2009/07/25(土) - 15:34
恒例の編集会議も無事終わり、部内が和やかな空気に包まれた頃合いを見計らって、メタボ会長に声をかけた
「このあと少しだけお時間頂けますか?チューブ交換の方法を説明しておきたいんですが。
サイクリストとしての最低限のノルマですので!」
でっかいシートとフラットペダルを無理やり着けられてしまった。(泣)
もちろん、タップリ厳しく指導しちゃうぞ! と心の中でほくそ笑みながら。チューブ交換に四苦八苦するメタボ会長の姿をファインダーにシッカリ収める予定。だったのだが(苦)
あっさりと期待を裏切られたのでチューブ交換の下りは省略である。
所々、要所でアドバイスをしたのと、仏式バルブの仕組みが分からなかった以外は何も問題なくすんなりと作業完了されてしまったのだ。タイヤレバーもほとんど出番なし。
その太い二の腕をブルンブルンとフル活用し、あっさり事を済ませてタバコに火を着けている。
「本当に前回見てただけで覚えちゃったんですか?」 戸惑いながらメタボ会長に聞いてみると
「オートバイのスリックタイヤを散々交換してたから、仕組みは一緒だよ。ひょっとして俺のことナメてた?」
メタボ会長のデジタルレンチ。私のデスクを壊さないで下さいね。 忘れてた!メタボ会長はタイヤ交換どころか、エンジンのピストン交換まで自分でできて当たり前の世界で走っていたのだ。エンジンの有無の違いはあるものの同じバイクである。
それどころか
「おーそうだ。トルクレンチ持ってきてやったぞ。安全の為にトルク管理は大事だぞ。みんなで使え。」
そう言って、デジタルレンチを渡される始末。
聞けば、編集部にあるダイヤル式のものより使い易くて、かつ正確らしい。
なんだか正体のわからんオヤジだなぁと思いながら、その丸い背中を眺めていると、おもむろに私のバイクを指さして
「この自転車のペダルと俺の自転車のペダル入れ替えてくれんか?カーボンに乗ってみたい。」
やっぱり、このオヤジはただの悪魔だった!よりによって私の愛車が選ばれるとは。勘弁して下さい。(泣)
のどかな湖畔を走り抜ける。アナタの体はホントにデカイ! たちまち、私の愛車にはフラットペダルとメタボ会長の重い体を受け止めるべく、でっかいコンフォートシートがちゃっかりと装着されてしまった。
「よし、これからホームコース周るぞ。付き合うか?」
当たり前だろ!
私のバイクを独りぼっちにさせる訳がないだろ!
不穏な空気を胸に今日も鹿島休憩所からスタート。
私の愛車の動向が気になって仕方ないものの、手塩にかけたメタボ会長の愛車も可愛くてたまらない。編集部が組み上げただけあって、会長の愛車もすこぶる調子がいい。
メタボ号の素晴らしい乗り味に改めて酔いしれる パーツ交換の効果がここまで顕著に現れてくれるとやり甲斐も倍増する。
アルミフレーム独特のコツコツした突き上げ感が若干残るものの、ライディングに関してもギアチェンジに関しても初期のストレスを全く感じさせない。
大袈裟では無く、生粋のロードレーサーに比べても遜色ないレベルまで来ている。
ホームコースには舗装の悪い部分があるからこそ感じてしまう突き上げ感も一般の舗装路では全く問題にもならないレベルだ。
メタボ会長の愛車と対話をしながら、至福の時間を堪能する。
1周12kmに信号が1つもないホームコース。
楽しくて仕方ないメタボ会長。ちゃんと前見ないと知りませんよ。 適度なアップダウンを持ち、緑あふれる空間からなる素晴らしいコースだ。この爽快感こそサイクリストの特権である。
幻想の世界に浸りながら、ふと前を見ると私の愛車が悲鳴を上げながら、必死でメタボ会長の巨体を受け止めている姿が目に飛び込んできた。
「お願いだから、壊さないで下さいね。(泣)」
喉まで出かけた言葉をぐっと飲み込む私だった。
約1時間ほど流した後、編集部に帰還。
メタボ会長が編集部員相手に、その小さな目を輝かせながら、無邪気な子供のように捲し立てる。その笑顔は、完全に自転車バカのそれになっていた。
「カーボンフレームってのは凄いな!やっぱ高いだけの事はあるな!とにかくカーボンは凄いな!」
まあ、その腹でレーサーポジションを全く苦にしないアンタも凄いけどね。(汗)
ほらほら調子に乗りすぎるから(笑)。みんなの為にもそのまま逝っちゃってください!
ただ、初心者のメタボ会長ですら感じ取ってしまうカーボンフレームの総合力の前に、
愛着はあるもののアルミフレームの限界を感じて寂しい気分になってしまう。
思い起こせばメタボ会長が自転車を買ってきてから、2ヶ月半が過ぎようとしていた。
自転車愛好家が、確実に一人増えたことは喜ばしい限りだが、心の片隅に違和感を覚えながら、デスクに向かう私がいた。
次回?私にはわかりません。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
「ポイ捨て厳禁!携帯灰皿は持ってなきゃダメだぞ!」 by メタボ会長 (プロフィール)
メタボ会長
身長 172cm
体重 87kg
体脂肪率 27%
当サイト運営法人の代表取締役。
高校3年まで野球に明け暮れ、大学時代にオートバイのロードレースに夢中になり卒業後、メーカー系チームに所属し全日本選手権に3年間出場。鳴かず飛ばずで所属チームを解雇され、その後、着々と太り続ける典型的な中年体型オヤジ。
タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。
「このあと少しだけお時間頂けますか?チューブ交換の方法を説明しておきたいんですが。
サイクリストとしての最低限のノルマですので!」

