2015/06/25(木) - 09:04
サイクルコンピューターのパイオニアとして国内はもとより世界中のサイクリストから支持を集めるジャパニーズブランド、キャットアイ。スマートフォンをGPSセンサー代わりとするという斬新なアイデアを取り込んだ「STRADA SMART(ストラーダ スマート)」のインプレッションをお届けします。
かつては競技者やコアなツーリストのみが使用していたGPS対応サイクルコンピューターも、昨今は様々な層のサイクリストに広く普及してきた。ここ最近は価格がこなれてきたものの比較的高価なものが多く、「多機能過ぎて使いこなせない」「大きすぎて自転車の見た目にそぐわない」と思っている方は少なくないだろう。
また安価にGPSログを記録する方法としてスマートフォンのサイクルコンピューターアプリを使用する方法もある。しかし、そもそも駆動時間が短く、バイクへの取り付けに苦労したり、バイクから不意に外れて壊してしまう危険性があるなど、本格的なスポーツライドでの使用にはそぐわないという実情がある。
そういった声に応えるべく登場したのが、今回インプレッションするキャットアイの新型サイクルコンピューター「STRADA SMART」。今や誰しもが持つスマートフォンと連携し、それをGPSセンサー代わりにするというアイデア商品だ。この画期的な方法により3.2×4.7cmとSTRADAシリーズの特徴であるコンパクトさを維持しつつ、他のGPS対応サイクルコンピューターと比較して非常に手に取りやすい価格を実現した。
スマートフォンのみとの連携で計測できるのは速度、距離、高度など。加えて、Bluetooth対応のスピード、ケイデンス、パワーの各センサーとも連携可能で、本格的なトレーニングにも対応してくれる。計測したデータはキャットアイが展開する「Cateye Atlas」ほか、プロも使用するライドソーシャルウェブ「STRAVA」にアップロードすることができ、トレーニングログを管理したり、仲間とライドの記録を共有することが可能だ。
さて、ここからは実際の使用感について述べよう。先ず、バイクへの取り付けだが、工具を必要としないマウントシステム「FlexTightブラケット」を採用しているため非常に容易で、メンテナンスが不得意という方でも綺麗に取り付けることができるだろう。また、ハンドルとステムのどちらにも取り付け可能で、ステム前方に取り付けを可能とする別売のアウトフロントブラケットにも対応するため、ライトやベルとの干渉を防ぐことができる。
なお、今回のインプレッションではキャットアイ純正のスピード/ケイデンス一体センサーと心拍センサーも使用。こちらはタイラップを用いてバイクのチェーンステーに固定した。
スマートフォンや各種センサーとSTRADA SMARTとの連携には、スマートフォン用アプリ「Cateye Cycling」を用いる。このアプリはシンプルで直感的に操作できるため、ガジェットに苦手意識があるかたでも難なくセンサーと本体のペアリングを行うことができるだろう。万が一分からない場合にも、キャットアイのHP上には細かな手順が記載されたオンラインマニュアルが用意されているため、そちらを参照されたい。また、Cateye cyclingは本体表示のカスタマイズやログ表示といった機能も兼ね備えている。
セッティングを終えて実際に走り出してみる。本体の使用感についての第一印象は、ディスプレイの視認性が高いこと。コンパクトボディから受けるイメージよりも文字やアイコンが大きく表示されているため、走行データが見やすいのである。もちろん、これは視力1.0程度である筆者の主観的な印象であるがSTRADA SMARTで文字が見にくいという方は、ほぼ同機能で大型ディスプレイを備える「PADRONE SMART」がオススメ。もちろん、各表示データの変化はリニアでスムーズだ。
GPSの精度についてはスマートフォンの機種や通信環境に依存してしまうが、今回はauキャリアのiPhone5Sと組み合わせ、データの記録間隔を1秒とすることで比較的正確なデータを残すことができた。なお、データの記録間隔はCateye Cycling上で1秒、2秒、5秒から選択可能。実際に記録間隔を1秒と5秒で設定した場合で比較すると、1秒よりも5秒の方がデジタルでやや直線的になるものの、ほぼほぼ実用上問題ないという結果を得られた。
そして、最も気になるバッテリーの消耗度合いについて。今回使用したiPhone5Sは使用開始から1年4ヶ月が経過しており、インプレッションの際にはCateye cycling以外のバックグラウンドアプリは全てOFF状態とし、記録間隔は1秒に。この条件で、電波状況の良い郊外(常に感度は4/5)を走り、フル充電状態からバッテリー残量の低下により自動的に接続が遮断されるまでに要した時間は3時間半だった。また、記録間隔が短くなるほどにバッテリー消費は早くなる傾向にある。
ライド中にカメラアプリやウエブブラウザー、SNS系アプリを多用するという方はモバイルバッテリーをポケットの中に入れておりたり、設定を見直すとよいだろう。ちなみに、使用環境によるものの本体のバッテリー寿命は約5ヶ月。使用する度に充電しなくてはならないGPS内蔵サイクルコンピューターに対して、本体のバッテリーを余り気にせず済むのもSTRADA SMARTの大きなメリットといえるだろう。万が一バッテリー切れをおこしても入手性が高いCR2032コイン電池を使用しているため、直ぐに復帰させることができる。
