2015/05/14(木) - 09:02
5月10(日)、少し遅れて春がやってきた浅間山をぐるっと1周する「グランフォンド軽井沢」が開催された。6回目を迎えた今年は獲得標高が約200m増加し、コース変更によって安全性がする向上など、よりパワーアップ。そんな国内屈指の山岳ロングライドに参加したCW編集部・山本の実走レポートをお届けします。
過去最高といっても過言ではない晴天に恵まれたグランフォンド軽井沢
今から200年程前の江戸時代には中山道の宿場町として栄え、現在では夏は避暑地として、冬はウインタースポーツで賑わう軽井沢。異国情緒漂う街並みと優大な自然、高原ならではの心地よい気候、そして関東圏及び北陸圏からのアクセスの良さで人気を集めるリゾート地である。
そんな軽井沢を起点に、浅間山麓を反時計周りにぐるっと1周するのが「グランフォンド軽井沢」である。第6回目を迎える今年はコース変更により、獲得標高が約200m増の2,400mなるなど、更に走りごたえがアップ。過去最高といっても間違えない好天で、昨年の約1.5倍となる1,500人が国内屈指の山岳ロングライドを駆け抜けた。
ハードなコースながら、女性ライダーも多く参加していました
スタート地点には並んだ出展ブース
朝日が眩しいスタート地点の軽井沢プリンスホテルスキー場に続々と集まってくる参加者
絹代さん、山本雅道さん、宮澤崇史さんがゲストライダーとして参加
ゆるキャラたちがお見送りしてくれました
約1,500人の参加者がリゾートライドへと出発
前日は曇天だったものの、突き抜ける様な青空が広がったグランフォンド当日朝の軽井沢。受付開始の朝6時を前に、スタート/ゴール地点である軽井沢プリンスホテルスキー場には続々と参加者が集まってくる。周りを見渡すと、険しい山々に備えてハイグレードなバイクを持ち込んだ方が多く見かけられた。かく言う私も、実は「テストには最高なフィールドだ」新車を投入しました(ちゃんと取材したのでご心配なく!)。
参加者の皆さんのお話を聞くに、前日は観光やアウトレットでのショッピングで楽しんだという方が少なくなく、大会側によれば当日受付にも関わらず全体の7割が前泊したそう。なお、出走順序はゼッケン順などでは無く整列順のため、来年出場される方で完走に自信がないという方は、早めにエントリーを済ませ並んでおくと良いだろう。
異国情緒漂う軽井沢市街地を通過
木漏れ日が気持ちいい林道を走り抜ける
軽井沢ならではの優雅な雰囲気が最高です
普段は自動車専用ながら、年に1度グランフォンド軽井沢の参加者のみに開放される白糸ハイウェイランド
当日の気温は午前6時の時点で10℃を下回っていたものの、スタート時間へ向けて徐々に上昇。ちなみに私は、半袖ジャージ+レーパンという夏用の装備に、アームウォーマー、ニーウォーマー、ウィンドブレーカーを組み合わせ、体温調節しやすい服装をチョイス。
開会式の後、7時15分から50名程のパックに分かれて順次スタートを切り、まだ車通りの少ない軽井沢市街地や旧三笠ホテルの横を抜ける。すると、すぐさま大会最初に難所であり、普段は自動車専用の有料道路であるが年に1度グランフォンド軽井沢の参加者のためだけに開放される「白糸ハイウェイランド」の登りが始まるのである。
約15%の激坂が参加者を苦しめる
沿道にはせせらぎが心地よい川が現れる
白糸ハイウェイランドの道沿いには雰囲気あるお土産屋さんも
約15%という勾配もさることながら、スタート直後で身体が温まっていないことが辛さに拍車をかけ、早くもバイクを押し始める参加者もちらほら。それでも木漏れ日の気持ちよさは充分に感じることができる。なお、来年参加される方の中で、ビギナーや完走に自信がないという方はスタート前にストレッチしたり、攣り防止サプリメントを服用しておくなど対策をしておくと安心なはず。息も絶え絶えに激坂区間をこなすと、おみやげ屋さんを過ぎたあたりからは一旦勾配がゆるくなり、道沿いには川が現れる。この川のせせらぎが実に心地よい。
