2016/08/09(火) - 09:15
ツール・ド・フランスの1ステージがそのままコースとなるグランフォンドイベント「エタップ・デュ・ツール」。日本から自動車ジャーナリストの河口まなぶさんが参加したレポートが届きました。
シクロワイアードの読者の皆さん、初めまして! 河口まなぶと申します。僕は自動車ジャーナリストという職業についておりますが、2012年に元F1ドライバーの片山右京さんに誘われてロードバイクに乗るようになり、同年にFacebook上にて公開グループ「大人の自転車部」を始め、現在約1万4000人のメンバーがいるコミュニティの部長を務めています。
自分自身では、自転車レースに出場した経験はほとんどなく、富士SWやもてぎ、袖ケ浦で行われるエンデューロ、箱根ヒルクライム、あとはアルプスあづみのセンチュリーライドを3回走ったくらいしかありません。
ただトライアスロンでも自転車に乗るので、こちらはホノルルトライアスロン4回、九十九里2回、銚子1回、アイアンマン70.3セントレア、アイアンマン・ジャパン2015、アイアンマン・ケアンズ2016と完走しています。
こんな具合で自転車とのつながりがあるので、皆さんご存知のマヴィックのアンバサダーを務めさせていただいており、今回エタップ・デュ・ツールに参加させていただくことになったわけです。そしてその素晴らしい体験をシクロワイアードでレポートさせていただきます。
さて、エタップ・デュ・ツールはご存知の皆さんも多いでしょうが、簡単に説明を。エタップ・デュ・ツールとは、現在開催されている世界最高峰の自転車レースであるツール・ド・フランスの1ステージを使って走る市民レース。ツール・ド・フランスは当然選手でなければ走れないが、エタップ・デュ・ツールはそんなツール・ド・フランスのコースを誰もが走れるイベントとして、毎年世界中からたくさんのサイクリストが参加するレースとなっている。
今年のエタップ・デュ・ツールの舞台となるのは、7月23日に開催される第20ステージのメジェーヴ〜モルジヌ間の146km。読者の皆さんならこの距離を見ても大したことはないと感じる人が多いだろう。ロングライドイベントでは160kmや210kmはざらだから、「ほどほどの距離」と感じる人も多いはずだ。ただし、そこは自転車の本場のコース。そして、もちろんツール・ド・フランスのコースでもあるわけで、獲得標高が実に4,000mもある!
コース内にある山岳区間も2級→1級→1級→超級という順になっており、ハードでないはずがないといえるものになっている。
ただ、自転車乗りとして注目したいのは登りのキツさだけでなく、下りの距離の長さと傾斜のキツさ、加えて欧州特有の、路肩にガードレールがないという点だろう。「これだけ登るのだから、下りは相当にハードだろうな」というのが僕の予測だった。
ちなみに今回、僕が使うバイクはキャノンデール・ジャパンが2月から始めた新プログラムであるカスタム・ラボで作ったカスタムのスーパーシックスEVO。キャノンデールなのにオレンジ! ということで、今年のAACRでも多くの人に注目いただいたし、6月5日のTOJ東京ステージのパレードランでも、多くの人から声をかけていただいた。
で、僕はもともと貧脚なので、フロントが52/36T、リアが11−32T(!)という仕様で今回のエタップに臨んだ。事前の練習では、32Tの威力が凄すぎてキツい坂もスイスイ登れるどころか、力をかけ過ぎるとウィリーしそうになるほど。
そして装着ホイールは、シクロワイアードでもレビューされているマヴィックのカーボンクリンチャーホイールであるコスミック・プロカーボンSL。コース的には軽量なキシリウム・プロカーボンの選択肢もあるが、今回はこちらを使用してレースを走ることになった。
7月8日に成田空港を発ち、パリCDGを経由してスイスのジュネーブに到着。そこからはレンタカーにバイクを積んで、再びフランスの山々へと向かったのだった。
レースはまず、前日の選手登録から。選手登録を行なう会場はVillage(ビレッジ)と名付けられており、登録と同時に各種協賛メーカー等のブースが立ち並ぶ華やかな場所だ。
登録ブースで自分のビブナンバーを伝えるとゼッケン等がもらえる仕組みは世界共通。僕のゼッケンは8905番。1000人単位で列が分けられており、今回は実に1万6,000人がエントリーしているという。
