2015/11/01(日) - 08:40
昨年に続き、世界最大の自転車ショーことEUROBIKE(ユーロバイク)を現地取材したCW編集部・山本の取材記をお届け。フォトレポートだけでは伝えきれない現地の雰囲気や、現地の滞在生活をレポートします。
自転車にテントにカメラにと、なんだか物凄い量の荷物をもってユーロバイクへ
飛行機の中から見えたボーデン湖。実際には大きいのですが、見下ろすと小さい
時計の国とあり、チューリッヒ空港の時計はオメガ製
近代的かつ無骨な造りのチューリッヒ空港
「今年のユーロバイクは無理かも」とタスクてんこ盛りの中で1人頭を抱えていた暑い夏の日。しかし、神様はちゃんと僕の働きぶりをちゃんと見てくれている様で、今年もドイツへ取材に行きなさいとのお達しが。そして、昨年ユーロバイクを取材した時から考えていた「ある計画」を実行に移す時が来たのだ。
その、ある計画とは「自転車を持っていくこと」。いや、「自然豊かなドイツとスイスを走り回ってやろう」という魂胆ではない。移動の脚にも便利だし、少しだけモーニングライドするぐらいなら良いかなぁーと。隣のデスクから白い目を向けられたのは言うまでもないが…
バスの車窓からはボーデン湖周辺の自然が見える
移動疲れでぐったりな関係者の皆さん
育毛シャンプーのアルペシンが公式スポンサーを務めた
出発当日。28リットルのバックパック、1週間分の着替えと「家」を詰め込んだスーツケース、ロードバイク1台という大荷物を背負って成田空港まで電車移動という苦行をこなせば、あとは飛行機でバビューン。昨年同様にタイ航空に揺られ、タイカレーやシンハービールに舌鼓を打ちつつ、上空をから見るユーロバイク会場近くのボーデン湖は「意外と小さいな(面積は536km2)」と思いつつ、スイスはチューリッヒ空港に到着。
チューリッヒ空港からユーロバイクが開催されるフリードヒスハーフェン、バスに揺られて2時間ほど。ボーデン湖周辺の優雅な眺めとは対照的には、車内は移動疲れの関係者のいびきが少しうるさいこと。初のヨーロッパだった昨年ほどではないにしろ、やはりユーロバイクの会場が見えてくると気分が高まってくるもの。
アルペシンのカフェイン入りシャンプーをもらうことができました
DEMO DAYで食べる太いソーセージ無しに、ユーロバイクは始まりません
なんだかお色気満点なマッサージサービス
何故かいくつかのブースにあったサッカーゲーム。やっている人も結構本気
もちろん、商談するディストリビューターや熱心に取材するジャーナリストも多くいます
昨年同様に宿はテントでした
今年は大会のオフィシャルスポンサーを育毛シャンプーのアルペシンが務めており、試乗会が行われる初日の「DEMO DAY」の入り口には大きなバルーンも。そして、ジャイアント・アルペシンのジャージを着たお姉さんが、アルペシンのサンプルを配布。もちろん頂いて、使ってみたところ、出国前に剃ってきたすね毛の伸びるスピードが心なしか早かった気がする様なしない様な(!)
「DEMO DAY」自体の様子は昨年のあまりかわりなく、ビジネスショーにも関わらずゆる~い雰囲気が満点。子供がリカンベントを楽しそうに試走していたり、昼からビールを飲んだくれている人がいたり、サッカーゲームに熱中している人がいたり。筆者はというと、昨年その太さに度肝を抜かれたソーセージをまずは1本ペロリ。本場のソーセージは皮が硬く噛みごたえがあり、中々に顎が疲れますが、肉々しくてとてもジューシー。普段お酒を飲まない筆者でもビールが恋しくなるほど美味しかったこと。
ダニー・マカスキルによるトライアルショー「ドロップ&ロール」には多くの観客が集まった
ブース周りの途中で発見したアンドレ・グライペル。聞くところによると機材オタクらしい
3Tブースでサイン会をしていたのは、MTNキュベカのマシュー・ゴスと アンドレアス・スタウフ
台湾のCSTタイヤのマスコットキャラクターは少し不気味
ルディプロジェクトのブースにはセクシーなコンパニオンが
会場前の池ではレイクジャンプという催し物を開催。芝生に寝っ転がったり、ビールを飲みながら、楽しんでいる(仕事そっちのけ?)
