2016/01/18(月) - 08:59
目黒誠子さんによる、パリのシェアサイクル「ヴェリブ」をつかったサイクリングレポートも最終回。花の都パリを満喫したサイクリングの様子をお届けします。
(前回までのレポートはこちらのリンクから。第1回、第2回)
パリ花公園をあとにしたら、ナシオナル橋を渡って、一気に左岸へ。モスクを抜けて、サンジェルマンデプレでランチ。ナポレオンのお墓、アンヴァリッドまで来たら、エッフェル塔はもう間近です。行先が遠い場合は、途中までメトロで移動したあとにヴェリブを借りるのもいいかもしれません。
私たちはエッフェル塔訪問のあと、再びセーヌ川を渡り、高級住宅地パッシーを通って、マルモッタン美術館(中には入りませんでしたが)、ブーローニュの森、バラで有名な「バガテル公園」まで行きました。市街の東端のヴァンセンヌの森から、西端のブーローニュの森までの、パリ東西横断ヴェリブサイクリングでした。
自転車を止めておくときは、本体備え付けのワイヤーロックで鍵をかけることができるのでとても便利です。鍵の下にあるホールに差し込むと、鍵が取れます。鍵はなくさないように管理。なくした場合は、ペナルティでクレジットカードから10ユーロ引き落としとなります。
普通の市民だったら、よっぽどの坂バカ? でない限り、わざわざ自転車を借りて坂道を登ろうとする人はあまりいないかもしれません。その対策として、「ボーナス・ヴェ・プリュス Bonus V‘+」というステーションがあります。同じVマークのステーションでも、「+」がついていて、たとえばモンマルトルの丘のふもとの地下鉄アベス駅や、ビュット・ショーモン公園周辺など、標高60m以上のところにある約100のステーションがそのボーナス・ヴェ・プリュスとなっています。
空きが多く発生しやすく利用者が少なかったことから、ボーナス特典として、無料レンタル30分に15分が追加延長されます。つまり45分まで無料となります。このシステムを導入してから利用者が増えているそうです。ヴェリブにはギアが3段階ついていますし、パリの絶景を見るために「モンマルトルをヒルクライム!」なんていいかもしれません!下りが気持ちよさそう~。
また、利用者の多い駅や時間帯でも、ヴェリブが出払っていて借りることができなかったり、またいつも満車で返せない、という場合が発生します。そのような状況を防ぐために、定期的にステーション間で台数が調整され、清掃やメンテナンスもされていました。
パリの街にすっかり溶け込んでいるヴェリブ。パリの街を肌で感じながらのサイクリングは最高でした。日本でもこんな風にシェアサイクルやレンタル自転車がどんどん普及してくれるといいなぁと思います。
ペダルを漕いで発電! スマホも充電できちゃう自家発電自転車「WeBike」
さて、ここからは番外編ということで、ヴェリブとは関係ありませんが、フランスのオモシロ自転車スポット(?)をお一つ紹介しましょう。フランスの「リヨン・サン=テグジュペリTGV駅」に、スマホやノートPCを充電できる自家発電自転車があったので体験してきました。
リヨン・サン=テグジュペリ国際空港と連絡橋で結ばれている、リヨン・サン=テグジュペリTGV駅。高い天井、広いホールの端にあったテーブルとイス。木目調で、機械なのにどこかやわらかい雰囲気。一見しただけでは自転車と判別できないのですが、ペダルらしきものがついており、真ん中に向かい合って座る不自然な形と、中心部分から出ている充電用ケーブルによって、これは「自家発電自転車」なのだとわかりました。おもしろそう!自転車とわかったら乗ってみなくっちゃ。まわりに人はいるものの、席は空いていたので、さっそく座ってみました。
椅子の高さは調節できませんが、うしろに向かって斜め上に高くなっていく細長い形なので、身長が低い人は前のほうに、身長が高い人はうしろの方に座って調整する方式のようです。コンセントにスマホを差して、さっそくペダルを漕いでみました!ちょっと重いです。
でも、最初は少し重く感じられたペダルも、漕ぎ始めるとだんだんスムーズにまわるように。そのままペダルを漕ぎ続けると、コンセントのまわりの黒い部分に変化が出てきます。白い光の点々で少しずつ、円を描いていきます。この白い光が、充電されている、という合図のようです。このライトが消えないようにペダルを漕ぎ続け、iPhoneであれば約30分で充電が完了します。 これで30分はすごくいい運動になるかも。 一緒に充電していた男の子もけっこう楽しそうでした。
こちらの自家発電自転車、「WeBike」と言って、運動不足解消のために、ベルギーのフランドル政府の大臣が発案したそうです。価格は約140万円。椅子の高さが調節できるともっといいかもしれませんが、これ、このままデスクとしても使えないこともなさそうです。ペダルを漕ぐなどの一定のリズム運動は「セロトニン」というハッピーホルモンを促すとも言われています。このリヨン駅のように待合場所はもちろん、煮詰まったときの気分転換用にオフィスに一台あったら、仕事の効率もぐんぐん上がりそうです。
さて、全3編でお送りした目黒誠子さんによるヴェリブとフランス自転車事情のレポートはいかがでしたでしょうか?日本とはまた違う自転車を取り囲む風景がお伝えできたのではないでしょうか?ぜひ、皆さんもパリに立ち寄ることがあれば、ヴェリブを借りてサイクリングを楽しんでみては?
