2015/03/28(土) - 09:07
イギリス、ロンドンのバイクシーンを牽引するストリート系バイクブランド、チャージバイクス。その2016年モデルの発表会が、世界に先駆けて日本で行われた。本国の開発担当者、アッシュ・クラーク氏が来日した発表会の様子と、2016年のラインアップを簡単に紹介しよう。
チャージバイクスとは、あまり馴染みの無い名前かもしれない。名前は聞いたことがあっても、どういったブランドかということまでは、すぐに思い浮かばない方のほうが多いのではないだろうか。かくいう私もその一人で、発表会の冒頭は、アッシュ氏によるブランドヒストリーとテーマについてのレクチャーから始まった。
2004年に創業したチャージバイクスは、当初2人で立ち上げられたブランドだった。2006年に最初のプロダクトを送り出したブリティッシュブランドは、2015年現在、8名の社員が動かすまでに成長した。
決して、ハイエンドのレース機材を作っているブランドではない。むしろ、そういったある種お高くとまった自転車ではない、生活に根差した自転車を人々に届けたいという思いを持って始められたブランドだ。
レース用の自転車ならば、軽く硬い自転車、空力の優れた自転車、大レースで勝った自転車といったように、ユーザーのニーズはわかりやすい形で現れる。しかし一方で、生活の中で使われる自転車、使いたい自転車というのは、それこそ好きな音楽やファッションが人それぞれ異なるように、無限のカタチがある。
現に、数年前のフィクスドバイクブームでは、コンプリートバイクではなくフレームからハンドルまでカスタマイズされたバイクにそれぞれのユーザーが乗っていた。ただ、それはバイクに対する知識が無い初心者にとっては、何を買えばいいのか、どう始めればいいのかわからないということでもある。
チャージバイクスが目指したのは、そういった広がりを見せるライフスタイルに密着した自転車をコンプリートバイクの形で届けたいということ。結果として、軽さや剛性といった要素よりも、毎日乗っても飽きが来ないデザインや、普段使いでの扱いやすさといったポイントを大切に考えているユーザーに向けたバイクを作り続けてきた。
特にデザインに対するこだわりはチャージバイクスの最も特徴的な部分でもある。各カテゴリーごとに6グレード用意されるバイクは、各グレードごとに決められたカラーで染め上げられる。フレームと同色に塗装されるステムは、湿度や気温によって風合いが変わっしまうことを防ぐために、フレームと同じ日に同じ場所で塗装されるというのだ。
オリジナルステムを塗装する場合でも、普通はステムはステムの工場で塗装し、フレームはフレーム工場で塗装するというのが通常のバイクの工程である。ここまでデザインへのこだわりを持っているブランドはなかなかないだろう。
チャージバイクスのラインアップは、細分化されつつある自転車のカテゴリーをもう一度初心者にもわかりやすいように大きく3つへと分けられる。それがオンロードの「プラグ」、タウンユースの「グレーター」、オフロードバイクの「クッカー」だ。それぞれチャージバイクスのフィロソフィーが感じられるこだわりのラインアップを簡単に紹介しよう。
まずは、オンロード向けのプラグ。しかし、いわゆるロードレーサーとは全く異なる趣を持った自転車だ。最も大きな特徴は42cのタイヤを標準で装備しているという点。一般的な23cでは考えられないような安定感と快適性を手に入れることで、日常生活の中で本当に使いやすい自転車として完成している。
昨年まではスチールフレームであったが、2016年モデルからはほぼ全てのグレードがアルミフレームを採用することになったことが大きな変更点。また、全グレードにフェンダーやキャリアが取り付けられるようなダボ穴も装備されており、コミューターやツーリングバイクとしても使いやすいモデルだ。
ブルホーンバーとキャリパーブレーキが装備されるプラグ0以外はすべてディスクブレーキを採用しており、安定した制動力と耐候性を持っていることも大きなポイントだ。
チタンフレームを使用したフロントシングル仕様となるトップモデルのプラグ5は、以前来日したサポートライダーのジュリエット氏が富士山に登った際、リアがワイドレシオ(11-42t)のフロントシングルが一番ぴったりくるというアドバイスをもとに生まれたとのことで、日本人としては少し親近感を感じる一台。