僕がこれまでに参加した一番大きな大会だとアイアンマンの2,000人レベル。それとは比べ物にならない規模。自転車以外でいえば、東京マラソンでは約4万人が参加するから、それよりも小さな規模であるが、それにしても自転車レースとして大規模だと痛感する。
選手登録を済ませて早速ビレッジの中を見て回る。様々なメーカーのテントが出されており、ウェアやパーツ、アクセサリー等が販売される他、自転車メーカーは新型モデルを展示するなどしているため、まさにサイクリストにとっての天国! 特に新型モデルはこの場所で発表されているものもあり、ひとつひとつを見て回るだけでかなり時間がかかる。
とはいえ、買い物ばかりもしていられないので昼食後に宿に戻り、飛行機で運んできたバイクのチェックを兼ねての試走を行なった。
走ったのは実際のコースの一部。ただしスタートから最初の登りまでの区間だったので、緩やかな下り中心。復路で若干の登り…といった具合だった。ここでは脚を少し回し、刺激を入れてあげるために約40kmを走行した。メジェーヴの街中は、ツール・ド・フランスを歓迎する装飾などで雰囲気も抜群!いよいよ明日が楽しみになってきた。
そうして宿に戻って早めの夕食。ガッツリと肉を食べて(なぜかカーボローディングはしなかった)、明日の早起きに備え早めに就寝をしたのだった。(つづく)
text&photo:河口まなぶ
筆者プロフィール
河口まなぶ 1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。2010年にweb上の自動車部「LOVECARS!」(http:/lovecars.jp )(部員約2,200名)を設立し主宰。Facebook上に「大人の自転車部」を設立し主宰、1万4千名ものメンバーが参加する。その他youtubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数5万4000人)を持つ。趣味はスイム、自転車、マラソン、トライアスロン。
シクロワイアードの読者の皆さん、初めまして! 河口まなぶと申します。僕は自動車ジャーナリストという職業についておりますが、2012年に元F1ドライバーの片山右京さんに誘われてロードバイクに乗るようになり、同年にFacebook上にて公開グループ「大人の自転車部」を始め、現在約1万4000人のメンバーがいるコミュニティの部長を務めています。
自分自身では、自転車レースに出場した経験はほとんどなく、富士SWやもてぎ、袖ケ浦で行われるエンデューロ、箱根ヒルクライム、あとはアルプスあづみのセンチュリーライドを3回走ったくらいしかありません。
ただトライアスロンでも自転車に乗るので、こちらはホノルルトライアスロン4回、九十九里2回、銚子1回、アイアンマン70.3セントレア、アイアンマン・ジャパン2015、アイアンマン・ケアンズ2016と完走しています。
こんな具合で自転車とのつながりがあるので、皆さんご存知のマヴィックのアンバサダーを務めさせていただいており、今回エタップ・デュ・ツールに参加させていただくことになったわけです。そしてその素晴らしい体験をシクロワイアードでレポートさせていただきます。
さて、エタップ・デュ・ツールはご存知の皆さんも多いでしょうが、簡単に説明を。エタップ・デュ・ツールとは、現在開催されている世界最高峰の自転車レースであるツール・ド・フランスの1ステージを使って走る市民レース。ツール・ド・フランスは当然選手でなければ走れないが、エタップ・デュ・ツールはそんなツール・ド・フランスのコースを誰もが走れるイベントとして、毎年世界中からたくさんのサイクリストが参加するレースとなっている。
今年のエタップ・デュ・ツールの舞台となるのは、7月23日に開催される第20ステージのメジェーヴ〜モルジヌ間の146km。読者の皆さんならこの距離を見ても大したことはないと感じる人が多いだろう。ロングライドイベントでは160kmや210kmはざらだから、「ほどほどの距離」と感じる人も多いはずだ。ただし、そこは自転車の本場のコース。そして、もちろんツール・ド・フランスのコースでもあるわけで、獲得標高が実に4,000mもある!
