2015/12/24(木) - 08:55
世界でも最大の規模を誇る自転車シェアシステム「ヴェリブ」。普段はツアー・オブ・ジャパン海外チームの招待を担当されている目黒誠子さんが、ヴェリブの使い方から活用法までレポートしてくれます。第1弾となる今回は、まずヴェリブの借り方から!
多くの人が利用する「ヴェリブ」ですが、そのために用意される自転車は一見すれば日本のママチャリに似ているものの、その実かなりのヘビーデューティーな仕様となっているのが特徴です。不特定多数の人が使うので、採用されているパーツも盗難されづらく、耐久性に優れた専用のものが多く使われています。
例えば、パリの石畳を走るために、タイヤは耐久性に定評のあるシュワルベのマラソンを採用していたり、ペダルは簡単に取り外せないような特別なモデルが使われていたり、ブレーキはメンテナンス頻度が少なくても高性能を維持しやすいシマノのローラーブレーキの最上級モデルが採用されていたりと、安全で安心なインフラとして、隅々まで考えられているのがヴェリブなんです。
ヴェリブのレンタル料金は以下の通りになっています。
基本利用料…1日(24時間):1.7ユーロ
7日:8ユーロ
1年間:29ユーロ
レンタル料…30分以内の利用は無料。
つまり30分以内にどこかのステーションへ返却すれば使用料はかかりません。29分59秒を過ぎると、30~59分で1ユーロ、60~89分で2ユーロ、その後30分延長するごとに4ユーロずつ使用料が加算されていきます。安くあげたければ、30分以内に返却し(返したあと2分待って)、新しく借りなおして、再び30分以内に返却し、借りなおして、とやっていくと、1日1ユーロで利用できる仕組みです。
支払いはICチップ付きのクレジットカードで。VISA、MASTER、JCB、AMEX。4桁の暗証番号が必要になります。最初に150ユーロのデポジットを要求されますが、これは自転車を返却しない場合に引き落としとなります。盗難された場合は(盗難届を提出)35ユーロ、盗難防止キー紛失の場合は10ユーロのペナルティとして、クレジットカードの口座から引き落とされます。なお、利用は14歳以上、身長150cm以上、体重120kg以下の条件があります。
さて、それでは実際にヴェリブの利用方法をお伝えしましょう!ヴェリブを使うためには、最初に登録が必要となります。まずは、「Borneボルヌ」という操作ステーションセンターを見つけます。地図で、紫色のVマークはボルヌあり、赤のVマークはボルヌなしでヴェリブだけのところ。はじめて使う時は登録が必要となるので、紫色のボルヌへ。
まず、最初の画面はフランス語になっていますが、今はほとんどのステーションで日本語も選択できるようになりました。操作言語を選んだら、利用期間を選択する画面に。1年利用と、短期利用が選べるのですが、観光旅行であれば短期利用でOK。
利用期間を選んだら、支払のためのクレジットカード登録画面が現れます。デポジットとして150ユーロの表示が出てきますが、返却忘れや盗難に遭うなどといったことがなければ引き落とされることは無いのでご安心を。カード登録が完了したら、「RETIREZ CARTE」という表示が出てきます。
次に、ヴェリブのレンタル用の暗証番号を設定し、借りる時に必要なレファレンス番号が記されたチケットを受け取れば登録完了です。これで、ヴェリブを借りることができるようになりました。ヴェリブを借りる際に大切なのは、まずは自転車のコンディションをよく調べておくこと。タイヤの空気圧やブレーキの効き、ハンドルが真っ直ぐ着いているかなどをチェックしてから借りる自転車を決めるといいですね。
もしかしたら、ステーションに並んでいる自転車の中には、サドルが逆方向になっている自転車があるかもしれません。それは「故障していますよ」という以前の利用者からのサイン。ですので、そういった自転車は選ばないようにしましょう。また、故障車を見つけたらサドルを前後逆にしてあげると、次の利用者に優しいですね。
もし、トラブルを抱えている自転車を借りてしまっても、30分以内なら無料で返却できるので大丈夫!一旦、返却してコンディションOKのものを選びなおすことができます。自転車に目星をつけたら、いざ!ヴェリブを借りてみます!