「DEMO DAY」の取材を終えると、次は1週間を過ごす宿へ。上記のスーツケースに詰め込んだ「家」とはテントのことで、なにせ会場から近いので、昨年に引き続きちろんテント泊を選択。やはり自転車業界の関係者にはアウトドア好きが多い様で、大規模なものや、山で使用する様な上級モデルも周りにはちらほら。
ショーの中身は既に公開中のフォトレポートを参照して頂くとして、次はユーロバイクのお楽しみであるメーカー主催のウェルカムパーティーを紹介。DEMO DAYの夜はなんとも厳かなボーデン湖畔のレストランで行われたキャニオンのパーティーへ。会場には、ドイツの往年の名スプリンターであり、エリック・ツァベルの姿があり、その気さくさにはびっくり。ツァベルは現在キャニオンのスタッフとして、カチューシャやモビスターのサポートしているのだそう。
歴史あるお城の様なレストランで開催されたキャニオンのパーティー
ゲストとして往年の名スプリンターであるエリック・ツァベルが登場
こちらは創業25周年を迎えたリドレーのパーティー
2度のCX世界王者であるバルト・ウェレンス(ベルギー)がゲストとしてリドレーのパーティーに参加
翌晩は、今年で創業25周年を迎えたリドレーのパーティーへ。こちらには、2度のシクロクロス世界王者であり、キャリアのほとんどをリドレーと共に過ごしたバルト・ウェレンス(ベルギー)がゲストとして登場。また会場にはリドレーのエンジニアもおり、今回のユーロバイクで大きな話題となったディスクブレーキロードについてディスカッションを交わすなど充実の一夜に。パーティー会場近くのフリードリヒスハーフェン駅周辺の街並みや夜景が、これまた良いこと。
そして、ビジネスデイの最終日に開催されるEUROBIKE PIRTYも、もちろん取材(決して楽しんできただけではありません!)。大きなステージやちゃんとした音響設備が用意されていて、コピーバンドが流行りの曲から名曲までを4時間ほどノンストップで演奏。ビールが回ってくると同時にステージの前に人が集まりはじめ、老若男女、国籍、言語、メーカー、職種の枠を超えて、一緒に大盛り上がり(ビールを飲み過ぎてノックダウンしてしまったが(汗))。
晩夏らしい西日が心地よい夕暮れ時
老若男女、国籍、言語などは関係なしに、皆で盛り上がる
ビジネスデイの最終日に開催されるイベント公式のEUROBIKE PIRTY
総じてどこのパーティーでも、現地の美味しい物とビールを楽しむことができるのだが、如何せん野菜が少なく、ついつい食べ過ぎてしまうため、摂取カロリーが気になるところ。そこで運動用にと持ってきたのが、自転車である。自分の自転車で海外を走るのは実は初体験で、ドイツの道路環境の良さに驚かされるばかりであった。
まず、フリードリヒスハーフェンというのは、何てことのない田舎町なのだが、車道の側には必ずといって良いほど自転車道が設けられているし、そもそも交通量が少ないためか舗装状態も良い。そしてサイクリストに対する自動車のマナーも良い。自転車通行禁止の看板が無く、迷ってバイパスの様な道を通ってしまったものの、クラクションを鳴らされることも無く、しかも大きく避けてくれるのだ。
何気ない田舎道でも自転車道が設けられている
恐らく原生に近いと思われる小ぶりなりんごが沿道には沢山
フリードリヒスハーフェン一体を見下ろす小高い丘の頂上から
自転車を持ち込んで移動する関係者は多い
メッセ駐輪場のバイクラックは自転車が傷つかない様な配慮されたデザインになっている
加えて、辺りに広がるは農地や、古めかしい造りの建物など、観光地でなくとも景観が素晴らしい。ビールが安いのも納得というほど麦が多く栽培されており、沿道には恐らく原生に近いと思われる小ぶりなりんごが沢山。絵に書いた通りのヨーロッパそのものの景色を見れたことは、重い荷物を背負って来た甲斐があったというもの。
東京ドーム2つ分の会場を走りまわり、朝はサイクリング、夜はパーティーと楽しんでいるとユーロバイクの5日間はあっという間に終了。航空運賃の関係で今年も帰路はチューリッヒに一泊し、丁度宿泊した日は市街地でお祭りをやっているとのことだったので、行ってみることに。
夕暮れ時のチューリッヒ湖
道端で繰り広げられていたアクロバティックなドラムプレイ
スイスのお祭りにも沢山の露店が出ていた
まぁ、そのお祭りとやらは、町中に響くほど大音量のDJミュージックにあわせて、ウン万人もの人々が踊りまくるというもの。昨年訪れた印象では歴史ある建物やチューリッヒ湖が美しい街で、住んでいる人も穏やかという印象であったが、どうもそうでは無いらしい。パーティーはユーロバイクでお腹一杯だったので、去年はいたストリートミュージシャンのハープの演奏と共に静かに過ごそうとしていたのだが…。その日はスイス中央駅のエキナカでブエルタ・ア・エスパーニャを見ながらフィッシュ&チップスを食べ、ホテルへ。
ヨーロッパ最終日の朝は、たまたま同じホテルに泊まっていた自転車業界の大先輩と共にサイクリングへ。拝礼が行われる前の教会に入れてもらい、パイプオルガンの音色に心あらわれたり、チューリッヒ湖の湖畔でくつろいだりと、のんびり走って帰国の途へ。今年もお腹一杯なEUROBIKE取材でした。
チューリッヒの中心地を一望する高台から
広大なチューリッヒ湖の眺め
パイプオルガンの音色が美しい教会にて
チューリッヒでは車線と車線の間に、自転車用の車線がある場所も
text&photo:Yuya.Yamamoto