タウンユース向けのグレーターは防錆加工されたチェーンや、アンチパンクタイヤといった頑丈なパーツを採用した、堅牢性が特徴のモデル。6グレードすべてストレートハンドルを採用することで、取り回しもよくまさに街乗りにもってこいのバイクとなっている。
ほぼすべてのモデルでフェンダーを装備するほか、バイクを立てかける時に壁を傷つけづらい柔らかい素材のオリジナルバーエンドプラグを使用しているなど細やかな心配りの行き届いたモデルだ。ミキストモデルや内装変速モデルなども用意され、老若男女問わずに自転車を楽しめるようなシリーズ展開がされているのも特徴だ。
そして、オフロードモデルのクッカー。昨年まで29erだったが、新モデルではすべて27.5plusという新規格を採用していることが最も大きな変更点。
27.5plusとは、27.5インチのリムに2.8インチというかなり太めのタイヤを履くことで、29インチホイールに迫る外径を持つという規格。その採用に伴い、チェーンステーが15㎜短縮されるなど、ジオメトリーも刷新され、完全な新モデルとして完成した。
「オフロードはもちろん、街中でも活躍するだろうバイクとして完成した」とアッシュ氏は語る。「ロンドンの街中でオーバースペックのランドローバーを乗り回すことが好きな人たちがいるように、街中にアウトドアの香りをするものを持ち込むことが好きな人たちにとっては、たまらないバイクのはずだ」と語ってくれた。
フルクロモリのリジッドバイクであるクッカー0から、ロックショックスREBAにスラムXX1をアセンブルしたチタンバイクのクッカー6まで、用途と予算に合わせて好きなモデルを選ぶことができる。
また、昨年日本でもかなりの人気が出たというファットバイク、クッカー・マキシシリーズも引き続きラインアップされていくとのこと。
レースバイクブランドとはまた異なった視点で理想のバイク製作に取り組んでいるチャージバイクス。今回の来日では、「日本のサイクリストがどういったバイクに乗っていて、そして求めているのかをリサーチするつもりだ」と、アッシュ氏は語ってくれた。
もしかしたら、日本のライダーに向けたユーザビリティにあふれるバイクがデビューする日が来るかもしれない。彼らが考える日本向けのバイクとはどんなものか、想像するだけでワクワクさせてくれるだけのクリエイティヴィティに溢れるチャージバイクス。目が離せないブランドとなりそうだ。
text&photo:Naoki,YASUOKA
チャージバイクスとは、あまり馴染みの無い名前かもしれない。名前は聞いたことがあっても、どういったブランドかということまでは、すぐに思い浮かばない方のほうが多いのではないだろうか。かくいう私もその一人で、発表会の冒頭は、アッシュ氏によるブランドヒストリーとテーマについてのレクチャーから始まった。
2004年に創業したチャージバイクスは、当初2人で立ち上げられたブランドだった。2006年に最初のプロダクトを送り出したブリティッシュブランドは、2015年現在、8名の社員が動かすまでに成長した。
決して、ハイエンドのレース機材を作っているブランドではない。むしろ、そういったある種お高くとまった自転車ではない、生活に根差した自転車を人々に届けたいという思いを持って始められたブランドだ。
レース用の自転車ならば、軽く硬い自転車、空力の優れた自転車、大レースで勝った自転車といったように、ユーザーのニーズはわかりやすい形で現れる。しかし一方で、生活の中で使われる自転車、使いたい自転車というのは、それこそ好きな音楽やファッションが人それぞれ異なるように、無限のカタチがある。
現に、数年前のフィクスドバイクブームでは、コンプリートバイクではなくフレームからハンドルまでカスタマイズされたバイクにそれぞれのユーザーが乗っていた。ただ、それはバイクに対する知識が無い初心者にとっては、何を買えばいいのか、どう始めればいいのかわからないということでもある。
チャージバイクスが目指したのは、そういった広がりを見せるライフスタイルに密着した自転車をコンプリートバイクの形で届けたいということ。結果として、軽さや剛性といった要素よりも、毎日乗っても飽きが来ないデザインや、普段使いでの扱いやすさといったポイントを大切に考えているユーザーに向けたバイクを作り続けてきた。
特にデザインに対するこだわりはチャージバイクスの最も特徴的な部分でもある。各カテゴリーごとに6グレード用意されるバイクは、各グレードごとに決められたカラーで染め上げられる。フレームと同色に塗装されるステムは、湿度や気温によって風合いが変わっしまうことを防ぐために、フレームと同じ日に同じ場所で塗装されるというのだ。