[img_assist|nid=170268|title=GPS取得間隔1秒の場合は細かな動きまで完全にトレースしている|desc=|link=node|align=right|width=360|height=]また、スマートフォンと連携するメリットの1つである「受信通知機能」がある。バイブレーションや着信音をONにしていてもライド中に着信に気付かないということは多々あり、逆に携帯が震えたと思って確認すると実際には何も受信していなかったという経験がある方は少なく無いはず。そんなライド中のストレスを低減してくれる機能だ。
これについては非常に便利だと感じた。電話については、ディスプレイのアイコン表示と共に本体のLEDの点滅で、ほぼリニアに着信を知らせてくれるため、比較的気づきやすい。万が一電話に出ることができなくても直ぐに折り返すことができる。なお、メールの受信状況は任意で選択した間隔ごとに更新され、ディスプレイに表示される。更新間隔はCateye cyclingで5分、10分、15分から選択できる。
ライド後に行うCateye AtlasやSTRAVAへのデータのアップロードについては、Cateye Cyclingでデータ記録を完了させる一連の流れで行うことができる。本体をパソコンにつなぐ手間が無く、またサイクルコンピューター本体の充電を行う必要のないことも使い勝手に優れるポイントだ。
総じて、STRADA SMARTをオススメしたいのは、サイクルコンピューターを初めて選ぶビギナーや、今までスマホをサイコン代わりにしていたライダーだ。やはり本体価格が8,800円(税抜)でGPSログを記録できるというのは画期的。加えて既に多機能なサイクルコンピューターを使っているという方にも一度試して頂きたい。
キャットアイ STRADA SMART(CC-RD500B)
サイズ:3.2×4.7cm(実測値)
重量:17g
電源:CR2032
電池寿命:約5ヶ月
通信規格:Bluetooth
対応センサー:キャットアイ ISC-12、HR-12、Bluetooth4.0 CSCP/HRP/CPPに準拠した各種センサー
モード:ミラーモード、センサーダイレクトモード
表示:速度、積算距離、走行距離、走行時間、平均速度、最高速度、時計、ペースアロー
付属品:Flex Tightブラケット
価格:8,800円(税抜、本体のみ)、15,000円(税抜、スピードセンサーキット)、23,000円(税抜、スピード+ハートレイトセンサーキット)
かつては競技者やコアなツーリストのみが使用していたGPS対応サイクルコンピューターも、昨今は様々な層のサイクリストに広く普及してきた。ここ最近は価格がこなれてきたものの比較的高価なものが多く、「多機能過ぎて使いこなせない」「大きすぎて自転車の見た目にそぐわない」と思っている方は少なくないだろう。
また安価にGPSログを記録する方法としてスマートフォンのサイクルコンピューターアプリを使用する方法もある。しかし、そもそも駆動時間が短く、バイクへの取り付けに苦労したり、バイクから不意に外れて壊してしまう危険性があるなど、本格的なスポーツライドでの使用にはそぐわないという実情がある。
そういった声に応えるべく登場したのが、今回インプレッションするキャットアイの新型サイクルコンピューター「STRADA SMART」。今や誰しもが持つスマートフォンと連携し、それをGPSセンサー代わりにするというアイデア商品だ。この画期的な方法により3.2×4.7cmとSTRADAシリーズの特徴であるコンパクトさを維持しつつ、他のGPS対応サイクルコンピューターと比較して非常に手に取りやすい価格を実現した。
スマートフォンのみとの連携で計測できるのは速度、距離、高度など。加えて、Bluetooth対応のスピード、ケイデンス、パワーの各センサーとも連携可能で、本格的なトレーニングにも対応してくれる。計測したデータはキャットアイが展開する「Cateye Atlas」ほか、プロも使用するライドソーシャルウェブ「STRAVA」にアップロードすることができ、トレーニングログを管理したり、仲間とライドの記録を共有することが可能だ。
さて、ここからは実際の使用感について述べよう。先ず、バイクへの取り付けだが、工具を必要としないマウントシステム「FlexTightブラケット」を採用しているため非常に容易で、メンテナンスが不得意という方でも綺麗に取り付けることができるだろう。また、ハンドルとステムのどちらにも取り付け可能で、ステム前方に取り付けを可能とする別売のアウトフロントブラケットにも対応するため、ライトやベルとの干渉を防ぐことができる。
なお、今回のインプレッションではキャットアイ純正のスピード/ケイデンス一体センサーと心拍センサーも使用。こちらはタイラップを用いてバイクのチェーンステーに固定した。