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その、ある計画とは「自転車を持っていくこと」。いや、「自然豊かなドイツとスイスを走り回ってやろう」という魂胆ではない。移動の脚にも便利だし、少しだけモーニングライドするぐらいなら良いかなぁーと。隣のデスクから白い目を向けられたのは言うまでもないが…
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出発当日。28リットルのバックパック、1週間分の着替えと「家」を詰め込んだスーツケース、ロードバイク1台という大荷物を背負って成田空港まで電車移動という苦行をこなせば、あとは飛行機でバビューン。昨年同様にタイ航空に揺られ、タイカレーやシンハービールに舌鼓を打ちつつ、上空をから見るユーロバイク会場近くのボーデン湖は「意外と小さいな(面積は536km2)」と思いつつ、スイスはチューリッヒ空港に到着。
チューリッヒ空港からユーロバイクが開催されるフリードヒスハーフェン、バスに揺られて2時間ほど。ボーデン湖周辺の優雅な眺めとは対照的には、車内は移動疲れの関係者のいびきが少しうるさいこと。初のヨーロッパだった昨年ほどではないにしろ、やはりユーロバイクの会場が見えてくると気分が高まってくるもの。
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「DEMO DAY」自体の様子は昨年のあまりかわりなく、ビジネスショーにも関わらずゆる~い雰囲気が満点。子供がリカンベントを楽しそうに試走していたり、昼からビールを飲んだくれている人がいたり、サッカーゲームに熱中している人がいたり。筆者はというと、昨年その太さに度肝を抜かれたソーセージをまずは1本ペロリ。本場のソーセージは皮が硬く噛みごたえがあり、中々に顎が疲れますが、肉々しくてとてもジューシー。普段お酒を飲まない筆者でもビールが恋しくなるほど美味しかったこと。
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「DEMO DAY」の取材を終えると、次は1週間を過ごす宿へ。上記のスーツケースに詰め込んだ「家」とはテントのことで、なにせ会場から近いので、昨年に引き続きちろんテント泊を選択。やはり自転車業界の関係者にはアウトドア好きが多い様で、大規模なものや、山で使用する様な上級モデルも周りにはちらほら。
ショーの中身は既に公開中のフォトレポートを参照して頂くとして、次はユーロバイクのお楽しみであるメーカー主催のウェルカムパーティーを紹介。DEMO DAYの夜はなんとも厳かなボーデン湖畔のレストランで行われたキャニオンのパーティーへ。会場には、ドイツの往年の名スプリンターであり、エリック・ツァベルの姿があり、その気さくさにはびっくり。ツァベルは現在キャニオンのスタッフとして、カチューシャやモビスターのサポートしているのだそう。
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そして、ビジネスデイの最終日に開催されるEUROBIKE PIRTYも、もちろん取材(決して楽しんできただけではありません!)。大きなステージやちゃんとした音響設備が用意されていて、コピーバンドが流行りの曲から名曲までを4時間ほどノンストップで演奏。ビールが回ってくると同時にステージの前に人が集まりはじめ、老若男女、国籍、言語、メーカー、職種の枠を超えて、一緒に大盛り上がり(ビールを飲み過ぎてノックダウンしてしまったが(汗))。
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まず、フリードリヒスハーフェンというのは、何てことのない田舎町なのだが、車道の側には必ずといって良いほど自転車道が設けられているし、そもそも交通量が少ないためか舗装状態も良い。そしてサイクリストに対する自動車のマナーも良い。自転車通行禁止の看板が無く、迷ってバイパスの様な道を通ってしまったものの、クラクションを鳴らされることも無く、しかも大きく避けてくれるのだ。
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まぁ、そのお祭りとやらは、町中に響くほど大音量のDJミュージックにあわせて、ウン万人もの人々が踊りまくるというもの。昨年訪れた印象では歴史ある建物やチューリッヒ湖が美しい街で、住んでいる人も穏やかという印象であったが、どうもそうでは無いらしい。パーティーはユーロバイクでお腹一杯だったので、去年はいたストリートミュージシャンのハープの演奏と共に静かに過ごそうとしていたのだが…。その日はスイス中央駅のエキナカでブエルタ・ア・エスパーニャを見ながらフィッシュ&チップスを食べ、ホテルへ。
ヨーロッパ最終日の朝は、たまたま同じホテルに泊まっていた自転車業界の大先輩と共にサイクリングへ。拝礼が行われる前の教会に入れてもらい、パイプオルガンの音色に心あらわれたり、チューリッヒ湖の湖畔でくつろいだりと、のんびり走って帰国の途へ。今年もお腹一杯なEUROBIKE取材でした。
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text&photo:Yuya.Yamamoto
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