オリジナルステムを塗装する場合でも、普通はステムはステムの工場で塗装し、フレームはフレーム工場で塗装するというのが通常のバイクの工程である。ここまでデザインへのこだわりを持っているブランドはなかなかないだろう。
チャージバイクスのラインアップは、細分化されつつある自転車のカテゴリーをもう一度初心者にもわかりやすいように大きく3つへと分けられる。それがオンロードの「プラグ」、タウンユースの「グレーター」、オフロードバイクの「クッカー」だ。それぞれチャージバイクスのフィロソフィーが感じられるこだわりのラインアップを簡単に紹介しよう。
まずは、オンロード向けのプラグ。しかし、いわゆるロードレーサーとは全く異なる趣を持った自転車だ。最も大きな特徴は42cのタイヤを標準で装備しているという点。一般的な23cでは考えられないような安定感と快適性を手に入れることで、日常生活の中で本当に使いやすい自転車として完成している。
昨年まではスチールフレームであったが、2016年モデルからはほぼ全てのグレードがアルミフレームを採用することになったことが大きな変更点。また、全グレードにフェンダーやキャリアが取り付けられるようなダボ穴も装備されており、コミューターやツーリングバイクとしても使いやすいモデルだ。
ブルホーンバーとキャリパーブレーキが装備されるプラグ0以外はすべてディスクブレーキを採用しており、安定した制動力と耐候性を持っていることも大きなポイントだ。
チタンフレームを使用したフロントシングル仕様となるトップモデルのプラグ5は、以前来日したサポートライダーのジュリエット氏が富士山に登った際、リアがワイドレシオ(11-42t)のフロントシングルが一番ぴったりくるというアドバイスをもとに生まれたとのことで、日本人としては少し親近感を感じる一台。
タウンユース向けのグレーターは防錆加工されたチェーンや、アンチパンクタイヤといった頑丈なパーツを採用した、堅牢性が特徴のモデル。6グレードすべてストレートハンドルを採用することで、取り回しもよくまさに街乗りにもってこいのバイクとなっている。
ほぼすべてのモデルでフェンダーを装備するほか、バイクを立てかける時に壁を傷つけづらい柔らかい素材のオリジナルバーエンドプラグを使用しているなど細やかな心配りの行き届いたモデルだ。ミキストモデルや内装変速モデルなども用意され、老若男女問わずに自転車を楽しめるようなシリーズ展開がされているのも特徴だ。
そして、オフロードモデルのクッカー。昨年まで29erだったが、新モデルではすべて27.5plusという新規格を採用していることが最も大きな変更点。
27.5plusとは、27.5インチのリムに2.8インチというかなり太めのタイヤを履くことで、29インチホイールに迫る外径を持つという規格。その採用に伴い、チェーンステーが15㎜短縮されるなど、ジオメトリーも刷新され、完全な新モデルとして完成した。
「オフロードはもちろん、街中でも活躍するだろうバイクとして完成した」とアッシュ氏は語る。「ロンドンの街中でオーバースペックのランドローバーを乗り回すことが好きな人たちがいるように、街中にアウトドアの香りをするものを持ち込むことが好きな人たちにとっては、たまらないバイクのはずだ」と語ってくれた。
フルクロモリのリジッドバイクであるクッカー0から、ロックショックスREBAにスラムXX1をアセンブルしたチタンバイクのクッカー6まで、用途と予算に合わせて好きなモデルを選ぶことができる。
また、昨年日本でもかなりの人気が出たというファットバイク、クッカー・マキシシリーズも引き続きラインアップされていくとのこと。
レースバイクブランドとはまた異なった視点で理想のバイク製作に取り組んでいるチャージバイクス。今回の来日では、「日本のサイクリストがどういったバイクに乗っていて、そして求めているのかをリサーチするつもりだ」と、アッシュ氏は語ってくれた。
もしかしたら、日本のライダーに向けたユーザビリティにあふれるバイクがデビューする日が来るかもしれない。彼らが考える日本向けのバイクとはどんなものか、想像するだけでワクワクさせてくれるだけのクリエイティヴィティに溢れるチャージバイクス。目が離せないブランドとなりそうだ。
text&photo:Naoki,YASUOKA
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