていただいた。
外商向けのサロンが設置され、高島屋大阪店の中でも多くの富裕層が集まる5階ということもあり、並べられたバイクもハイエンドモデルの比率が高め。最も目立つところに飾られているのは、ピナレロのDOGMA F10や、スペシャライズドのS-WORKS TarmacやVenge ViAS、コルナゴのCONCEPTなど、ルックスも性能も非の打ちどころのない高級バイクたち。とはいえ、エントリーグレードもしっかりと揃えられている。

日本でも有数の歴史を誇る百貨店にスポーツバイク専門店が出店するということで、接客などの研修も改めて受けることになったそう。「お辞儀の角度や、手の組み方もびしびし指導されました(笑)」とのことで、そういった意味でもほかの3店舗とは一味違うお店になっている。価格についても、基本的には定価販売とのことだが、髙島屋のカードなどを使うことで、様々なポイントなどが付与されるため、実は結構お買い得な側面もあるのだとか。
オープンから1週間も経っていないながらも、すでに何台かのバイクも納車しているという。百貨店の中といえど、そこはスポーツバイク専門店ということで、しっかりとメカニックスペースも確保され、納車時整備はもちろんのこと様々なメンテナンスにも対応する。




5階ということで、「どうやって自転車を持ち込むの?」と心配になるが、そこもしっかりと対策済み。東館のエントランスに設置された直通電話で連絡すれば、スタッフが専用台車を持ってきてくれる。カバーを被せて、エレベーターで5階まで上がることが出来るのだ。なお、持ち込むことが出来るのは難波店で購入したバイクに限ることになるが、整備に関する不安は無い。
また、他の店舗と同じく講習会やライドイベントなどにも力を入れていきたいとのこと。取材に訪れた4日には、店内の休憩スペースである「ローズパティオ」にて山崎さんによる初心者向けのロードバイク講座も行われ、多くの反響を得ていた。



髙島屋のスポーツ用品のシニアマネジャーである岩崎さんも、「髙島屋としても、新しいタイプのお客様にご来店いただくために様々な展開を行っています。若い女性向けにヨガを導入したところ反響も上々で、次は男性向けのスポーツだろう、ということでロードバイクに注目しました。社内にも自転車を趣味とするグループがあり、やはりシルベストサイクルが一番適任だろうということで、お願いしたんですよ」と語る。
有名なブランドが軒を連ねる店内に、スポーツバイクが並べられる光景は新鮮なもので、いち自転車乗りとして少し誇らしい気分にもなる。まだ今は少し違和感もあるけれど、それはきっとこの光景が見慣れないからだろう。きっとそう遠くないうちに、当たり前の景色になるはずだ。
自転車がこの日本のメインストリームカルチャーの一角に上がりつつある、その記念すべきメルクマールとして、このシルベストサイクル難波店が位置付けられる日がそこまで迫っているのかもしれない。
text&photo:Naoki.YASUOKA
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