2015/05/20(水) - 08:59
今大会の最高標高地点への登りをこなし、グランフォンド軽井沢は後半戦へ。新緑が更に眩しい浅間山麓の北側と西側を走り、ゴールへと向かう約80kmの実走レポートをお届け。やはり国内屈指の山岳ロングライドは走りごたえ満点だった(前編はこちらから。)
グランフォンド軽井沢の週末に開幕したジロ・デ・イタリアでいうところのチーマコッピ。1,405mに位置する今大会の最高標高地点を越え、第2エイドを発つと、第3エイドまでは平均斜度-0.9%と下り基調である。
ここまでの様に長い登りが無いもの引き続き風が強く、景色がよく開けている所ではしっかりとハンドルを握る必要があるほど。それでも沿道に咲き誇るたんぽぽに少し遅れてきた春を感じ、東側に広がる浅間山麓のダイナミックな自然に感銘するなど、都会ぐらしでは普段中々味わえない大自然を満喫。
愛妻の丘からの始まるアップダウンは大きく下って少し登ってを繰り返すため、以外にもサクサクっとこなすことができる。続いて、碓氷峠と並んで旧中山道の難所として昔の旅人を苦しめたという「鳥居峠」から10kmで標高差600mというダウンヒルへ突入する。
大会最大のダウンヒル区間は一昨年参加した際よりも舗装が改善されており、路面に気を取られることなく、安心してこなすことができた。それでも、細かいコーナーとブラインドコーナーが続き、テクニカルなことには違いない上、ペダルを回さずとも簡単に制限速度をこえていまうため、スピードの出しすぎには注意したいところ。そして真田幸村ゆかりの長野県上田市に設けられた第3エイドに到着する。
第3エイドが設けられたのは、クランクやステムなど自転車用アルミ鋳造パーツを制作しているという松栄(しょうえい)製作所。標高が下がり、気温もぐんぐんと高くなってきたところで、ガリガリくん、さっぱりとしたレモンのはちみつ漬けが登場。避暑地であっても5月というだけあって日差しが強かったため、参加者の皆さんからは好評を博していた。
今大会では鳥居峠~第3エイド~菱野温泉入り口までのコースが変更となり、従来よりも一本山側の道を走ることに。従来は道幅が狭く舗装が荒れた幹線道路を通っていたが、新たに交通量が少ないルートが設定されているため安全性が大幅に向上していると感じることができた。ビギナーも多い大会とあって、疲労により注意力が散漫になることを考えれば、歓迎すべき変更といえるだろう。
加えて、この新コースだけで獲得標高が200mほど増えているものの、実際には緩い登りが続いているため、従来コースよりもすんなりとこなせてしまうと言う印象だ。道沿いにはのどかな田園風景が広がり、従来までのコースであれば棚田だけであったが、ぶどう畑もあるなど、少し道が違うだけで、こんなにも違う表情を魅せてくれる長野の自然の豊かさのにビックリさせられる。
その途中にあった「Rue de Vin」というワイナリーでは軒先にテーブルを出して、自信もサイクリストというオーナーとお友達の皆さんで、ランチとワインを楽しみながら参加者を応援。さながらツール・ド・フランスの様なスタイルで、最高の雰囲気であった。こんな光景はリゾートライドならではといえよう。
そんなワインに後ろ髪引かれつつ、大会随一の激坂が待ち構える菱野温泉へ。序盤こそ勾配は4~5%ほどのだが、ここまで100km弱で既に2,200mもの獲得標高をこなしてきた脚にはかなりツライ。綺麗に咲き誇っている八重桜の下をくぐったらそこにはイン側で20%はあろうかというS時の激坂が。いや、坂というより「壁」という表現がしっくり来るほどの斜度である。私はなんとか足をつかずに登り切れたものの、バイクを押して登る方も少なくない。
でも、この「壁」が終われば完走はすぐそこ。菱野温泉の壁の直ぐ上にある広場に設けられた第4エイドでは、甘めに味付けされた稲荷ずしを補給したら、残るコースはほぼ平坦。白樺などの木々に覆われた浅間山麓南の1000m林道や別荘地帯を走りぬけ、最後はJRの線路と平行する中山道を西から東へと走りゴール。
夕日を浴びながら軽井沢のプリンスホテルスキー場へと帰着すると、最後には振舞われたおでんでホッコリ。参加者の多くはメイン会場周辺に点在する温泉に浸かって、疲れを癒やしつつ帰路へとついたのでした(もちろんCW取材班も)。ちなみに、獲得標高が増えたにも関わらず、完走率は92.5%と従来と変わらず高水準をマークしている。
全国各地で山岳ロングライドが開催される様になった昨今において、獲得標高と言う数字だけで見れば他にも多くの大会がある。もちろん、グランフォンド軽井沢の走りごたえも国内有数のものではあるが、何よりも優雅さ、そして周辺の観光施設や美味しいレストランなど大会以外の楽しみという点では右にでる大会な中々ない。
土曜のハーフコースや2日間でグランフォンドコースを走るハーフ&ハーフなど、よりライト層でも参加しやすくなった一方で、メインのグランフォンドはよりパワーアップするなど、益々充実のグランフォンド軽井沢。来年は5月14日、15日の開催が予定されている。
フォトアルバム(CW FaceBook)
