2015/11/08(日) - 09:47
11月6日より開幕しているサイクルモード2015。多くのブースが出展し、沢山の試乗車やパーツが展示されているが。サイクルモードはそれらだけではない。多くの参加型イベントが開催されているのだ。今回はその中からシリアスアスリート向けのセミナー「アスリートワークショップ」をレポートしよう。
サイクルモード史上初となる、シリアスな競技者に向けたセミナーイベントが「アスリートワークショップ」だ。金曜日には販売店向けのメカニックセミナーが、土曜日には「富士山ヒルクライムスバルライン65分切りを目指せ!編」というテーマで様々なセミナーが行われた。それでは、土曜日のセミナーの様子を紹介していこう。
「ヒルクライムで勝つためのカラダケア&コンディショニング講座」
ティンコフ・サクソに帯同するマッサーとして、日本人のなかでもプロトンの内情をもっともよく知っている一人である中野善文さんが講師を務めるのがこちらの講座。日々のコンディション調整方法や、レース前後でのストレッチといった、成績を求めるアスリートにとって喉から手が出るほど欲しい情報をレクチャーしてくれた。
特にストレッチポールを使ったさまざまなストレッチの動きとそれが目的とするものを、実演しながら詳しく解説してくれた。一般的なストレッチポールを使用したエクササイズに加え、さらにサイクリストに特化した深い内容がレクチャーされ、集まっていた参加者たちはみな熱心にメモをとりながら話に聞き入っていた。
また、間にはグランツールに帯同するプロツアーチームマッサーとしての経験談や、走った後は水風呂や専用の冷却装置を使ってクールダウンしたり、プロならではのエピソードを披露してくれることもあり、書籍やネットなどで手に入る情報ではわからない生の情報が手に入る貴重な時間となっていた。
「バランスで勝つ! 上りレベルアップのトレーニングテクニック」
チーム右京をはじめ、多くの強豪選手のコーチングを担当する安藤隼人氏によるこちらの講座は、普段忘れられがちな「バランス」に着目したライディング講座だ。となりの人と友達になってくださいという、一見自転車とは関係なさそうなプログラムから始まったこの講座。しかしそれは、実際にレースを走る中でプロトンでの人間関係がとても大切だということを示すもの。
そして、いかに自転車を進ませるために体重移動とそれに伴う荷重バランスが重要かのレクチャーへと続き、実際に荷重移動によってどれだけペダルに大きな力がかかるかを体験できるプログラムが実施された。
冒頭に配布されたミニバランスボールを使って、体重移動の方法を体感的に習得することができたこのプログラムは参加者にも大好評。体幹を鍛えるためのトレーニングやストレッチの方法など、すぐにでも役立つ情報が詰め込まれた40分だった。
「ペダリングパワーで効果検証! 絶頂フィッティング徹底講座」
立川に本拠を置く東京ヴェントスの二戸監督が講師を務めるこの回は、結果を求めるアスリートならば誰でも興味があるポジションについての講座となった。股下の正しいはかり方のレクチャーや、そこから導き出される適正なサドル高さなど、フィッティングについてレクチャーしてくれた。
また、パイオニアのペダリングモニターを使用し、正しいポジショニングをすることでどれだけパワー伝達効率が改善するのかを実際の数字とともに解説。目に見えてわかるその効果に、来場者のみなさんも納得の声をあげられていた。そして、講義の最後にはヒルクライムトレーニングにぴったりなグロータックの新型ローラー台のお披露目も。
「宇都宮ブリッツェン直伝!上りに効くパワートレーニング実戦講座」
近年、低価格帯の製品の登場により、ホビーライダーの間にも急速な広がりを見せているパワーメーター。しかし、本当の意味でパワーデータを活用できている人は少ないはず。この講座では、宇都宮ブリッツェンの廣瀬GMと、阿部選手のダブル講師体制でプロレーサーのパワーメーター事情をレクチャーしてくれた。
トレーニングでは自分の限界を知るために使っているという増田選手のエピソードをはじめとした宇都宮ブリッツェンでのチーム内における活用方法から、欧州プロレースの最新トレンドまで、トレーニング機器として、そしてレース機材としての両面からプロのパワーメーター活用術を教えてくれた。様々な使い方を伝えてくれる中で、自分にあった活用方法がきっと見つかったのではないだろうか。
「食事の基本から実践編まで。勝つための栄養補給計画」
バイクと自転車をマッチさせるフィッティング、効率的なライディングといったスキルも大切だが、体を動かすためにはエネルギーが必要だ。ベストパフォーマンスを発揮するための食事について、プロアスリートのサポートを多く行う管理栄養士の勝又さんが解説してくれた。