白糸ハイランドウェイを抜け、少し下ると第1エイドが設定された浅間ハイランドパークに到着。ここからは、まだ雪が残る浅間山を見渡すことができ、多くの参加者がカメラを構える今大会有数の撮影スポットである。特に今年は晴れていたため、眺めは抜群。ここまででも充分な達成感を味わえるが、獲得標高は全体の1/4程度なのである。
キツい登りの先には残雪の浅間山が見えてくる
浅間山を臨む広場に設けられた、この日最初のエイドステーション
沿道に咲く花に遅い春の訪れを感じることができた
自然のエイド「干俣の清水」をボトルに詰める
第1エイドの後は、約20kmで450mを下るダウンヒルが待っている。高原の朝の澄んだ空気が爽快ではあるものの、この区間は急勾配や豪雪地帯であることから路面が荒れている箇所が多く、交通量のある道を通過するためスピードの出しすぎには注意が必要。25C程度の太めのタイヤがある穴や溝にハンドルを取られにくいだろう。
下りが終わると、もちろん登りが待ち構えているのが、平坦がほとんど無いグランフォンド軽井沢。「下りが終わるのが早過ぎる」と内心なげきつつ、今大会の最高標高地点へのアプローチがスタート。途中、コースマップには記されていない「干俣(ほしまた)の清水」という湧き水で給水する。透明度が非常に高いうえに雑味が無く、ここまでのハードな行程も手伝って「水ってこんなに美味しいものなのか」と思えるほどであった。
色鮮やかな花々が目を楽しませてくれる
最高標高地点への急勾配区間に多くの参加者が苦しんだ
苦しい登りも後ろを振り返れば絶景が広がっている
途中、終わりがないとすら思える直登に脚を削られつつも、淡々と「つまごいパノラマライン」のヒルクライムをこなす。この間に県境をまたぎ、コースは長野県から群馬県に。約5.5kmで316mを登ると、バラギ湖の湖畔を半周し、最高標高地点(1,405m)への最後の登りに突入する。
コース前半を象徴する、バラギ湖からの登りは1kmと距離こそ短いものの平均8%と斜度があり、おまけに今年は強烈な向かい風が吹き荒れ、既に1,000mを登ってきた脚には強烈なパンチとなった。しかし、山の斜面を覆う様に連なるキャベツ畑や周りの山々は、これ以上ないほど絶景という言葉が似合うほどの眺め。ちなみに、グランフォンド軽井沢が夏から秋にかけてではなく、5月に開催される理由にはキャベツが関係しており、7月から降雪期前までは収穫で村全体が繁忙期に入るからだそう。
第2エイドまでもう一頑張り
第2エイドが設けられた東海大学嬬恋高原研修センター
美味しいカレーと、シャキシャキのサラダ、ミートボールをお腹いっぱいになるまで食べれました
待ちに待ったカレーを頂きます
そんな小話を耳にはさみながら、丁度お腹が減ってきたな~と参加者の皆さんと話していると、そこには第2エイドの東海大学嬬恋高原研修センターが見えてくる。「なんと言うコース絶妙な設定なんだ」と思いながら、少し早めのランチに駆け込む。
ここで振る舞われるのはカレー、サラダバー、ミートボールの3点セットで、いずれもお替わり自由!2012年大会からの定番メニューで、一昨年参加した私を含め、毎年このエイドを楽しみにしているというリピーターの少なく無いはず。どれも非常に美味しく、食べ過ぎちゃう参加者が続出して完走率が下がってしまうのではと心配になるほど。もちろん、私もカレーをお替わりして、残りに備えました。
まだまだハードな登りが続くけど、景色は最高!