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO, Yuya.Yamamoto
グランフォンド軽井沢の週末に開幕したジロ・デ・イタリアでいうところのチーマコッピ。1,405mに位置する今大会の最高標高地点を越え、第2エイドを発つと、第3エイドまでは平均斜度-0.9%と下り基調である。
ここまでの様に長い登りが無いもの引き続き風が強く、景色がよく開けている所ではしっかりとハンドルを握る必要があるほど。それでも沿道に咲き誇るたんぽぽに少し遅れてきた春を感じ、東側に広がる浅間山麓のダイナミックな自然に感銘するなど、都会ぐらしでは普段中々味わえない大自然を満喫。
愛妻の丘からの始まるアップダウンは大きく下って少し登ってを繰り返すため、以外にもサクサクっとこなすことができる。続いて、碓氷峠と並んで旧中山道の難所として昔の旅人を苦しめたという「鳥居峠」から10kmで標高差600mというダウンヒルへ突入する。
大会最大のダウンヒル区間は一昨年参加した際よりも舗装が改善されており、路面に気を取られることなく、安心してこなすことができた。それでも、細かいコーナーとブラインドコーナーが続き、テクニカルなことには違いない上、ペダルを回さずとも簡単に制限速度をこえていまうため、スピードの出しすぎには注意したいところ。そして真田幸村ゆかりの長野県上田市に設けられた第3エイドに到着する。
第3エイドが設けられたのは、クランクやステムなど自転車用アルミ鋳造パーツを制作しているという松栄(しょうえい)製作所。標高が下がり、気温もぐんぐんと高くなってきたところで、ガリガリくん、さっぱりとしたレモンのはちみつ漬けが登場。避暑地であっても5月というだけあって日差しが強かったため、参加者の皆さんからは好評を博していた。
今大会では鳥居峠~第3エイド~菱野温泉入り口までのコースが変更となり、従来よりも一本山側の道を走ることに。従来は道幅が狭く舗装が荒れた幹線道路を通っていたが、新たに交通量が少ないルートが設定されているため安全性が大幅に向上していると感じることができた。ビギナーも多い大会とあって、疲労により注意力が散漫になることを考えれば、歓迎すべき変更といえるだろう。
加えて、この新コースだけで獲得標高が200mほど増えているものの、実際には緩い登りが続いているため、従来コースよりもすんなりとこなせてしまうと言う印象だ。道沿いにはのどかな田園風景が広がり、従来までのコースであれば棚田だけであったが、ぶどう畑もあるなど、少し道が違うだけで、こんなにも違う表情を魅せてくれる長野の自然の豊かさのにビックリさせられる。
その途中にあった「Rue de Vin」というワイナリーでは軒先にテーブルを出して、自信もサイクリストというオーナーとお友達の皆さんで、ランチとワインを楽しみながら参加者を応援。さながらツール・ド・フランスの様なスタイルで、最高の雰囲気であった。こんな光景はリゾートライドならではといえよう。
そんなワインに後ろ髪引かれつつ、大会随一の激坂が待ち構える菱野温泉へ。序盤こそ勾配は4~5%ほどのだが、ここまで100km弱で既に2,200mもの獲得標高をこなしてきた脚にはかなりツライ。綺麗に咲き誇っている八重桜の下をくぐったらそこにはイン側で20%はあろうかというS時の激坂が。いや、坂というより「壁」という表現がしっくり来るほどの斜度である。私はなんとか足をつかずに登り切れたものの、バイクを押して登る方も少なくない。
でも、この「壁」が終われば完走はすぐそこ。菱野温泉の壁の直ぐ上にある広場に設けられた第4エイドでは、甘めに味付けされた稲荷ずしを補給したら、残るコースはほぼ平坦。白樺などの木々に覆われた浅間山麓南の1000m林道や別荘地帯を走りぬけ、最後はJRの線路と平行する中山道を西から東へと走りゴール。
夕日を浴びながら軽井沢のプリンスホテルスキー場へと帰着すると、最後には振舞われたおでんでホッコリ。参加者の多くはメイン会場周辺に点在する温泉に浸かって、疲れを癒やしつつ帰路へとついたのでした(もちろんCW取材班も)。ちなみに、獲得標高が増えたにも関わらず、完走率は92.5%と従来と変わらず高水準をマークしている。
全国各地で山岳ロングライドが開催される様になった昨今において、獲得標高と言う数字だけで見れば他にも多くの大会がある。もちろん、グランフォンド軽井沢の走りごたえも国内有数のものではあるが、何よりも優雅さ、そして周辺の観光施設や美味しいレストランなど大会以外の楽しみという点では右にでる大会な中々ない。
土曜のハーフコースや2日間でグランフォンドコースを走るハーフ&ハーフなど、よりライト層でも参加しやすくなった一方で、メインのグランフォンドはよりパワーアップするなど、益々充実のグランフォンド軽井沢。来年は5月14日、15日の開催が予定されている。
フォトアルバム(CW FaceBook)
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO, Yuya.Yamamoto
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