もちろん、タップリ厳しく指導しちゃうぞ! と心の中でほくそ笑みながら。チューブ交換に四苦八苦するメタボ会長の姿をファインダーにシッカリ収める予定。だったのだが(苦)
あっさりと期待を裏切られたのでチューブ交換の下りは省略である。
所々、要所でアドバイスをしたのと、仏式バルブの仕組みが分からなかった以外は何も問題なくすんなりと作業完了されてしまったのだ。タイヤレバーもほとんど出番なし。
その太い二の腕をブルンブルンとフル活用し、あっさり事を済ませてタバコに火を着けている。
「本当に前回見てただけで覚えちゃったんですか?」 戸惑いながらメタボ会長に聞いてみると
「オートバイのスリックタイヤを散々交換してたから、仕組みは一緒だよ。ひょっとして俺のことナメてた?」

それどころか
「おーそうだ。トルクレンチ持ってきてやったぞ。安全の為にトルク管理は大事だぞ。みんなで使え。」
そう言って、デジタルレンチを渡される始末。
聞けば、編集部にあるダイヤル式のものより使い易くて、かつ正確らしい。
なんだか正体のわからんオヤジだなぁと思いながら、その丸い背中を眺めていると、おもむろに私のバイクを指さして
「この自転車のペダルと俺の自転車のペダル入れ替えてくれんか?カーボンに乗ってみたい。」
やっぱり、このオヤジはただの悪魔だった!よりによって私の愛車が選ばれるとは。勘弁して下さい。(泣)
「よし、これからホームコース周るぞ。付き合うか?」
当たり前だろ!
私のバイクを独りぼっちにさせる訳がないだろ!
不穏な空気を胸に今日も鹿島休憩所からスタート。
私の愛車の動向が気になって仕方ないものの、手塩にかけたメタボ会長の愛車も可愛くてたまらない。編集部が組み上げただけあって、会長の愛車もすこぶる調子がいい。
アルミフレーム独特のコツコツした突き上げ感が若干残るものの、ライディングに関してもギアチェンジに関しても初期のストレスを全く感じさせない。
大袈裟では無く、生粋のロードレーサーに比べても遜色ないレベルまで来ている。
ホームコースには舗装の悪い部分があるからこそ感じてしまう突き上げ感も一般の舗装路では全く問題にもならないレベルだ。
メタボ会長の愛車と対話をしながら、至福の時間を堪能する。
1周12kmに信号が1つもないホームコース。

幻想の世界に浸りながら、ふと前を見ると私の愛車が悲鳴を上げながら、必死でメタボ会長の巨体を受け止めている姿が目に飛び込んできた。
「お願いだから、壊さないで下さいね。(泣)」
喉まで出かけた言葉をぐっと飲み込む私だった。
約1時間ほど流した後、編集部に帰還。
メタボ会長が編集部員相手に、その小さな目を輝かせながら、無邪気な子供のように捲し立てる。その笑顔は、完全に自転車バカのそれになっていた。
「カーボンフレームってのは凄いな!やっぱ高いだけの事はあるな!とにかくカーボンは凄いな!」
まあ、その腹でレーサーポジションを全く苦にしないアンタも凄いけどね。(汗)

ただ、初心者のメタボ会長ですら感じ取ってしまうカーボンフレームの総合力の前に、
愛着はあるもののアルミフレームの限界を感じて寂しい気分になってしまう。
思い起こせばメタボ会長が自転車を買ってきてから、2ヶ月半が過ぎようとしていた。
自転車愛好家が、確実に一人増えたことは喜ばしい限りだが、心の片隅に違和感を覚えながら、デスクに向かう私がいた。
次回?私にはわかりません。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です

メタボ会長
身長 172cm
体重 87kg
体脂肪率 27%
当サイト運営法人の代表取締役。
高校3年まで野球に明け暮れ、大学時代にオートバイのロードレースに夢中になり卒業後、メーカー系チームに所属し全日本選手権に3年間出場。鳴かず飛ばずで所属チームを解雇され、その後、着々と太り続ける典型的な中年体型オヤジ。
タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。