コース内にある山岳区間も2級→1級→1級→超級という順になっており、ハードでないはずがないといえるものになっている。
ただ、自転車乗りとして注目したいのは登りのキツさだけでなく、下りの距離の長さと傾斜のキツさ、加えて欧州特有の、路肩にガードレールがないという点だろう。「これだけ登るのだから、下りは相当にハードだろうな」というのが僕の予測だった。
ちなみに今回、僕が使うバイクはキャノンデール・ジャパンが2月から始めた新プログラムであるカスタム・ラボで作ったカスタムのスーパーシックスEVO。キャノンデールなのにオレンジ! ということで、今年のAACRでも多くの人に注目いただいたし、6月5日のTOJ東京ステージのパレードランでも、多くの人から声をかけていただいた。
で、僕はもともと貧脚なので、フロントが52/36T、リアが11−32T(!)という仕様で今回のエタップに臨んだ。事前の練習では、32Tの威力が凄すぎてキツい坂もスイスイ登れるどころか、力をかけ過ぎるとウィリーしそうになるほど。
そして装着ホイールは、シクロワイアードでもレビューされているマヴィックのカーボンクリンチャーホイールであるコスミック・プロカーボンSL。コース的には軽量なキシリウム・プロカーボンの選択肢もあるが、今回はこちらを使用してレースを走ることになった。
7月8日に成田空港を発ち、パリCDGを経由してスイスのジュネーブに到着。そこからはレンタカーにバイクを積んで、再びフランスの山々へと向かったのだった。
レースはまず、前日の選手登録から。選手登録を行なう会場はVillage(ビレッジ)と名付けられており、登録と同時に各種協賛メーカー等のブースが立ち並ぶ華やかな場所だ。
登録ブースで自分のビブナンバーを伝えるとゼッケン等がもらえる仕組みは世界共通。僕のゼッケンは8905番。1000人単位で列が分けられており、今回は実に1万6,000人がエントリーしているという。
僕がこれまでに参加した一番大きな大会だとアイアンマンの2,000人レベル。それとは比べ物にならない規模。自転車以外でいえば、東京マラソンでは約4万人が参加するから、それよりも小さな規模であるが、それにしても自転車レースとして大規模だと痛感する。
選手登録を済ませて早速ビレッジの中を見て回る。様々なメーカーのテントが出されており、ウェアやパーツ、アクセサリー等が販売される他、自転車メーカーは新型モデルを展示するなどしているため、まさにサイクリストにとっての天国! 特に新型モデルはこの場所で発表されているものもあり、ひとつひとつを見て回るだけでかなり時間がかかる。
とはいえ、買い物ばかりもしていられないので昼食後に宿に戻り、飛行機で運んできたバイクのチェックを兼ねての試走を行なった。
走ったのは実際のコースの一部。ただしスタートから最初の登りまでの区間だったので、緩やかな下り中心。復路で若干の登り…といった具合だった。ここでは脚を少し回し、刺激を入れてあげるために約40kmを走行した。メジェーヴの街中は、ツール・ド・フランスを歓迎する装飾などで雰囲気も抜群!いよいよ明日が楽しみになってきた。
そうして宿に戻って早めの夕食。ガッツリと肉を食べて(なぜかカーボローディングはしなかった)、明日の早起きに備え早めに就寝をしたのだった。(つづく)
text&photo:河口まなぶ
筆者プロフィール
河口まなぶ 1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。2010年にweb上の自動車部「LOVECARS!」(http:/lovecars.jp )(部員約2,200名)を設立し主宰。Facebook上に「大人の自転車部」を設立し主宰、1万4千名ものメンバーが参加する。その他youtubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数5万4000人)を持つ。趣味はスイム、自転車、マラソン、トライアスロン。
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