サイクリストに必要な栄養とは?そして、その栄養をいつ、どれくらい摂取するのが適切なのか。ヒルクライムレースを想定したプランを細かくレクチャーしてくれる濃密な40分。質疑の時間には、自分の練習内容に対して、どういった補給方法がよいのかという質問に細やかに答えてくれる場面もあり、満足度の高いレクチャーだったのではないだろうか。
さて、そんな盛りだくさんのアスリートワークショップだが、セミナーに集まった方々に感想を語っていただいたので、ご紹介していこう。
ヒルクライムは未経験だけど、来年は絶対に出たいという山崎さんは、そのための下準備としてアスリートワークショップに参加されたそう。ライディング時のバランスって何?速く走るのに関係あるの?という状態だったのが、安藤さんの講義ではバランスの大切さが図解や、体験として学ぶことができて少し分かった気がします、とのこと。「次に走ってみると、絶対役に立ちそうで今からワクワクしてます!」と語っていただきました。
お次は、もともと大学で管理栄養学を専攻されていたという中島さん。クロスバイクに乗っていて、これからロードバイクでロングライドに挑戦したいという中島さん。学校では、病気や妊婦さんへの対処は学んでいたけれど、スポーツ栄養学についてはほとんど学ぶ機会がなかったという。
今回勝又さんのセミナーに参加したのは、自分の知らないスポーツ栄養学について管理栄養士さんが教えてくれるという機会だったことが理由だとか。特にレース前後やレース中の補給の量といった、実践的な内容について学べたのは参考になったとのことでした。
左は、中野さんのワークショップに参加された阿部さんと高村さん。スポーツ理論を学んでいるという友人ということで、学んできた理論が、実践でどうやって活かされるのか、選手がどうやって実行しているのかという話を聞ける機会はなかったとのこと。また、富士ヒルクライムに今年出場し、来年のタイムを縮めたい!というのも参加した理由だとか。
右は、以前二戸さんのフィッティングを受けたことがあるという松本さん。二戸さんのフィッティングを受けてから膝の痛みが無くなって、体への負担が減ったことを実感したとか。そういったフィッティングのメリットに対しての理解がしやすい講座で、興味がある人にとってはとても良い時間になると思います、とのことでした。
さて、充実したレクチャーを受けられるアスリートワークショップのレポート、いかがだっただろうか。サイクルモード最終日となる11月8日には、「ロングライド200㎞の壁を超えろ!」編が開催される予定だ。(詳しくはサイクルモードアスリートワークショップページを参照)当日受付も可能となっているとのことなので、興味がわいた方はぜひブースへと足を運んでみてはいかがだろうか?
サイクルモード史上初となる、シリアスな競技者に向けたセミナーイベントが「アスリートワークショップ」だ。金曜日には販売店向けのメカニックセミナーが、土曜日には「富士山ヒルクライムスバルライン65分切りを目指せ!編」というテーマで様々なセミナーが行われた。それでは、土曜日のセミナーの様子を紹介していこう。
「ヒルクライムで勝つためのカラダケア&コンディショニング講座」
ティンコフ・サクソに帯同するマッサーとして、日本人のなかでもプロトンの内情をもっともよく知っている一人である中野善文さんが講師を務めるのがこちらの講座。日々のコンディション調整方法や、レース前後でのストレッチといった、成績を求めるアスリートにとって喉から手が出るほど欲しい情報をレクチャーしてくれた。
特にストレッチポールを使ったさまざまなストレッチの動きとそれが目的とするものを、実演しながら詳しく解説してくれた。一般的なストレッチポールを使用したエクササイズに加え、さらにサイクリストに特化した深い内容がレクチャーされ、集まっていた参加者たちはみな熱心にメモをとりながら話に聞き入っていた。
また、間にはグランツールに帯同するプロツアーチームマッサーとしての経験談や、走った後は水風呂や専用の冷却装置を使ってクールダウンしたり、プロならではのエピソードを披露してくれることもあり、書籍やネットなどで手に入る情報ではわからない生の情報が手に入る貴重な時間となっていた。
「バランスで勝つ! 上りレベルアップのトレーニングテクニック」
チーム右京をはじめ、多くの強豪選手のコーチングを担当する安藤隼人氏によるこちらの講座は、普段忘れられがちな「バランス」に着目したライディング講座だ。となりの人と友達になってくださいという、一見自転車とは関係なさそうなプログラムから始まったこの講座。しかしそれは、実際にレースを走る中でプロトンでの人間関係がとても大切だということを示すもの。
そして、いかに自転車を進ませるために体重移動とそれに伴う荷重バランスが重要かのレクチャーへと続き、実際に荷重移動によってどれだけペダルに大きな力がかかるかを体験できるプログラムが実施された。
冒頭に配布されたミニバランスボールを使って、体重移動の方法を体感的に習得することができたこのプログラムは参加者にも大好評。体幹を鍛えるためのトレーニングやストレッチの方法など、すぐにでも役立つ情報が詰め込まれた40分だった。