まず、先ほど受け取ったチケットのレファランス番号と暗証番号を入力し、「自転車をレンタルする」というボタンを選択すると、返却時の注意事項が画面に表示されます。内容は、「返却する際、きちんとロックされると、『ピピッ』と鳴って赤ランプから青ランプに換わるので、必ず確認するように」というものです。
ステーション内で利用できるスタンドの番号が表示されるので、目星をつけていた自転車の番号を選択。ボタンを押してから60秒以内に、選んだスタンドのボタンを押してロックを解除、自転車をスタンドから取り出せば、無事にレンタル成功です。
自転車が不良の場合や60秒以内で借りることができなかった場合は、もう一度レファレンス番号を入力するところから行えば大丈夫です。なので焦って操作する必要は全くありませんのでご安心を!
さて、無事に借りることが出来、パリでのサイクリングを楽しんだ後はヴェリブをステーションに戻さないといけません。まずは地図で最寄りのヴェリブステーションを探します。返却はボルヌのない赤色で示されたステーションでも行えます。目的地を決めたら、最寄りのステーションを確認しておくとスムーズで安心できるでしょう。
初乗りの30分は無料なので、「早く返そう!」となりがちですが、あまり気にしているとヴェリブを愉しめないので、「ちょうど良い場所にステーションがあったら返そう~」というくらいの気分でいたほうが、気楽で良いのではないでしょうか。
ステーションに辿りつき、空いているスタンドを見つけたら、ヴェリブの右フォークについている突起をスタンドの差し込み口に「ピピッ!」となるまできっちりと押しこみ、ライトが緑色に点灯すれば返却は完了です。ちなみに、目当てのステーションが満車の場合は、ボルヌの画面を操作してその周辺のステーションの場所、空き自転車・空きスペース状況を知ることができます。
さて、ヴェリブの基本的な利用方法はお分かりいただけましたでしょうか?日本語にも対応しており、実際に触ってみれば、意外に簡単に借りることができるので、パリに訪れた際はぜひ一度利用してみてください!次回はパリでの交通ルール、そして実際に乗ってみた時の注意点についてお伝えする予定です!お楽しみに。
text:Seiko.Meguro
photo:Kenji Hashimoto
多くの人が利用する「ヴェリブ」ですが、そのために用意される自転車は一見すれば日本のママチャリに似ているものの、その実かなりのヘビーデューティーな仕様となっているのが特徴です。不特定多数の人が使うので、採用されているパーツも盗難されづらく、耐久性に優れた専用のものが多く使われています。
例えば、パリの石畳を走るために、タイヤは耐久性に定評のあるシュワルベのマラソンを採用していたり、ペダルは簡単に取り外せないような特別なモデルが使われていたり、ブレーキはメンテナンス頻度が少なくても高性能を維持しやすいシマノのローラーブレーキの最上級モデルが採用されていたりと、安全で安心なインフラとして、隅々まで考えられているのがヴェリブなんです。
ヴェリブのレンタル料金は以下の通りになっています。
基本利用料…1日(24時間):1.7ユーロ
7日:8ユーロ
1年間:29ユーロ
レンタル料…30分以内の利用は無料。
つまり30分以内にどこかのステーションへ返却すれば使用料はかかりません。29分59秒を過ぎると、30~59分で1ユーロ、60~89分で2ユーロ、その後30分延長するごとに4ユーロずつ使用料が加算されていきます。安くあげたければ、30分以内に返却し(返したあと2分待って)、新しく借りなおして、再び30分以内に返却し、借りなおして、とやっていくと、1日1ユーロで利用できる仕組みです。
支払いはICチップ付きのクレジットカードで。VISA、MASTER、JCB、AMEX。4桁の暗証番号が必要になります。最初に150ユーロのデポジットを要求されますが、これは自転車を返却しない場合に引き落としとなります。盗難された場合は(盗難届を提出)35ユーロ、盗難防止キー紛失の場合は10ユーロのペナルティとして、クレジットカードの口座から引き落とされます。なお、利用は14歳以上、身長150cm以上、体重120kg以下の条件があります。