スマートフォンや各種センサーとSTRADA SMARTとの連携には、スマートフォン用アプリ「Cateye Cycling」を用いる。このアプリはシンプルで直感的に操作できるため、ガジェットに苦手意識があるかたでも難なくセンサーと本体のペアリングを行うことができるだろう。万が一分からない場合にも、キャットアイのHP上には細かな手順が記載されたオンラインマニュアルが用意されているため、そちらを参照されたい。また、Cateye cyclingは本体表示のカスタマイズやログ表示といった機能も兼ね備えている。
セッティングを終えて実際に走り出してみる。本体の使用感についての第一印象は、ディスプレイの視認性が高いこと。コンパクトボディから受けるイメージよりも文字やアイコンが大きく表示されているため、走行データが見やすいのである。もちろん、これは視力1.0程度である筆者の主観的な印象であるがSTRADA SMARTで文字が見にくいという方は、ほぼ同機能で大型ディスプレイを備える「PADRONE SMART」がオススメ。もちろん、各表示データの変化はリニアでスムーズだ。
GPSの精度についてはスマートフォンの機種や通信環境に依存してしまうが、今回はauキャリアのiPhone5Sと組み合わせ、データの記録間隔を1秒とすることで比較的正確なデータを残すことができた。なお、データの記録間隔はCateye Cycling上で1秒、2秒、5秒から選択可能。実際に記録間隔を1秒と5秒で設定した場合で比較すると、1秒よりも5秒の方がデジタルでやや直線的になるものの、ほぼほぼ実用上問題ないという結果を得られた。
そして、最も気になるバッテリーの消耗度合いについて。今回使用したiPhone5Sは使用開始から1年4ヶ月が経過しており、インプレッションの際にはCateye cycling以外のバックグラウンドアプリは全てOFF状態とし、記録間隔は1秒に。この条件で、電波状況の良い郊外(常に感度は4/5)を走り、フル充電状態からバッテリー残量の低下により自動的に接続が遮断されるまでに要した時間は3時間半だった。また、記録間隔が短くなるほどにバッテリー消費は早くなる傾向にある。
ライド中にカメラアプリやウエブブラウザー、SNS系アプリを多用するという方はモバイルバッテリーをポケットの中に入れておりたり、設定を見直すとよいだろう。ちなみに、使用環境によるものの本体のバッテリー寿命は約5ヶ月。使用する度に充電しなくてはならないGPS内蔵サイクルコンピューターに対して、本体のバッテリーを余り気にせず済むのもSTRADA SMARTの大きなメリットといえるだろう。万が一バッテリー切れをおこしても入手性が高いCR2032コイン電池を使用しているため、直ぐに復帰させることができる。
[img_assist|nid=170268|title=GPS取得間隔1秒の場合は細かな動きまで完全にトレースしている|desc=|link=node|align=right|width=360|height=]また、スマートフォンと連携するメリットの1つである「受信通知機能」がある。バイブレーションや着信音をONにしていてもライド中に着信に気付かないということは多々あり、逆に携帯が震えたと思って確認すると実際には何も受信していなかったという経験がある方は少なく無いはず。そんなライド中のストレスを低減してくれる機能だ。
これについては非常に便利だと感じた。電話については、ディスプレイのアイコン表示と共に本体のLEDの点滅で、ほぼリニアに着信を知らせてくれるため、比較的気づきやすい。万が一電話に出ることができなくても直ぐに折り返すことができる。なお、メールの受信状況は任意で選択した間隔ごとに更新され、ディスプレイに表示される。更新間隔はCateye cyclingで5分、10分、15分から選択できる。
ライド後に行うCateye AtlasやSTRAVAへのデータのアップロードについては、Cateye Cyclingでデータ記録を完了させる一連の流れで行うことができる。本体をパソコンにつなぐ手間が無く、またサイクルコンピューター本体の充電を行う必要のないことも使い勝手に優れるポイントだ。
総じて、STRADA SMARTをオススメしたいのは、サイクルコンピューターを初めて選ぶビギナーや、今までスマホをサイコン代わりにしていたライダーだ。やはり本体価格が8,800円(税抜)でGPSログを記録できるというのは画期的。加えて既に多機能なサイクルコンピューターを使っているという方にも一度試して頂きたい。
キャットアイ STRADA SMART(CC-RD500B)
サイズ:3.2×4.7cm(実測値)
重量:17g
電源:CR2032
電池寿命:約5ヶ月
通信規格:Bluetooth
対応センサー:キャットアイ ISC-12、HR-12、Bluetooth4.0 CSCP/HRP/CPPに準拠した各種センサー
モード:ミラーモード、センサーダイレクトモード
表示:速度、積算距離、走行距離、走行時間、平均速度、最高速度、時計、ペースアロー
付属品:Flex Tightブラケット
価格:8,800円(税抜、本体のみ)、15,000円(税抜、スピードセンサーキット)、23,000円(税抜、スピード+ハートレイトセンサーキット)
リンク
Amazon.co.jp