「ペダリングパワーで効果検証! 絶頂フィッティング徹底講座」
立川に本拠を置く東京ヴェントスの二戸監督が講師を務めるこの回は、結果を求めるアスリートならば誰でも興味があるポジションについての講座となった。股下の正しいはかり方のレクチャーや、そこから導き出される適正なサドル高さなど、フィッティングについてレクチャーしてくれた。
また、パイオニアのペダリングモニターを使用し、正しいポジショニングをすることでどれだけパワー伝達効率が改善するのかを実際の数字とともに解説。目に見えてわかるその効果に、来場者のみなさんも納得の声をあげられていた。そして、講義の最後にはヒルクライムトレーニングにぴったりなグロータックの新型ローラー台のお披露目も。
「宇都宮ブリッツェン直伝!上りに効くパワートレーニング実戦講座」
近年、低価格帯の製品の登場により、ホビーライダーの間にも急速な広がりを見せているパワーメーター。しかし、本当の意味でパワーデータを活用できている人は少ないはず。この講座では、宇都宮ブリッツェンの廣瀬GMと、阿部選手のダブル講師体制でプロレーサーのパワーメーター事情をレクチャーしてくれた。
トレーニングでは自分の限界を知るために使っているという増田選手のエピソードをはじめとした宇都宮ブリッツェンでのチーム内における活用方法から、欧州プロレースの最新トレンドまで、トレーニング機器として、そしてレース機材としての両面からプロのパワーメーター活用術を教えてくれた。様々な使い方を伝えてくれる中で、自分にあった活用方法がきっと見つかったのではないだろうか。
「食事の基本から実践編まで。勝つための栄養補給計画」
バイクと自転車をマッチさせるフィッティング、効率的なライディングといったスキルも大切だが、体を動かすためにはエネルギーが必要だ。ベストパフォーマンスを発揮するための食事について、プロアスリートのサポートを多く行う管理栄養士の勝又さんが解説してくれた。
サイクリストに必要な栄養とは?そして、その栄養をいつ、どれくらい摂取するのが適切なのか。ヒルクライムレースを想定したプランを細かくレクチャーしてくれる濃密な40分。質疑の時間には、自分の練習内容に対して、どういった補給方法がよいのかという質問に細やかに答えてくれる場面もあり、満足度の高いレクチャーだったのではないだろうか。
さて、そんな盛りだくさんのアスリートワークショップだが、セミナーに集まった方々に感想を語っていただいたので、ご紹介していこう。
ヒルクライムは未経験だけど、来年は絶対に出たいという山崎さんは、そのための下準備としてアスリートワークショップに参加されたそう。ライディング時のバランスって何?速く走るのに関係あるの?という状態だったのが、安藤さんの講義ではバランスの大切さが図解や、体験として学ぶことができて少し分かった気がします、とのこと。「次に走ってみると、絶対役に立ちそうで今からワクワクしてます!」と語っていただきました。
お次は、もともと大学で管理栄養学を専攻されていたという中島さん。クロスバイクに乗っていて、これからロードバイクでロングライドに挑戦したいという中島さん。学校では、病気や妊婦さんへの対処は学んでいたけれど、スポーツ栄養学についてはほとんど学ぶ機会がなかったという。
今回勝又さんのセミナーに参加したのは、自分の知らないスポーツ栄養学について管理栄養士さんが教えてくれるという機会だったことが理由だとか。特にレース前後やレース中の補給の量といった、実践的な内容について学べたのは参考になったとのことでした。
左は、中野さんのワークショップに参加された阿部さんと高村さん。スポーツ理論を学んでいるという友人ということで、学んできた理論が、実践でどうやって活かされるのか、選手がどうやって実行しているのかという話を聞ける機会はなかったとのこと。また、富士ヒルクライムに今年出場し、来年のタイムを縮めたい!というのも参加した理由だとか。
右は、以前二戸さんのフィッティングを受けたことがあるという松本さん。二戸さんのフィッティングを受けてから膝の痛みが無くなって、体への負担が減ったことを実感したとか。そういったフィッティングのメリットに対しての理解がしやすい講座で、興味がある人にとってはとても良い時間になると思います、とのことでした。
さて、充実したレクチャーを受けられるアスリートワークショップのレポート、いかがだっただろうか。サイクルモード最終日となる11月8日には、「ロングライド200㎞の壁を超えろ!」編が開催される予定だ。(詳しくはサイクルモードアスリートワークショップページを参照)当日受付も可能となっているとのことなので、興味がわいた方はぜひブースへと足を運んでみてはいかがだろうか?
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