さて、それでは実際にヴェリブの利用方法をお伝えしましょう!ヴェリブを使うためには、最初に登録が必要となります。まずは、「Borneボルヌ」という操作ステーションセンターを見つけます。地図で、紫色のVマークはボルヌあり、赤のVマークはボルヌなしでヴェリブだけのところ。はじめて使う時は登録が必要となるので、紫色のボルヌへ。
まず、最初の画面はフランス語になっていますが、今はほとんどのステーションで日本語も選択できるようになりました。操作言語を選んだら、利用期間を選択する画面に。1年利用と、短期利用が選べるのですが、観光旅行であれば短期利用でOK。
利用期間を選んだら、支払のためのクレジットカード登録画面が現れます。デポジットとして150ユーロの表示が出てきますが、返却忘れや盗難に遭うなどといったことがなければ引き落とされることは無いのでご安心を。カード登録が完了したら、「RETIREZ CARTE」という表示が出てきます。
次に、ヴェリブのレンタル用の暗証番号を設定し、借りる時に必要なレファレンス番号が記されたチケットを受け取れば登録完了です。これで、ヴェリブを借りることができるようになりました。ヴェリブを借りる際に大切なのは、まずは自転車のコンディションをよく調べておくこと。タイヤの空気圧やブレーキの効き、ハンドルが真っ直ぐ着いているかなどをチェックしてから借りる自転車を決めるといいですね。
もしかしたら、ステーションに並んでいる自転車の中には、サドルが逆方向になっている自転車があるかもしれません。それは「故障していますよ」という以前の利用者からのサイン。ですので、そういった自転車は選ばないようにしましょう。また、故障車を見つけたらサドルを前後逆にしてあげると、次の利用者に優しいですね。
もし、トラブルを抱えている自転車を借りてしまっても、30分以内なら無料で返却できるので大丈夫!一旦、返却してコンディションOKのものを選びなおすことができます。自転車に目星をつけたら、いざ!ヴェリブを借りてみます!
まず、先ほど受け取ったチケットのレファランス番号と暗証番号を入力し、「自転車をレンタルする」というボタンを選択すると、返却時の注意事項が画面に表示されます。内容は、「返却する際、きちんとロックされると、『ピピッ』と鳴って赤ランプから青ランプに換わるので、必ず確認するように」というものです。
ステーション内で利用できるスタンドの番号が表示されるので、目星をつけていた自転車の番号を選択。ボタンを押してから60秒以内に、選んだスタンドのボタンを押してロックを解除、自転車をスタンドから取り出せば、無事にレンタル成功です。
自転車が不良の場合や60秒以内で借りることができなかった場合は、もう一度レファレンス番号を入力するところから行えば大丈夫です。なので焦って操作する必要は全くありませんのでご安心を!
さて、無事に借りることが出来、パリでのサイクリングを楽しんだ後はヴェリブをステーションに戻さないといけません。まずは地図で最寄りのヴェリブステーションを探します。返却はボルヌのない赤色で示されたステーションでも行えます。目的地を決めたら、最寄りのステーションを確認しておくとスムーズで安心できるでしょう。
初乗りの30分は無料なので、「早く返そう!」となりがちですが、あまり気にしているとヴェリブを愉しめないので、「ちょうど良い場所にステーションがあったら返そう~」というくらいの気分でいたほうが、気楽で良いのではないでしょうか。
ステーションに辿りつき、空いているスタンドを見つけたら、ヴェリブの右フォークについている突起をスタンドの差し込み口に「ピピッ!」となるまできっちりと押しこみ、ライトが緑色に点灯すれば返却は完了です。ちなみに、目当てのステーションが満車の場合は、ボルヌの画面を操作してその周辺のステーションの場所、空き自転車・空きスペース状況を知ることができます。
さて、ヴェリブの基本的な利用方法はお分かりいただけましたでしょうか?日本語にも対応しており、実際に触ってみれば、意外に簡単に借りることができるので、パリに訪れた際はぜひ一度利用してみてください!次回はパリでの交通ルール、そして実際に乗ってみた時の注意点についてお伝えする予定です!お楽しみに。
text:Seiko.Meguro
photo:Kenji Hashimoto
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