ここまでコースの1/3に当たる45km(獲得標高は半分弱の1,000m)を走破したCW取材班は、まだまだ続く高原ならではの巌しい登りを多く含み、一部コースが新しくなった後半戦に挑んでいくのでした。続く。
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO, Yuya.Yamamoto
フォトアルバム(CW FaceBook)
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今から200年程前の江戸時代には中山道の宿場町として栄え、現在では夏は避暑地として、冬はウインタースポーツで賑わう軽井沢。異国情緒漂う街並みと優大な自然、高原ならではの心地よい気候、そして関東圏及び北陸圏からのアクセスの良さで人気を集めるリゾート地である。
そんな軽井沢を起点に、浅間山麓を反時計周りにぐるっと1周するのが「グランフォンド軽井沢」である。第6回目を迎える今年はコース変更により、獲得標高が約200m増の2,400mなるなど、更に走りごたえがアップ。過去最高といっても間違えない好天で、昨年の約1.5倍となる1,500人が国内屈指の山岳ロングライドを駆け抜けた。
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前日は曇天だったものの、突き抜ける様な青空が広がったグランフォンド当日朝の軽井沢。受付開始の朝6時を前に、スタート/ゴール地点である軽井沢プリンスホテルスキー場には続々と参加者が集まってくる。周りを見渡すと、険しい山々に備えてハイグレードなバイクを持ち込んだ方が多く見かけられた。かく言う私も、実は「テストには最高なフィールドだ」新車を投入しました(ちゃんと取材したのでご心配なく!)。
参加者の皆さんのお話を聞くに、前日は観光やアウトレットでのショッピングで楽しんだという方が少なくなく、大会側によれば当日受付にも関わらず全体の7割が前泊したそう。なお、出走順序はゼッケン順などでは無く整列順のため、来年出場される方で完走に自信がないという方は、早めにエントリーを済ませ並んでおくと良いだろう。
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開会式の後、7時15分から50名程のパックに分かれて順次スタートを切り、まだ車通りの少ない軽井沢市街地や旧三笠ホテルの横を抜ける。すると、すぐさま大会最初に難所であり、普段は自動車専用の有料道路であるが年に1度グランフォンド軽井沢の参加者のためだけに開放される「白糸ハイウェイランド」の登りが始まるのである。
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白糸ハイランドウェイを抜け、少し下ると第1エイドが設定された浅間ハイランドパークに到着。ここからは、まだ雪が残る浅間山を見渡すことができ、多くの参加者がカメラを構える今大会有数の撮影スポットである。特に今年は晴れていたため、眺めは抜群。ここまででも充分な達成感を味わえるが、獲得標高は全体の1/4程度なのである。
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下りが終わると、もちろん登りが待ち構えているのが、平坦がほとんど無いグランフォンド軽井沢。「下りが終わるのが早過ぎる」と内心なげきつつ、今大会の最高標高地点へのアプローチがスタート。途中、コースマップには記されていない「干俣(ほしまた)の清水」という湧き水で給水する。透明度が非常に高いうえに雑味が無く、ここまでのハードな行程も手伝って「水ってこんなに美味しいものなのか」と思えるほどであった。
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コース前半を象徴する、バラギ湖からの登りは1kmと距離こそ短いものの平均8%と斜度があり、おまけに今年は強烈な向かい風が吹き荒れ、既に1,000mを登ってきた脚には強烈なパンチとなった。しかし、山の斜面を覆う様に連なるキャベツ畑や周りの山々は、これ以上ないほど絶景という言葉が似合うほどの眺め。ちなみに、グランフォンド軽井沢が夏から秋にかけてではなく、5月に開催される理由にはキャベツが関係しており、7月から降雪期前までは収穫で村全体が繁忙期に入るからだそう。
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ここまでコースの1/3に当たる45km(獲得標高は半分弱の1,000m)を走破したCW取材班は、まだまだ続く高原ならではの巌しい登りを多く含み、一部コースが新しくなった後半戦に挑んでいくのでした。続く。
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO, Yuya.Yamamoto
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