text:Seiko.Meguro
photo:Kenji Hashimoto
(前回までのレポートはこちらのリンクから。第1回、第2回)
パリ花公園をあとにしたら、ナシオナル橋を渡って、一気に左岸へ。モスクを抜けて、サンジェルマンデプレでランチ。ナポレオンのお墓、アンヴァリッドまで来たら、エッフェル塔はもう間近です。行先が遠い場合は、途中までメトロで移動したあとにヴェリブを借りるのもいいかもしれません。
私たちはエッフェル塔訪問のあと、再びセーヌ川を渡り、高級住宅地パッシーを通って、マルモッタン美術館(中には入りませんでしたが)、ブーローニュの森、バラで有名な「バガテル公園」まで行きました。市街の東端のヴァンセンヌの森から、西端のブーローニュの森までの、パリ東西横断ヴェリブサイクリングでした。
自転車を止めておくときは、本体備え付けのワイヤーロックで鍵をかけることができるのでとても便利です。鍵の下にあるホールに差し込むと、鍵が取れます。鍵はなくさないように管理。なくした場合は、ペナルティでクレジットカードから10ユーロ引き落としとなります。
普通の市民だったら、よっぽどの坂バカ? でない限り、わざわざ自転車を借りて坂道を登ろうとする人はあまりいないかもしれません。その対策として、「ボーナス・ヴェ・プリュス Bonus V‘+」というステーションがあります。同じVマークのステーションでも、「+」がついていて、たとえばモンマルトルの丘のふもとの地下鉄アベス駅や、ビュット・ショーモン公園周辺など、標高60m以上のところにある約100のステーションがそのボーナス・ヴェ・プリュスとなっています。
空きが多く発生しやすく利用者が少なかったことから、ボーナス特典として、無料レンタル30分に15分が追加延長されます。つまり45分まで無料となります。このシステムを導入してから利用者が増えているそうです。ヴェリブにはギアが3段階ついていますし、パリの絶景を見るために「モンマルトルをヒルクライム!」なんていいかもしれません!下りが気持ちよさそう~。
また、利用者の多い駅や時間帯でも、ヴェリブが出払っていて借りることができなかったり、またいつも満車で返せない、という場合が発生します。そのような状況を防ぐために、定期的にステーション間で台数が調整され、清掃やメンテナンスもされていました。
パリの街にすっかり溶け込んでいるヴェリブ。パリの街を肌で感じながらのサイクリングは最高でした。日本でもこんな風にシェアサイクルやレンタル自転車がどんどん普及してくれるといいなぁと思います。
ペダルを漕いで発電! スマホも充電できちゃう自家発電自転車「WeBike」
さて、ここからは番外編ということで、ヴェリブとは関係ありませんが、フランスのオモシロ自転車スポット(?)をお一つ紹介しましょう。フランスの「リヨン・サン=テグジュペリTGV駅」に、スマホやノートPCを充電できる自家発電自転車があったので体験してきました。
リヨン・サン=テグジュペリ国際空港と連絡橋で結ばれている、リヨン・サン=テグジュペリTGV駅。高い天井、広いホールの端にあったテーブルとイス。木目調で、機械なのにどこかやわらかい雰囲気。一見しただけでは自転車と判別できないのですが、ペダルらしきものがついており、真ん中に向かい合って座る不自然な形と、中心部分から出ている充電用ケーブルによって、これは「自家発電自転車」なのだとわかりました。おもしろそう!自転車とわかったら乗ってみなくっちゃ。まわりに人はいるものの、席は空いていたので、さっそく座ってみました。
椅子の高さは調節できませんが、うしろに向かって斜め上に高くなっていく細長い形なので、身長が低い人は前のほうに、身長が高い人はうしろの方に座って調整する方式のようです。コンセントにスマホを差して、さっそくペダルを漕いでみました!ちょっと重いです。
でも、最初は少し重く感じられたペダルも、漕ぎ始めるとだんだんスムーズにまわるように。そのままペダルを漕ぎ続けると、コンセントのまわりの黒い部分に変化が出てきます。白い光の点々で少しずつ、円を描いていきます。この白い光が、充電されている、という合図のようです。このライトが消えないようにペダルを漕ぎ続け、iPhoneであれば約30分で充電が完了します。 これで30分はすごくいい運動になるかも。 一緒に充電していた男の子もけっこう楽しそうでした。
こちらの自家発電自転車、「WeBike」と言って、運動不足解消のために、ベルギーのフランドル政府の大臣が発案したそうです。価格は約140万円。椅子の高さが調節できるともっといいかもしれませんが、これ、このままデスクとしても使えないこともなさそうです。ペダルを漕ぐなどの一定のリズム運動は「セロトニン」というハッピーホルモンを促すとも言われています。このリヨン駅のように待合場所はもちろん、煮詰まったときの気分転換用にオフィスに一台あったら、仕事の効率もぐんぐん上がりそうです。
さて、全3編でお送りした目黒誠子さんによるヴェリブとフランス自転車事情のレポートはいかがでしたでしょうか?日本とはまた違う自転車を取り囲む風景がお伝えできたのではないでしょうか?ぜひ、皆さんもパリに立ち寄ることがあれば、ヴェリブを借りてサイクリングを楽しんでみては?
text:Seiko.Meguro
photo:Kenji Hashimoto
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